【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
キミトミノコシノリノアヤ きみとみのこしのりのあや 君臣 遺し宣りの文
ヰソススノ チヱノハタトシ ゐそすすの ちゑのはたとし 五十鈴の 千枝の二十年 (本来なら51鈴0枝20穂) アメカワル コヨミマタトテ あめかわる こよみまたとて 天替る 「暦 まだ」 とて (ウガヤ崩御) モノヌシカ イセニモフテテ ものぬしか いせにもふてて モノヌシが イセに詣でて (クシミカタマ) コレオトフ これおとふ これを問ふ
フタヱコレヨリ ふたゑこれより フタヱ 「これより ウカカハテ コフトノニウク うかかはて こふとのにうく 伺はで 代殿に承く 伺わなくては。 ヨロコヒト トモニイタレル よろこひと ともにいたれる 喜び」 と 共に到れる (「到る」の連体形) オウチミヤ おうちみや 大内宮 (イサワの皇宮)
クシミカタマは、タガの皇君のヰツセが宮崎に 避難したため、"オオモノヌシ"であると同時に ヰツセの"代殿" となって天下に号令している。
カスカニアイテ かすかにあいて カスガに会いて モトオトフ ヲキナコタエテ もとおとふ をきなこたえて もとを問ふ 翁 答えて ウ (原因)
コノススハ アメツチヒラク このすすは あめつちひらく この鈴は 天地開く トコタチノ ミヤノマサカキ とこたちの みやのまさかき トコタチの 宮の真榊 アヱチヱニ サクスストナル あゑちゑに さくすすとなる "熟枝" 千枝に "幸鈴" となる ウヱツキノ ヰモニイタレハ うゑつきの ゐもにいたれは 植え継ぎの 五百に至れば ミモハカリ ヨロトシミチテ みもはかり よろとしみちて 三百ハカリ 万歳満ちて (3千万年) それにて伸展極まるゆえ ヰモツキノ アマノマサカキ ゐもつきの あまのまさかき "五百継ぎの 天の真榊"
トシノホノ トトセニハヰキ としのほの ととせにはゐき 年の穂の 十年には五寸 1年に半寸の ムソトシニ ミタノフヱトノ むそとしに みたのふゑとの 六十年に 三尺伸ぶ ヱトの ヒトメクリ アクルトシナル ひとめくり あくるとしなる 一巡り 上くる年 成る <が> 完了する年に成る ミタノアヱ みたのあゑ 三尺の熟枝
ナレハフタヱト なれはふたゑと なれば二兄弟 ヱの尊とトの尊は キアヱヨリ ヱトホトカソエ きあゑより ゑとほとかそえ キアヱより 枝と穂と数え ヒトヱムソ トヱハムモトセ ひとゑむそ とゑはむもとせ 一枝六十 十枝は六百年 モヱハムチ チヱニムヨロオ もゑはむち ちゑにむよろお 百枝は六千 千枝に六万を アマモリノ ヒトメクリツツ あまもりの ひとめくりつつ 陽陰守の 一巡りづつ (ヱト守) 一巡を繰り返して コヨミナル こよみなる 暦成る
カレチヱノトシ かれちゑのとし 故 千枝の年 千枝となる年に タネウヱテ アクレハハユル たねうゑて あくれははゆる 種植えて 明くれば生ゆる マサカキオ ハコクニミヤニ まさかきお はこくにみやに 真榊を ハコクニ宮に トコタチノ ウヱテクニナモ とこたちの うゑてくになも トコタチの 植えて国名も (キノトコタチ) ヒタカミノ タカミムスヒノ ひたかみの たかみむすひの ヒタカミの タカミムスビの ウヱツキノ フソヒノススノ うゑつきの ふそひのすすの 植え継ぎの 二十一の鈴の モモヱノチ ももゑのち 百枝後
ヰヨタマキネノ ゐよたまきねの 五代タマキネの (五代タカミムスビ) イサコヒメ ナナヨノカミノ いさこひめ ななよのかみの イサコ姫 七代の尊の タカヒトト タカヒノツサノ たかひとと たかひのつさの タカヒトと タカヒの西南の (ヒタカミ) ツクハヤマ イサカワハナル つくはやま いさかわはなる ツクバ山 イサ川端なる ミヤニヰテ ウナツキアミテ みやにゐて うなつきあみて 宮に居て 頷き編みて (イサ宮) キミアヒテ ナモイサナキト きみあひて なもいさなきと キ・ミ合ひて 名もイサナキと (木・実) イサナミノ いさなみの イサナミの
アメフタカミノ あめふたかみの 陽陰二尊の ミコナキオ カレタマキネノ みこなきお かれたまきねの 御子なきを 故 タマキネの カツラキノ ヤマニイノレハ かつらきの やまにいのれは 桂来の 山に祈れば アメミヲヤ ヒノワノミタマ あめみをや ひのわのみたま アメミヲヤ 日輪の神霊 ワケクタシ アマテルカミオ わけくたし あまてるかみお 分け下し アマテル神を ウミタマフ うみたまふ 生み給ふ
トキフソヒスス ときふそひすす 時 二十一鈴 モフソヰヱ ミソヒキシヱノ もふそゐゑ みそひきしゑの 百二十五枝 三十一 キシヱの ハツヒノテ ワカヒトトモニ はつひのて わかひとともに 初日の出 若日と共に アレマセハ イミナワカヒト あれませは いみなわかひと 生れませば 斎名ワカヒト ウフミヤハ ハラミサカオリ うふみやは はらみさかおり 産宮は ハラミサカオリ
ヲノヱナオ ネニオサムレハ をのゑなお ねにおさむれは 緒の胞衣を 北に納むれば (=へその緒)
ヨクマモリ ワサハヒアルモ よくまもり わさはひあるも よく守り 災ひあるも シナカヱテ フセキハラエハ しなかゑて ふせきはらえは 品 替えて 防ぎ祓えば ヤワラキテ タマノヲナカク やわらきて たまのをなかく 和らぎて 霊の緒 長く 調和して タマノヲを長く保つ
コレニヨリ オオヤマスミカ これにより おおやますみか これにより オオヤマスミが (サクラウチ) メクリミテ ヨメチユクネノ めくりみて よめちゆくねの 巡り回て ヨメ路行く北の ヲニオサム ヱナカタケナル をにおさむ ゑなかたけなる 尾に納む "胞衣が岳" 成る (=穂) (恵那岳) シナノクニ しなのくに シナの国
イタルワカヒト いたるわかひと 至るワカヒト 人と成るワカヒト ヒタカミノ アメノミヤニテ ひたかみの あめのみやにて ヒタカミの 陽陰の宮にて ミチマナフ ミソホニシロシ みちまなふ みそほにしろし 道学ぶ 三十穂に知ろし ミヤツクリ オオヒヤマトニ みやつくり おおひやまとに 宮造り 太陽山下に (ヤスクニ宮) ハラミ山麓に マツリトル アメフタカミノ まつりとる あめふたかみの 纏り 執る 上二尊の (万の纏り) ユツリウケ アマヒノミコト ゆつりうけ あまひのみこと 譲り受け 和日の尊
ミウチニハ ソフノツホネニ みうちには そふのつほねに 御内には 十二の局に オクキサキ ヨタリノスケニ おくきさき よたりのすけに 置く后 四人の典侍に ヨウチメト ヨオシモソヱテ ようちめと よおしもそゑて 四内侍と 四乙下添えて ツキノミヤ セオリツヒメオ つきのみや せおりつひめお 月の宮 セオリツ姫を ミキサキト アメニオサメテ みきさきと あめにおさめて 御后と 陽陰に収めて 陽陰を一つに収めて オオヤマト ヒタカミヤスノ おおやまと ひたかみやすの オオヤマト ヒタカミ・ヤスの (太山下=ホツマ国) (アワ国) マツリコト キコセハタミモ まつりこと きこせはたみも 政事 聞こせば民も オタヤカニ フソヰヨロトシ おたやかに ふそゐよろとし 穏やかに 二十五万年
アメヒツキ ミコノオシヒト あめひつき みこのおしひと 和日月 御子のオシヒト ユツリウケ モトノタカヒニ ゆつりうけ もとのたかひに 譲り受け もとのタカヒに シロシメス ニシハヤスカワ しろしめす にしはやすかわ 領ろしめす 西はヤスカワ オモイカネ ヲシカトワケテ おもいかね をしかとわけて オモイカネ 御使人分けて トツクニハ ツキヨミヲサム とつくには つきよみをさむ トツ国は ツキヨミ治む (四国) シラヤマハ ネニツキスミハ しらやまは ねにつきすみは シラヤマは 根に ツキスミは (ヤソキネ) (根国) (筑紫) スミヨロシ すみよろし スミヨロシ (カナサキ)
アマテルカミハ あまてるかみは アマテル神は コヱクニノ イサワヲウチノ こゑくにの いさわをうちの 還国の イサワ大内の ミヤニイテ ヤツヲンミミニ みやにいて やつをんみみに 宮に居て 八つ御耳に キコシメシ タミノヲシヱハ きこしめし たみのをしゑは 聞こし召し 民の教えは イセノミチ いせのみち 妹背の道 陽陰和合の道
ソノカンカセノ そのかんかせの その神和せの その陽陰和合の イセノクニ トホリタツトム いせのくに とほりたつとむ 妹背の国 通り 立っ富む ヤマトの国を 巡り 高めて栄す カンカセオ ウラヤミネシケ かんかせお うらやみねしけ 神風を うらやみねじけ 妹背の神の加勢を 羨み拗けて成る ハケモノカ ミツカラホメテ はけものか みつからほめて 化けものが 自ら褒めて ハタレキミ ナハカリコチオ はたれきみ なはかりこちお ハタレ君 七十万九千を ムレアツメ クニオミタレハ むれあつめ くにおみたれは 群れ集め 国を乱れば
スミヨロシ カトリカシマヤ すみよろし かとりかしまや スミヨロシ カトリ・カシマや イフキヌシ カタタチカラヲ いふきぬし かたたちからを イフキヌシ カダ・タチカラヲ クスヒカミ ミナウツワヱテ くすひかみ みなうつわゑて クスヒ尊 皆 器得て コレオウツ トキニムハタレ これおうつ ときにむはたれ これを打つ 時に六ハタレ ミナクタル コレスヘカミノ みなくたる これすへかみの 皆 降る これ皇尊の (器) ミコトノリ みことのり 御言宣 まじない →8文
ミコオシヒトモ みこおしひとも 御子オシヒトも ミソヨロハ ヲサメテミコノ みそよろは をさめてみこの 三十万端 治めて御子の (30万+α) ホノアカリ トクサタカラニ ほのあかり とくさたからに ホノアカリ 十種宝に カケメクリ ソラミツヤマト かけめくり そらみつやまと 駆け恵り "空みつヤマト" アスカミヤ あすかみや アスカ宮
オトキヨヒトハ おときよひとは 弟キヨヒトは ニハリミヤ アラタヒラキテ にはりみや あらたひらきて ニハリ宮 新治開きて タミヲサム ソヤヨロトシニ たみをさむ そやよろとしに 民治む 十八万年に コトオエテ ミツキハワカル ことおえて みつきはわかる 殊を得て 水際分かる ニハリフリ にはりふり ニハリ振り
アメヨリミツノ あめよりみつの 陽陰より三つの (アマテル) カンタカラ キミトミワケテ かんたから きみとみわけて 神宝 君・臣 分けて タマワレハ ココロヒトツニ たまわれは こころひとつに 賜われば 心一つに →24文 クニノナモ シワカミホツマ くにのなも しわかみほつま 国の名も "地上ホツマ" アラハルル あらはるる 現るる
ミソヨロフレハ みそよろふれは 三十万経れば アメノナモ ワケイカツチノ あめのなも わけいかつちの 陽陰の名も "ワケイカツチの アマテルの授く名も アマキミト ムソヨロヲサム あまきみと むそよろをさむ 天君" と 六十万治む ヲヲンメクミソ ををんめくみそ 大御恵みぞ
サキニミコ ミタリウムトキ さきにみこ みたりうむとき 先に御子 三人生む時 シナノヨリ ヨシナアカタノ しなのより よしなあかたの シナ野より 四シナ県の (信濃) ヌシキタリ アマテルカミノ ぬしきたり あまてるかみの 主 来たり アマテル神の (スワ守) →24文 タメシアリ ヱナコフトキニ ためしあり ゑなこふときに 例あり 胞衣乞ふ時に ミコトノリ みことのり 御言宣 (ニニキネ)
ハニシナヌシハ はにしなぬしは 「ハニシナ主は (埴科) ヱナカタケ ハヱシナオヨヒ ゑなかたけ はゑしなおよひ "胞衣が岳" ハヱシナおよび (波閇科) サラシナト ツマシナヌシラ さらしなと つましなぬしら サラシナと ツマシナ主ら (更科) (妻科) コノミヱナ ソノヲニオサメ このみゑな そのをにおさめ この三胞衣 その尾に納め (=穂) マモルヘシ まもるへし 守るべし」
ソノオトミコノ そのおとみこの その乙御子の ウツキネハ ツクシニイタリ うつきねは つくしにいたり ウツキネは ツクシに到り (ホオテミ) タオコヤシ ヲヤニツカフル たおこやし をやにつかふる 田を肥やし 親に継がふる (ニニキネ) タミオメテ ソヤヨロヲサメ たみおめて そやよろをさめ 民を愛で 十八万治め モトクニノ ヒツキオウケテ もとくにの ひつきおうけて 本国の 日月を受けて アマカミノ ヲヤニツカフル あまかみの をやにつかふる 陽陰神の "祖に継がふる アマテルの授く (御祖に継がふ天君) キミノナモ ムソヨロヲサメ きみのなも むそよろをさめ 君" の名も 六十万治め ケヰノカミ けゐのかみ "契の神"
ミコカモヒトハ みこかもひとは 御子カモヒトは (ウガヤ) ヒツキウケ ミツホオウツス ひつきうけ みつほおうつす 日月受け ミヅホを移す タカノミヤ ヲサムルタミオ たかのみや をさむるたみお タガの宮 治むる民を コノコトシ アメニコトフル このことし あめにことふる 子の如し 陽陰に応ふる 日月に相応する カミノナモ ミヲヤアマキミ かみのなも みをやあまきみ 神の名も "御祖天君" 神の授く名も ワカミヤノ トキニヨソヨロ わかみやの ときによそよろ 若宮の 時に四十万 ヨノマツリ マタミソヰヨロ よのまつり またみそゐよろ 弥の纏り また三十五万 <を執りて後> ユタカナリ ゆたかなり 豊かなり
トキニイサワノ ときにいさわの 時にイサワの アマツカミ ソフノキサキモ あまつかみ そふのきさきも 陽陰つ神 十二の后も (アマテル) 内宮を除く十二后も カミトナル セオリツヒメト かみとなる せおりつひめと 神となる セオリツ姫と ヲヲンカミ ミヤウツサント ををんかみ みやうつさんと 大御神 「宮 移さん」 と <イサワから> ミモカワニ アノホルチヱテ みもかわに あのほるちゑて ミモ郷に 天上る方 得て サコクシロ ウチノミヤヰニ さこくしろ うちのみやゐに サコクシロ 内の宮居に (宇治) フヨホヘル ふよほへる 二万年経る
トキニヰソスス ときにゐそすす 時に五十鈴 ミヤニハヱ ツラツラオホス みやにはゑ つらつらおほす 宮に生え つらつら思す ウヱスシテ ハヱルモアメヨ うゑすして はゑるもあめよ 「植えずして 生えるも陽陰よ 『花も実も陽陰の随なり』ホ15 ワカイノチ アメカシラスト わかいのち あめかしらすと 我が命 陽陰が知らす」 と ヤモカミオ メシテワレヨオ やもかみお めしてわれよお 八百守を 召して 「我 世を イナマント サルタニアナオ いなまんと さるたにあなお 辞まんと サルタに穴を ホラシムル マナヰニチキル ほらしむる まなゐにちきる 掘らしむる マナヰに契る 纏る アサヒミヤ オナシトコロト あさひみや おなしところと 朝日宮 同じ所」 と ノタマエハ のたまえは 宣給えば
モロオトロキテ もろおとろきて 諸 驚きて トトムレハ イヤトヨワレハ ととむれは いやとよわれは 留むれば 「否とよ我は タミノタメ ニカキオハミテ たみのため にかきおはみて 民のため 苦きを食みて (ハホ菜) モナソミヨ フチヰモトシオ もなそみよ ふちゐもとしお 百七十三万 二千五百年を ナカラエテ アメノタノシミ なからえて あめのたのしみ 永らえて 天の楽しみ オホユレハ おほゆれは 覚ゆれば」 懐かしめば
ヨニノコスウタ よにのこすうた --- 世に遺す歌 ---
ツネニキク サヲシカヤタノ つねにきく さをしかやたの 『常に着く 差使八手の ワカカムリ ハトミモタミニ わかかむり はとみもたみに 我が冠 衣と裳 民に ヲオトトケ アワオツカネテ をおととけ あわおつかねて 緒を届け "陽陰を束ねて その端を届け
ヒツキナス モスソオクメト ひつきなす もすそおくめと 日月為す 裳裾を汲め" と キミタミノ ヲシヱノコシテ きみたみの をしゑのこして 君・民の 教え遺して アニカエル あにかえる 天に還る
トテナイタメソ とてないためそ とて な傷めそ 卑下するなよ ワカミタマ ヒトハアノモノ わかみたま ひとはあのもの 我が神霊 人は上の者 自分の本質を 人はみな霊長の者なり
ウエニアル ワレハカンムリ うえにある われはかんむり 上にある 我は冠 頂きにある 我を冠とすれば ヒトクサハ ミミチカキヲソ ひとくさは みみちかきをそ 人草は 耳近き緒ぞ 人草の神霊は 冠の緒ぞ
ムネキヨク ミハアカツケト むねきよく みはあかつけと 胸清く 身は垢付けど (心) サシカミテ アメニツクレハ さしかみて あめにつくれは 差使が見て 天に告ぐれば (元守) (天元神) サヲシカノ ヤツノキコエニ さをしかの やつのきこえに 差使の 八つの聞こえに アラハレテ イノレモカモト あらはれて いのれもかもと 洗われて いのれもがもと 清まればいいなと ミモスソノ タミオナテツツ みもすその たみおなてつつ 裳裾の 民を撫でつつ 我が末である サヲシカノ キヨキニカミハ さをしかの きよきにかみは 差使の 清きに尊は (六宗) 尊さ
アリトコタエキ ありとこたえき ありとこたえき』
カエシノトウタ かえしのとうた --- 還し宣歌 ---
ヒトツネニ カミニムカハハ ひとつねに かみにむかはは 『人 常に 神に向はば ヨノミミノ アカハアモトノ よのみみの あかはあもとの 世の身々の 垢は天元の サヲシカニ キヨメタマヒテ さをしかに きよめたまひて 差使に 清め賜ひて 清めてもらって サコクシノ フユノカカミニ さこくしの ふゆのかかみに サコクシの 振ゆの明暗見に イルトオモヱハ いるとおもゑは 入ると想えば』 <よい>
マタサルタ ムカシサツクル またさるた むかしさつくる 「またサルタ 昔 授くる サカホコキ ウツクシキスス さかほこき うつくしきすす サカホコキ 美しき鈴 ワイキタチ カカンノンテン わいきたち かかんのんてん ワイキタチ カカンノンテン トキマチテ ミチアラハセヨ ときまちて みちあらはせよ 時待ちて 道 現せよ」
マタキサキ ヒロタニユキテ またきさき ひろたにゆきて 「また后 ヒロタに行きて (セオリツ姫) ワカヒメト トモニヰココロ わかひめと ともにゐこころ ワカ姫と 共に妹心 マモルヘシ ワレハトヨケト まもるへし われはとよけと 守るべし 我はトヨケと ヲセオモル ヰセノミチナリ をせおもる ゐせのみちなり 背を守る 妹背の道なり」 →ミ10 マタコヤネ ナンチヨクシル またこやね なんちよくしる 「またコヤネ 汝 良く知る タケコカコ クシヒコウマレ たけこかこ くしひこうまれ タケコが子 クシヒコ 生まれ スクナレハ サツクミホコニ すくなれは さつくみほこに 直ぐなれば 授く御矛に (天の逆矛) カンカミテ ミモロニイリテ かんかみて みもろにいりて 鑑みて ミモロに入りて トキマツモ ミチオトロハハ ときまつも みちおとろはは 時待つも 道 衰はば (和道) マタイテテ ヲコサンタメヤ またいてて をこさんためや また出でて 興さんためや」 →トヨケ法(逆矛の法)
ナンチマタ カカミノトミハ なんちまた かかみのとみは 「汝また 鏡の臣は カロカラス カミオミヤコニ かろからす かみおみやこに 軽からず 神を都に (日・月) トトムヘシ ワレモマモラン ととむへし われもまもらん 留むべし 我も守らん コレナリト これなりと これなり」 と
ミヨノミハハコ みよのみははこ みよの御衣箱 ミヲシテト ナンチカスカヨ みをしてと なんちかすかよ 御ヲシテと 「汝カスガよ ノコシモノ タカニモチユキ のこしもの たかにもちゆき 遺し物 タガに持ち行き ササケヨト ミツカラコレオ ささけよと みつからこれお 捧げよ」 と 自らこれを サツケマス カスカハキミニ さつけます かすかはきみに 授けます カスガは君に (ウガヤ) タテマツル カミノヲシテト たてまつる かみのをしてと 奉る 神のヲシテと サヲシカノ カムリトハモハ さをしかの かむりとはもは 差使の 冠と衣裳は ココチリソ ここちりそ 菊散ぞ
ミユキノミコシ みゆきのみこし 神往きの神輿 マナヰニテ アマテルカミハ まなゐにて あまてるかみは マナヰにて アマテル神は ウチツミヤ トヨケハトミヤ うちつみや とよけはとみや 内つ宮 トヨケは外宮 (籠神社本宮) (真名井神社)
カレカスカ オクリテノチハ かれかすか おくりてのちは 故 カスガ 送りて後は
<アマテル帰天の影響を考えて> ツトメオリ ミカサヤシロノ つとめおり みかさやしろの 務め降り ミカサ社の 鏡臣を退任して ミカサ社に籠り タマカエシ クニヲサマレハ たまかえし くにをさまれは 霊還し 国 治まれば 世に迷える霊を還す カレモナシ かれもなし 枯れも無し
マツリノアヤオ まつりのあやお 纏りの文を ミツソメテ ヒトツモチユキ みつそめて ひとつもちゆき 三つ染めて 一つ持ち行き ヒヨミナス フタヱニサツケ ひよみなす ふたゑにさつけ 日夜見なす フタヱに授け ミモスソノ サコクシロウチ みもすその さこくしろうち 御裳裾の "サコクシロ内" アラタメテ アマテルカミノ あらためて あまてるかみの 改めて "アマテル神の ウチツミヤ うちつみや 内つ宮"
ヤモツカフカミ やもつかふかみ 八百つがふ守 (多くの纏い付く守) ハンヘリテ ヒモロケササケ はんへりて ひもろけささけ 侍りて ヒモロケ捧げ アニコトフ ヰセノミチウク あにことふ ゐせのみちうく 天に応ふ 妹背の道受く 神に報いる 陰陽和合の道 カントミノ ツカフカミラカ かんとみの つかふかみらか 上臣の つがふ守らが ハヘルユエ ウチハヘトコロ はへるゆえ うちはへところ 侍るゆえ "大人侍所" カスカカミ フトノトコトオ かすかかみ ふとのとことお カスガ尊 太宣言を ツカサトルカナ つかさとるかな 司るかな
ムヨロトシ ヘテコソツキル むよろとし へてこそつきる 六万年 経て 去年尽きる 50鈴1000枝19穂に枯れた (19年余分に生きた) サクススソ ムカシカスカニ さくすすそ むかしかすかに 幸鈴ぞ 昔 カスガに ミコトノリ フソムノススオ みことのり ふそむのすすお 御言宣 「二十六の鈴を <それを受けて> (26本目) ワレウヱテ ノチノフソミモ われうゑて のちのふそみも 我 植えて 後の二十三も 原文:ヰ (カスガ) ミコトノリ ウケメクリウユ みことのり うけめくりうゆ 御言宣 受け 巡り植ゆ ミヤノマエ キミオワサネハ みやのまえ きみおわさねは 宮の前 君おわさねば タケヒトはこの時ツクシに居るが 三種を受けておらず即位してない イカニセン いかにせん 如何にせん」
フタヱカイワク ふたゑかいわく フタヱが曰く カスカトノ イナムミカサモ かすかとの いなむみかさも 「カスガ殿 辞むミカサも 神祭を離れても イマヰセノ ツカフルカミノ いまゐせの つかふるかみの 今 妹背の つがふる守の ヰマスヘシ コレコトワリト ゐますへし これことわりと 埋ますべし」 これ理と 補うでしょう クニメクル モノヌシフレテ くにめくる ものぬしふれて 国巡る モノヌシ触れて (自生する真榊の捜索) (クシミカタマ) モノノヘラ カスカノカミオ もののへら かすかのかみお モノノベら カスガの尊を <に> ミチヒカス モロカミイハフ みちひかす もろかみいはふ 導かす 諸守祝ふ カトテシテ クニクニメクリ かとてして くにくにめくり 門出して 国々巡り マサカキノ フタヱミヱトヱ まさかきの ふたゑみゑとゑ まさかきの 二回三回十回 (回さ掻き/真榊) カツテナク かつてなく かつて無く
イヨニイタレハ いよにいたれは イヨに到れば コトシロカ ヤカタニイレテ ことしろか やかたにいれて コトシロが 館に入れて (ツミハ) アルシトフ ススナエアリヤ あるしとふ すすなえありや 主 問ふ 「鈴苗ありや」 (ツミハ) カツテナシ テオムナシクス かつてなし ておむなしくす 「かつて無し 手を空しくす」 モノヌシカ ヲキナウヱンヤ ものぬしか をきなうゑんや モノヌシが 「翁 植えんや」 (クシミカタマ) この際は翁が種を植えようや カスカマタ ワレハトミナリ かすかまた われはとみなり カスガまた 「我は臣なり キミウユル アマノマサカキ きみうゆる あまのまさかき 君 植ゆる 天の真榊 君の御業と定められた イカニセン ワレハノトコト いかにせん われはのとこと 如何にせん 我は宣言 ノンスノミ のんすのみ 宣んすのみ」
マタトフナンチ またとふなんち また問ふ 「汝 タオスツヤ ホロシテイワク たおすつや ほろしていわく 治を棄つや」 ほろして曰く 統治の基を破棄する気か? チハステス ウユオオソレテ ちはすてす うゆおおそれて 「治は棄てず 植ゆを畏れて」 マタモトフ イフキカミカヤ またもとふ いふきかみかや またも問ふ 「イブキ神かや」 君の御言宣を受けて植え継ぐ真榊を 御言を得ずにカスガが植え継ぐ事は アマテルもウガヤも世を離れたる今 最も正統と思われるツキヨミの子の イフキヌシに対して遠慮があるのか
トキニハハ タナコヒメアリ ときにはは たなこひめあり 時に母 タナコ姫あり (アマテルの娘でイフキヌシの妻) コタエイフ ムカシフタカミ こたえいふ むかしふたかみ 応え言ふ 「昔 二尊 ヒノカミオ キミツキハツク ひのかみお きみつきはつく 日の神を 君 月は次ぐ (アマテル) (ツキヨミ) ツクハトミ コノコトミナリ つくはとみ このことみなり 次ぐは臣 この子 臣なり 臣であるツキヨミの子もまた臣なり トミオモテ マタキミトセス とみおもて またきみとせす 臣を以て まだ君とせず」
カスガもイブキヌシも臣たる 立場は同じであり遠慮は無用
ヒノカミノ ツキヱテウユル ひのかみの つきゑてうゆる 「日の神の 嗣得て植ゆる 本来植えるべき キミハイマ ワカキタケヒト きみはいま わかきたけひと 君は今 若きタケヒト <遠方にある> オモワネハ アメノムシハミ おもわねは あめのむしはみ 思わねば 陽陰の蝕み それを考えて汝が今 →7文 種を植えておかねば
ハルルトキ ナエハヱナンヤ はるるとき なえはゑなんや 晴るる時 苗 生え無んや」 生えてないじゃないか
アルシトフ サクススハタチ あるしとふ さくすすはたち 主 問ふ 「幸鈴二十 (ツミハ) 五十鈴が幸鈴となって20年 ノヒイカン カレニウセタリ のひいかん かれにうせたり 伸び如何ん」 「故に失せたり 伸展の状況は? すでに枯れ失せた コレモアメ これもあめ これも陽陰」
トキニフタヱカ ときにふたゑか 時にフタヱが コヨミナハ イカカナサンヤ こよみなは いかかなさんや 「暦名は いかがなさんや」
トキニヒメ タラチヲカミニ ときにひめ たらちをかみに 時に姫 タラチヲ神に (タナコ) アマテルの神霊に カリイワハ ススキハヨワヒ かりいわは すすきはよわひ 交り言わば 「スズキは齢 ハタトセノ ノヒモコノキノ はたとせの のひもこのきの 二十年の 延びもこの木の (延長) アノイノチ カスカモヨワイ あのいのち かすかもよわい 上の命 カスガも齢 ナカケレハ コレナツクヘシ なかけれは これなつくへし 長ければ これ名付くべし」 長くて今や余分の人生ゆえ
トキカスカ ヤヤエミイワク ときかすか ややえみいわく 時 カスガ やや笑み曰く コヨミナオ アスストセンヤ こよみなお あすすとせんや 「暦名を "アスズ" とせんや」 (上鈴=上の命) トキニヒメ モロカミトモニ ときにひめ もろかみともに 時に姫 諸尊ともに ムヘナリト アススニキワメ むへなりと あすすにきわめ 「宜なり」 と アスズに極め フソヒホノ キナヱノハルハ ふそひほの きなゑのはるは 二十一穂の キナヱの春は アメフタヱ アススコヨミト あめふたゑ あすすこよみと アメフタヱ "アスズ暦" と ナオカエテ アツサニホリテ なおかえて あつさにほりて 名を代えて 梓に彫りて 版木を彫って タテマツル たてまつる 奉る
アススコヨミオ あすすこよみお アスズ暦を モロウケテ コノヨノワサオ もろうけて このよのわさお 諸 受けて この世の業を カンカミル コヨミコレナリ かんかみる こよみこれなり 鑑みる 暦これなり (明暗見る)
タナコヒメ イフキトミヤニ たなこひめ いふきとみやに タナコ姫 イブキト宮に ウムミコノ ヱハイヨツヒコ うむみこの ゑはいよつひこ 生む御子の 兄はイヨツヒコ トサツヒコ ウサツヒココレ とさつひこ うさつひここれ トサツヒコ ウサツヒコ これ ヲントモニ ユキテツクシノ をんともに ゆきてつくしの 御供に 行きてツクシの <ウガヤの> ウサニスム ハハモウサニテ うさにすむ ははもうさにて ウサに住む 母もウサにて (タナコ) カミトナル イツクシマミヤ かみとなる いつくしまみや 神となる イツクシマ宮 イトウカミ ヨキオシルナソ いとうかみ よきおしるなそ "愛う神" 善きを知る名ぞ (善知鳥)
オロチナル ハチニミツカラ おろちなる はちにみつから 愚霊なる 恥に自ら <母ハヤコの> サスラヒテ イトウオシレハ さすらひて いとうおしれは さすらひて 愛うを知れば オオナムチ ヒヒメオメトル おおなむち ひひめおめとる オオナムチ 一姫を娶る (タケコ) コノシマツ ミツヒメマツル このしまつ みつひめまつる 子のシマツ 三姫纏る ソトカハマ イトウヤスカタ そとかはま いとうやすかた 外ヶ浜 "愛うヤスカタ (善知鳥安方)
カミノミケ ハムウトウアリ かみのみけ はむうとうあり 神" の御供 蝕むウトウあり
コカシラノ オロチカハメハ こかしらの おろちかはめは 九頭の 蛇が蝕めば シマツウシ ハハキリフレハ しまつうし ははきりふれは シマツウシ 蝕霊 切り振れば 憑く蝕霊を振り切れば ニケイタリ コシノホラアナ にけいたり こしのほらあな 逃げ至り 越の洞穴 逃げきって ホリヌケテ シナノニテレハ ほりぬけて しなのにてれは 掘り抜けて シナノに出れば コレオツク これおつく これを告ぐ
イセノトカクシ いせのとかくし イセのトガクシ ハセカエリ ナンチハオソル はせかえり なんちはおそる 馳せ帰り 「汝は恐る <知行地に> 汝はおびえている コレイカン コタエテムカシ これいかん こたえてむかし これ如何ん」 答えて 「昔 これは一体? フタオロチ ヒメニウマレテ ふたおろち ひめにうまれて 二愚霊 姫に生まれて キミメセハ モチハミコウミ きみめせは もちはみこうみ 君 召せば モチは御子生み (アマテル) スケトナル ハヤハヒメウミ すけとなる はやはひめうみ 典侍となる ハヤは姫生み ウチツホネ うちつほね 内局
ウチセオリツカ うちせおりつか 内セオリツが ミキサキニ ナルオモチコカ みきさきに なるおもちこか 御后に なるをモチコが コロサント ネタメハハヤハ ころさんと ねためははやは "殺さん" と 妬めば ハヤは キミオシヰ オトキミコエト きみおしゐ おときみこえと 君を締い 弟君 媚えど 締め出し (ソサノヲ) アラハレテ トモニサスラフ あらはれて ともにさすらふ 露れて 共にさすらふ
アカツチカ メオオトキミニ あかつちか めおおときみに アカツチが 姫を弟君に (ハヤスフ姫) チナムオハ ハヤカオロチニ ちなむおは はやかおろちに 因むをば ハヤが愚霊に ハヤがその怨念にて カミコロス オトアシナツカ かみころす おとあしなつか 噛み殺す 弟アシナツが <アカツチの> メオコヱハ ナナヒメマテハ めおこゑは ななひめまては 姫を乞えば 七姫までは カミクラフ かみくらふ 噛み食らふ
トキニソサノヲ ときにそさのを 時にソサノヲ コレオキリ ミオヤスカタト これおきり みおやすかたと これを斬り 身をヤスカタと その骸を殺された姫らの形見として マツルユエ マタヤマスミノ まつるゆえ またやますみの 纏るゆえ またヤマスミの (マウラ) メトウマレ イモトオネタム めとうまれ いもとおねたむ 姫と生まれ 妹を妬む (イハナガ) (アシツ姫) ツミノトリ つみのとり 罪のとり
マタモチオロチ またもちおろち またモチ愚霊 セオリツオ カマンカマント せおりつお かまんかまんと セオリツを 噛まん噛まんと モヰソヨホ ヱソシラタツノ もゐそよほ ゑそしらたつの 百五十万年 "蝦夷白龍の タケニマツ イマカミトナル たけにまつ いまかみとなる 嶽" に待つ 今 神となる 今セオリツは神となる ムナシサヨ むなしさよ 虚しさよ」
トカクシイワク とかくしいわく トガクシ曰く ナンチイマ ヒミノホノホオ なんちいま ひみのほのほお 「汝 今 日三の炎を タツヘシソ ワカミケハミテ たつへしそ わかみけはみて 絶つべしぞ 我が御供 食みて シタニオレ サカミオモレハ したにおれ さかみおもれは 下に居れ 清神を守れば 伏せておれ ツミキエテ マタヒトナルト つみきえて またひとなると 罪消えて また人成る」 と ヲオキレハ ヨロノヲタウノ をおきれは よろのをたうの 緒を切れば 撚の緒絶うの (霊の緒) ヤマソハコサキ やまそはこさき 山ぞハゴサキ
コノサキニ タケニウマルル このさきに たけにうまるる この先に 長に生まるる タケコヒメ タカニモウテテ たけこひめ たかにもうてて タケコ姫 タガに詣でて (オホナムチの妻) モノヌシカ タチニオワレハ ものぬしか たちにおわれは モノヌシが 館に終われば (クシミカタマ) (タガ殿) (タケコの玄孫に当たる) ススキシマ オモムロオサメ すすきしま おもむろおさめ ススキ島 骸 納め (現・沖島) タケフカミ たけふかみ "長生神"
ムカシサスライ むかしさすらい 昔さすらい コトオヒク トキニアラレノ ことおひく ときにあられの 琴を弾く 時に霰の ススキウツ コトニヒヒキテ すすきうつ ことにひひきて ススキ打つ 異に響きて (薄・芒) タエナレハ コノハオウツシ たえなれは このはおうつし 妙なれば この映を写し コトツクル ナモイスキウチ ことつくる なもいすきうち 琴造る 名もイスキ打ち シマウミモ ナハイスキナリ しまうみも なはいすきなり 仕舞う身も 名はイスキなり 身を納める場所も =ススキ(濯ぎ)
タキコヒメ カクヤマツミノ たきこひめ かくやまつみの タキコ姫 カグヤマツミの ツマトナリ カコヤマウミテ つまとなり かこやまうみて 妻となり カゴヤマ生みて (=タクリ) サカムナル ヱノシマカミト さかむなる ゑのしまかみと サカムなる "江の島神" と (相模) ナリニケル なりにける なりにける
アススミソミホ あすすみそみほ アスズ三十三年 (ツナヱ) カスカカミ モモヰソムヨロ かすかかみ ももゐそむよろ カスガ尊 百五十六万 フソヰナリ フタヱニイワク ふそゐなり ふたゑにいわく 二十五なり フタヱに曰く ワカヨハヒ キワマルユエニ わかよはひ きわまるゆえに 「我が齢 極まるゆえに カンオチオ ナンチニサツク かんおちお なんちにさつく 上翁を 汝に授く」
ツトメトテ ミカサニカエリ つとめとて みかさにかえり 務めとて ミカサに帰り タラマツリ ナンチオシクモ たらまつり なんちおしくも 父母纏り 「汝 オシクモ (ヰチヂ・アサカ姫) シカトキケ ムカシツカエテ しかときけ むかしつかえて しかと聞け 昔 仕えて ミカカミオ タマエハワレラ みかかみお たまえはわれら 御鏡を 賜えば我ら タノトミソ ワカコラヤワセ たのとみそ わかこらやわせ 左の臣ぞ 我が子ら和せ (荒猛を和せ)
タトフレハ ハルハヌルテハ たとふれは はるはぬるては 例ふれば 春は潤出葉 ナツアオク モミチハツヨク なつあおく もみちはつよく 夏青く もみぢは強く フユハオツ タトヒオチテモ ふゆはおつ たとひおちても 冬 葉落つ たとひ落ちても ナウラメソ カケノマメナセ なうらめそ かけのまめなせ な恨めそ 蔭の忠なせ コノメテル このめてる この芽出る また必ず春は来る
ユエハアスカオ ゆえはあすかお ゆえはアスカを オチタトキ マメオワスレス おちたとき まめおわすれす 落ちた時 忠を忘れず コノユエニ ミマコニメサレ このゆえに みまこにめされ このゆえに 御孫に召され (ニニキネ) マメナセハ ツイニカカミノ まめなせは ついにかかみの 忠なせば ついに鏡の トミトナル マタモノヌシハ とみとなる またものぬしは 臣となる またモノヌシは 同じくアスカを落ちたクシヒコは ミキノトミ みきのとみ 右の臣
ハツヨキアキノ はつよきあきの 葉強き秋の <蔭の忠に出た若芽は> 秋の紅葉の如く強き ユミツルキ カクノコトシト ゆみつるき かくのことしと 弓剣 かくの如し」 と 弓剣の主へと実る サケススム ソノサカツキオ さけすすむ そのさかつきお 酒 進む その逆坏を (返杯) コエハイナ コカラサツケヌ こえはいな こからさつけぬ 請えば 「否 子から授けぬ」
トキニマタ カカミノトミオ ときにまた かかみのとみお 時にまた 「鏡の臣を ウヤマウカ ノコルノリソト うやまうか のこるのりそと 敬うが 遺る宣りぞ」 と <アマテル神の> カミトナル かみとなる 神となる
キサラキソヒカ きさらきそひか ニ月十一日 オシクモハ ヨソヤモニイリ おしくもは よそやもにいり オシクモは 四十八 喪に入り ヤマシロノ オシホニオサム やましろの おしほにおさむ 山背の オシホに納む (小塩) ヒカシムキ コレヒメカミノ ひかしむき これひめかみの 東向き これヒメ尊の マカルトキ キハヤマシロニ まかるとき きはやましろに 罷る時 キは山背に (夫) イマスユエ イキスノミヤノ いますゆえ いきすのみやの 結ますゆえ イキスの宮の ニシムキソ モロタミシタヒ にしむきそ もろたみしたひ 西向きぞ 諸民慕ひ モニイルハ アメモノコトシ もにいるは あめものことし 喪に入るは 天喪の如し (皇の喪)
サルタヒコ ミソキニアワノ さるたひこ みそきにあわの サルタヒコ "水濯ぎに泡" の ムナサワキ フトマニミレハ むなさわき ふとまにみれは 胸騒ぎ フトマニ見れば ヰムノミハ カカミヱヱナル ゐむのみは かかみゑゑなる "斎むの身"は 『鏡老なる ナカヒトリ ウレヒアリトテ なかひとり うれひありとて 名が一人 憂ひあり とて といっても コレマツリ ウケヌウレイト これまつり うけぬうれいと これ纏り 受けぬ憂い』と 参考:モヨロ オトロキテ ウチニイタレハ おとろきて うちにいたれは 驚きて ウチに居たれば ミカサヤマ ナオハセノホル みかさやま なおはせのほる ミカサ山 なお馳せ上る カスカトノ かすかとの カスガ殿
ハヤカリオサメ はやかりおさめ はや仮納め モナカユエ トモニモニイリ もなかゆえ ともにもにいり 喪中ゆえ ともに喪に入り ミコシナシ アスヒラオカニ みこしなし あすひらおかに 神輿成し 明日ヒラオカに オクルトキ サルタカコエハ おくるとき さるたかこえは 送る時 サルタが乞えば ユルサレテ ミコシアクレハ ゆるされて みこしあくれは 許されて 神輿 開くれば
サルタヒコ ワレツネニコフ さるたひこ われつねにこふ サルタヒコ 「我 常に乞ふ タマカエシ オヰヱトフタヱ たまかえし おゐゑとふたゑ 霊還し オヰヱとフタヱ ヒフミアリ イマワレヒトリ ひふみあり いまわれひとり 霊文あり 今 我一人 ウケサルト チチニソクヤム うけさると ちちにそくやむ 受けざる」 と 散々にぞ悔やむ
トキニカミ メオアキイワク ときにかみ めおあきいわく 時に神 眼を開き曰く (死んだコヤネ) ナンチヨク ワスレスキタル なんちよく わすれすきたる 「汝よく 忘れず来たる ミモスソヨ コフハコレソト みもすそよ こふはこれそと 御裳裾よ 乞ふはこれぞ」 と サツケマス サルタウケトリ さつけます さるたうけとり 授けます サルタ受け取り トワントス ハヤメオトチテ とわんとす はやめおとちて 問わんとす 早や眼を閉じて コタエナシ こたえなし 応え無し
ミユキコトナリ みゆきことなり 神逝き事 成り 葬儀 ソノノチニ ミモスソトエハ そののちに みもすそとえは その後に "御裳裾" 問えば サルタヒコ ムカシハタレオ さるたひこ むかしはたれお サルタヒコ 「昔ハタレを ヤフラント ミソキナストキ やふらんと みそきなすとき 敗らんと 禊なす時 カミノモノ イワニカカリテ かみのもの いわにかかりて 神の裳の 岩に懸かりて (アマテル) ヒタヒケハ タキオチクタル ひたひけは たきおちくたる ひた引けば 滝落ち下る サクナタリ さくなたり "さくなだり"
アメニイノレハ あめにいのれは 陽陰に祈れば クスナカレ ハミアシオカム くすなかれ はみあしおかむ 屑 流れ 蛇 足を噛む (裳裾の屑) オイツメテ トマルワラヒテ おいつめて とまるわらひて 追い詰めて 留まる蕨で ククリスツ モスソノクスニ くくりすつ もすそのくすに 括り棄つ 裳裾の屑に ヤフルユエ ススクスモチイ やふるゆえ すすくすもちい 敗る故 末葛 用い コレオタス シムミチヤフル これおたす しむみちやふる これを治す シムミチ敗る (蛇霊の化け物) ウツワヱル うつわゑる 器 得る
ミナミソキシテ みなみそきして 穢禊して [水禊] ウツワヱテ ムミチオヤフリ うつわゑて むみちおやふり 器 得て 六ミチを敗り ヲサムタミ ミナミモスソノ をさむたみ みなみもすその 治む民 みな御裳裾の ナカレナリ なかれなり 流れなり」
サルタアサカニ さるたあさかに サルタ アサカに スナトリノ ヒラコニカマレ すなとりの ひらこにかまれ 漁の 翻子に噛まれ オホルルオ キミウスメシテ おほるるお きみうすめして 溺るるを 君 渦侍して ソコトクニ ツフタツアハノ そことくに つふたつあはの 害解くに 粒立つ粟の サクトコニ ヒキアケサシム さくとこに ひきあけさしむ 簀床に 引き上げさしむ ワラニタス ハヒラオヌキテ わらにたす はひらおぬきて 藁に助す 肺を温きて ナマコナス なまこなす 鈍 熟す
この一節は唐突に感じるが、おそらく「裳裾」を 別の実例を挙げて説明しているのものと思われる
サキニカクヤマ さきにかくやま さきにカグヤマ アスカ政府の ナカスネハ ミヲヤスヘラキ なかすねは みをやすへらき ナガスネは 御祖皇 ミコナキオ オシクモイノル みこなきお おしくもいのる 御子なきを オシクモ祈る ソノフミオ コエトサツケス そのふみお こえとさつけす その文を 乞えど授けず (代嗣文) マカルノチ アマノタネコハ まかるのち あまのたねこは 罷る後 アマノタネコは <皇の> コノフミオ ミカサニコメテ このふみお みかさにこめて この文を ミカサに籠めて キミノトモ きみのとも 君の供 タケヒトと筑紫へ
ナカスネヒコハ なかすねひこは ナガスネヒコは ソノクラオ ヒソカニアケテ そのくらお ひそかにあけて その蔵を 密かに開けて ウツシトル クラトミツケテ うつしとる くらとみつけて 写し盗る 蔵人見つけて コレオツク タネコオトロキ これおつく たねこおとろき これを告ぐ タネコ驚き キミニツク サヲシカヤレハ きみにつく さをしかやれは 君に告ぐ 差使遣れば (タケヒト) ミココタエ クラトカワサハ みここたえ くらとかわさは 御子答え 「蔵人が業は (ニギハヤヒ) 蔵人の言う所業は ワレシラス コレニアラケテ われしらす これにあらけて 我 知らず」 これに散けて これで二政府は相離反し コトシロハ イヨニトトマル ことしろは いよにととまる コトシロは イヨに留まる (ツミハ)
ツミハはコトシロとしてアスカの宮にも通っていた <ホ27>
ソノツマハ イセニモフテテ そのつまは いせにもふてて その妻は イセに詣でて (タマクシ姫) (妹背の神) サルタヒコ タタラナスオハ さるたひこ たたらなすおは サルタヒコ 称ら為すをば サルタヒコが 神を奉斎したれば ミニイタリ ソコテヒメウム みにいたり そこてひめうむ 身に到り そこで姫生む <霊験が> ソノツマニ トリアケサセテ そのつまに とりあけさせて その妻に 取り上げさせて オクリユク コトシロエメハ おくりゆく ことしろえめは 送り行く コトシロ笑めば <伊予に> サルタヒコ タタユルヒメノ さるたひこ たたゆるひめの サルタヒコ 称ゆる姫の ナハタタラ イススヒメナリ なはたたら いすすひめなり 名は "タタラ イスズ姫" なり
ナカスネカ ワレオタツレハ なかすねか われおたつれは ナガスネが 我を立つれば 君を差し置き自我を立てれば イチサワク カレニハラミノ いちさわく かれにはらみの 市 騒ぐ 故にハラミの 世は不穏となる ミコフレテ ホツマヒタカミ みこふれて ほつまひたかみ 御子触れて ホツマ・ヒタカミ (タケテル) カテフネオ ノホサヌユエニ かてふねお のほさぬゆえに 糧船を 上さぬ故に タカノミヤ ツクシノミヤに たかのみや つくしのみやに タガの宮 ツクシの宮に (ヰツセ) (ミヤサキ宮) ユキヰマス ゆきゐます 行き居ます
オオモノヌシハ おおものぬしは オオモノヌシは (クシミカタマ) タカトノニ ネノクニヲサメ たかとのに ねのくにをさめ タガ殿に 根の国治め タガ皇君の代の殿となり オオタオハ ヒウカカントノ おおたおは ひうかかんとの オオタをば 日向代殿 (コモリの12男) (タケヒト) ソエモノト ナシテムスメノ そえものと なしてむすめの 副モノと なして娘の オオタの娘の ミラヒメオ メトリテウムコ みらひめお めとりてうむこ ミラ姫を 娶りて生む子 タタヒコカ アタツクシネハ たたひこか あたつくしねは タタヒコが アタツクシネは オサナナソ おさななそ 幼名ぞ
チチノツミハモ ちちのつみはも 父のツミハも カミトナル アススヰソトシ かみとなる あすすゐそとし 神となる アスズ五十年 カンナツキ ヤソヨヨロミチ かんなつき やそよよろみち 十月 八十四万三千 ヨソヤナリ コトシワニヒコ よそやなり ことしわにひこ 四十八なり 今年ワニヒコ (クシミカタマ) モモノヤツ イモトイススハ もものやつ いもといすすは 百の八つ 妹イスズは トオヰツツ とおゐつつ 十五つ
トモニモニイリ ともにもにいり 共に喪に入り ヨソヤノチ アハノアカタニ よそやのち あはのあかたに 四十八後 阿波の県に オサムノチ ミツカラシルシ おさむのち みつからしるし 納む後 自ら記し コノフミオ ヤシロニオクハ このふみお やしろにおくは この文を 社に置くは (阿波宮) ヰツコノタメカ ゐつこのためか 何時のためか
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■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
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