つき  ツキ  tuki

  

【付き・着き・仕き・突き】【継ぎ・次・注ぎ・連ぎ・接ぎ・嗣】【坏】
合わせ。付け。入れもの。続き。後を継ぐ者。

よつきのかみは くにさつち さきりのみちお うけされは』ホ2
『まさかきの うゑつきゐもに みつるころ よつきのをかみ』ホ2
『たくひなるより としかそえ ゐもつきあまの まさかきや』
ホ2
『つくしにゆきて うむみこお つきよみのかみ ひにつけと あめにあけます』ホ3
『せみのおかわに みそきして ちのわにたたす みなつきや』ホ10

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つく(付く・継ぐ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす」の意。

変態:「すき(好き)」「すけ(助・挿げ)

  
 

【尽き・(筑)】
至り。到達。完了。あがり。ゴール。果て。終わり。

『ひかしはやまと ひたかみも にしはつきすみ あしはらも』ホ2
『つくしにゆきて うむみこお つきよみのかみ ひにつけと あめにあけます』ホ3
『うらなひて つきかつらきの いとりやま』
ホ4
『このつつき たるねかかはゐ つきひめお たつきさきとの』ホ35
『あとやみて かなつきふかに ははまかる つつきかはゐの つきのかみホ36
つゑつきさかも ややこえて のほのにいたみ おもけれは』ホ40

 ●連歌の第8継句。

『ゐつはたたこと むつはつれ ななはつきつめ やつはつきホ39

 
つく(尽く)」の名詞化。
ここでは「至る・達する・果てる・終わる」などの意。
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)と負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)、どちらとも言える。

類語:「つひ(遂・終)」「みち(満ち)」「きわ(極・究)
派生語:「つきすみ(筑州)」「つきかつらき(尽き上つらぎ)

  
 

【月・太陰】
1.(陽・日に) 継ぐもの・対となるもの。
2.負の方向に離れるさま。 陰。うひ(水・埴)

 ●陰。夜。穢。闇。黄泉
 ●物質の素となる陰のエネルギーしゐ(魄)よる(陰霊・夜霊)。太陰神霊。
 ●御后内宮

『をはあめとなり ひのわなる めはくにとなり つきとなる』ホ2
『ますかかみ まてにひるつき なつらえて』ホ4
『ちちたてまつり ひたすれと ひとみおとちて つきひなや』ホ4
『してむすひ みなもとゑらみ つきのわと しらみやにすゑ』ホ18
『むかしふたかみ ひのかみお きみつきはつく つくはとみ このことみなり』ホ28

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 ●一月。月の満ち欠けの1周期(29.5日)

『かくましわりて はらめとも とつきにうます』ホ4
としつきお ふれともやはり やめるかと こころいためて』ホ4
『うりふひめ なかこおすけに そなゑしむ これおこよみの うりふつきホ6
『ねなとやよひの もちよりそ うつきのもちに かえります』ホ6
『せみのおかわに みそきして ちのわにたたす みなつきや』ホ10

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 ●月経。(月が原因と考えられていたらしい)

つきのをえ なかれととまり みかののち みのきよけれは ひまちすと』ホ4
『めはつきしほの のちみかに きよくあさひお おかみうけ よきこうむなり』
ホ7
『ひめのもすそに つきをけの しみたるおみて やまとたけ みしかうたして』ホ40
『さねんとあれは おもえとも なかきけるその つきたちにけり』ホ40

 
つく(付く・継ぐ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・継ぐ・対になる」などの意。「日の後を継いで天空に在るもの」という意味。
 
また
つく(潰く)」の名詞化。
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」などの意。これは「陰」が重く下って「うひ(水・埴)」に凝り成ったことを表す。
月は陰の本源 (陰元・太陰) と考えられていた。
 
月の満ち欠けの1周期 29.5日 もまた「つき」という。

  

10/02/20

  

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