【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
マーカー部は原文に記されているオシテ。これらを誤写と見て、改修を施した上で解釈しています。
ミヲヤカミフナタマノアヤ みをやかみふなたまのあや 御祖神 船霊の文 コノトキニ ミツホノミヤハ このときに みつほのみやは この時に ミヅホの宮は トヨタマノ フタタヒノホル とよたまの ふたたひのほる トヨタマの 再び上る ヨロコヒソ よろこひそ 喜びぞ
アマノコヤネト あまのこやねと アマノコヤネと モノヌシト マテニハヘリテ ものぬしと まてにはへりて モノヌシと 左右に侍りて (コモリ) ミチモノヘ ヤモヨロクサモ みちものへ やもよろくさも 三千モノベ 八百万草も ヲサメシム をさめしむ 治めしむ
サキニツミハト さきにつみはと 先にツミハと (コモリ次男) タケフツト イフキノミヤニ たけふつと いふきのみやに タケフツと イブキの宮に (コモリ九男) フソヨカタ シテヲサメシム ふそよかた してをさめしむ 二十四県 して治めしむ
ホツマチハ カシマオシクモ ほつまちは かしまおしくも ホツマ方は カシマオシクモ (コヤネの子) ヒタカヒコ ミシマミソクイ ひたかひこ みしまみそくい ヒタカヒコ ミシマミゾクイ (オシクモの弟) (コモリ11男) ハラミヤニ モモヱアカタノ はらみやに ももゑあかたの ハラ宮に 百枝県の (ハラアサマ宮)
モノノヘト ユタカニヲサム もののへと ゆたかにをさむ モノノベと 豊かに治む =県主
ツクシヨリ シカトコフユエ つくしより しかとこふゆえ ツクシより 使人乞ふゆえ カンタチオ モノヌシトシテ かんたちお ものぬしとして カンタチを モノヌシとして (コモリ長男) ハテツミト トモニミソフオ はてつみと ともにみそふお ハテツミと 共に三十二を (筑紫三十二県) ヲサメシム カレニツミハオ をさめしむ かれにつみはお 治めしむ 故にツミハを コトシロト アスカノミヤニ ことしろと あすかのみやに コトシロと アスカの宮に <カンタチの> ハヘラシム はへらしむ 侍らしむ
フツキユミハリ ふつきゆみはり 七月七日 イセムスヒ カモタケスミニ いせむすひ かもたけすみに 妹背結び カモタケスミに (ハデヅミの子) ミコトノリ キサキオツマニ みことのり きさきおつまに 御言宣 「后を妻に (ホオテミ) タマフヘシ コフニマカセン たまふへし こふにまかせん 賜ふべし 乞ふに任せん」 タケツミハ コフハオソルル たけつみは こふはおそるる タケツミは 「乞ふは畏るる アメノママ あめのまま 天の随」 天君の随意
ミホツメモフス みほつめもふす ミホツ姫申す (コモリの母) ソフツホネ アレトワカマコ そふつほね あれとわかまこ 「十二局 あれど我が孫 スケモトメ ウチメイソヨリ すけもとめ うちめいそより 典侍モトメ 内侍イソヨリ (コモリ長女) (コモリ三女) シイオリノ ナカニイソヨリ しいおりの なかにいそより しいおりの 中にイソヨリ シルヒトソ チチニタツネハ しるひとそ ちちにたつねは 知る人ぞ」 父に尋ねば ミヅハメの社 (コモリ) で会っている ウナツキテ コレタケツミニ うなつきて これたけつみに 頷きて これタケヅミに タマワレハ カアヒノタチソ たまわれは かあひのたちそ 賜われば "河合" の建ちぞ
ウカワミヤ メトルスセリメ うかわみや めとるすせりめ ウカワ宮 娶るスセリ姫 (ホノススミ) (コモリ六女) ミコオウム イミナウツヒコ みこおうむ いみなうつひこ 御子を生む 斎名ウツヒコ
コレノサキ アネタマネヒメ これのさき あねたまねひめ これの先 姉タマネ姫 (コモリ次女) ハラヲキミ キサキニナシテ はらをきみ きさきになして ハラ皇君 后になして (ムメヒト) ミソクイカ イクタマハスケ みそくいか いくたまはすけ ミゾクイが イクタマは典侍 イクヨリハ ウチメトナレト いくよりは うちめとなれと イクヨリは 内侍となれど タマネヒメ クニテルミヤト たまねひめ くにてるみやと タマネ姫 クニテル宮と タケテルト ウメハナツメカ たけてると うめはなつめか タケテルと 生めばナツメが ウフキナス うふきなす 産着成す
サイワヒヒシハ さいわひひしは 幸菱は ムカシコノ ウツムロカコム むかしこの うつむろかこむ 昔この 鬱室囲む タケコケテ スツレハオエル たけこけて すつれはおえる 竹焦げて 捨つれば生える (「生ふ」の連体形) マタラタケ アヤニウツシテ またらたけ あやにうつして 斑竹 紋に写して ミハノナモ サイアイヘシト みはのなも さいあいへしと 御衣の名も "最愛へし" と イセノミハ ウフキニモチユ いせのみは うふきにもちゆ 妹背の衣 産着に用ゆ (婚礼衣装) モトオリソ ホソノヲキレル もとおりそ ほそのをきれる もとおりぞ 臍の緒切れる (「切る」の連体形) タケモコレ たけもこれ 竹もこれ
トキニアスカノ ときにあすかの 時にアスカの ミヤマカル ハハチチヒメハ みやまかる ははちちひめは 宮 罷る 母チチ姫は ノチノヨオ イセニハヘレハ のちのよお いせにはへれは 後の代を イセに侍れば ヲヲンカミ ヰオオナシクス ををんかみ ゐおおなしくす 大御神 居を同じくす <と> →ホ25 ツケキキテ ハハノナケキハ つけききて ははのなけきは 告げ聞きて 母の嘆きは ツキモナヤ つきもなや 「嗣も無や」
カミノヲシヱハ かみのをしゑは 神の教えは (大御神) ハラミヤノ クニテルオツキ はらみやの くにてるおつき 「ハラ宮の クニテルを嗣 アマテラス ニキハヤヒキミ あまてらす にきはやひきみ "和照らす ニギハヤヒ君"」
モニイリテ シラニワムラノ もにいりて しらにわむらの 喪に入りて 領庭村の ミハカナス ノチニトクサノ みはかなす のちにとくさの 陵 成す 後に十種の ユツリウケ トシメクルヒモ ゆつりうけ としめくるひも 譲り受け 年回る日も モニイリテ アスカノカミト もにいりて あすかのかみと 喪に入りて アスカの神と マツルナリ まつるなり 纏るなり <身柱に>
サキニミコナク さきにみこなく さきに御子なく <テルヒコは> カクヤマカ アメミチヒメオ かくやまか あめみちひめお カグヤマが アメミチ姫を (テルヒコの右臣) ヱヱナシテ アニタクリカコ ゑゑなして あにたくりかこ ゑゑなして 兄タクリが子 タクラマロ ナオコトナセト たくらまろ なおことなせと タクラマロ 猶子となせど ハセヒメハ トミトニクミテ はせひめは とみとにくみて ハセ姫は 臣と憎みて (アスカ君の后) 臣下の娘と子だと憎んで ステサシム キミマタイカリ すてさしむ きみまたいかり 捨てさしむ 君また怒り (テルヒコ) ハセオスツ はせおすつ ハセを捨つ
カクヤマヲキミ かくやまをきみ カグヤマ皇君 (クニテル) ハハトメシ コハメセトコス ははとめし こはめせとこす 母と召し 子は召せど来ず アメミチ姫を母として召し、タクラマロは召せど来ず フトタマノ マコミカシヤオ ふとたまの まこみかしやお フトタマの 孫ミカシヤを (テルヒコの左臣) ツマトシテ ウマシマチウム つまとして うましまちうむ 妻として ウマシマチ生む ナカスネハ オモノトミナリ なかすねは おものとみなり ナガスネは 主の臣なり
ミヤコニハ キミムツマシク みやこには きみむつましく 都には 木実睦まじく (ミヅホ宮) ヤヲカフリ ツクシノソヤト やをかふり つくしのそやと 八百日経り ツクシの十八と 筑紫での18万と ヨソヒヨロ トシヘテヲサム よそひよろ としへてをさむ 四十一万 年経て治む ヰ ゐ 即位後の41万 アメヒツキ ユツランタメニ あめひつき ゆつらんために 和日月 譲らんために ミコオメス スヘラヲミコハ みこおめす すへらをみこは 御子を召す 皇太子は (ウガヤ) ヲニフヨリ ミツホニミユキ をにふより みつほにみゆき ヲニフより ミヅホに御幸 (遠敷) マミヱスム まみゑすむ まみえ済む
トキニワカミヤ ときにわかみや 時に若宮 (ウガヤ) ナカニマス コヤネハヒタリ なかにます こやねはひたり 中に座す コヤネは左 ミホヒコハ ミキニハヘレハ みほひこは みきにはへれは ミホヒコは 右に侍れば (コモリ) アマキミハ ミハタノフミオ あまきみは みはたのふみお 天君は 機の文を ミテツカラ ヲミコニユツリ みてつから をみこにゆつり みてづから 太子に譲り マキサキハ ヤタノカカミオ まきさきは やたのかかみお 御后は ヤタの鏡を (トヨタマ姫) ササケモチ カスカニサツク ささけもち かすかにさつく 捧げ持ち カスガに授く オオスケハ ヤヱカキノタチ おおすけは やゑかきのたち 大典侍は ヤヱガキの太刀 (モト姫か) ササケモチ コモリニアタフ ささけもち こもりにあたふ 捧げ持ち コモリに与ふ キミトトミ ツツシミウクル きみととみ つつしみうくる 君と臣 謹しみ受くる (「受く」の連体形) アマキミト キサキモロトモ あまきみと きさきもろとも 天君と 后もろとも (ホホデミ) シノミヤニ オリヰテココニ しのみやに おりゐてここに シノ宮に 下り居てここに カミトナル トキヨソフスス かみとなる ときよそふすす 神となる 時 四十二鈴 ヤモヰソヱ キワトシネウト やもゐそゑ きわとしねうと 八百五十枝 極年ネウト 60穂 ハツキヨカ はつきよか 八月四日
キミノモマツリ きみのもまつり 君の喪纏り ヨソヤスミ ミコトニマカセ よそやすみ みことにまかせ 四十八済み 御言に任せ
オモムロオ イササワケミヤ おもむろお いささわけみや 骸を イササワケ宮 ケヰノカミ ユエハヲキナニ けゐのかみ ゆえはをきなに "係の神" 故は翁に (シホツチ) ケヰオヱテ メクリヒラケル けゐおゑて めくりひらける 係を得て めぐり開ける (縁) (運) (「開く」の連体形) チオヱタリ カトテノケヰソ ちおゑたり かとてのけゐそ 鉤を得たり 門出の係ぞ 開運の縁ぞ カシハテハ かしはては 膳出は
ヒメハオモムロ ひめはおもむろ 姫は骸 ミツハミヤ ムカシナキサニ みつはみや むかしなきさに ミヅハ宮 昔 渚に チカイシテ ミソロノタツノ ちかいして みそろのたつの 誓いして "三揃の竜" の ミタマヱテ ナモアヰソロノ みたまゑて なもあゐそろの 神霊得て 名も "陽陰揃の カミトナル かみとなる 神" となる
タミツオマモリ たみつおまもり 田水を守り フネオウム キフネノカミハ ふねおうむ きふねのかみは 船を生む キフネの神は フナタマカ フネハイニシヱ ふなたまか ふねはいにしゑ 船霊か 船はいにしえ シマツヒコ クチキニノレル しまつひこ くちきにのれる シマツヒコ 朽木に乗れる (「乗る」の連体形) ウノトリノ アツミカワユク うのとりの あつみかわゆく 鵜の鳥の アヅミ川行く (安曇川) イカタノリ サオサシオホエ いかたのり さおさしおほえ イカダ乗り 棹差し覚え フネトナス ふねとなす 船となす
コノオキツヒコ このおきつひこ 子のオキツヒコ カモオミテ カイオツクレハ かもおみて かいおつくれは 鴨を見て 櫂を造れば マコノシカ ホワニナスナヨ まこのしか ほわになすなよ 孫のシガ 帆ワニ成す 七代 カナサキハ オカメオツクル かなさきは おかめおつくる カナサキは オカメを造る ソノマコノ ハテカミノコノ そのまこの はてかみのこの その孫の ハテ守の子の トヨタマト ミツハメトフネ とよたまと みつはめとふね トヨタマと ミヅハメと船 (水の守り) ツクルカミ ムツフナタマソ つくるかみ むつふなたまそ 造る神 六船霊ぞ
ミコトノリ タカハフタカミ みことのり たかはふたかみ 御言宣 「タガは二尊 (ウガヤ) ハツノミヤ イマヤフルレハ はつのみや いまやふるれは 果つの宮 今 破るれば ツクリカエ ミツホノミヤオ つくりかえ みつほのみやお 造り替え ミヅホの宮を ウツシヰテ ツネオカマント うつしゐて つねおかまんと 移し居て 常 拝まん」 と <二尊を> イシヘシテ ヒカセオオヤニ いしへして ひかせおおやに 礎部して 引かせ 覆屋に 地を引かせ 大工に ツクラセテ イトナミナリテ つくらせて いとなみなりて 造らせて 営み成りて ミヤウツシ ミクライニツク みやうつし みくらいにつく 宮移し 御位に着く
ソノヨソイ アヤニシキキテ そのよそい あやにしききて その装い 綾・錦 着て タマカサリ カムリハヒクツ たまかさり かむりはひくつ 珠飾り 冠・佩・沓 ハラノノリ ハナオツクシテ はらののり はなおつくして ハラの法 華を尽して ソノアスハ オオンタカラニ そのあすは おおんたからに その明日は 大御宝に オカマシムカナ おかましむかな 拝ましむかな
キアトナツ ミクライナリテ きあとなつ みくらいなりて キアト夏 御位成りて 42鈴851枝2穂夏 イセニツク アマテルカミノ いせにつく あまてるかみの イセに告ぐ アマテル神の ミコトノリ トカクシオシテ みことのり とかくしおして 御言宣 トガクシをして
ワカミマコ タカノフルミヤ わかみまこ たかのふるみや 「我が御孫 タガの古宮 ツクリカエ ミヤコウツセハ つくりかえ みやこうつせは 造り替え 都 移せば アニツキテ ワノフタカミソ あにつきて わのふたかみそ 上に継ぎて 地の二尊ぞ」
ワレムカシ アメノミチヱル われむかし あめのみちゑる 「我 昔 陽陰の道得る カクノフミ ミヲヤモアミオ かくのふみ みをやもあみお 橘の文 "御祖百編" を サツクナモ ミヲヤアマキミ さつくなも みをやあまきみ 授く 名も "御祖天君"」
コノココロ ヨロノマツリオ このこころ よろのまつりお 「この心 万の纏りを <地上の君が> キクトキハ カミモクタリテ きくときは かみもくたりて 聞く時は 神も下りて ウヤマエハ カミノミヲヤソ うやまえは かみのみをやそ 敬えば 神の御祖ぞ
コノミチニ クニヲサムレハ このみちに くにをさむれは この道に 国治むれば 親が子を思う心に モモツカサ ソノミチシトフ ももつかさ そのみちしとふ 百司 その道慕ふ コノコトク コレモミヲヤソ このことく これもみをやそ 子の如く これも御祖ぞ
コノコスエ タミオメクミテ このこすえ たみおめくみて この後末 民を恵みて <である> ワカコソト ナツレハカエル わかこそと なつれはかえる 我が子ぞと 撫づれば還る ヒトクサノ ミヲヤノココロ ひとくさの みをやのこころ 人草の 御祖の心」 →14文
スヘイレテ モモノヲシテノ すへいれて もものをしての 「統べ入れて 百のヲシテの <陽陰の道は> 渾然として ナカニアリ アヤシケケレハ なかにあり あやしけけれは 中にあり 文 繁ければ その内容繁密なため
アチミエス あちみえす 味 見えず 本質が見えにくい
ニシキノアヤオ にしきのあやお 錦の紋を ヲルコトク ヨコヘツウチニ をることく よこへつうちに 織る如く ヨコヘ・ツウヂに タテオワケ ヤミチノトコハ たておわけ やみちのとこは 経を分け 闇道の所は 道の見えない所を アカリナス あかりなす 明かりなす 明瞭にする
カスカコモリト かすかこもりと カスガ・コモリと 左右の臣ともども アチシラハ アマツヒツキノ あちしらは あまつひつきの 味 知らば 和つ日月の 和して照らす日月の サカヱンハ アメツチクレト さかゑんは あめつちくれと 栄えんは 天地転れど <たとえ> キワメナキカナ きわめなきかな 極め無きかな」
キミウケテ シカサルトキニ きみうけて しかさるときに 君 受けて 使 更る時に (トガクシ) ミコトノリ フユイタルヒニ みことのり ふゆいたるひに 御言宣 「冬至る日に ヲヲマツリ アマカミトヨヨ ををまつり あまかみとよよ 大祭 天神とよよ スヘラカミ ユキスキノミヤ すへらかみ ゆきすきのみや 皇神 ユキ・スキの宮 (地の尊) ヤマウミト トミコトタマハ やまうみと とみことたまは 山海と ト尊霊は 山海の幸を ソロを守るト尊の神霊は 司る神々と ハニスキノ ナメヱニツケテ はにすきの なめゑにつけて 埴スキの 嘗会に付けて 纏って ヒトクサノ ホキイノルナリ ひとくさの ほきいのるなり 人草の 寿 祈るなり 幸を
フタカミハ ツネニタタスノ ふたかみは つねにたたすの 二尊は 常にタダスの (ウガヤ) トノニヰテ アマネクヲサム とのにゐて あまねくをさむ 殿に居て あまねく治む <八方を> タミユタカ サクススナレハ たみゆたか さくすすなれは 民 豊か 幸鈴成れば 幸鈴となる度に ウエツキテ ナススオヨヘト うえつきて なすすおよへと 植え継ぎて 七鈴およべど (42万年) ナオユタカ なおゆたか なお豊か
ヨソコノススノ よそこのすすの 四十九の鈴の コモソヒヱ ハツホキアヱノ こもそひゑ はつほきあゑの 九百十一枝 初穂キアヱの ハツミカニ コヤネモフサク はつみかに こやねもふさく 一月三日に コヤネ申さく キミハイマ ミヲヤノミチニ きみはいま みをやのみちに 「君は今 御祖の道に ヲサムユエ ヒトクサノヲヤ をさむゆえ ひとくさのをや 治むゆえ 人草の祖 アメツチノ カミモクタレハ あめつちの かみもくたれは 天地の 神も下れば (陽陰) ミヲヤカミ ヨヨノミヲヤノ みをやかみ よよのみをやの 御祖尊 よよの御祖の ツキコナシ ソフノキサキモ つきこなし そふのきさきも 嗣子無し 十二の后も イカナルヤ いかなるや 如何なるや」
トキニアマキミ ときにあまきみ 時に天君 ワレオモフ ソミススヲイテ われおもふ そみすすをいて 「我 思ふ 十三鈴老いて (78万歳) タネアラシ コモリモウサク たねあらし こもりもうさく 種あらじ」 コモリ申さく ヨツキフミ アリトテアマノ よつきふみ ありとてあまの 「代嗣文 あり」 とて アマノ オシクモニ ノリシテヨツキ おしくもに のりしてよつき オシクモに 宣して代嗣 ヤシロナス やしろなす 社 成す
トキニオシクモ ときにおしくも 時にオシクモ ナアテナシ コヤネフトマニ なあてなし こやねふとまに 「名当て無し」 コヤネ フトマニ ウラナエハ ヤセヒメヨケン うらなえは やせひめよけん 占えば 「ヤセ姫 良けん ヤヒノヰハ ナカノヤトナル やひのゐは なかのやとなる 八一の謂は 中の "ヤ" となる (ヲヤマ) 「ヲヤマ」は中の音が「ヤ」 ナカノヤ=おなかの屋 シノハラハ ハハトハラメル しのはらは ははとはらめる "シのハラ" は 母と孕める (「孕む」の連体形) ヤノツホネ ウチメハナカノ やのつほね うちめはなかの "ヤ" の局 内侍は中の (屋・宿・宮) <また> クライナリ くらいなり 位なり」 (典侍・内侍・乙下)
トシモワカハノ としもわかはの 年も若葉の ヤセヒメオ ソヒノキサキモ やせひめお そひのきさきも ヤセ姫を 十一の后も ミナイハフ オシクモキヨメ みないはふ おしくもきよめ みな祝ふ オシクモ清め ヨツキヤニ イノレハシルシ よつきやに いのれはしるし 代嗣社に 祈れば 徴 ハラミヱテ ソヰツキニウム はらみゑて そゐつきにうむ 孕み得て 十五月に生む ヰツセキミ ヤセヒメミヤニ ゐつせきみ やせひめみやに ヰツセ君 ヤセ姫 宮に イルルマニ ツイカミトナル いるるまに ついかみとなる 入るる間に 潰い神となる
オチナクテ フレタツヌレハ おちなくて ふれたつぬれは 御乳無くて 触れ尋ぬれば コレノサキ カモタケスミト これのさき かもたけすみと これの先 カモタケスミと イソヨリト ソミススマテモ いそよりと そみすすまても イソヨリと 十三鈴までも (78万年) コナキユエ ワケツチカミニ こなきゆえ わけつちかみに 子なきゆえ ワケツチ神に (ニニキネ) イノルヨノ ユメニタマワル いのるよの ゆめにたまわる 祈る夜の 夢に賜わる タマノナノ タマヨリヒメオ たまのなの たまよりひめお "タマ" の名の タマヨリ姫を ウミテノチ ヒタシテヨハヒ うみてのち ひたしてよはひ 生みて後 養して齢 ソヨススニ タラチネトモニ そよすすに たらちねともに 十四鈴に タラチネ共に (84万年) カミトナル カアヒノカミソ かみとなる かあひのかみそ 神となる "河合の神" ぞ
タマヨリハ モマツリナシテ たまよりは もまつりなして タマヨリは 喪纏りなして タタヒトリ ワケツチカミニ たたひとり わけつちかみに ただ一人 ワケツチ神に マタモフテ ユフササクレハ またもふて ゆふささくれは また詣で 斎 捧ぐれば (ワケツチ宮) ウツロイカ ウタカヒトワク うつろいか うたかひとわく ウツロイが 疑ひ問わく ヒメヒトリ ワケツチカミニ ひめひとり わけつちかみに 「姫一人 ワケツチ神に ツカフカヤ コタエシカラス つかふかや こたえしからす 仕ふかや」 答え 「然らず」
マタトワク ヨニチナムカヤ またとわく よにちなむかや また問わく 「世に因むかや」 ヒメコタエ ナニモノナレハ ひめこたえ なにものなれは 姫答え 「何者なれば オトサンヤ ワレハカミノコ おとさんや われはかみのこ 脅さんや 我は尊の子 ナンチハト イエハウツロヰ なんちはと いえはうつろゐ 汝は」 と 言えばウツロヰ トヒアカリ ナルカミシテソ とひあかり なるかみしてそ 飛び上がり 鳴神してぞ サリニケル さりにける 去りにける
アルヒマタイテ あるひまたいて ある日また出で ミソキナス シラハノヤキテ みそきなす しらはのやきて 禊なす 白羽の矢 来て ノキニサス アルシノオケノ のきにさす あるしのおけの 軒に刺す 主の穢汚の トトマリテ オモハスヲノコ ととまりて おもはすをのこ 止まりて 思わず男の子 ウミソタツ うみそたつ 生み育つ
ミツナルトキニ みつなるときに 三つなる時に ヤオサシテ チチトイウトキ やおさして ちちというとき 矢を指して 「父」 と言う時 ヤハノホル ワケイカツチノ やはのほる わけいかつちの 矢は昇る ワケイカツチの カミナリト ヨニナリワタル かみなりと よになりわたる 神なりと 世に鳴り渡る
ヒメミコオ モロカミコエト ひめみこお もろかみこえと 姫・御子を 諸守乞えど ウナツカス タカノノモリニ うなつかす たかののもりに 頷かず 高野の森に カクレスム ワケイカツチノ かくれすむ わけいかつちの 隠れ住む ワケイカツチの ホコラナシ ツネニミカケオ ほこらなし つねにみかけお 祠 成し 常に御影を マツルナリ まつるなり 祭るなり
ミフレニヨリテ みふれによりて 御触れによりて <乳募集の> モフサクハ ヒヱノフモトニ もふさくは ひゑのふもとに 申さくは 「ヒヱの麓に ヒメアリテ チチヨキユエニ ひめありて ちちよきゆえに 姫ありて 乳良きゆえに タミノコノ ヤスルニチチオ たみのこの やするにちちお 民の子の 痩するに乳を (「痩す」の連体形) タマワレハ タチマチコユル たまわれは たちまちこゆる 賜われば たちまち肥ゆる (「肥ゆ」の連体形)
コレムカシ カミノコナレト これむかし かみのこなれと これ昔 尊の子なれど カクレスム モリニヰイロノ かくれすむ もりにゐいろの 隠れ住む 森に五色の
クモオコル イツモチモリト くもおこる いつもちもりと 雲起る "出雲路森" と ナツクナリ モロカミコエト なつくなり もろかみこえと 名付くなり 諸守乞えど マイラネハ サオシカナサレ まいらねは さおしかなされ 参らねば 差使なされ シカルヘシ しかるへし 然るべし」
トキニイワクラ ときにいわくら 時にイワクラ (コモリ13男) ウカカイテ ツカイオヤレト うかかいて つかいおやれと うかがいて 使いを遣れど キタラネハ ミツカラユキテ きたらねは みつからゆきて 来たらねば 自ら行きて マネケトモ ウナツカヌヨシ まねけとも うなつかぬよし 招けども 頷かぬ由 カエコトス かえことす 返言す
ワカヤマクイカ わかやまくいか ワカヤマクイが モフサクハ ヲシカトナラテ もふさくは をしかとならて 申さくは 「御使人ならで でなきゃ コヌユエハ ワケツチカミオ こぬゆえは わけつちかみお 来ぬ故は ワケツチ神を ツネマツル メセハマツリノ つねまつる めせはまつりの 常 祀る 召せば祀りの カクルユエナリ かくるゆえなり 欠くるゆえなり」
ミコトノリ ヤマクイオシテ みことのり やまくいおして 御言宣 ヤマクイをして メストキニ ハハコノホレハ めすときに ははこのほれは 召す時に 母子上れば ミタマヒテ ウチナオトエハ みたまひて うちなおとえは 見給ひて 氏名を問えば ヒメコタエ ヲヤノタケスミ ひめこたえ をやのたけすみ 姫答え 「親のタケスミ イソヨリカ ナツクタマヨリ いそよりか なつくたまより イソヨリが 名付くタマヨリ ハテカマコ コハチチモナク はてかまこ こはちちもなく ハテが孫 子は父も無く カミナリソ チチカナケレハ かみなりそ ちちかなけれは 神生りぞ 父が無ければ イミナセス イツモノミコト いみなせす いつものみこと 斎名せず "出雲の御子" と ヒトカヨフ コトハモクワシ ひとかよふ ことはもくわし 人が呼ぶ」 言葉もくわし
スキトホル タマノスカタノ すきとほる たまのすかたの 透き通る 珠の姿の カカヤケハ ミコトノリシテ かかやけは みことのりして 輝けば 御言宣して ウチツホネ ヰツセヒタセハ うちつほね ゐつせひたせは 内局 ヰツセ養せば <その乳が> ミコノナモ ミケイリミコソ みこのなも みけいりみこそ 御子の名も ミケイリ御子ぞ ウムミコハ イナイイキミソ うむみこは いないいきみそ 生む御子は イナイイ君ぞ ミキサキト ナリテウムミコ みきさきと なりてうむみこ 御后と なりて生む御子 カンヤマト イハワレヒコノ かんやまと いはわれひこの カンヤマト イハワレヒコの ミコトナリ みことなり 尊なり
トキニタネコカ ときにたねこか 時にタネコが (アメタネコ) タケヒトト イミナチリハメ たけひとと いみなちりはめ "タケヒト" と 斎名ちりばめ タテマツル アマキミミコニ たてまつる あまきみみこに 奉る 天君 御子に ミコトノリ ツツノミウタニ みことのり つつのみうたに 御言宣 ツヅの御歌に
コレヲシテ トヨヘルハタノ これをして とよへるはたの 『これヲシテ 訪経る機の "タケヒト"は皇の璽 (万機) ツツネニソナセ つつねにそなせ 連根にぞなせ』
この時点で既にウガヤは自分の力ではどうにもできない 世の変化を悟っていて、不可避の混乱の後にタケヒトが 再び世の秩序を回復し、ほつまに発展させて行くことの 願いを込めた連歌(続き歌)の発句であるように思われる。 どうにもならない変化とは、おそらくウヒチニの時代に 起こったような「陽陰和る道」の変化であったと思う。 28文では、これを「陽陰の蝕み」と呼んでいる。そして これはアマテルが世を去るのと時を同じくするのである。
コレノサキ ハラノオシクモ これのさき はらのおしくも これの先 ハラのオシクモ (ハラ宮) メシノホス オトトヒタチハ めしのほす おととひたちは 召し上す 弟ヒタチは コヤネ退任のため 鏡臣としてタガへ ワカキユエ アハノコトシロ わかきゆえ あはのことしろ 若き故 阿波のコトシロ (イフキの宮のツミハ) ハヘルミヤ はへるみや 侍る宮
ハラカラナレハ はらからなれは "ハラカラ" なれば <ハラ宮のミシマミゾクイとは> ニシヒカシ カヨヒツトメテ にしひかし かよひつとめて 西東 通ひ勤めて カナメシム ナモツミハヤヱ かなめしむ なもつみはやゑ 要 締む 名もツミハ八重 コトシロカ ミシマニイタリ ことしろか みしまにいたり コトシロが ミシマに到り (大阪府三島郡) ハラニユキ マタミシマヨリ はらにゆき またみしまより ハラに行き またミシマより (静岡県三島市) イヨニユク いよにゆく イヨに行く (伊予三島)
ツイニチナミテ ついにちなみて ついに因みて ミソクイノ タマクシヒメモ みそくいの たまくしひめも ミゾクイの タマクシ姫も ハラムユエ ワニノリアハエ はらむゆえ わにのりあはえ 孕むゆえ ワニ乗り阿波へ (ワニ船) カエルウチ ウムコノイミナ かえるうち うむこのいみな 帰る内 生む子の斎名 ワニヒコハ クシミカタマソ わにひこは くしみかたまそ ワニヒコは クシミカタマぞ ツキノコハ イミナナカヒコ つきのこは いみななかひこ 次の子は 斎名ナカヒコ クシナシソ アオカキトノニ くしなしそ あおかきとのに クシナシぞ "青垣殿" に スマシムル すましむる 住ましむる
サキニツクシノ さきにつくしの 先にツクシの カンタチハ ソヲノフナツノ かんたちは そをのふなつの カンタチは ソヲの船津の (コモリ長男) フトミミオ ヤスニメトリテ ふとみみお やすにめとりて フトミミを ヤスに娶りて (筑前国夜須) フキネウム ノチモロトモニ ふきねうむ のちもろともに フキネ生む 後 両共に (カンタチとフトミミ) カミトナル オオモノヌシハ かみとなる おおものぬしは 神となる オオモノヌシは フキネナリ トヨツミヒコト ふきねなり とよつみひこと フキネなり トヨツミヒコと (ハテツミの子) ヲサメシム ノワサヲシエテ をさめしむ のわさをしえて 治めしむ 野業教えて <三十二県を> タミオウム たみおうむ 民を埋む
ヒトリオサムル ひとりおさむる 一人治むる オオナムチ ミツカラホメテ おおなむち みつからほめて オオナムチ 自ら褒めて アシノネサ モトヨリアラヒ あしのねさ もとよりあらひ 「葦の根さ 本より改ひ 葦の根を 本より取り除き イワネコモ ミナフシナヒケ いわねこも みなふしなひけ 岩根こも みな伏し靡け 岩の根っこも 全部ぺしゃんこにして ヲサムルハ ヤヨホニタレカ をさむるは やよほにたれか 治むるは 八万穂に誰か マタアラン またあらん またあらん」
ウナハラヒカリ うなはらひかり 海原 光 アラハレテ ワレアレハコソ あらはれて われあれはこそ 現れて 「我あればこそ ナンチソノ オオヨソニナス なんちその おおよそになす 汝その おおよそに成す イタハリソ オオナムチトフ いたはりそ おおなむちとふ 功ぞ」 オオナムチ問ふ ナンチタソ ワレハナンチノ なんちたそ われはなんちの 「汝 誰ぞ」 「我は汝の サキミタマ クシヰワサタマ さきみたま くしゐわさたま 先神霊 貴霊業霊」
サテシリヌ マツルサキタマ さてしりぬ まつるさきたま 「さて知りぬ 纏る先霊 トコニスム イヤカミスマス とこにすむ いやかみすます どこに住む」 「否 神住まず」 ナンチオハ アオカキヤマニ なんちおは あおかきやまに 「汝をば あお垣山に スマセント ミヤツクリシテ すませんと みやつくりして 住ません」 と 宮造りして (高宮神社) ソコニオレ そこにおれ 「そこに居れ」
コナキカユエニ こなきかゆえに 「子無きがゆえに <フキネは> ミタルルソ コトシロヌシカ みたるるそ ことしろぬしか 乱るるぞ コトシロヌシが (ツミハ) ヱトノコノ クシミカタマオ ゑとのこの くしみかたまお 兄弟の子の クシミカタマを コイウケテ ツキトナスヘシ こいうけて つきとなすへし 乞い受けて 嗣となすべし」 <大物主の>
ミヲシヱニ ミモロノソハニ みをしゑに みもろのそはに 御教えに ミモロのそばに この先霊の教えを受け (御諸山) トノナシテ コエハタマハル とのなして こえはたまはる 殿 成して 乞えば賜はる (あお垣殿) モフケノコ クシミカタマト もふけのこ くしみかたまと 儲けの子 クシミカタマと ワカツマノ サシクニワカメ わかつまの さしくにわかめ 我が妻の サシクニワカ姫 自分の妻の モロトモニ スマセテヌシハ もろともに すませてぬしは 両共に 住ませて主は (大物主) ツクシタス ヒタルノトキニ つくしたす ひたるのときに ツクシ治す ひたるの時に フキネの臨終に コレオツク これおつく これを継ぐ (大物主)
ハハコイタレハ ははこいたれは 母子到れば ノコシコト コノムラクモハ のこしこと このむらくもは 遺し言 「このムラクモは アレマセル ミコノイワヒニ あれませる みこのいわひに 生れませる 御子の祝ひに (「生れます」の連体形) (タケヒト) ササケヨト イイテイモヲセ ささけよと いいていもをせ 捧げよ」 と 言いて妹背 カミトナル かみとなる 神となる
ヤスニオサメテ やすにおさめて ヤスに納めて (夜須) マツルノチ ツクシヲシカノ まつるのち つくしをしかの 纏る後 ツクシ御使の (喪纏り) <クシミカタマに> ミコトノリ ノチニクシナシ みことのり のちにくしなし 御言宣 後にクシナシ カミトナル ハハニコワレテ かみとなる ははにこわれて 神となる 母に乞われて (タマクシ姫) ヲシカスツ カレニツクシノ をしかすつ かれにつくしの 御使棄つ 故にツクシの ミユキコフ みゆきこふ 御幸乞ふ
トキニヰツセニ ときにゐつせに 時にヰツセに ミコトノリ タカノヲキミト みことのり たかのをきみと 御言宣 "タガの皇君" と オシクモト クシミカタマト おしくもと くしみかたまと オシクモと クシミカタマと マテニアリ タネコハミコノ まてにあり たねこはみこの 左右にあり タネコは御子の オオンモリ ミコタケヒトハ おおんもり みこたけひとは "大御守" 御子タケヒトは トシヰツツ マタイワクラハ としゐつつ またいわくらは 歳五つ またイワクラは (コモリ13男) ミヤウチノ ツホネアツカリ みやうちの つほねあつかり 宮内の "局預り"
アマキミハ ツクシニミユキ あまきみは つくしにみゆき 天君は ツクシに御幸 (ウガヤ) ムロツヨリ オカメニメシテ むろつより おかめにめして ムロツより オカメに召して ウトノハマ カコシマミヤニ うとのはま かこしまみやに ウドの浜 カゴシマ宮に ミソフカミ ミカリオコエハ みそふかみ みかりおこえは 三十二守 巡幸りを乞えば メクリミテ スタルオナオシ めくりみて すたるおなおし 恵り回て 廃るを直し タエオタシ ミナヲサマルモ たえおたし みなをさまるも 絶えを治し みな治まるも イカツチノ カミノイサオシ いかつちの かみのいさおし イカツチの 尊の功 ノコリアリ トトセニタミモ のこりあり ととせにたみも 遺りあり 十年に民も ニキハヒテ ヨロトシウタフ にきはひて よろとしうたふ 賑わいて 万歳謳ふ
ミヤサキノ キミノミココロ みやさきの きみのみこころ ミヤサキの 君の実心 ヤスマレハ ヨハヒモオヒテ やすまれは よはひもおひて 安まれば 齢も老ひて ハヤキシノ タカニツクレハ はやきしの たかにつくれは 早雉の タガに告ぐれば オトロキテ ミコタケヒトト おとろきて みこたけひとと 驚きて 御子タケヒトと モリタネコ タカヨリイテテ もりたねこ たかよりいてて 守タネコ タガより出でて ニシノミヤ オオワニノリテ にしのみや おおわにのりて 西宮 オオワニ乗りて ウトノハマ ミヤサキミヤニ うとのはま みやさきみやに ウドの浜 ミヤサキ宮に (宮崎神宮) イタリマス いたります 到ります
ミヲヤアマキミ みをやあまきみ 御祖天君 (ウガヤ) ミコトノリ タケヒトタネコ みことのり たけひとたねこ 御言宣 「タケヒト・タネコ シカトキケ ワレツラツラト しかときけ われつらつらと しかと聞け 我つらつらと オモミレハ ヒトクサノミケ おもみれは ひとくさのみけ 思みれば 人草の食 シケルユエ ウマレサカシク しけるゆえ うまれさかしく 繁るゆえ 生れ賢しく ナカラエモ チヨハモモヨト なからえも ちよはももよと 永らえも 千節は百節と ナリカレテ ワカヤソヨロモ なりかれて わかやそよろも 萎り枯れて 我が八十万も モモトセモ ヨノタノシミハ ももとせも よのたのしみは 百年も 世の楽しみは アイオナシ アマテルカミモ あいおなし あまてるかみも あい同じ アマテル神も カエラセハ アノミチマモル かえらせは あのみちまもる 還らせば 上の道守る (尊敬) ヒトモナシ モロトモホムル ひともなし もろともほむる 人も無し 諸共褒むる (讃える) カミモナシ かみもなし 神も無し」
ナンチフタリモ なんちふたりも 「汝二人も ナカラエス イツセハコナシ なからえす いつせはこなし 永らえず イツセは子無し タケヒトハ ヨノミヲヤナリ たけひとは よのみをやなり タケヒトは 万の御祖なり タネコラモ ヱトムソウチニ たねこらも ゑとむそうちに タネコらも ヱト六十内に ツマイレテ ヨツキオナセヨ つまいれて よつきおなせよ 妻入れて 代嗣を成せよ」
タケヒトハ トシソヰナレハ たけひとは としそゐなれは 「タケヒトは 歳十五なれば ワカカワリ タネコカタスケ わかかわり たねこかたすけ 我が代り タネコが助け ヲサムヘシ シラヤノヲシテ をさむへし しらやのをして 治むべし 白矢の璽 タケヒトニ クニオシラスル たけひとに くにおしらする タケヒトに 国を領らする モモノフミ タネコニユツル もものふみ たねこにゆつる 百の文 タネコに譲る」
ワカココロ サキニカカミハ わかこころ さきにかかみは 「我が心 さきに鏡は オシクモニ マタヤヱカキハ おしくもに またやゑかきは オシクモに またヤヱ垣は ワニヒコニ サツクオヒメカ わにひこに さつくおひめか ワニヒコに 授くを姫が (タマヨリ姫) アツカリテ ワケツチミヤニ あつかりて わけつちみやに 預かりて ワケツチ宮に オサメオク ホツマナルトキ おさめおく ほつまなるとき 納め置く ほつま成る時 →序 →23文 オノツカラ ミクサノタカラ おのつから みくさのたから おのづから 三種の宝 アツマリテ ミヲヤトナスカ あつまりて みをやとなすか 集りて 御祖と成すが <タケヒトを> ホツマソト ほつまそと ほつまぞ」 と
ミヤサキヤマノ みやさきやまの ミヤサキ山の ホラニイリ アカンタヒラト ほらにいり あかんたひらと 洞に入り 「アカンタヒラ」 と アカリマス あかります あがります
ミコモオツトメ みこもおつとめ 御子 喪を務め (タケヒト) ヨソヤスム ミソフアツマリ よそやすむ みそふあつまり 四十八済む 三十二集まり アクルナハ ツクシスヘラキ あくるなは つくしすへらき 上ぐる名は "ツクシ皇" コノヨシオ タカニツクレハ このよしお たかにつくれは この由を タガに告ぐれば モニイリテ ヒウカノカミト もにいりて ひうかのかみと 喪に入りて "ヒウガの神"と マツリナス ヲニフニマツル まつりなす をにふにまつる 纏りなす ヲニフに纏る カモノカミ アヒラツヤマハ かものかみ あひらつやまは "カモの神" アヒラツ山は (=ミヤサキ山) ミヲヤカミ みをやかみ "御祖神"
ノチニタマヨリ のちにたまより 後にタマヨリ カミトナル カアヒニアワセ かみとなる かあひにあわせ 神となる 河合に合わせ ミヲヤカミ メヲノカミトテ みをやかみ めをのかみとて "御祖神" 陰陽の神とて (夫婦) イチシルキカナ いちしるきかな 著きかな
リンク先の説明文中
★印のついたものは他の文献・サイトからの引用。
■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】