にしのことばのみちのく

英語源探求のこころみ

  

 

1.はじめに

ceremony    [辞書検索]    
celebration    [辞書検索]     
solemnity    [辞書検索]

ここに挙げた3つの英単語は、いずれも「儀式・式典」「堅苦しさ・厳粛」などの意の同義語です。

注目していただきたいのは、3単語の「発音の近似」です。
3単語の語幹部 
"cerem"  "celeb"  "solem" の発音を、ご批判もありましょうがあえてカタカナで記しますと、
"セレム"  "セレブ"  "サラム" となります。
筆者はこの3つを、同一の言葉から派生した「発音のバリエーション(変態)」と見るわけです。
(「発音のバリエーション(変態)」の概念については やまとことばのみちのく を御覧ください。)

また同時に、スペルのバリエーションでもあり、

CEREM     CELEB     SOLEM

CS は同一の発音から生じた2種の表記形であり、互いに交換可能。
RL は同一の発音から生じた2種の表記形であり、互いに交換可能。
MB  は同一の発音から生じた2種の表記形であり、互いに交換可能。
 (日本語でも「さしい」と「さしい」はコンパチです。) 
母音
は子音の発声を円滑・容易にするためのものであり、すべて互いに交換可能。無くても良い。

このように考えるわけです。
(ちなみに上述の3語に加えて
sermon もバリエーションの一つと思われます。)

 

もう一つ例を挙げましょう。

arise    [辞書検索]
early    [辞書検索]
orient    [辞書検索]
Aryan    [辞書検索]
alien    [辞書検索]

この5つも同源と思えるわけです。

「日が立ち上る (arise) 方角を東 (orient) と言い、その方角に住む人々をアーリア人 (Aryan) という。彼らは我々ユダヤの民にとっては異邦人 (alien) である。」

  

  

2.アルファベット26文字  

筆者はこんなふうに考えました。

an = one  fortunate = opportunity odd = other
either = each elude = illusion divide = type = tive = sive = ship
envelop = involve esprit = spirit etiquette = educate = ethic
event = happened excel = accelerate excite = exceed
explode = flood face = phase fact = manifest
Depict = figure fair = pair = par = para- fantasy = wonder = phantom
bar = barrier = far = wall fatal = vital fear = horror
fish = Pisces float = flowed flourish = flower + ish
fond = bond = bind foreign = foe + reign frustrate = prostrate
fund = fountain = pond publish = people prefer = propel
probable = provable punish = banish quantity = count
quarantine = guarantee reign = rein salt = solution = solved
sublime = supreme = sovereign patient = pacify = homeopathy Istanbul = Liverpool = Hamburg = Nashville = Napoli = Acropolis

 

この仮定にに基づき、他のヨーロッパ言語も含めて同根ではないかと思われる単語を拾い集め、
交換可能と思われるアルファベット文字をまとめたものです。

  交換可能文字 ←を無理やり日本語の発音に  ←は何だ?
a e, h, i, o, u, w, y ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。 
b f, h, m, p, ph, v, w フ, フ, ム, プ, フ, ヴ, ウ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
c ch, g, k, q, s, sh, th,  ク, グ, ク, ク, ス, シュ, ス カ行・サ行音。
d ce, g, j, s, t, th, z ス, ク, ジュ, ス, ツ, ス, ツ タ行音(サ行とコンパチ)。
e a, h, i, o, u, w, y ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。
f b, h, m, p, ph, v, w ブ, フ, ム, プ, フ, ブ, ウ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
g c, ch, d, j, k, q, x ク, ク, ヅ, ズ, ク, ク, ク カ行・サ行音。
h b, f, m, p, ph, v, w,  ブ, フ, ム, プ, フ, ヴ, ウ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
i a, e, h, o, u, w, y ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。
j ch, d, g, t, y シュ, ヅ, ジュ, ツ, ユ サ行音(タ行とコンパチ)。ヤ行音。
k c, s, ch, sh, g, q ク, ク, グ, ク カ行音。サ行音。
l r, n ル, 延長音。 ラ行音。母音。
m b, h, f, n, ph, p, v ブ, フ, フ, ヌ, フ, プ, ヴ マ行音(ハ行とコンパチ)。ナ行音。
n b, f, gn, h, kn, l, m, ph, p, r, v ブ, フ, ヌ, フ, ヌ, ム, フ, プ, ヴ ナ行音。母音。
o a, e, h, i, u, w, y ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。
p b, f, h, m, ph, u, v, w ブ, フ, フ, フ, ヴ, ウ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
q c, g, k ク, グ, ク カ行音。
r l, n ル, 延長音。 ラ行音。母音。
s c, d, es, t, th, z ス, ヅ, ツ, ス, ツ サ行音(タ行とコンパチ)。
t c, d, s, th, z ス, ヅ, ス, ス, ツ タ行音(サ行とコンパチ)。
u a, e, h, i, o, w, y ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。
v b, f, h, m, p, ph, u, w ブ, フ, フ, ム, プ, フ, ウ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
w b, f, h, p, ph, u, v ブ, フ, フ, フ, ヴ ハ行音(マ行とコンパチ)。母音。
x c, ch, g, k, q, s, th, z ク, ク, グ, ク, ク, ス, ス, ズ カ行・サ行音。
y a, e, h, i, o, u, w ア, イ, ウ, エ, オ, ヰ, ヱ, ヲ 母音(ア行・ヤ行・ワ行)。
z c, d, s, th ス, ヅ, ス, ス サ行音(タ行とコンパチ)。

この表はまだまだ不完全なものですが、今後しだいに精度を高めていくつもりです。
これで何が言いたいのかというと、日本語に比べて母音も子音も随分と数の多い英語(インドヨーロッパ語)の発音ですが、その多くはオリジナルの言葉から派生した発音とスペル、つまり訛りによるものであるということ。したがって発音やスペルが幾分違っていても実は同じ言葉である場合が多いと推測されること。更に推せば、原初の音は日本語の48音とあまり違わなかったのではないか、ということなのです。

例えば "L" と "R" の発音は日本語には区別が無く、英語を学習する日本人は始め戸惑うわけですが、英語(あるいは英語の母体となった言語)自体にも元来は区別が無かったと考えます。1つの発音が時と所の変化による訛りを経て、2つに分れたのだと思います。
また日本語に言う「濁音」「半濁音」、これも本来は無かったものが、訛りによって発生したと見ています。英語においては、「F (フ)」の発音が訛って「B (ブ)」「V (ヴ)」や「P (プ)」の音が発生したのだと推測します。

 

《一服の余談》
アルファベットの H はなぜ「エイチ」と言うのでしょうか。
これだけは26文字中、読み方が特殊です。筆者は分ったような気がしてます。
ヒント: H は◯番目のアルファベットです。

   

  

3.英単語の成り立ち

多くの英単語は複数の単語の連結により構成されています。 例えば、

・combination    [辞書検索]

これは "combine" の名詞形ですが、com・bina・t・ion  の4つのパートから成っています。
この単語を構成する各パートを当サイトでは「単語分子」と呼ぶことにします。

combination = combinat + ion 形容詞"combinate" に "ion" を付加して名詞化。
combinate = combine + t 動詞"combine" に、"t" を付加して形容詞化。
"t" は "d" "ed" と同じで過去分詞を作る。
つまり "combinat" =  "combined".
combine = com + bine "com" を冠して、名詞"bine" を動詞化。

・important   [辞書検索]

important = import + ant 動詞"import" に "ant" を付加して形容詞化。
"ance" を付加すれば名詞となる。
import = im + port "im" を冠して 名詞"port" を動詞化。

・permissive    [辞書検索]

permissive = permit + tive 動詞"permit" に "tive" を付加して形容詞化。
"tive" の前が "t" の場合、大方 "t+tive" は "s+sive" に転じる。
permit = per + mit "per" を冠して 名詞"mit" を動詞化。

・mental   [辞書検索]

mental = ment + al 名詞"ment" に "al" を付加して形容詞化。
ment = mind "ment" は "mind" の音便による変化。

 

各単語分子の持つ意味や機能についてはここでは述べませんが、多くの英単語はこんな風に出来ているものと思って下さい。

 

《一服の余談》
筆者が英語の語源に取り組むきっかけとなった言葉に
karma
(カルマ)というのがあります。[辞書検索]
これは元はサンスクリット語だと言われてますが、英語にもなっています。
日本語では「業」とか「因縁」と訳されていますが、この訳は原義とは異なると思います。
筆者が思うにカルマは元々は「輪廻転生」を意味します。人の繰り返し地上に生まれてくるサイクルを言い、業や因縁はその原因だと思うわけです。
ところで「輪廻」「サイクル」は、平たく言えば「回転」であり、もっと平たく言えば「くるま」なのであります。

  

  

4.動詞化接頭分子。 

admit        [辞書検索]
commit     [辞書検索]
emit           [辞書検索]
permit      [辞書検索]
remit         [辞書検索]
submit      [辞書検索]
transmit   [辞書検索]

上の赤字部分を筆者は「動詞化接頭単語分子」と呼んでいます。
これらの分子は後に続く形容詞や名詞(ここでは "mit")を動詞化するからです。ここに挙げたのはほんの一部です。
動詞化接頭分子は、それぞれが多くのバリエーションを持ちます。後に続く文字の違いによって変化すると言った方がいいかも知れません。主なものを下にまとめます。

ab, ac, ad, ag, al, ap, en, in, im,
com, con, col, cor, cur, ob, oc, op,
de, des, di, dis, re,
e, a, i, o, d,  per, par, pur, pro, pre, 
es, as, s sub, suc, suf, sup, sur, 
ex, trans,

意味はどの動詞化接頭分子も単純に "do" であり、日本語の「~する」に相当します。
上述の7例では、いずれも「mitする」というのが本来的な意味になります。

ところが時の経過とともに、それぞれの動詞化接頭分子が特有の香りを持つようになります。
例えば "com" の場合は "common" の、"re" の場合は "return" の、"dis" "un" の場合は "not" の、"trans" の場合は "change" "across" の、"pro" "pre" の場合は "before" などの意味的な香りを持つようになっています。
しかし本来的には「~する」「~させる」なのだという一点を忘れてはなりません。
(比較的近代に作られた単語はその特有の香りだけを利用しているものが多いようです。)

"mit" は、 "meet" の過去分詞"met" の変態で、この例では名詞化しています。
(すぐ後に述べますが、英語においては過去分詞から名詞を作るのは常套手段の一つです。)
"meet" は「合う/合わす」の意ですが、「こっち(自) に合わす」か「あっち(他) に合わす」かの焦点の違いによって、「離れる/離す」の意味にもなります。 くわしくは やまとことばのみちのく実践理論 を御覧ください。

なお、これらの接頭分子で始まる単語がすべて「後続の名詞を動詞化している単語」であるとは限りませんのでご注意を。

  

 

5.過去分詞による名詞化。

fact
fict
pict

この内、"fact" は独立の英単語として辞書にも載っていますが、"fict" と "pict" は [fiction / picture, depict] のように単語分子としてのみ存在しています。
これらの単語分子は、実はさらに小さな構成単位から成っています。

fact =  fac +  t
fict =  fic +  t
pict =  pic +  t

先述の「2. アルファベット26文字」の表をもう一回見て欲しいのですが、
"fac"  "fic"  "pic" は互いにバリエーション(変態)であり、したがって表す意味もほとんど同じです。
いずれも「合わす」「現す・表す」「組む・作る」などの意の動詞です。
他にも星の数ほどバリエーションがありまして、
"fake"  "make" もその一部です。

次に "t" ですが、これは過去分詞を作る時に動詞の語尾に付される "-ed"   "-d" の変態なんです。
したがって、

fact =  fac +  t fac +  ed
fict =  fic +  t fic +  ed
pict =  pic +  t pic +  ed

なのであり、この過去分詞化によって「現れた~」「表された~」「作られた~」の意の形容詞が作られます。
そこから更に「現れたもの」「表されたもの」「作られたもの」の意にごく自然に発展して、名詞の出来上がりです。
なお "t" は単語によっては "d" "th" "ce" "se" "te" などにすり替えられたりします。

"depict" [辞書検索] という単語を考察しますと、動詞 "pic" の過去分詞から "pict" という名詞を作り、それに動詞化接頭分子 "de" を冠して再び動詞化しているのです。さらにはそれに "ion" を付加して "depiction" という名詞をつくっています。この動詞 → 名詞 → 動詞 → 名詞 ・・・ のパターンで作られる言葉が英語には非常に多いです。

  

  

6.  はじめに動詞ありき

前節での例として "fac"  "fic"  "pic" を挙げましたが、これらは何らかの意味を持つ最小の単語分子です。
厳密に言えば、"fac = fa + c" のように更に分解できますが、"fa" や "c" 単独では何の意味も持っていません。
"fa" や "c" は日本語で言えば1音の発声に相当します。
この段階ではまだ言葉になっておらず、自然界や人の発する「ノイズ」や「うめき声」に近いものです。

最小の単語分子は、前節で見た新たな単語の作られ方に鑑みると、最も原始的な単語分子とも言えます。
これらの最小単語分子を見ていきますと、どうやらそのほとんどは動詞であります。
このことは、「ほぼすべての言葉は動詞から始まっている」ことを示すものであり、やまとことばの場合と同じです。
さらには、英単語の最小単語分子とやまとことばの2音の動詞の間には発音の類似性があります。

pic   ≒  fic  ≒  hiku(引く)

そして今後のさらなる調査の結果を待つ必要はありますが、英語の最小単語分子も、やまとことばの2音の動詞と同様、5種に分類されるすべての意味を持っていると、現時点でも推測できます。 (やまとことばのみちのく実践理論)

   

   

7.  五種に分類されるすべての意味

英単語は、ずいぶんと長い綴りの単語でも、メインとなる最小単語分子の意味を名詞化したり、形容詞化したり、それをまた動詞化したり、それをまたまた名詞化したりと、こんなことをしている内に長くなるだけであって、メインの最小単語分子の原意は変わりません。ただ限定化・専門化されるだけです。
そのメインの最小単語分子は5種に分類されるすべての意味持っていますが、この5種が動詞の表す全ての意味になります。
しかしその5種の意味はたった1つから派生したものです。

以下はその5種を分類したものですが、やまとことばの分類とまったく同じものです。
(やまとことばのみちのく実践理論)

 

1.  Come.
2.  Go.   (= come to others)
     すべての動詞は  Come (合わす)  あるいは  Go (離す)  の意味を本来的に持っています。
     Come と Go は互いに鏡像であることを理解するのが非常に重要です。
     これは「一所から離れる」は「他所に合わす」と等価であり、
   また「2つに分ける」は「2つをそれぞれ囲う」と等価であることを表します。
3.  Come and Go.   (行ったり来たり)
4.  Go forward/upward.   (Come の自然の成行き :  例えばお金のことで考えてみて下さい)
5.  Go backward/downward.  (Go の自然の成行き :  例えばお金のことで考えてみて下さい)

  

Come Meet. Near. Touch. Add. Put. Pad. Push. Poke. Fit. Set. Sit. See. Visit.
Pull. Use. Chase. Seek. Convey. Tie. Note. Care. Serve. Relate.
Mediate. Be between. Center. Continue.
Close. Fasten. Bind. Stay. Stick. Solidify. Govern. Dominate.
Confine. Select. Pack. Enclose. Include. Cover. Surround. Control.
Keep. Last. Endure. Endeavor. Struggle. Treat. Operate.
Save. Pool. Collect.
Summarize. Concentrate. Unify. Integrate.
Appear. Occur. Bear. Cause. Realize. Be. Locate. Remain. 
Straighten. Adjust. Correct. Flatten. Neutralize. Pacify. Cure. Ease. 
Match. Compare. Measure. Counter. Balance. Share. Synchronize. Oppose. Collide. Respond. Correspond. Resemble. Agree. 
Fill. Align. Satisfy. ・・・
Go Leave. Divide. Bisect. Polarize. Distinguish. Discern. Define. Limit. Rule.
Change. Shift. Remove. Exclude. Hide. Send. Sweep. Throw. flush.
Depart. Divert. Deviate. Vary. Bend. Lean. Reverse.
Emit. Flow. Leak. Launch. Give. Show. Open. Explode. Expand.
Run. Lack. Elude. Miss. Release. Loosen.・・・
Come and Go Go back and forth. Swing. Tremble. Move.
Drift. Wander. Roam.
Rotate. Wind. Circle. Cycle. ・・・
Go forward/upward Go [High. Many. Big. Great. Ripe. Center. Prime. Fine. Strict, Pure. Light. Vivid. Fast. Future] Heighten. Activate. Invigorate. Vibrate.
Move. Thrive. Increase. Toughen. Enjoy. Refine. Purify. Precede. Sublime. Respect. Complete. End(goal). ・・・
Go backward/downward Go [Low. Short. Small. Thin. Edge. Rough. Dark. Quiet. Slow. Past.]
Lower. Inactivate. Defile. Reduce. Roughen. Collapse. Return. End. ・・・

 

- つづく -

 

(英語源辞書は現在製作中です)

  

  

2012/05/06
訂・追 2012/05/27

  

   

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