【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
キツヨチノアヤ きつよちのあや 起尽四方の文
ミカサヤニ アマノコヤネノ みかさやに あまのこやねの ミカサ社に アマノコヤネの トクフミハ タテニヌキオル とくふみは たてにぬきおる 説く文は 経に緯織る
マツリコト ヨチヒトクサオ まつりこと よちひとくさお まつりごと 四方人草を ヲサムナリ モシヤミチキク をさむなり もしやみちきく 治むなり もしや道聞く ココロサシ アラハトアケテ こころさし あらはとあけて 志 有らば門開けて サツクヘシ さつくへし 授くべし
コモリノイワク こもりのいわく コモリの曰く トアケナハ カミノミコトヤ とあけなは かみのみことや 「門 開けなば 上の御言や アマテル神の教え アカラサマ あからさま あからさま」
コヤネコタエテ こやねこたえて コヤネ応えて
ミチハワチ ハヤクオソキモ みちはわち はやくおそきも 「道は環道 早く遅きも ココロアリ タツネキタラハ こころあり たつねきたらは 心あり 尋ね来たらば ワレアヒテ ソノミチノクオ われあひて そのみちのくお 我 会ひて その道奥を カタルヘシ かたるへし 語るべし
キミノマツリモ きみのまつりも 君のまつりも スミヤカニ モツレオタタス すみやかに もつれおたたす すみやかに もつれを直す カミノミチ かみのみち 上の道
ツカサノカミハ つかさのかみは 司の上は 上位の司は クニヲサム ナカニハシメル くにをさむ なかにはしめる 国治む 中 庭 締める 中位の司は県を統べる シモハタス しもはたす 下 端 治す 下位の司は粗を治す
カタチトツトメ かたちとつとめ '形' と 'つとめ' 骨 肉 ミチトミト ヨツノヲシエモ みちとみと よつのをしえも '充ち' と '身' と 四つの教えも 相乗 統合体 タタヒトチ たたひとち ただ一道
ヲコヌノカミノ をこぬのかみの ヲコヌの尊の <説く> コノヨツオ アワトニシレル このよつお あわとにしれる この四つを 陽陰 人に知れる (「知る」の連体形) →ホ17文 ヒトノミノ ヨツオツツシム ひとのみの よつおつつしむ 人の身の "四つを謹む ハタノミチ はたのみち 機の道"
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カレニイマトク かれにいまとく 故に今説く ヨカノハタ シタエハウイニ よかのはた したえはういに "四処の機" 慕えば諾に よろしく ミオヲサム みおをさむ 身を治む 総体を調える
ソラナルモノハ そらなるものは 空なる者は チチキケト ミノミハシラオ ちちきけと みのみはしらお 千々聞けど 身の実柱を ユキヌケテ ゆきぬけて 行き抜けて
コエオチカエノ こえおちかえの 還復ち返えの 往復の繰返しの タナハタノ ソラヒノオトハ たなはたの そらひのおとは 棚機の 空杼の復は 機の綴りの [音]
ミニツカス キクトノホホト みにつかす きくとのほほと 身に付かず 聞くと "のほほ" と 身と成らず ノタマエハ のたまえは 宣給えば」 (擬人化による皮肉)
コモリコキミモ こもりこきみも コモリ 九君も (モノヌシ) 上司 大司 モミコトモ ミチヒコモミナ もみことも みちひこもみな 百尊も 三千彦も皆 中司 下司 ウナツケハ サルタハミチノ うなつけは さるたはみちの 頷けば サルタは道の ウイオトフ コヤネコタエテ ういおとふ こやねこたえて 初を問ふ コヤネ答えて
キツノナオ ヲシエノハツト きつのなお をしえのはつと 東西の名を 教えの初と [起尽] ナスユエハ イマワレウメル なすゆえは いまわれうめる なす故は いま我生める (「生む」の連体形) タラチネノ サキノミヲヤモ たらちねの さきのみをやも タラチネの 先の御祖も コトコトク アメノタネナリ ことことく あめのたねなり ことごとく 陽陰の胤なり
ソノカミノ アメツチヒラケ そのかみの あめつちひらけ その神の 天地開け (分け) ナルカミノ ミナカヌシヨリ なるかみの みなかぬしより 生る神の ミナカヌシより ハカリナキ ヒトクサワカレ はかりなき ひとくさわかれ 計り無き 人草分かれ タウトキモ ミコトモヒコモ たうときも みこともひこも 貴きも 尊も彦も ナルミチオ ヲサメオサムル なるみちお をさめおさむる 生る道を 治め収むる (陽陰和る道) 調え備える (陽陰を人に統れる) ヒトノミハ ヒツキノフユニ ひとのみは ひつきのふゆに 人の身は 日月の振ゆに 太陽と太陰の恵みに ヤシナワレ やしなわれ 養われ
メクミシラセン めくみしらせん 恵み知らせん <その> ソノタメニ イテイルキツオ そのために いているきつお そのために 出で入る東西を ヲシユナリ をしゆなり 教ゆなり
マサニキクヘシ まさにきくへし 正に聞くべし フタカミノ アノアワウタニ ふたかみの あのあわうたに 二尊の 天のアワ歌に クニオウミ ワノアワウタニ くにおうみ わのあわうたに 国を生み 地のアワ歌に ネコエナル ねこえなる 音声和る 言葉が調い直る
ノチニヒヒメオ のちにひひめお 後に一姫を ウムトキニ ヒルナレハナモ うむときに ひるなれはなも 生む時に 昼なれば名も ヒルコヒメ ひるこひめ "ヒルコ姫"
トシオコユレハ としおこゆれは 年を越ゆれば タラチネノ ヨソフミソミノ たらちねの よそふみそみの タラチネの 四十二・三十三の ヲヱクマモ をゑくまも 汚穢隈も
メハタヲハラニ めはたをはらに 女は "タ" 男は "ラ" に (陽・父) (陰・母) アタラシト スツオカナサキ あたらしと すつおかなさき 当らじと 捨つをカナサキ 障るまいと オモエラク おもえらく 思えらく
コノハヤカレノ このはやかれの 子の早枯れの イタミオモ チオヱシナスカ いたみおも ちおゑしなすか 痛みをも 乳を得し成すが 乳を得させて育てることが ワスレクサ わすれくさ 忘れ種 傷みを忘れる種となる
ヒラウヒロタノ ひらうひろたの 拾う "ヒロタ" の ミヤツクリ ソタテアクマテ みやつくり そたてあくまて 宮 造り 育て上ぐまで カナサキノ ツネノヲシヱハ かなさきの つねのをしゑは カナサキの 常の教えは ミコトノリ みことのり 御言宣
(誰の御言宣か不明だが、次行からはその御言宣の内容ということになる)
キツノハシメノ きつのはしめの 起尽の始めの アワウワヤ テフチシホノメ あわうわや てふちしほのめ アワウワや 長ぢ 初の目
ウマレヒハ カシミケソナエ うまれひは かしみけそなえ 生れ日は 炊食供え タチマヒヤ ミフユカミアケ たちまひや みふゆかみあけ 立舞や 三冬 髪上げ ハツヒモチ アワノウヤマヒ はつひもち あわのうやまひ 初日 十五日 陽陰の敬ひ (一月一日・十五日) (日月) モモニヒナ アヤメニチマキ ももにひな あやめにちまき 桃に雛 あやめに茅巻 (三月三日) (五月五日) タナハタヤ キククリイワヒ たなはたや きくくりいわひ 棚機や 菊・栗祝ひ (七月七日) (九月九日・十三日) ヰトシフユ ヲハハカマキル ゐとしふゆ をははかまきる 五歳冬 男は袴着る (十一月) メハカツキ めはかつき 女は被衣
コトハオナオス ことはおなおす 言葉を直す アワウタオ ツネニヲシヱテ あわうたお つねにをしゑて アワ歌を 常に教えて
アカハナマ イキヒニミウク あかはなま いきひにみうく 『アカハナマ イキヒニミウク フヌムエケ ヘネメオコホノ ふぬむえけ へねめおこほの フヌムエケ ヘネメオコホノ モトロソヨ ヲテレセヱツル もとろそよ をてれせゑつる モトロソヨ ヲテレセヱツル スユンチリ シヰタラサヤワ すゆんちり しゐたらさやわ スユンチリ シヰタラサヤワ』
アワノウタ カタカキウチテ あわのうた かたかきうちて 和の歌 カダカキ打ちて ヒキウタフ オノツトコヱモ ひきうたふ おのつとこゑも 率き歌ふ 自ずと声も アキラカニ ヰクラムワタヲ あきらかに ゐくらむわたを 明らかに 五臟六腑・緒 (内臓) (外端) ネコヱワケ フソヨニカヨヒ ねこゑわけ ふそよにかよひ 根隅分け 二十四に通ひ (内と外) 24声に折り返して ヨソヤコヱ コレミノウチノ よそやこゑ これみのうちの 四十八声 これ身の内の メクリヨリ ヤマヒアラネハ めくりより やまひあらねは 巡り選り 病あらねば ナカラエリ スミヱノヲキナ なからえり すみゑのをきな 永らえり スミヱの翁 (カナサキ)
コレオシル これおしる これを知る
カナサキニ キツサネノナノ かなさきに きつさねのなの カナサキに 東西南北の名の ユヱオコフ ゆゑおこふ 故を請ふ
ヲキナノイワク をきなのいわく 翁の曰く ヒノイツル カシラハヒカシ ひのいつる かしらはひかし 「日の出づる 頭は東 最初 タケノホル ミナミルミナミ たけのほる みなみるみなみ 猛昇る 皆見る南 ヒノオツル ニシハニシツム ひのおつる にしはにしつむ 日の落つる 西は熟沈む
ヨネトミツ カマニカシクハ よねとみつ かまにかしくは 米と水 釜に炊ぐは ヒカシラヤ ニヱハナミナミ ひかしらや にゑはなみなみ 火頭や 煮え花 皆見 ニヱシツム ヱカヒトタヒノ にゑしつむ ゑかひとたひの 煮え静む 回日一度の (巡り来る日) ミケハコレ みけはこれ 食はこれ」
フルトシフヨリ ふるとしふより 「経る年 古より (寿命) (昔から) ツキミケノ ヒトハモヨロニ つきみけの ひとはもよろに 月三食の 人は百万に ツキムケノ ヒトハフソヨロ つきむけの ひとはふそよろ 月六食の 人は二十万 イマノヨハ タタフヨロトシ いまのよは たたふよろとし 今の代は ただ二万年 イキナルル ミケカサナレハ いきなるる みけかさなれは 生き均るる 食 重なれば
ヨハヒナシ カレニワカキミ よわひなし かれにわかきみ 齢なし 故に我が君 (アマテル) ツキノミケ ニカキハホナヤ つきのみけ にかきはほなや 月の三食 苦きハホ菜や」
ミナミムキ アサキオウケテ みなみむき あさきおうけて 「南向き 朝気を受けて ナカラヱル ミヤノウシロオ なからゑる みやのうしろお 永らえる 宮の後ろを 原文:リ (奥・裏) キタトイフ ヨルハネルユヱ きたといふ よるはねるゆゑ 北と言ふ 夜は寝る故 夜は後宮で寝るゆえ キタハネソ きたはねそ 北は "ネ" ぞ」
モシヒトキタリ もしひときたり 「もし人来たり <て> コトワケン アワネハキタヨ ことわけん あわねはきたよ 応わけん 会わねば北よ それに対応するとしよう (裏) アフハヒテ ミナミニコトオ あふはひて みなみにことお 会ふば日手」 「南に事を (南=表) [皆見] ワキマエテ オチツクハニシ わきまえて おちつくはにし わきまえて 落ち着くは西 カエルキタ ネヨリキタリテ かえるきた ねよりきたりて 帰る北 北より来たりて [寝] ネニカエル ねにかえる 北に返る」 [寝]
キハハルワカハ きははるわかは 「木は春 若葉 ナツアオハ アキニヱモミチ なつあおは あきにゑもみち 夏 青葉 秋 熟もみぢ フユオチハ コレモオナシク ふゆおちは これもおなしく 冬 落葉 これも同じく ネハキタニ キサスヒカシヤ ねはきたに きさすひかしや 根は北に 萌す東や ネ キ サニサカヱ ツハミニツクル さにさかゑ つはみにつくる 南に栄え ツは実に尽くる」 サ
ヲハキミノ クニヲサムレハ をはきみの くにをさむれは 「央は君の 国治むれば ヲ キツヲサネ ヨモトナカナリ きつをさね よもとなかなり 東西央南北 四方と中なり」 キツヲサネ キハヒカシ ハナハハミナミ きはひかし はなははみなみ 「起は東 華栄は南 コノミニシ ミオワケオフル このみにし みおわけおふる 熟み西 身を分け生ふる 木が身を分けて結ぶ キノミユエ キミハヲメアフ きのみゆえ きみはをめあふ 木の実ゆえ 木実は男女合ふ 君は夫婦二人を合せた アルシナリケリ あるしなりけり 主なりけり」 君主であるなり
サルタトフ ムネトミナモト さるたとふ むねとみなもと サルタ問ふ 「宗と鄙下 キツタラモ コヤネコタエテ きつたらも こやねこたえて 起尽・タラも」 コヤネ答えて
ヨロハタノ ムネミナモトハ よろはたの むねみなもとは 万機の 宗・鄙下は 要部と周辺(主と副)は ヨカミトチ ヨロハヌフカツ よかみとち よろはぬふかつ 四処・みとち 万は縫ふ数 機の四辺と身頃 万は緯糸を貫く数 ハタハヲル はたはをる 機は織る 機とは織ることをいう
コロモノタテハ ころものたては 衣の経は 機の経糸は カタチナリ ヌキアヤオフモ かたちなり ぬきあやおふも '形' なり 緯・紋 負ふも (骨格・主体) 緯糸や紋などの副体を添えるのも カミノムネ かみのむね 上の宗 上位にある主体に対してである
ウルホスタテハ うるほすたては 潤す経は (副体が)主体を満たすことこそが ヨヨノミチ よよのみち よよの '充ち'
ホコノヲキテハ ほこのをきては 矛の掟は 刑罰の定めは ミメクミニ ヨコマホロホス みめくみに よこまほろほす 御恵みに 横曲滅ぼす 君主の恵みに 背く者を懲戒する ハタノヌキ はたのぬき 端の抜き 異端・ハタレの排除 →ホ23
ムネミナモトノ むねみなもとの 宗・鄙下の (中と辺) タテヌキノ ヨスチタタシク たてぬきの よすちたたしく 経・緯の 四筋正しく 原文:ヤ (主と副)
ミオヲサム ヤタミヲサムル みおをさむ やたみをさむる '身' を治む 八民治むる (全体) ヨチノワサ よちのわさ 四方の業
ホネハタノタネ ほねはたのたね 骨は 'タ' の胤 人の骨(経)は "陽" を源とし シシハラニ ウマレヒツキノ ししはらに うまれひつきの 肉は "ラ" に 生まれ 日月の 肉(緯)は "陰" を源として生まれ、太陽と太陰の ウルホイニ ヒトナリソナフ うるほいに ひとなりそなふ 潤いに 人態備ふ 恵みを得て 人の態が備わる
ヨカヒチノ カタオモチイテ よかひちの かたおもちいて 四処一内の 型を用いて ミオヲサム メクミシラネハ みおをさむ めくみしらねは '身' を治む 恵み知らねば (全体) 日月の恵みを知らねば カタチナシ かたちなし 形無し 効果無し
タラノソタツモ たらのそたつも タラの育つも 日月/父母の育成も ウルホイモ テルキツサネノ うるほいも てるきつさねの 潤いも 照る東西南北の ナカニイテ キミノヲサムル なかにいて きみのをさむる 中にいて キミの治むる マツリコト まつりこと 纏り事 <これもまた「よろはた(万機)」と呼ぶ>
ヨロハタスヘテ よろはたすへて 万機すべて ヨチオソナヘリ よちおそなへり 四方を備えり 四辺を調えるなり
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■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
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