さき  サキ  saki

  

【先・前】
D: 正の方向に離れるさま。
  1.進んでいく所/時。向かう所。 優先の位置。手前。表。入口。

『さめてかくする なにゆえや いわくみまこの みゆきさき かくおるはたそ』ホ24
『おおやますみは ゐつさきの かりやにむかえ みあえなす』ホ24
みやさきの きみのみこころ やすまれは よはひもおひて』ホ27
『なかすねひこは やまさきに かわふねこはむ ものぬしか うたんとすれは』ホ30
『もろおあつめて たけるとす ほこさきあたる ものあらす』ホ38

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  2.先行するさま。早い時。以前。さっき。すでに。 =さく(昨)・とこ(疾)

『ゐよのうた ことおむすはす ことあけも めはさきたてす』ホ3
これのさき をゑくまにすつ ひるこひめ いまいつくしに たりいたり』ホ3
さきにすてたる ひるこひめ ふたたひめされ』ホ5
さきにもちこか うむみこは ほひのみことの たなひとそ』ホ6
さきにたらちを はなきねは ねのくにさほこ しらすへし』ホ6

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  3.陽。(陽陰の精製過程で先ず陽が上り、後に陰が下ったため) まえ(前)むね(棟)

『しかれとも あとさきかかり みそふかも』ホ1

 
さく(栄く)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「進展する・先行する・優先する」などの意。

変態:「さか(先・前)
派生語:「さきためし(先例)」

 
 

【先・崎・岬・(端)】
D: 正の方向に離れるさま。 突出。先端。先行。優先。先頭。上位。至り。果て。

『いまににきねの さきみたま くにとこたちの わさみたま あらはるいつと』ホ序
『ちちひめに たまえはこれお さきかけの さわりおのそく あまかつそ』ホ12
さきかりは たちからをなり つきかつて おおものぬしと みくさひつ』ホ24
『さてしりぬ まつるさきたま とこにすむ いやかみすます』ホ27

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さく(栄く)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・突出する・先行する・優れる・至る・極まる」の意。


【(直・健)】
直し。調え。

『かみのみこころ うるはしく みそきつかさお かなさきに』ホ8

さく(直く)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・直す・調える」などの意。

変態:「しき(直)
派生語:「かなさき


【先・割き・裂き・(柵・境・堺)】
切断。分割。区分。区画。方向。

『ははかをさきに つるきあり ははむらくもの なにしあふ』ホ9
『おほなむち こたゑとわんと みほさきの つりえききすの いなせはき』ホ10
『またひとなると をおきれは よろのをたうの やまそはこさきホ28

 
さく(離く・割く・裂く)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる/離す・分ける・限る」などの意。

変態:「さく(柵・削)」
類語:「さかひ境・堺)」「さか(阪)

 
 

【咲き・幸・(栄・繁)】【狭城・佐紀】
D: 正の方向に離れる/離すさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟成する・優れる・至る」さま

『ふかくはかりて おもいかね とこよのおとり なかさきや』ホ7
『くしきねあわの さささきに かかみのふねに のりくるお とえとこたえす』ホ9
『あのゆんの まめにひらきの むらさきや まおうつろゐの はるへひくらん』フあゆん

  ●<地名> 狭城。佐紀。

『めつきほる さきとあとみと もろくにに やものいけみそ つくらしむ』ホ37

 
さく(咲く・栄く)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟成する・成長発展する・優れる・至る」などの意。

変態:「さか(栄)」「しけ(繁・茂)」「たか(高)」「たけ(建・猛・武)」「たき(滾・激・滝)

  

10/01/23

  

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