やまとことばのみちのく
語源探求のこころみ

   

ホツマツタヱ、ミカサフミ、フトマニのヲシテ三書の内容は、今の世に普及している辞書や文法を以っては解くことができません。筆者も長年、既知の語意と文法で解読に取り組んでいましたが、それでは筋の通った意味は得られないという結論に達しています。
今とは言葉の意味が違うんです。いや、違うのではなく意味が広いんです。たいがいの単語は現在と同じ意味も持っており、ある箇所ではその語意で通るのですが、別の箇所で使われている同単語は、その語意では話のつじつまが合わない、ということが頻繁に起ります。
そうした手詰まりの状況下にあった筆者が、虚無闇雲にテキストを読み返していたある時、ふと日本語(やまとことば)の成り立ちについて、幾つかの規則性を見出しました。このページではその規則性を基に組み上げた語源理論の骨子をご紹介します。

   

T. 理論概念

U. 実践理論

   

T.理論概念  

■ くぐまる(屈まる)という言葉があります。 辞書を引きますと、

【屈まる】クグマル −広辞苑より−
腰をまげ体を縮める。かがまるこごむ

このように説明されています。

くぐまる・かがまる・こごむ。 三つとも全く同じ意味に思えます。どれが原初の形かはわかりませんが、ある言葉が訛って三つの発音のバリエーションが生じたものと考えるのであります。
(当サイトでは文字数の節約のため、この発音のバリエーションを「変態」と呼びます。)

ローマ字を使うとそれぞれ、KuGuMaRu・KaGaMaRu・KoGoMaRu となり、子音だけで見れば K-G-M-R で同一です。

また、こころ(心)という言葉がありますが辞書を探すと、

【心】ケケレ −広辞苑より−
(上代東国方言) 「こころ」に同じ。

こういうのがでてきます。

ローマ字で書くとそれぞれ、KoKoRo・KeKeRe となり、子音の配列は K-K-R でやはり同一です。 あるいは、

やつ【谷】 −広辞苑より−
(関東地方でいう。特に鎌倉辺に地名として多く現存。アイヌ語からか)
低湿地。やちやと。 (地名としては、「や」ともいう) 

YaTu・YaTi・YaTo

その他にも、
やまふ(敬う)=やまふ(敬う)。 きく(菊)=ここ(菊)。 と=と(年)。 ふくか=ふくか。 ほころぶ=ふくろぶ。 ぶ(延ぶ)=ぶ(並ぶ)。 ち(槌)=ち(太刀)。 ひく(開く)=ひぐ(広ぐ)。 あ=あ(天)。 くさかさこせ(瘡)。 しも(下)=すみ(隅)。 しぼむ(萎む)=すぼむ(窄む)=せばむ(狭む)。 さかる(栄る)=しげる(繁る)=しきる(頻る)。 [い]ぐ(急ぐ)=く(急く)=ぐ(直ぐ)。 る(寝る)=る(寝る)。 ぐ(投げる)=ぐ(逃げる)=ぐ(脱ぐ)=く(退く)。 れ(誰)=れ(何)。 り(一人)=り(二人)。 つ(一つ)=つ(二つ)=つ(五つ)。 (夜)=(夜)=(夜)。 のみ(木の実)=のみ(木の実)。

このように無数にあります。このことから、

仮説1 
日本語は子音の配列が同一ならば、母音はどの様にも転じる(訛る)ことができる。

   

■ する(忘れる)という言葉があります。これと、する(薄れる)・する(褪せる)・する(痩せる)などは、使われ方やニュアンスは異なりますが、根源的な意味(失せる)は同じだと思えるのであります。 そこであ・う・や・わを全く別のものとせず、発音のバリエーションと見るわけです。 また仮説1より母音は他の母音に変化できますから、

れ(我)=れ=れ。 く(行く)=く(行く)=いゆく(行く)。 (在る)=る(居る)=る(居る)。 あ=あ。 かつ(分かつ・別つ)=かつ(分つ・頒つ)。 らく(怡楽)=らく=らく(和楽)。

仮説2−1 
ア行・ヤ行・ワ行の各音はバリエーション(訛り)であり根源的には同一。

   

■ 上と同様に、
し(寂しい)=さし(寂しい)。 あゆむ(歩む)=あいぶ。 すゑ(末)=しも(下)。 さご(真砂)=さご(砂子)。 かる(被る)=かる(被る)。 たふ(賜う)=たる(賜ばる)。 すらぎ(皇)=すらぎ(天皇)。 ま(馬)=ま(馬)。 め(梅)=め(梅)。 す(押す)=す(圧す)=あっす(圧す)=つ(圧)。

仮説2−2
ハ行とア行とマ行の各音はバリエーション(訛り)であり根源的には同一。

   

■ また同様に、
す(合わす)=あす(合わす)。 いふ(祝ふ)=いふ(祝ふ)。 しかみ=しかみ。 つ(遂・終)=つ(詰め)。 ねり(眠り)=ねり(眠り)。

仮説2−3
ハ行とワ行の各音はバリエーション(訛り)であり根源的には同一。

   

■ また同様に、
うつ(空)=うつ(空)=うつ(空)。 ふ(生ふ)=ふ(生ふ)。 あ(鮎)=あ。 ふくか=ふくか=くやか。 あむ(歩む)=あぶ=やあぶ。 かり(明り)=かり(光)。 たま(賜う)=たま(賜る)。  か(粥)=か(粥)。 よ(夜)=よ(宵)。 き(限)=き(際)。 と(樋)=と(樋)。

仮説2−4
ハ行とラ行とア行とヤ行の各音はバリエーション(訛り)であり根源的には同一。

   

■ また同様に、
く(退く)=く(退く)。 は(端)=は(端)。 り(断定の助動詞)=り(断定の助動詞)。

仮説2−5
タ行の音はとナ行の音に、ナ行の音はタ行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
やまみ=やまみ。 か(数)=か(数)。 ぼむ(窄む)=ぼむ(窄む)。 く(咲く)=く(長く・闌く)。 げる(繁る)=ける(闌ける)。 (十)=(十)。 た(立ち)=た(立ち)。 つ(地)=つ(地)。 ふぐ(塞ぐ)=ふぐ(塞ぐ)。 なふ(備ふ)=なふ(調ふ)。 はな(放つ)=はな(離す)。

仮説2−6
サ行の音はとタ行の音に、タ行の音はサ行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
田中ん=田中ん。 む(冷む)=ゆ(冷ゆ)。 ぐ(下ぐ)=く(引く)。 く(離く)=く(引く)。 く(敷く)=く(引く)。 く(退く)=く(退く)。

仮説2−7
サ行の音はとハ行の音に、ハ行の音はサ行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
(否)=い(否)。 と(後)=ち(後)。 る(生る)=る(生る)。 ばたま(射干玉)=ばたま(射干玉)。 し(主)=し(主)。

仮説2−8
ア行の音はナ行の音に、ナ行の音はア行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
あやま(誤る)=あやま(過つ)。 むか(向かふ)=むか(向かつ)。 わか(別かる)=わか(別つ)。

仮説2−9
ラ行の音はタ行の音に、タ行の音はラ行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
もす=ひもす。 おうみ=おうみ。

仮説2−10
マ行の音はナ行の音に、ナ行の音はマ行の音に転じる(訛る)ことがある。

   

■ また同様に、
お(小)うす=こ(小)うす。 か(笥・甕・瓮)=へ(瓮)。 き(気)=い(気)。

仮説2−11
ア行の音はカ行の音に、カ行の音はア行の音に転じる(訛る)ことがある。

  

仮説2を整理すると次のようになります。

ア行=ハ行=マ行=ヤ行=ラ行=ワ行。
サ行 ⇔ タ行 ⇔ ハ行 ⇔ ナ行 ⇔ ラ行。
カ行 ⇔ ア行 ⇔ ハ行。

カ行

↑↓

ア行・ナ行
ハ行・マ行・ヤ行
ラ行・ワ行

↑↓

サ行・タ行

  

どうやら、こんな関係が見えてきます。
(※「これではどの音もみんな同じじゃないか」と思う方も居ると思いますが、おそらくその直観は当っています。)

  

■ では、ア行・ナ行・ハ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行 に共通するものはなんでしょうか。
筆者は『弥(いや)』ではないかと直観し、多くの言葉を考察する内、ついには確信するに至りました。 

【弥】イヤ・イヨ・ヤ −広辞苑より−
1.いよいよ。ますます。いやが上に。
2.最も。いちばん。
3.非常に。たいそう。

辞書にはこのようにありますが、もっと多くの意味を内包しているようです。

何かが生まれ現れ、それが時間と空間を移動するうちに雪ダルマのように発展し、ついには極みに達する

筆者は『弥』をこのようなイメージで捉えています。
一言で言えば、『生成発展』ですが、そのプロセスで発生するすべての事柄をも含んでいます。

ア・イ・ウ・エ・オ ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ マ・ミ・ム・メ・モ ヤ・ユ・ヨ ラ・リ・ル・レ・ロ ワ・ヰ・ヱ・ヲ。どの音も1音だけで『弥』の意味を持つのです。 また2音・3音と組合わさっても同じです。

  

■ では『弥』で終点でしょうか。それともさらに上流にさかのぼれるのでしょうか。
その答えは何と、ほつまつたゑ・みかさふみの本文中に潜んでいました。

イニシエノ アメツチウヒノ キハナキニ キサシワカルル
アウメヲ ハアメトナリ ヒノワナル ハクニトナリ
ツキトナル

ほつまつたゑ2文

  

      アメツチヒトモ ワカサルニ ウイノヒトイキ
ウコクトキ ヒカシノホリテ ニシクタリ ウツホニメクリ
アワウヒノ メクレルナカノ ミハシラニ サケテメヲナル
ハキヨク カロクメクリテ アマトナリ ハナカニコリ
クニトナル ミツハニワカレ ヲノウツホ カセウムカセモ
オウミテ ヲハミツトナリ メハフタツ ヲセノムナモト
ヒトマロメ ヰモノミナモト ツキトコリ ウツホカセホト
ミツハニノ ヰツマシワリテ ヒトトナル アメナカヌシノ
カミハコレ

ほつまつたゑ14文

 

アメツチノ ヒラケルトキノ ヒトイキガ メヲトワカレテ
ハアメニ ハツチトナル ヲノウツホ カセウミカセモ
トワカレ ウヲセノムネハ ヒノワナル イメノミナモト
ツキトナル ツチハハニミツ カツハニハ ヤマサトトナル

ほつまつたゑ15文

 

            アメツチイマタ ワカサルニ ウイノヒトイキ
マトカニテ ミツニアフラノ メヲワカレ マツノホリテ
アメトナリ ハノチクタリ クニトロノ ハニミツワケテ
ハニハヤマ ミツハウミナリ ヲノウツホ カセトウコキテ
トハケル ヲセノムナモト ヒトマロメ アチカクメクリ
ヲニクハル イモノミナモト ツキトコル ハニチカキユエ
メニクハリ ウツホカセホト ミツハニノ ヰツマシワリテ
ヒトトナル

ほつまつたゑ16文

 

アメツチノ アホウヒイマタ アメミヲヤ アテオムスヒテ
フクウツホ キワナクメクリ ウヰトウヌ アウヌムスヒテ
アマツクリ ウヌアマシリテ ウハムスヒ ウヒオクニタマ
カテムスヒ ムネホヱラミテ ヒトマロメ アカミヤニスヱ

ほつまつたゑ18文

 

      ユエハアメツチ ワカサルニ アメノミヲヤノ
アホオアメ ウヒオクニタマ ウツロノリ シナトノタツナ
ノリメクリ ヨロモノウメル

ほつまつたゑ19-1文

 

      アメツチイマタ ナラサルニ アメノミヲヤノ
ナスイキハ キワナクウコク アモトカミ ミツニアフラノ
ウカムサマ メクルウツホノ ソノナカニ アメツチトトク
ミハシラオ メクリワカルル アワウヒノ アワハキヨクテ
ムネヲカミ ウヒハニコリテ ミナメカミ ハカロキヨク
アメトナリ ハオモリコル クニノタマ ウヲセノムネハ
ヒノワナル ウメノミナモト ツキトナル アモトアラワレ
ウミテノル ウツロシナトニ ハオメクリ アリサマナセハ
ツキノミツ ウミトタタエテ ヒニウメル ウツホウコキテ
カセトナル カセトナレハ ツチモマタ ミツハニトナル
コノヰツツ マシワリナレル カンヒトハ アウワアラワル
ミナカヌシ

みかさふみ6文

 

このように7箇所に宇宙創造のプロセスが歌われています。

「物質と非物質、正と負、陽と陰、何の区別もない混沌のスープに創造主(アメノミヲヤ)の初の一息が吹き込まれます。これにより混沌のスープ(アウ=アワウヒ=アホウヒ)は分離を始め、陽と陰(ヲ・メ)が生じます。陽は空(ウツホ)・風(カセ)・火(ホ)に分かれ、これらは軽いので天(≒宇宙空間)を形成します。陰は埴(ハニ)と水(ミツ)に分かれ、これらは重いので凝り固まって地(≒星)を形成します。ヲセ(ウヲセ)の胸元は日となり、ヰモ(イメ・ウメ)の水元は月となります。そして陽の空(ウツホ)・風(カセ)・火(ホ)と陰の水(ミツ)と埴(ハニ)の五つが交わって人が現れます。

これは言うまでもなく天地創造のストーリーであるわけですが、実は日本語創造のプロセスでもあるようなのです。
原文のストーリー中に出てくる言葉を拾い上げてみると、面白いことに気付きます。

1.アウ      「ア    ウ 」

2.アワウヒ    「アワ   ウヒ」

3.アホウヒ    「アホ   ウヒ」

4.ウヲセ・ウメ  「ウヲセ」「ウメ」

5.ヲセ・イメ   「 ヲセ」「イメ」

6.ヲセ・ヰモ   「 ヲセ」「ヰモ」

7.ヲ・メ     「 ヲ 」「 メ」

これらに先の仮説1と仮説2を当てはめてみてください。
1〜7はすべて同じことを言っていると思いませんか?

ウヲセ」の「ウ」が省かれたものが「ヲセ」。
ウヲセ」の「セ」が省かれた「ウヲ」が訛って「アホ」、さらに訛って「アワ」。
アワ」の「ワ」が省かれて「」。
ヲセ」の「セ」が省かれて「」。

ウメ」が訛って「ウヒ」「イメ」「ヰモ」。
ウヒ」の「ヒ」が省かれて「」。
ウメ」の「ウ」が省かれて「

そして「ウヲセ」は 「ツホ(空)・(火)・カ(風)」の短縮。
   「ウメ」は =「ウヒ(泥)」で 「ツ(水) + ニ(埴)」。

つまり1〜7は全部、「空火風と水埴」または「陽と陰」を表す語のバリエーションだったのです。

バリエーションはこの7つにとどまらず、「ア・イ・ウ・エ・オ ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ マ・ミ・ム・メ・モ ヤ・ユ・ヨ ラ・リ・ル・レ・ロ ワ・ヰ・ヱ・ヲ」これらの音の組合せであれば、論理的にはすべての組合せがバリエーションたり得ます。
その他のバリエーションには、たとえば「アヤ」「ヤワ」「アワ」「アメ」「ヲヤ」などがあります。

  
■ 「アウ(陽陰)」のバリエーションのひとつ「アワ(陽陰)」、これが動詞化すると「あふ(合う)」になります。

何が「合う」のかというと、「陽」と「陰」が合うわけです。 陽と陰の結合です。
「アワ(陽陰)」は結合して一体化することを運命付けられているわけです。そしてこれがすべての始まりとなります。
おそらくこの「あふ」こそが日本語の最初の一語だろうと思っています。

そしてその意味するところは「陽陰の結合」によって派生するすべての作用・性質で、
大まかに言うと次のようになります。

● 合う。隔たりがなくなる。

● (陽陰)が合ふことによって、 生まれる(生る・在る・現る)。

● 生まれるということは同時に、母体から離れる(分離・放出)こと。
  (一方から離れるということは、同時に他方へ近づく(合う)ことを意味する。)

● 離れていくと「拡大する宇宙」のように、しだいに延びる・広がる・平らになる・薄まる。

● また陽陰が合うと、陽と陰の両極端な性質が中和されて、均る(和らぐ・柔らぐ)。

● 生まれたものは空間と時間を移動する。行く・生く・経る。

● 経りながらしだいに成長・発展する。(熟る・上・大・敬・善・弥)。

● 成長・発展したものは、惜し・愛し・欲し・善し・嬉し・畏れ多し。 
  
だから、褒む・敬う・尊ぶ・欲す・惜しむ・寄す・愛づ・畏る。

● 成長・発展はいつかは極限に達する (成る・足る・至る)。

● 達すると終わり、もとの陽と陰に分解する (終ふ・離る・復つ)。

  そしてふたたび陽と陰は結合し、永遠にこのループを続ける。

これらすべてが「あふ」とそのバリエーションの意味するところです。
そしてこのプロセスこそが「あめなるみち(陽陰和る道)」なのだと思います。

すでにお分かりかと思いますが、先の「弥(イヤ・イヨ・ヤ)」、これも「あふ」のバリエーションの一つだったのです。 

【弥】イヤ・イヨ・ヤ −広辞苑より−
1.いよいよ。ますます。いやが上に。
2.最も。いちばん。
3.非常に。たいそう。

ここに「ますます」とありますが、「ま」を「あわ」に代えて読んでも「合わす合わす」となり、意味は同じですね。

仮説3 
ア行・ナ行・ハ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行の各音は「あふ(陽+陰)」のバリエーションであり、1音でも「あふ」と同じ意味を持つ。

  

少し後になって気付いたことですが、これらが日本語の動詞の意味するところのすべてなのです。 ア行・ナ行・ハ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行の各音の組合せでできている単語はもちろんですが、それらに限らず、すべての動詞は「あふ」の意味を持つようです。 言葉を代えて言えば、日本語のすべての動詞はこの「あふ」のバリエーションに過ぎないということになります。 時の経過と共にそれぞれのバリエーションが固有化・専門化して行ったものと考えます。

  

■ 「こえ」と「こゑ」など、複数の表記形がある理由は、「こふ」「こゆ」のように終止形が「ふ」「ゆ」で終わる動詞は書き言葉においても、ハ行ではなく、ア行(こえ)またはヤ行(こゑ)に活用したからのようです。しかしその活用形が名詞化した場合には元の行に戻る場合も多々あります(こへ)。ただしあまり厳密に行われてはいません。このことから「い」と「ゐ」、「え」と「ゑ」、「お」と「を」などの発音の相違は無かった、あるいは僅少だったと考えます。

  

■ 高い身分の人(特にアマテル神)に関わる場合、ア行の音で始まる言葉はヤ行に代わる場合が多いようです(特に「お」)。
例えば、「おかむ(拝む)」 → 「をかむ」、「おる(織る)」 → 「をる」など。

  

■ 濁音は、清音の言葉を話しているうちに自然に濁り、それが慣用化したものであって、始めから別個に独立して存在した音ではないと思っています。もし別個独立の発音であるならば「あわうた」に歌われていて然るべきと思います。 
今に残る原文テキストにも濁音が使用されていますが、写本によってかなり異なります。 これらは歴代の筆写者が自他に分かりやすさを便宜するために加筆したものと考えます。特殊ヲシテも同様です。

  

■ 今には見られない動詞の活用があります。

四段活用の動詞の連体形に「*eru」、已然形に「*ere」の形があります。
 例 「酌む」の連体形「酌める」、「枯らす」の連体形「枯らせる」、「酔ふ」の已然形「酔えれ(ば)」など。

  この活用は「眠れる森の美女」「悩める子羊」など現在でも多用されているのですが、
  文法的には独立の動詞の終止形として扱われています。

これらのことから、動詞の連体形とは 「終止形」+「なる/ある」 が約まったものであると推測されます。

  

■ 活用語の終止形と連体形の使い方の区別が明確でなく、終止形(例:「落つぞ」)を使うべき所に連体形(「落つるぞ」)を使う場合がしばしばあります。後にこの連体形「落つる」が、「落ちる」に訛って動詞として独立したものと思われます。

  

以上がこのサイトで日本語の語源を探求して行く上での、論理的基盤のあらましです。 

  

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記 09/05/12
改 11/12/03

   

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