【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
ワカヒコイセススカノアヤ わかひこいせすすかのあや ワカヒコ 妹背清かの文
タカノコフ ツホワカミヤノ たかのこふ つほわかみやの タカの首 ツボ若宮の アツキヒノ ヱラミウカカフ あつきひの ゑらみうかかふ 暑き日の 選み伺ふ (=上り) ワカヒコニ ミキタマワリテ わかひこに みきたまわりて ワカヒコに 御酒賜りて ミコトノリ カミハイモセノ みことのり かみはいもせの 御言宣 「神は妹背の アマテル(アメミヲヤ)は陰陽の ミチヒラク ワレハカスカニ みちひらく われはかすかに 道 開く 我はカスガに (オシホミミ) コレウケン これうけん これ受けん」
カスカハオナシ かすかはおなし カスガ場を成し (場を設け) ヒタニマス ミキハヒタカミ ひたにます みきはひたかみ 左に座す 右はヒタカミ ウオキミト カルキミヲキナ うおきみと かるきみをきな 結君と カル君翁 ツキカトリ カンキミオヨヒ つきかとり かんきみおよひ 次カトリ 上君および カシマキミ ツクハシホカマ かしまきみ つくはしほかま カシマ君 ツクバ・シホカマ モロモマス もろもます 諸も座す
トキニミトヒハ ときにみとひは 時に御問ひは サキニミツ アヒセンツルオ さきにみつ あひせんつるお 「先に水 浴び せんつるを 水浴びしようとしてるのを ウホキミカ トメテマネナス うほきみか とめてまねなす 結君が 止めて真似なす (ヨロマロ) コレイカン これいかん これ如何ん」
カスカコタヱテ かすかこたゑて カスガ答えて ノコルノリ ムカシウヒチニ のこるのり むかしうひちに 「遺る宣り 昔 ウビチニ ヒナカタケ モモニトツキテ ひなかたけ ももにとつきて 雛が岳 モモにとつぎて (モモヒナミ) ハツミカニ サムカワアヒル はつみかに さむかわあひる 初三日に 寒川浴びる ソサノヲハ ヒカワニアヒル そさのをは ひかわにあひる ソサノヲは 氷川に浴びる コレツヨシ キミハヤサシク これつよし きみはやさしく これ強し 君は優しく ヤワラカニ マセハカカエテ やわらかに ませはかかえて やわらかに 坐せば考えて トトムモノカナ ととむものかな 止むものかな」
イセオコフ カスカトクナリ いせおこふ かすかとくなり 妹背を請ふ カスガ説くなり (陰陽)
イモヲセハ ヤモヨロウチノ いもをせは やもよろうちの 妹背は 八百万氏の (女男) ワカチナク ミナアメツチノ わかちなく みなあめつちの わかち無く 皆 天地の (陽陰) ノリソナフ のりそなふ 法 備ふ
キミハアマテル きみはあまてる キミは和照る 和して恵む ツキヒナリ クニカミハソノ つきひなり くにかみはその 月日なり 国守はその 陰と陽 クニノテリ タミモツキヒソ くにのてり たみもつきひそ 地の照り 民も月日ぞ 地上での反射 民の夫婦も月と日ぞ
メニホアリ ヒスリヒウチハ めにほあり ひすりひうちは 陰に火あり 火擦り・火打ちは (水・埴) ツキノヒソ ヲニミツアリテ つきのひそ をにみつありて 月の火ぞ 陽に水ありて (陰) (空・風・火) モユルホノ ナカノクラキハ もゆるほの なかのくらきは 燃ゆる火の 中の暗きは ホノミツヨ ほのみつよ 火の水よ (陽)
同様に人間の男女もそれぞれ陽と陰の両性を 持つが、その配分のバランスが異なっている
メヲトタカエト めをとたかえと 夫婦 違えど カミヒトツ ヨヲトハヒナリ かみひとつ よをとはひなり 上一つ 夫は日なり (源) ヨメハツキ ツキハモトヨリ よめはつき つきはもとより 嫁は月 月は元より ヒカリナシ ヒカケオウケテ ひかりなし ひかけおうけて 光無し 日影を受けて ツキノカケ メヲモコレナリ つきのかけ めをもこれなり 月の影 女男もこれなり
ヒノミチハ ナカフシノソト ひのみちは なかふしのそと 日の道は 中節の外 太陽の軌道は ツキハウチ ヲハオモテワサ つきはうち をはおもてわさ 月は内 男は表業 <されば> ツトムヘシ メハウチヲサメ つとむへし めはうちをさめ 務むべし 女は内治め キヌツツリ きぬつつり 衣綴り
イヱオヲサムハ いゑおをさむは 家を治むは アニナレト ヤメルカヲヤニ あになれと やめるかをやに 兄なれど 病めるか親に 親の意に カナワヌハ オトニツカセテ かなわぬは おとにつかせて 適わぬば 弟に継がせて アコトナセ あことなせ 上子となせ
ヨオツクモノハ よおつくものは 代を継ぐ者は ユツリウケ ハシヱテトツキ ゆつりうけ はしゑてとつき 譲り受け 橋得てとつぎ (うきはし) ムツマシク コオウミソタテ むつましく こおうみそたて 睦まじく 子を生み育て マタユツル またゆつる また譲る
メハヨニスメル めはよにすめる 女は世に住める (「住む」の連体形) トコロヱス ウマシミヤヒノ ところゑす うましみやひの 所得ず うまし・みやびの 親愛と協和の ヱイニオレ タヱノコトハニ ゑいにおれ たゑのことはに 英に居れ 妙の言葉に 高みに居れ 円満の言葉を モトムヘシ ヲセノタラチハ もとむへし をせのたらちは もとむべし 夫のタラチは 拠り所とすべし ウミノヲヤ アケクレムヘニ うみのをや あけくれむへに 生みの親 明け暮れむべに ウマシモテ ヲイニツカエヨ うましもて をいにつかえよ うまし以て 老いに仕えよ
ヨヲトニハ ミサホオタテヨ よをとには みさほおたてよ 夫には 操を立てよ ヰモノミハ ヲセノオナカニ ゐものみは をせのおなかに 妹の身は 背の央中に オルコトク ナセハミサホソ おることく なせはみさほそ 居る如く なせば操ぞ
メハナナシ イヱニトツケハ めはななし いゑにとつけは 女は名無し 家にとつげば ヲセノナニ タカウチムロト をせのなに たかうちむろと 背の名に "誰が内室"と 誰々の内室と呼ばれる カルキミモ ミタレユルセハ かるきみも みたれゆるせは カル君も 乱れ許せば タレウチソ たれうちそ 「誰 内ぞ?」 誰が奥さんなんだ!? <ええっ!!アマテル神の娘!?>
ミヤニノホレハ みやにのほれは 宮に上れば ウチツミヤ キミハメクミオ うちつみや きみはめくみお 内つ宮 君は恵みを クニニノフ ミヤハオナカソ くににのふ みやはおなかそ 国に延ぶ 宮は央中ぞ されば内宮はその中心ぞ
アカタモリ サトモルヒコモ あかたもり さともるひこも 県守 里守る彦も ソレタケノ ムロモアラカモ それたけの むろもあらかも それ丈の 室も殿も それ相応の オナカナリ タミハタハタオ おなかなり たみはたはたお 央中なり 民は田畑を ヲサムレハ ヤハヲセノミソ をさむれは やはをせのみそ 治むれば 屋は背の実ぞ (中心)
(夫は日なり 嫁は月) ヒハアメニ ツキハツチモル ひはあめに つきはつちもる 日は天に 月は地守る <恵み> ヨメノミハ ヨヲトヒトリニ よめのみは よをとひとりに 嫁の実は 夫一人に (本質) ムカフヒソ むかふひそ 向ふ土ぞ →ホ16文
ヨロクニツトモ よろくにつとも 万地苞も 数ある農産物も ウムウマヌ アレハメヲトモ うむうまぬ あれはめをとも 生む生まぬ あれば夫婦も <種と土の相性で> クニツトソ ウマスハヨソノ くにつとそ うますはよその 地苞ぞ 生まずばよその メオメトレ ヲセノオナカニ めおめとれ をせのおなかに 女を娶れ "背の央中に ヰモアリト ハラアシコトハ ゐもありと はらあしことは 妹あり" と 腹悪し言葉 ナカルヘシ ハラヤメヌマニ なかるへし はらやめぬまに 無かるべし 腹 病めぬ間に (心) →17文 タエニサトセヨ たえにさとせよ 妙に察せよ
オキツヒコ ハラアシコトニ おきつひこ はらあしことに オキツヒコ 腹悪し言に ツマアレテ ミサホタタヌト つまあれて みさほたたぬと 妻 荒れて "操立たぬ" と チキリサル ちきりさる 契り更る 夫婦の契りを白紙に戻す
チチウホトシカ ちちうほとしか 父ウホトシが ヰセミヤニ ナケケハミウチ ゐせみやに なけけはみうち 妹背宮に 嘆けば 御内 (=イサワの宮) (セオリツ姫) モロメシテ マフツノカカミ もろめして まふつのかかみ 両召して マフツの鏡 ウツサルル うつさるる 映さるる (尊敬)
ヲセハケカルル をせはけかるる 男は汚るる ニステカマ メハカクサルル にすてかま めはかくさるる ニステ竈 女は隠さるる ツクマナヘ ワカカンハセモ つくまなへ わかかんはせも ツクマ鍋 我が顔映も 自分の顔すら アエミエス ハチハツカシク あえみえす はちはつかしく あえ見えず 外ぢ恥づかしく 映っておらず 非常に恥しく アメニコフ あめにこふ あめに悔ふ 大いに悔やむ
ヲセユルサネハ をせゆるさねは 夫 許さねば イヤハチテ マカラントキニ いやはちて まからんときに いや恥ぢて 罷らん時に いよいよ恥じて 死のうとする時に クラムスヒ トトメテシカル くらむすひ ととめてしかる クラムスビ 留めて叱る (=ウホトシ) ワカコノミ ニステノツラオ わかこのみ にすてのつらお 「我が子の実 ニステの面を (実体) ミカカセト みかかせと 磨かせ」 と 磨かれよ
ヲヤノヲシエニ をやのをしえに 親の教えに オキツヒコ フタタヒトツキ おきつひこ ふたたひとつき オキツヒコ 再びとつぎ ムツマシク ヰモセノミチオ むつましく ゐもせのみちお 睦まじく 妹背の道を 陰陽の本質とその和合の道 マモリツツ モロクニメクリ まもりつつ もろくにめくり 守りつつ 諸国巡り ヨオヲフル ハシメオワリノ よおをふる はしめおわりの 世を煽る 始め終りの 来世を高める ツツマヤカ ミチヲシユレハ つつまやか みちをしゆれは 慎まやか 道 教ゆれば ヲヲンカミ ホメテタマハル ををんかみ ほめてたまはる 大御神 褒めて賜はる カマトカミ かまとかみ "カマド尊"
テナヘオサクル てなへおさくる 手鍋をさくる キタナキモ ミカケハヒカル きたなきも みかけはひかる きたなきも 磨けば光る 卑賤の者も カミトナル クニモリタミノ かみとなる くにもりたみの 尊となる 国守・民の サトシニモ ツクマナサセル さとしにも つくまなさせる 諭しにも 付離なさせる イセノミチ いせのみち 妹背の道 (陰陽の道)
コスヱオモフニ こすゑおもふに 後末思ふに (来世) イマシメノ ナケレハミタル いましめの なけれはみたる 戒めの 無ければ乱る
ハタレマノ タカラアツメテ はたれまの たからあつめて ハタレマの 財 集めて スヱキユル コレススクラソ すゑきゆる これすすくらそ 末 消ゆる これ "鈴暗" ぞ イキノウチ ホシオハナルル いきのうち ほしおはなるる 生きの内 欲を離るる 世に生きる内 コレハススカソ これはすすかそ これは "鈴明" ぞ
チチヒメハ タレヨリイテテ ちちひめは たれよりいてて チチ姫は 垂より出でて ワカヒコニ イマキクススカ わかひこに いまきくすすか ワカヒコに 「今聞く "スズカ" ワカヰミナ キミタマワレト わかゐみな きみたまわれと 我が斎名 君 賜われど ワケシラス マタトキタマエ わけしらす またときたまえ 訳知らず また説き給え」
コタエトク ススハマサカキ こたえとく すすはまさかき 応え説く 「鈴は真榊 ホスヱノヒ トシニキナカノ ほすゑのひ としにきなかの 穂末伸び 年に寸半の (半寸) ムヨロホキ ホシヰオサレハ むよろほき ほしゐおされは 六万穂木 欲気を去れば [六万寿] ススカナリ タカラホシキハ すすかなり たからほしきは 鈴明なり 財 欲しきは スヱキユル すゑきゆる 末 消ゆる」
トキニカルキミ ときにかるきみ 時にカル君 ススミイフ ナンソトカムヤ すすみいふ なんそとかむや 進み言ふ 「何ぞ咎むや (=なぜ) ワカタカラ ヒトタタユルソ わかたから ひとたたゆるそ 我が財 人 称ゆるぞ」
コノコタヱ ヒトノサイワヒ このこたゑ ひとのさいわひ この応え 「他人の幸ひ ワカマヨヒ マカリクルシム わかまよひ まかりくるしむ 我が迷ひ 曲り苦しむ」 <その妬み・羨みで> →17文
マタイワク タノシクオラハ またいわく たのしくおらは また曰く 「楽しく居らば?」 <現に苦しまず>
カスカマタ かすかまた カスガまた <たとえ今はよくとも>
ウイオシレルヤ ういおしれるや 「初を知れるや (もともと) アメニウケ アメニカエルソ あめにうけ あめにかえるそ 陽陰に受け 陽陰に還るぞ」 人は魂と魄の結びに生を受け 終れば魂と魄に戻るのぞ
カスカマタ キミニテモホシ かすかまた きみにてもほし カスガまた 「君にても欲し タミハナオ ススカノフミオ たみはなお すすかのふみお 民はなお "スズカの文" を ミサルカヤ みさるかや 見ざるかや」
ヲキナウナツキ をきなうなつき 翁 頷き クシヒコカ イサメノススカ くしひこか いさめのすすか 「クシヒコが 諌めの清か →10文 イマトケリ クルシミハナニ いまとけり くるしみはなに 今 解けり 苦しみは何」 その苦しみとは?
カスカトク ムカシトヨケノ かすかとく むかしとよけの カスガ説く 昔 トヨケの ミコトノリ ワレミヨオシル みことのり われみよおしる 御言宣 「我 三世を知る ハツノヨハ クニトコタチソ はつのよは くにとこたちそ 初の世は クニトコタチぞ アメニユキ ミルモトアケノ あめにゆき みるもとあけの 天に逝き 回る元明の <ミヲヤを軸に> モリサタメ もりさため 守 定め
フタヨムスヒノ ふたよむすひの 二世 ムスビの (キノトコタチ) モヨロホキ ユキテタマノヲ もよろほき ゆきてたまのを 百万寿 逝きて霊の結 天に還りて人に霊の結を ナスオキク なすおきく 和すを聞く (「執る」の意)
(この時点で初めて人に霊の結を付けたようだ)
イマタマキネモ いまたまきねも 今タマキネも 今世の ヤヨロトシ ホシニムサホル やよろとし ほしにむさほる 八万歳 欲に貪る ココロナク ユキキノミチモ こころなく ゆききのみちも 心無く 往き来の道も オホヱシル おほゑしる 覚え知る
メヲオムスヒテ めをおむすひて 陰陽を結びて ヒトココロ ヨニカエルトキ ひとこころ よにかえるとき 人心 世に還る時 スクナレハ マタヨクウマレ すくなれは またよくうまれ 直ぐなれば また良く生まれ その心を素直に保てば <ども> ヨコホシハ アヱカエラヌソ よこほしは あゑかえらぬそ 邪欲は あえ還らぬぞ」 邪欲に傾く心は 輪廻することができぬぞ
マタトワク ヒハヲニカエリ またとわく ひはをにかえり また問わく 「火は陽に還り ミツハメニ ヒトハヒトミニ みつはめに ひとはひとみに 水は陰に 人は人実に <還る> 人は人の本質に カエランカ かえらんか 還らんか」 還らぬのか
イワクハクサヤ いわくはくさや 曰く 「莠や オノコクサ ヰネアワナラス おのこくさ ゐねあわならす オノコ草 稲・栗 生らず <の側には> <同様に> アヤカリテ ヒトモウマルル あやかりて ひともうまるる あやかりて 人も生まるる 穢物に交わると ミチワスル タトエハタシム みちわする たとえはたしむ 道 忘る 例えば嗜む 行き来の道を忘れる カラシムシ ウオトリケモノ からしむし うおとりけもの 枯らし虫 魚・鳥・獣 <の道に> アイモトム あいもとむ 合い求む」 →15文
テレハタカラハ てれはたからは 「てれば財は ナンノタメ ホメハウマキニ なんのため ほめはうまきに 何のため? 褒め衣・美味きに
フケルユエ マレニウマルモ ふけるゆえ まれにうまるも 耽るゆえ 稀に生まるも 生まれはしても マツシクテ ヤツコトナリテ まつしくて やつことなりて 貧しくて 奴となりて 邪欲の奴隷となって ミオシノキ ヒトタノシマス みおしのき ひとたのします 実を凌ぎ 人 楽しまず」 精神を卑しめ 人たるを楽しまず <また>
カノホシオ ウラヤムヒトカ かのほしお うらやむひとか 「右の欲を 羨む人が 衣食に耽る欲を 羨む人の念がイソラとなって カムユエニ タマノヲミタレ かむゆえに たまのをみたれ 咬む故に 霊の結 乱れ ツチカセノ チマタニシヰノ つちかせの ちまたにしゐの 旋風の 岐に魄の 取り巻くイソラの 交わりによる身の クルシミカ ケモノトナルソ くるしみか けものとなるそ 苦しみが 獣となるぞ 苦しみが心を 獣に変じさせても カミウタス かみうたす 神 打たず」 神はこれに手を下さず
タトエハユメノ たとえはゆめの 「例えば夢の <しかし> オソワレノ シノヒカタクテ おそわれの しのひかたくて 魘われの 忍び難くて ワキマエス マカルノツミモ わきまえす まかるのつみも 弁えず 罷るの詰みも 夢と現実を区別せず (結末) オソワレソ おそわれそ 圧われぞ」 神に打たれるに同じ
ヒトオマトワス ひとおまとわす 「他人を惑わす 他人に羨み・妬みを起させる ワカホシモ ヒトハウタネト わかほしも ひとはうたねと 我が欲も 他人は打たねど タマノヲニ オホヱセメラレ たまのをに おほゑせめられ 霊の結に 覚え責められ ナカキユメ なかきゆめ 長き夢」 悪夢となって現れる
アメノマツリオ あめのまつりお 「陽陰の纏りを (日月) タテオケヨ カハネノミヤニ たておけよ かはねのみやに 立て置けよ 屍の宮に 尊重しろよ カンクラオ モフセハヲトケ かんくらお もふせはをとけ 神座を 設せば結解け <日月の> ヒトナルソ ひとなるそ 人なるぞ」
マツリナケレハ まつりなけれは 「纏りなければ アマメクミ モレテオツルソ あまめくみ もれておつるそ 陽陰恵み 漏れて落つるぞ」 (日月) →15文
コオモテヨ モシツマウマス こおもてよ もしつまうます 「子を持てよ もし妻生まず タネタエハ メカケメオキテ たねたえは めかけめおきて 胤 絶えば 妾女置きて タネナセヨ たねなせよ 胤なせよ」
メカケトナレル めかけとなれる 「妾となれる (「なる」の連体形) メノツトメ ツマオウヤマエ めのつとめ つまおうやまえ 女の務め "妻を敬え" メカケメハ ホシニナソラフ めかけめは ほしになそらふ 妾女は 星に擬ふ ホシヒカリ ツキニオヨハス ほしひかり つきにおよはす 星光 月に及ばず (妻) ウツクシモ ミヤニナイレソ うつくしも みやにないれそ 美しも 宮にな入れそ」
アマノハラ ツキナラフレハ あまのはら つきならふれは 「天の原 月並ぶれば (他動詞) クニミタル ツマトメカケト くにみたる つまとめかけと 地乱る 妻と妾と 地を乱す ヤニイレハ イヱオミタルソ やにいれは いゑおみたるそ 屋に入れば 家を乱るぞ」
ツキハヨル ツマナウトミソ つきはよる つまなうとみそ 「月は夜霊 妻な疎みそ ウチヲサム うちをさむ 内治む」
メカケノコトハ めかけのことは 「妾の言葉 ナマツリソ コオウムモリハ なまつりそ こおうむもりは な政りそ 子を生む守は ウマヌトキ スツルムラホシ うまぬとき すつるむらほし 生まぬ時 棄つる群星 ノリミタル のりみたる 範乱る」
インシアマカミ いんしあまかみ 「往んし和尊 ホシトナル コレハノリナス ほしとなる これはのりなす 星となる これは範成す」
メノスカタ ヨクテアルルモ めのすかた よくてあるるも 「女の姿 良くて荒るるも ミニクキニ ヨキミヤヒアリ みにくきに よきみやひあり 醜きに 良きミヤビあり ヨソオヒニ ナフミマヨヒソ よそおひに なふみまよひそ 装ひに な踏み迷ひそ」
イセノミチ アマノウキハシ いせのみち あまのうきはし 「妹背の道 陽陰のうきはし (女男の道) ヨクワタス カミノヲシヱノ よくわたす かみのをしゑの よく渡す 神の教えの (アマテル) イモヲセノ ミチノオオムネ いもをせの みちのおおむね 妹背の 道の概ね トホルコレナリ とほるこれなり 徹るこれなり」
ツクハウシ ホシオサルニハ つくはうし ほしおさるには ツクバ大人 「欲を去るには ミナステテ タノシミマツヤ みなすてて たのしみまつや みな捨てて 楽しみ全つや」 それでも楽しんで人生を全うせよと?
カスカマロ シカラストメテ かすかまろ しからすとめて カスガマロ 「然らず とめて タラサラハ ウエハホトコシ たらさらは うえはほとこし 足らざらば 飢えば施し <つまり> ウケンカヤ イワクキタナシ うけんかや いわくきたなし 受けんかや 曰く "汚し (ぬ) ホトコシオ ウケハホヰトソ ほとこしお うけはほゐとそ 施しを 受けば蝕人ぞ" キカサルヤ きかさるや 聞かざるや」
ナオカラサレハ なおからされは 「直からざれば ヒトナラス ヨニアリナカラ ひとならす よにありなから 人ならず 世にありながら ソノワサニ ウメルタカラオ そのわさに うめるたからお その業に 産める財を (「産む」の連体形) タタコヒテ クラフイヌコソ たたこひて くらふいぬこそ ただ乞ひて 競ぶ狗こそ アノツミヨ あのつみよ 大の潰よ」
マタトフタカラ またとふたから また問ふ 「財 サルコトハ さることは 去る如は?」
カスカマタトク かすかまたとく カスガまた説く ホシサルハ ステスアツメス ほしさるは すてすあつめす 「欲去るは 棄てず集めず ワサオシレ タカラアツメテ わさおしれ たからあつめて 技を知れ 財 集めて クラニミツ チリヤアクタノ くらにみつ ちりやあくたの 蔵に満つ 塵や芥の コトクナリ ことくなり 如くなり」
ココロスナオノ こころすなおの 「心 素直の ヒトアラハ ワカコノコトク ひとあらは わかこのことく 人あらば 我が子の如く トリタテテ ミナタストキハ とりたてて みなたすときは 取り立てて 充な足す時は ホシモナシ ほしもなし 欲も無し」
チリトアツメテ ちりとあつめて 「塵と集めて ヨニセマリ ウラヤムモノカ よにせまり うらやむものか 余に迫り 羨むモノが 余人を圧し 羨みの念がイソラとなって カムユエニ タマノヲミタレ かむゆえに たまのをみたれ 咬む故に 霊の緒 乱れ ミヤナクテ スヱマモラヌオ みやなくて すゑまもらぬお みやなくて 末 守らぬを やむなくて 人に生まれる来世を守らぬを タマカエシ ナセハヲトケテ たまかえし なせはをとけて 霊還し なせば緒解けて ミヤニイル ナサネハナカク みやにいる なさねはなかく 宮に入る なさねば永く 陽陰の宮居に入る クルシムソ くるしむそ 苦しむぞ」
トキニシホカマ ときにしほかま 時にシホカマ コナキトテ トエハカスカノ こなきとて とえはかすかの 子無きとて 問えばカスガの ヲシヱニハ をしゑには 教えには
アユキワスキノ あゆきわすきの 「アユキ・ワスキの マツリヌシ タノミテソレノ まつりぬし たのみてそれの 纏り主 頼みてそれの <に> 生れ来るべき霊の タマカエシ ナサハクルシム たまかえし なさはくるしむ 霊還し なさば苦しむ タマノヲモ トケテムネカミ たまのをも とけてむねかみ 霊の緒も 解けてムネカミ 魂は陽元へ ミナモトエ タマシヰワケテ みなもとえ たましゐわけて ミナモトへ 魂・魄 分けて 魄は陰元へ カミトナル タフトキヒトノ かみとなる たふときひとの 神となる 尊き "人の <されば> コトウマル ナレトユキスキ ことうまる なれとゆきすき 子" と生まる なれどユキスキ タマユラソ たまゆらそ たまゆらぞ」
スヱオヲモヒテ すゑおをもひて 「末を重ひて ムツマシク ワサオツトムル むつましく わさおつとむる 睦まじく 業を務むる 夫婦一体となり偏りなく直ぐに イセノミチカナ いせのみちかな 妹背の道かな」 =スズカの道
コノミチオ マナフトコロハ このみちお まなふところは この道を 学ぶ所は カンカセノ イセノクニナリ かんかせの いせのくになり カンカセの 妹背の国なり 陽陰の和合の (=ヤマトの国)
チチヒメモ ノチニハイセノ ちちひめも のちにはいせの チチ姫も 後には妹背の ヲンカミニ ツカヱススカノ をんかみに つかゑすすかの 御神に 仕え スズカの (アマテル) ミチオヱテ イセトアワチノ みちおゑて いせとあわちの 道を得て イセとアワ方の 伊勢と近江の ナカノホラ なかのほら 中の洞 (鈴鹿峠)
ススカノカミト すすかのかみと スズカの神と (チチ姫) ハコネカミ ムカフイモヲセ はこねかみ むかふいもをせ ハコネ神 向ふ妹背 (オシホミミ)
ホシオサル ススカノヲシヱ ほしおさる すすかのをしゑ 欲を去る スズカの教え ヲヲイナルカナ ををいなるかな 大いなるかな
リンク先の説明文中
★印のついたものは他の文献・サイトからの引用。
■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】