こゑ  コヱ  kowe
こえ  
コエ  koe

 

【声】
行き来するもの。回るもの。伝わるもの。渡るもの。

『おのつとこゑも あきらかに ゐくらむわたを ねこゑわけ』ホ1
『あるまうかかふ おゑものお はらふはうたの こゑあまるホ1
さつさつの こゑといもせの ささいはふ そのもとおりは』ホ12
『このあわや のとよりひひく はにのこえ くにおしらする たねなれは』ホ23
『ふにむくは あわのおこりの こえすきお しつめくたせは ふみにおもむく』フふむく

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こゆ(通ゆ・回ゆ)」の名詞化。
ここでは「C: 行き来する・回る・伝わる・渡る」などの意。

類語:「おと(音)」「ひひき(響き)
派生語:「こゑあまる(声余)」「さつさつのこゑ(颯々の声)

 
 

【(交・契)】
合い。合わせ。結合。交わり。関わり。契り。

『くさきのむしの みつのこゑ かせにこゑあり うつほはね はにむしもこれ』ホ15

 
こゆ(交ゆ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・交わる/交える」などの意。

変態:「かひ(交ひ)」「けゐ(交・契・係)

 
 

【(枯・朽・隅)・声】
負の方向に離れるさま。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」さま
 ●(元に対して)末。(親に対して)子。(母音に対して)子音。

『おのつとこゑも あきらかに ゐくらむわたを ねこゑわけ』ホ1
『うたひつらねて をしゆれは うたにねこゑの みちひらけ』ホ5
『こころさためて ふぬむえけ もとをのこえお わけしれは』ミ10

 
こふ・こゆ (枯ふ・朽ふ)」の名詞化。
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」などの意。

変態:「くま(隈)」「くう(隅)」
派生語:「ねこゑ(根隅)

 
 

【越・超・肥】
1.正の方向に離れるさま。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・至る・過ぎる」さま

『いつとゆる かけこゑめをの あいたあり このほとらいの まおしれは』ホ191
『かけろふのひの こえくにの たけいわたつは くつおあけ』
ホ25
としこえは うむきとすめと よねむます としのりやまさ おにやらゐ』ホ38
『しかはその あうわはこゑの ゑなならん いやとよあうは ねおわけす』ミ10

2.正の方向に離すもの。 肥やし。

『そのにむかえは こゑかくる てこにいれきて すすなしる』ホ15

 
こゆ(越ゆ)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・至る・過ぎる」などの意。

変態:「くわ(鍬)
類語:「こ(濃・高・奇・越・超・肥・熟)

 
 

【(還・環)】【(桑)】
回転。巡り。循環。輪廻。運。反復。往き来。繰り返し。めぐらし恵むこと。

こえおちかえの たなはたの そらひのおとは みにつかす』ミ1
『おほよすからの ことほきも みたひにおよふ こゑよろしミ逸

『すのそのの ももおたまわる にしのはは こゑたのしみの ふかきことほき』
フすその

 ●日月が巡り恵ること。また特に日の出。

『やよろとしへて こゑうちの いさわのみやに をわします』ホ序
『おはひめか こゑねのくにに みはおりて たてまつるとき』ホ4
『あまてるかみは こゑくにの いさわをうちの みやにいて』ホ28
『としたあめみや こゑのみち みおまたくして なからえり』ミ4
『これきみは こゑやすくにの みやにます これはそのかみ とのみこと』ミ5

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こゆ(回ゆ・還ゆ)」の名詞化。
ここでは「C: 回る・循環する・還る・戻る」などの意。

変態:「かえ(返・帰・還・通)」「かひ(回)」「かん(環・還)」「くわ(桑)
類語:「はくわ(環・桑)」「こかひ(転回)」「おちかえ(
復ち返え)」「こえおちかえ(還復ち返え)
派生語:「こゑうち(還内)」「こゑくに(還国)」「こゑち(還道)

 
 

【(還)・越】
こゑねのくに(還根の国)の略。 =こし(越)

『ものぬしは きたよりめくり こゑにきて かのゑおすすむ』ホ24

 
別名1:「こゑねのくに(還根の国)」「こしねのくに(越根の国)」「こしくに(遣国・越国)」「ねのくに(根の国)

  

10/03/06

  

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