【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
マーカー部は原文に記されているヲシテ。
これらを誤写と見て、改修を施した上で解釈しています。
ノコシフミサカオタツアヤ のこしふみさかおたつあや 遺し文 清汚を直つ文
モロカミノ サカオタツトキ もろかみの さかおたつとき 諸守の 清汚を直つ時 清汚を数える道を立てる時 サホコヨリ ツハモノヌシカ さほこより つはものぬしか サホコより ツハモノヌシが (サホコの副マスヒト) カクミヤニ キキストハセテ かくみやに ききすとはせて 香宮に キギス飛ばせて
マスヒトカ タミノサシミメ ますひとか たみのさしみめ 「マスヒトが 民のサシミメ (根国のクラキネ) ツマトナス クラヒメウメハ つまとなす くらひめうめは 妻となす クラ姫生めば イツクシミ アニノコクミオ いつくしみ あにのこくみお 慈しみ 兄のコクミを <サシミメの> コノコトク サホコチタルノ このことく さほこちたるの 子の如く サホコチタルの マスヒトヤ イマハソエナリ ますひとや いまはそえなり マスヒトや 今は副なり
クラキネカ マカレルトキニ くらきねか まかれるときに クラキネが 罷れる時に (「罷る」の連体形) シラヒトオ ネノマスヒトニ しらひとお ねのますひとに シラヒトを 根のマスヒトに (クラコ姫の夫)
クラコヒメ ミオタテヤマニ くらこひめ みおたてやまに クラコ姫 身を立山に 父の骸を オサムノチ ハハコオステテ おさむのち ははこおすてて 納む後 母子を捨てて <シラヒトは> ツニオクル コクミハハコオ つにおくる こくみははこお 都に送る コクミ母子を (宮津)
オカスツミ カンサヒコレオ おかすつみ かんさひこれお 犯す罪 カンサヒこれを (サホコのマスヒト) タタサネハ トミコレオコフ たたさねは とみこれおこふ 正さねば 臣これを請ふ」
ミハタヨリ サオシカニメス みはたより さおしかにめす 御端より 差使に召す (御許) カンサヒト コクミハハコト かんさひと こくみははこと カンサヒと コクミ・母子と (サシミメ・クラコ) タカマニテ カナサキトワク たかまにて かなさきとわく タカマにて カナサキ問わく
コクミイフ サシメハマコト こくみいふ さしめはまこと コクミ言ふ 「サシメは真 ワカツマヨ キミサリマスノ わかつまよ きみさりますの 我が妻よ 君 去りますの オシテアリ おしてあり オシテあり」 (離縁状)
マタトフナンチ またとふなんち また問ふ 「汝 ナニヒトソ なにひとそ 何人ぞ」
タミトイフニソ たみといふにそ 「民」 と言ふにぞ オタケヒテ おたけひて お猛びて
ケモノニオトル けものにおとる 「獣に劣る ツミヒトソ サシメササクル つみひとそ さしめささくる 罪人ぞ サシメ捧ぐる [ヨ] ユカリニテ マスヒトトナル ゆかりにて ますひととなる 縁にて マスヒトとなる ミメクミノ キミナリハハヨ みめくみの きみなりははよ 御恵みの 君なり母よ」
サカミレハ キミオワスルル さかみれは きみおわするる 「清汚見れば 君を忘るる モモクラト ハハモフソクラ ももくらと ははもふそくら 百クラと 母も二十クラ オカスルモ オシテノハチモ おかするも おしてのはちも 犯するも オシテの辱も (歪曲) モモトモモ ヒメナイカシロ ももともも ひめないかしろ 百と百 姫 ないがしろ ヰソクラト スヘテミモナソ ゐそくらと すへてみもなそ 五十クラと 総て三百七十」
アマメクリ ミモムソタヒオ あまめくり みもむそたひお 「天回り 三百六十度を トホコノリ トコロオサルト とほこのり ところおさると 経矛法 "所を去る" と (90〜179座) サスラフト マシハリサルト さすらふと ましはりさると "さすらふ" と "交り去る" と (180〜269座) (270〜359座) イノチサル ヨツワリスキテ いのちさる よつわりすきて "命去る" 四つ割過ぎて (360座〜) ホコロヒト ツツカニイレテ ほころひと つつかにいれて 綻び」 と ツツガに入れて
ネノクニノ シラヒトオメス ねのくにの しらひとおめす 根の国の シラヒトを召す タカマニテ カナサキトワク たかまにて かなさきとわく タカマにて カナサキ問わく ハハオステ ツマサルイカン ははおすて つまさるいかん 「母を捨て 妻去る如何ん」 (サシミメ) (クラコ)
コタエイフ オノレハサラス こたえいふ おのれはさらす 答え言ふ 「己は去らず ハハヨリソ ヰヱステイツル ははよりそ ゐゑすていつる 母よりぞ 家捨て出づる ヒメモママ ひめもまま 姫もまま」
マタモトオトフ またもとおとふ またもとを問ふ
コタエイフ ヨヨノトミユエ こたえいふ よよのとみゆえ 答え言ふ 「代々の臣ゆえ コトナセリ ハハハタミノメ ことなせり はははたみのめ 如なせり 母は民の女 ススメテソ キミノツマナリ すすめてそ きみのつまなり 進めてぞ 君の妻なり ヲンメクミ ナニワスレント をんめくみ なにわすれんと 御恵み なに忘れん」 と ヰヰナカス ゐゐなかす 癒い流す
カンミムスヒノ かんみむすひの カンミムスビの シカリテソ ナンチカサリテ しかりてそ なんちかさりて 叱りてぞ 「汝 飾りて マトワスヤ ワレヨクシレリ まとわすや われよくしれり 惑わすや 我よく知れり トモオコヱ チカラオカシテ ともおこゑ ちからおかして 朋を越え 力を貸して 他に勝って ハハカアケ マツリサツケテ ははかあけ まつりさつけて 母が上げ 政授けて コトナスオ ハハニシタエハ ことなすお ははにしたえは 殊成すを 母に慕えば 出世したが ヒメカウム カクサンタメニ ひめかうむ かくさんために 姫が倦む 隠さんために ナカシヤリ タミノメウハヒ なかしやり たみのめうはひ 流し遣り 民の目奪ひ」 (「そらす」の意)
チカラカス メクミワスルル ちからかす めくみわするる 「'力貸す 恵み' 忘るる フモモクラ サルモモモクラ ふももくら さるもももくら 二百クラ 去るも百回 フムカヰソ ツカムノムソテ ふむかゐそ つかむのむそて 踏むが五十 掴むの六十で [ト] <姫を> <母を> ヨモソクラ コレノカルルヤ よもそくら これのかるるや 四百十クラ これ逃るるや」 コタエネハ ツツカニイレテ こたえねは つつかにいれて 答えねば ツツガに入れて
ヲヲンカミ モロトハカリテ ををんかみ もろとはかりて 大御神 諸と議りて ヤソキネオ ネノクニカミト やそきねお ねのくにかみと ヤソキネを 根の国守と
イサナキノ ウフヤニオチト いさなきの うふやにおちと 「イサナギの 産野に叔父と オハナレハ マツリタヱスト おはなれは まつりたゑすと 叔母なれば 政絶えず」 と (白山姫) ミコトノリ モチテタミタス みことのり もちてたみたす 御言宣 以ちて民治す オチトオハ シラヤマカミソ おちとおは しらやまかみそ 叔父と叔母 白山尊ぞ イサナキハ マツレトオトノ いさなきは まつれとおとの イサナギは 纏れど弟の クラキネハ マツラス くらきねは まつらす クラキネは 纏らず
モチカ もちか モチが クラヒメオ カンサヒノコノ くらひめお かんさひのこの クラ姫を カンサヒの子の (モチの腹違いの妹) アメオシヒ メアワセスケカ あめおしひ めあわせすけか アメオシヒ 妻わせ典侍が <と> (モチの) アニトナシ チチマスヒトノ あにとなし ちちますひとの 兄となし 父マスヒトの (クラキネ&カンサヒ) マツリツク まつりつく 纏り継ぐ
シラヒトコクミ しらひとこくみ シラヒト・コクミ コノイワヒ ナカハサオヱテ このいわひ なかはさおゑて この祝 なかば清を得て <の恩赦に> サスラヒノ ヒカワニヤルオ さすらひの ひかわにやるお "さすらひ" の ヒカワに遣るを マスヒトノ ワカトミトナス ますひとの わかとみとなす マスヒトの 我が臣となす (アメオシヒ)
ソサノヲハ コレトトノヒテ そさのをは これととのひて ソサノヲは これ調ひて (祝)(他動詞) マナヰナル カミニマフテル まなゐなる かみにまふてる マナヰなる 神に詣でる (「詣つ」の連体形) ソノナカニ タオヤメアレハ そのなかに たおやめあれは その中に 嫋女あれば コレオトフ マカタチコタフ これおとふ まかたちこたふ これを問ふ 侍女答ふ アカツチカ ハヤスフヒメト あかつちか はやすふひめと 「アカツチが ハヤスフ姫」 と キコシメシ きこしめし 聞し召し
キシオトハセテ きしおとはせて 雉を飛ばせて チチニコフ アカツチミヤニ ちちにこふ あかつちみやに 父に請ふ 「アカツチ宮に (アカツチ) トツカント イエトミヤナク とつかんと いえとみやなく とつがん」 と 言えど和なく ヲヲウチノ オリオリヤトル ををうちの おりおりやとる 大内の 折々宿る ネノツホネ ねのつほね 北の局
ヱトヤスメトテ ゑとやすめとて 「姉妹休め」 とて (モチコ・ハヤコ) ウチミヤノ トヨヒメメセハ うちみやの とよひめめせは 内宮の トヨ姫召せば (セオリツ姫) ネノツホネ サカリナケケハ ねのつほね さかりなけけは 北の局 下がり嘆けば
ソサノヲカ タタヱカネテソ そさのをか たたゑかねてそ ソサノヲが 湛えかねてぞ ツルキモチ ユクオハヤコカ つるきもち ゆくおはやこか 剣持ち 行くをハヤコが オシトトメ イサオシナラハ おしととめ いさおしならは 押し止め 「功 成らば アメカシタ あめかした 天が下」
ハナコキタレハ はなこきたれは ハナコ来たれば ホコカクス ミヌカホスレト ほこかくす みぬかほすれと 矛隠す 見ぬ顔すれど <ハナコは> ウチニツケ うちにつけ 内に告げ (内宮)
アルヒタカマノ あるひたかまの ある日タカマの (橘宮) ミユキアト モチコハヤコオ みゆきあと もちこはやこお 御幸後 モチコ・ハヤコを ウチニメス うちにめす 内に召す (内宮)
ヒニムカツヒメ ひにむかつひめ 日に向つ姫 ノタマフハ ナンチラヱトカ のたまふは なんちらゑとか 宣給ふは 「汝ら姉妹が ミケヒエテ ツクシニヤレハ みけひえて つくしにやれは 御気冷えて ツクシに遣れば ツクミオレ タナキネハトル つくみおれ たなきねはとる 噤み居れ タナキネは取る (ホヒ) ヲハチチニ メハハハニツク をはちちに めはははにつく 男は父に 女は母に付く ミヒメコモ トモニクタリテ みひめこも ともにくたりて 三姫子も 共に下りて ヒタシマセ カナラスマテヨ ひたしませ かならすまてよ 養しませ 必ず待てよ トキアリト ムヘネンコロニ ときありと むへねんころに 時あり」 と むべ懇ろに サトサレテ さとされて 諭されて
ツクシアカツチ つくしあかつち ツクシ アカツチ コレオウケ ウサノミヤヰオ これおうけ うさのみやゐお これを受け ウサの宮居を アラタメテ モチコハヤコハ あらためて もちこはやこは 改めて モチコ・ハヤコは アラツホネ オケハイカリテ あらつほね おけはいかりて 新局 置けば怒りて ヒタシセス ウチニツクレハ ひたしせす うちにつくれは 養しせず 内(宮)に告ぐれば (セオリツ姫) トヨヒメニ ヒタシマツラシ とよひめに ひたしまつらし 「トヨ姫に 養し纏らし」 (命令形)
サスラナス フタサスラヒメ さすらなす ふたさすらひめ さすらなす 二流離姫 放浪する 曲り外れた二姫は イキトホリ ヒカハニイカリ いきとほり ひかはにいかり 憤り ヒカハに怒り 怒りが化けて ナルオロチ ヨニワタカマリ なるおろち よにわたかまり 成る愚霊 弥に蟠り ますますねじ曲り コクミラモ ツカエテシムオ こくみらも つかえてしむお コクミらも 支えてシムを (霊) ウハヒハム うはひはむ 奪ひ蝕む
ソサノヲシワサ そさのをしわさ ソサノヲ仕業 アチキナク ノシロシキマキ あちきなく のしろしきまき あぢきなく 罵・頻捲き
アオハナチ ヰノラスミソノ あおはなち ゐのらすみその 阿汚放ち 祈らす御衣の ミ (尊敬) ニイナメノ カンミハオレハ にいなめの かんみはおれは 新嘗の 尊衣 織れば トノケカス とのけかす 殿 穢す (斎衣殿)
コレタタサレテ これたたされて これ正されて ソサノヲカ ヒトリカフムル そさのをか ひとりかふむる ソサノヲが 一人被る ハナコ一人が籠る ヰンハトノ トツレハイカル ゐんはとの とつれはいかる 斎衣殿 閉づれば怒る フチコマオ ヰラカウカチテ ふちこまお ゐらかうかちて 太駒を 甍 穿ちて ナケイルル なけいるる 投げ入るる
ハナコオトロキ はなこおとろき ハナコ驚き ヒニヤフレ カミサリマスト ひにやふれ かみさりますと 杼に破れ 「神更ります」 と ナクコエニ キミイカリマシ なくこえに きみいかりまし 泣く声に 君 怒りまし ソサノヲニ ナンチキタナク そさのをに なんちきたなく ソサノヲに 「汝 きたなく クニノソム ミチナスウタニ くにのそむ みちなすうたに 地のぞむ」 道なす歌に
アメカシタ ヤワシテメクル あめかした やわしてめくる 『天が下 和して恵る ヒツキコソ ハレテアカルキ ひつきこそ はれてあかるき 日月こそ 晴れて明るき タミノタラナリ たみのたらなり 民の父母なり』
ソサノヲハ イワオケチラシ そさのをは いわおけちらし ソサノヲは 忌を蹴散らし 穢気を放って ナオイカル キミオソレマシ なおいかる きみおそれまし なお怒る 君 恐れまし イワムロニ イリテトサセハ いわむろに いりてとさせは 結室に 入りて閉ざせば アメカシタ カカモアヤナシ あめかした かかもあやなし 天が下 明暗も紋無し
ヤスカワノ ヤミニオトロク やすかわの やみにおとろく ヤスカワの 闇に驚く オモイカネ タヒマツニハセ おもいかね たひまつにはせ オモイカネ 灯燃に馳せ コニトヒテ タカマニハカリ こにとひて たかまにはかり 子に訪ひて 「タカマに議り (タチカラヲ) ヰノランヤ ゐのらんや 祈らんや」
ツハモノヌシカ つはものぬしか ツハモノヌシが マサカキノ カンヱハニタマ まさかきの かんゑはにたま 「真榊の 上枝は熟玉 ナカツヱニ マフツノカカミ なかつゑに まふつのかかみ 中つ枝に マフツの鏡 シモニキテ カケヰノラント しもにきて かけゐのらんと 下 和幣 掛け祈らん」 と
ウスメラニ ヒカケオタスキ うすめらに ひかけおたすき ウズメらに ヒカケを襷 チマキホコ オケラオニハヒ ちまきほこ おけらおにはひ 茅巻矛 朮を庭火 ササユハナ カンクラノトノ ささゆはな かんくらのとの 笹湯花 神座の外の (結室) カンカカリ かんかかり 神篝
フカクハカリテ ふかくはかりて 深く謀りて オモイカネ トコヨノオトリ おもいかね とこよのおとり オモイカネ トコヨの踊り ナカサキヤ ワサオキウタフ なかさきや わさおきうたふ "長咲き" や 俳優歌ふ
カクノキ カレテモニホユ かくのき かれてもにほゆ 『橘の木 枯れても匂ゆ シホレテモヨヤ アカツマアワ しほれてもよや あかつまあわ しおれても好や 吾が妻合わ (同じ) アカツマアワヤ あかつまあわや 吾が妻合わや シホレテモヨヤ アカツマアワ しほれてもよや あかつまあわ しおれても好や 吾が妻合わ』
モロカミハ イハトノマエニ もろかみは いはとのまえに 諸守は 結戸の前に カシマトリ コレソトコヨノ かしまとり これそとこよの 姦踊り これぞトコヨの ナカサキヤ なかさきや "長咲き" や
キミヱミホソク きみゑみほそく 君笑み 細く ウカカエハ イハトオナクル うかかえは いはとおなくる うかがえば 結戸を投ぐる タチカラヲ ミテトリイタシ たちからを みてとりいたし タチカラヲ 御手取り出し タテマツル ツハモノヌシカ たてまつる つはものぬしか 奉る ツハモノヌシが シメナワニ ナカエリマシソ しめなわに なかえりましそ 締縄に 「な返りましそ」
シカルノチ タカマニハカリ しかるのち たかまにはかり しかる後 タカマに諮り ソサノヲノ トカハチクラノ そさのをの とかはちくらの ソサノヲの 咎は千クラの ミキタカレ カミヌキヒトツ みきたかれ かみぬきひとつ 三段枯れ 髪抜き一つ ツメモヌキ マタトトカネハ つめもぬき またととかねは 爪も抜き まだ届かねば (髪・爪抜きで360回相当) (1080-360=720) コロストキ ころすとき 殺す時
ムカツヒメヨリ むかつひめより ムカツ姫より サヲシカニ ウケモノイノリ さをしかに うけものいのり 差使に 「活モノ 祈り <に> ヨミカエス ハナコノヨモサ よみかえす はなこのよもさ よみがえす ハナコの四百割 ハナコ殺害の400回分 ツクノヱハ サカオアカセヨ つくのゑは さかおあかせよ 償のえば 清汚を明せよ (720-400=320) ソサノヲカ シワサハシムノ そさのをか しわさはしむの ソサノヲが 仕業は霊の ムシナレト サカナクツツカ むしなれと さかなくつつか 蝕なれど 逆無く 恙 [ノ] 罪なく処罰 ナカランヤワヤ なからんやわや 無からんやわや」 よもやあるまいよ
コトノリオ モロカハカリテ ことのりお もろかはかりて 言宣を 諸が議りて アメモトル オモキモシムノ あめもとる おもきもしむの 天戻る 重きもシムの360度を一周する (親族殺害分) ナカハヘリ マシワリサルト なかはへり ましわりさると なかば減り "交り去る" と (270〜359回)
スカサアヲ ヤヱハヰモトム すかさあを やゑはゐもとむ 空かさ天男 八方這い回む シタタミノ サスラヤライキ したたみの さすらやらいき 下回みの さすら遣らいき 追い払うのである
ヲヲンカミ シロシメサレハ ををんかみ しろしめされは 大御神 知ろし召されば アマテラス ヒトノオモテモ あまてらす ひとのおもても 和照らす 人の面も <再び>人民の表情も タノシムニ ミチスケノウタ たのしむに みちすけのうた 楽しむに ミチスケの歌
アハレ アナオモシロ あはれ あなおもしろ 『天晴れ あな面白 アナタノシ アナサヤケ あなたのし あなさやけ あな楽し あな明やけ オケ サヤケ オケ おけ さやけ おけ 可笑 明やけ 可笑 アハレ オモシロ あはれ おもしろ 天晴れ 面白 サヤケ オケ アナタノシ さやけ おけ あなたのし 明やけ 可笑 あな楽し』
アヒトモニ テオウチノヘテ あひともに ておうちのへて 合共に 手を棄ち伸べて ウタヒマフ チワヤフルトソ うたひまふ ちわやふるとそ 歌ひ舞ふ 「幸振る」 とぞ タノシメハ コレカンクラニ たのしめは これかんくらに 楽しめば これ上位に楽しの源泉には アマテラス ヲヲンカミナリ あまてらす ををんかみなり 和照らす 大御神なり
サスラヲハ ミコトオウケテ さすらをは みことおうけて 「さすら男は 御言を受けて <イサナギの> →6文 ネニユカン アネニマミユル ねにゆかん あねにまみゆる 根に行かん 姉にまみゆる (ヒルコ) シハシトテ ユルセハノホル しはしとて ゆるせはのほる しばし」 とて 許せば上る上るということは中央政府は この時点でオシホミミの居る タガ若宮ということになる。 ヤスカハヘ フミトトロキテ やすかはへ ふみととろきて ヤスカワへ 文 轟きて 知らせの文が伝わり ナリウコク なりうこく 鳴り動く その情報が鳴り渡る
アネハモトヨリ あねはもとより 姉は本より生まれ付き サスラヲカ アルルオシレハ さすらをか あるるおしれは さすら男が 粗るるを知れば オトロキテ オトトノクルハ おとろきて おととのくるは 驚きて 「弟の来るは サハアラシ クニウハフラン さはあらし くにうはふらん 清はあらじ 国奪ふらん カソイロノ ヨサシノクニオ かそいろの よさしのくにお 父母の 任の国を ステオケハ アヱウカカフト すておけは あゑうかかふと 捨て置けば 敢え窺ふ」 と
アケマキシ モスソオツカネ あけまきし もすそおつかね 総角し 裳裾を束ね ハカマトシ ヰモニミスマル はかまとし ゐもにみすまる 袴とし 五百瓊ミスマル カラマキテ チノリヰモノリ からまきて ちのりゐものり 絡巻きて 千乗り・五百乗り ヒチニツケ ユハスオフリテ ひちにつけ ゆはすおふりて 肱に付け 弓弭を振りて ツルキモチ カタニワフンテ つるきもち かたにわふんて 剣 持ち かたにわ振んで 汚穢を吹いて ケチラシテ イツノオタケニ けちらして いつのおたけに 蹴散らして 逸のお猛に 撒き散らし 並外れた威勢に ナシリトフ なしりとふ なじり問ふ にじり寄る
ソサノヲイワク そさのをいわく ソサノヲ曰く ナオソレソ ムカシネノクニ なおそれそ むかしねのくに 「な怖れそ 昔 根の国 ユケトアリ アネトマミヱテ ゆけとあり あねとまみゑて 行けとあり 姉とまみえて →6文 ノチユカン ハルカニクレハ のちゆかん はるかにくれは 後行かん 遥かに来れば ウタカワテ イツカヱシマセ うたかわて いつかゑしませ 疑わで 稜威返しませ」
アネトワク サココロハナニ あねとわく さこころはなに 姉 問わく 「真心は何」
ソノコタエ ネニイタルノチ そのこたえ ねにいたるのち その答え 「根に到る後 コオウマン メナラハケカレ こおうまん めならはけかれ 子を生まん 女ならば穢れ ヲハキヨク コレチカヒナリ をはきよく これちかひなり 男は清く これ誓ひなり」
陽は清く 軽く回りて 天と成り 陰は中に凝り <ホ14> 泡は清くて 宗陽神 泥は濁りて 鄙陰神 <ミ6> ムカシキミ マナヰニアリテ むかしきみ まなゐにありて 「昔 君 マナヰにありて ミスマルノ タマオソソキテ みすまるの たまおそそきて ミスマルの 珠を濯ぎて タナキネオ モチニウマセテ たなきねお もちにうませて タナキネを モチに生ませて
トコミキニ ハヤコオメセハ とこみきに はやこおめせは とこ酒に ハヤコを召せば ソノユメニ トツカノツルキ そのゆめに とつかのつるき その夢に 十握の剣 オレミキタ サカミニカンテ おれみきた さかみにかんて 折れ三割 さがみにかんで 3つが寄り集まって ミタトナル ミタリヒメウム みたとなる みたりひめうむ 共となる 三人姫生む 一つにまとまる そして三つ子の姫を生んだため タノイミナ たのいみな "タ" の斎名 (タケコ・タキコ・タナコ)
ワレケカレナハ われけかれなは 我 穢れなば ヒメオヱテ トモハチミント ひめおゑて ともはちみんと 姫を得て 共 恥見ん」 と (以て) チカイサル ちかいさる 誓い去る
ヒメヒトナリテ ひめひとなりて 姫 人成りて オキツシマ サカムヱノシマ おきつしま さかむゑのしま オキツ島 サカムヱノ島 イツクシマ ミカラサスラフ いつくしま みからさすらふ イツク島 身からさすらふ <三姫> →28文
サスラヲノ カケノミヤヒノ さすらをの かけのみやひの さすら男の 蔭のミヤビの (ソサノヲ) (モチコ・ハヤコとの関係) アヤマチオ ハラシテノチニ あやまちお はらしてのちに 誤ちを 晴らして後に カエリマス かえります 帰ります <臣として> →9文
ムカシフタカミ むかしふたかみ 昔 二尊 ノコシフミ アメノメクリノ のこしふみ あめのめくりの 遺し文 「陽陰の巡りの ムシハミオ ミルマサカニノ むしはみお みるまさかにの 蝕みを 見るマサカニの ナカコリテ ウムソサノヲハ なかこりて うむそさのをは なかごりて 生むソサノヲは タマミタレ クニノクマナス たまみたれ くにのくまなす 霊乱れ 国の隈 生す アヤマチソ あやまちそ 誤ちぞ
ヲハチチニヱテ をはちちにゑて 男は父に得て[陽] ハオイタケ メハハハニヱテ はおいたけ めはははにゑて 地を抱け 女は母に得て [陰] アトヰネヨ ウキハシオヱテ あとゐねよ うきはしおゑて 天と結ねよ うきはしを得て トツクヘシ とつくへし とつぐべし
メハツキシホノ めはつきしほの 女は月潮の ノチミカニ キヨクアサヒオ のちみかに きよくあさひお 後三日に 清く朝日を オカミウケ ヨキコウムナリ おかみうけ よきこうむなり 拝み受け 良き子生むなり アヤマリテ ケカルルトキニ あやまりて けかるるときに 誤りて 穢るる時に ハラムコハ カナラスアルル はらむこは かならすあるる 孕む子は 必ず粗るる
マエウシロ ミタレテナカル まえうしろ みたれてなかる 前後 乱れて流る (陽陰) ワカハチオ ノチノオキテノ わかはちお のちのおきての 我が恥を 後の掟の → 3文 ウラカタソ カナラスコレオ うらかたそ かならすこれお 占形ぞ 必ずこれを ナワスレソコレ なわすれそこれ な忘れそこれ」
リンク先の説明文中
★印のついたものは他の文献・サイトからの引用。
■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】