もり  モリ  mori

  

【守】
1.(心身を)合わすこと。纏り。仕え。治め。調え。保護。世話。備え。補い。 =まめ(忠)

『ここちかすかと さとのなも をきなかもりも たまわれは』ホ8
『さほこなる ゆけのそしもり つるめそか やとにつくむや しむのむし』
ホ9
『さきにみこもり おもいかね しなのいなほら あちのかみ』ホ10
『みそむたり ゆたねひたせは みことのり たまふをしては こもりかみ』ホ10
『もとつかみ そのたえもりか たねくたし ものとたましゐ ゆひやわす』ホ14

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 ● モトモリ(元守) の略。

『ちしるにられて ゐついろの はにもてつくる もりのかみホ14
『したつもの そむよろやちと もりおゑて ひとうまるとき』
ミ6

2.(神霊を) 纏る所。鎮める所。 =やしろ(社)よりしろ(依代)

『なもあつまもり おほいそに やしろおたてて かみまつり』ホ39
『そのよのゆめに つしまもり しらいとりなる やまとたけ』ホ40

 
もる(守る)」の名詞化。

変態:「もろ(守)」「もの(守・物)まら(守)」「まろ(守)」「まゆ(繭)はゐ(貝)
類語:「まもり(守)」「み(見)」「はへ(侍)」「はり(張り)」「ものへ(物部)」「へ(侍・部・衛)」「つき(付き)」「つかひ(仕い)」「つこ(仕)」「そえ(添え)」「さふらひ(侍)」「はふり(祝)」「みはり(見張)」「とへ(戸畔)」「とめ(統め)」「あつかり(預り)
派生語:「そしもり(疎守)」「みこもり(皇子守)」「こもり(子守)

 
 

【漏り】
離れ。抜け。外れ。離散。脱落。

『ふとまにの しちりはやもり はけしくて つねすみのくに みせしむる』ホ10

 
もる(漏る・放る)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる・それる・抜ける・外れる」などの意。

変態:「もれ(漏れ)」

 
 

【盛・森】
集まり。群れ。集落。村。

『そややよひ みやこかえりの みゆきかり いたるひなもり いわせかわ』ホ38

 ● 特に木の群れ。

『ひめみこお もろかみこえと うなつかす たかののもりに かくれすむ』ホ27
もりにゐいろの くもおこる いつもちもりと なつくなり』ホ27

 
もる(盛る)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・添う・集まる」などの意。

変態:「むら(村)」「むれ(群)

 

10/02/15

  

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