【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
カンカカミヤタノナノアヤ かんかかみ やたのなのあや 神鏡ヤタの名の文
アメツチモ ウチトモキヨク あめつちも うちともきよく 天地も 内外も清く ナルトキニ ヲウチニハヘル なるときに をうちにはへる 和る時に 大内に侍る トミタミモ ヤタノカカミオ とみたみも やたのかかみお 臣・民も ヤタの鏡を オカムトキ アマノコヤネカ おかむとき あまのこやねか 拝む時 アマノコヤネが ツツシミテ ヤタトナツクル つつしみて やたとなつくる 謹みて "ヤタ" と名付くる ユエオコフ トキニアマテル ゆえおこふ ときにあまてる 故を乞ふ 時に和照る
ミコトノリ みことのり 御言宣
ヤタハヤタミノ やたはやたみの ヤタはヤタミの モトノタケ イニシエツクル もとのたけ いにしえつくる もとの丈 いにしえ造る マハカリハ ヤソヨロヒトノ まはかりは やそよろひとの 間計りは 八十万人の ナレタケオ アツメハカリテ なれたけお あつめはかりて 均れ丈を 集め計りて (ex:180cm=8尺) ヒトツホオ イマノヒトマノ ひとつほお いまのひとまの 一坪を 今の一間の (180cm=8尺) モノサシソ ものさしそ 物差しぞ
コノマハカリオ このまはかりお この間計りを (180cm=8尺) ヤキタワケ コレニヒツキノ やきたわけ これにひつきの 八段分け これに日・月の (1尺=22.5cm) フタタマシ ヨノヒトカラノ ふたたまし よのひとからの 二尺増し 世の人殻の (45cm) タカハカリ たかはかり 高計り (1丈=225cm)
タオトツタキリ たおとつたきり 尺を十つた切り キトナツク タミハヤタナリ きとなつく たみはやたなり 寸と名付く 民は八尺なり (2.25cm)
この時代の1尺は30.3cmではない。 タは「手」の意味で、手を目一杯開いた時の 親指と小指の先端の間の距離を言う。これで 実際に長さを測った。そのさまが「尺取り虫」 の名の起源。
タカハカリ ホカセハニミツ たかはかり ほかせはにみつ 高計り 火・風・埴・水 (225cm) ヨツニワケ ウツホノヒトツ よつにわけ うつほのひとつ 四つに分け 空の一つ (各56cm) ツキアワセ アマノメクリノ つきあわせ あまのめくりの 継ぎ合せ 天の回りの (225+56=281cm) マカリサシ まかりさし 環差し
コレテヒトミオ これてひとみお これで人実を 八尺で人心を イタカント マロメテワタリ いたかんと まろめてわたり 抱かんと 丸めて径 (180÷3.14=57cm) フタタタル カカミハミヤノ ふたたたる かかみはみやの 二尺足る 鏡は宮の (余る) ミハシラニ カミオマネクノ みはしらに かみおまねくの 実柱に 神を招くの (魂魄) ヤタカカミ やたかかみ ヤタ鏡
イマワタリタノ いまわたりたの いま径 "タ" の
マルカカミ アテテヤタミノ まるかかみ あててやたみの 円鏡 当てて八尺身の (日月の物実) (=民) ココロヰル ヤタノカカミノ こころゐる やたのかかみの 心 入る "ヤタの明暗見" の (魂魄) 民の魂魄の写し ナニヨルナ なによるな 名による名
心 = 中子 = 霊 = 魂+魄 魂は陽霊 魄は陰霊 鏡 = 明暗見 明暗 = 日月 = 陽陰 = 魂魄 見 は「合わせ・写し」の意
ワレキクイニシ われきくいにし 我聞く 'いにし カミノヤハ ムノタミメヨリ かみのやは むのたみめより 尊' の屋は "ム" のタミメより (トコタチ) ムロヤタツ タミニヲシヱテ むろやたつ たみにをしゑて ムロ屋建つ 民に教えて ヤネオナス やねおなす 屋根を成す (屋の根源)
マタヤノタミメ またやのたみめ また "ヤ" のタミメ ヤシロナル イマミヤトノニ やしろなる いまみやとのに 社 成る いま宮・殿に (上代) タミオタス ヤツハヤカタソ たみおたす やつはやかたそ 民を治す 養つは上方ぞ
ヤシロは上位の階層(神・君・臣)の居場所(社・宮・殿・館)を言い、 そこで下位の階層(民)を治すため、政務所でもある。 「たす」は「治す」であり「足す」であり「助す」でもある。 民を足らし助けてヤツ(養う)のはヤカタ(上位者)の義務。 よってヤタには「養育」の意もある。
タノオシテ ミヒカリマルノ たのおして みひかりまるの "タ" のオシテ 三光 円の ウチニヰル タリタスクノリ うちにゐる たりたすくのり 内に入る 足り助く法 アメトチチ ウエシタカエス あめとちち うえしたかえす 天と父 上下反す (陽) ラノオシテ ツチトハハノリ らのおして つちとははのり "ラ" のオシテ 地と母法 (陰)
ヲヤカコオ ハラメハチタル をやかこお はらめはちたる 親が子を 孕めば乳足る 乳が具わる チチハハハ ケニタラチネヨ ちちははは けにたらちねよ 父母は 実に足乳根よ <されどまた> タモヲシモ チナキノタラヨ たもをしも ちなきのたらよ "タ" も "ヲシ" も 乳無きの親よ (足・助) (治・教) (養育者)
カンカミテ タスクルタミハ かんかみて たすくるたみは 鑑みて 助くる民は それに照らせば コノコトク ヤタハヲヲヤケ このことく やたはををやけ 子の如く ヤタは公 子に同じ
イニシカミ ツクリサツクル いにしかみ つくりさつくる 往にし尊 造り授くる トホコアリ トハトトノフル とほこあり とはととのふる 経・矛あり 経は調ふる オシテナリ フタカミウケテ おしてなり ふたかみうけて オシテなり 二尊受けて (文書) ヲヤトナリ タミオワカコト をやとなり たみおわかこと 親となり 民を我が子と (公) ソタツルニ アツクヲシエテ そたつるに あつくをしえて 育つるに 篤く教えて ヒトトナス ヲシエテモナオ ひととなす をしえてもなお 人となす 教えてもなお サカラハハ ウチホコロハセ さからはは うちほころはせ 逆らはば 打ち綻ばせ
ツミトカノ タタシモトホキ つみとかの たたしもとほき 罪・咎の 正しも遠き
アメトツチ トトカヌコトオ あめとつち ととかぬことお 天と地 届かぬことを (上と下) オモフナリ おもふなり 思ふなり
トミラヒメモス とみらひめもす 臣ら ひめもす ウマナクテ ヲシヱオツネノ うまなくて をしゑおつねの 倦まなくて 教えを常の ワサトナセ トミタミコマコ わさとなせ とみたみこまこ 業となせ 臣・民 子・孫 <教えとは> ヘタテナク ヰツクメクマン へたてなく ゐつくめくまん 隔てなく 慈く・恵まん オモヒナリ おもひなり 思ひなり
ヲシヱヌモノハ をしゑぬものは 教えぬ者は トミナラス ヲシヱウケヌハ とみならす をしゑうけぬは 臣ならず 教え受けぬは タミナラス たみならす 民ならず
ツネニオモエヨ つねにおもえよ 常に思えよ <君・臣同様> アマノリオ ヱテミオヲサメ あまのりお ゑてみおをさめ 陽陰法を 得て己を治め (陽陰人に統る) タカヤシテ ソロオウヱマキ たかやして そろおうゑまき 耕して ソロを植え蒔き クサキリテ カリオサムミノ くさきりて かりおさむみの 草切りて 刈り納む身の (収穫・納税) タミハマコ タクミアキトモ たみはまこ たくみあきとも 民は孫 工・商人も ヒコヤサコ モノシルトテモ ひこやさこ ものしるとても 曽孫・玄孫 物知るとても ウクメカテ トノミチヒキニ うくめかて とのみちひきに 蠢かで 調の導きに ヰラサランオヤ ゐらさらんおや 入らざらんをや (反語)
ワレミルニ ヲサマルミヨハ われみるに をさまるみよは 我見るに 治まる世は ナノキコヱ ヒトノココロハ なのきこゑ ひとのこころは 名の聞こえ 人の心派 オヨソコシ アラハニツトメ およそこし あらはにつとめ およそ濃し あらわに努め ウラヤスム うらやすむ 心 安む
ナカニヒトリハ なかにひとりは 中に一人は ウラナクテ アメシルキキノ うらなくて あめしるききの 心無くて 陽陰領る木々の 陽陰が支配する木々の ハナモミモ ワカミノミチト はなもみも わかみのみちと 花も実も 我が身の道と → 15文 シラサラメ オカシカクスモ しらさらめ おかしかくすも 知らざらめ 犯し隠すも 知らぬのだろう アメカシル あめかしる 陽陰が知る (神)
ウツホハアマノ うつほはあまの 空は陽陰の (神) ココロハノ ツネニメクレト こころはの つねにめくれと 心派の 常に巡れど ミヱナクテ ミツノメクリオ みゑなくて みつのめくりお 見えなくて 水の巡りを <魚が> ミルコトク ウツホハミユル みることく うつほはみゆる 見る如く 空は見ゆる <人には>
ウオノメト カワルヒトメノ うおのめと かわるひとめの 魚の目と 代わる人目の <それに> ウラカカミ ヒタリニモテハ うらかかみ ひたりにもては 裏鏡 左に持てば ミキニミヱ ヒタリエヤレハ みきにみゑ ひたりえやれは 右に見え 左へ遣れば ミキニユク ムカフエヤレハ みきにゆく むかふえやれは 右に行く 向ふへ遣れば マエニヨル ミナヒルカエル まえによる みなひるかえる 前に寄る みな翻る コノカカミ ナンノタメソヤ このかかみ なんのためそや この鏡 何のためぞや
マサニキケ モトモトアケノ まさにきけ もともとあけの 正に聞け 元々明の →ミ6文 ミヲヤカミ ソハノトホカミ みをやかみ そはのとほかみ ミヲヤ神 側のトホカミ ヱヒタメノ ヤモトノカミニ ゑひための やもとのかみに ヱヒタメの 八元の神に マモラシム ヒトノネコエハ まもらしむ ひとのねこえは 守らしむ 人の根隅は <人命を> アナミカミ ミソフノカミノ あなみかみ みそふのかみの 天並神 三十二の神の ミメカタチ みめかたち 見目・形
ソムヨロヤチノ そむよろやちの 十六万八千の モノオシテ ヒトノタマシヰ ものおして ひとのたましゐ モノをして 人の魂・魄 ヨロコハス トキニモトムル よろこはす ときにもとむる 喜ばす 時に求むる (栄す) (備える) ウマレツキ ソムヨロヤチニ うまれつき そむよろやちに 生れ付き 十六万八千に シナカワル しなかわる 品変る
アオヒトクサノ あおひとくさの 青人草の コトコトク アメノミヲヤノ ことことく あめのみをやの 悉く アメノミヲヤの タマモノト マモラヌハナシ たまものと まもらぬはなし 賜物と 守らぬは無し 万人は常に見守られている
フタカミノ トホコニヲサム ふたかみの とほこにをさむ 二尊の 経・矛に治む トシフレハ ニフナレトキノ としふれは にふなれときの 年経れば 鈍・均・鋭の タミアルモ タトエハカスノ たみあるも たとえはかすの 民あるも 喩えば数の ウツワモノ クツオステナテ うつわもの くつおすてなて 器物 屑を捨てなで ニフトキオ ナラシモチヰン にふときお ならしもちゐん 鈍・鋭を 均し用いん アメノココロゾ あめのこころぞ 和の心ぞ (陰陽和合) →18文
ワレミルニ ヨシワロメテツ われみるに よしわろめてつ 我見るに ─┐ 善し悪ろ愛でつ │ タノシミテ ヒトノナカコモ たのしみて ひとのなかこも 楽しみて ↓ 人の中子も 楽しみながら我見るに 人の心も ヒトフタリ ひとふたり 人ふたり 魂と魄(陽と陰)
ヤヤシルミチハ ややしるみちは やや知る道は それをどうにか理解する道は
マスカカミ アメノムクヒハ ますかかみ あめのむくひは マス鏡 陽陰の報ひは (心)
ヌスメルモ ソシルモウツモ ぬすめるも そしるもうつも 盗めるも 謗るも打つも (「盗む」の連体形) ミニカエル みにかえる 身に返る
陽陰 = 魂魄 = 霊 = 神 = 心 = 中子
ヒトオウテトモ ひとおうてとも 他人を打てども
ソノトキハ イタキムクヒモ そのときは いたきむくひも その時は 痛き報ひも アラサレト ノチノヤマフハ あらされと のちのやまふは あらざれど 後の病ふは アマカツチ あまかつち 陽陰が槌 (神・心) →ホ16文
ヌスミモヒトカ ぬすみもひとか 盗みも他人が シラサレハ タカラウルトソ しらされは たからうるとそ 知らざれば 財得るとぞ オモエトモ ヒトタヒカクシ おもえとも ひとたひかくし 思えども 一度 隠し 一度それを隠して バレずに済むと フタヌスミ ミタヒソコナヒ ふたぬすみ みたひそこなひ 二 盗み 三度 損なひ 再び盗み 3度目に健康を害しても アラタメス アメツチヒトノ あらためす あめつちひとの 改めず 天地人の <まだ> <これは> ミルトコロ アメノミツケハ みるところ あめのみつけは 見る所 陽陰の見付は =陽陰の心派 ヒトニツク ひとにつく 人に告ぐ
ツミアラハレテ つみあらはれて 罪 露れて ホロフトキ ナスコトナクテ ほろふとき なすことなくて 滅ぶ時 なすこと無くて どうしようもなく カナシキハ ヨソハヨロコフ かなしきは よそはよろこふ 悲しきは よそは喜ぶ シムノハチ クヤメトカエヌ しむのはち くやめとかえぬ シムの恥 悔めど返ぬ 身内の恥
コオモタハ シカトキクヘラ こおもたは しかときくへら 子を持たば 確と聞くべら アラタケノ マツハネシケテ あらたけの まつはねしけて 荒猛の 松はねじけて ワタカマル ヒトノワカハモ わたかまる ひとのわかはも わだかまる 人の若葉も ワカママニ ミチニモトリテ わかままに みちにもとりて 我儘に 道に悖りて ワタカマル わたかまる わだかまる
ヒトモタキキニ ひともたききに 人も焚木に キルコトク オシマテシムノ きることく おしまてしむの 切る如く 惜しまでシムの 惜しまず切れば身内の ヰタミカナ ゐたみかな 痛みかな
コオヒタスノリ こおひたすのり 子を養す宣 クセマツオ ヒキウヱアラコ くせまつお ひきうゑあらこ "曲松を 引き植え 新木 (間引き) ツチカエハ ナオキトナルソ つちかえは なおきとなるそ 培えば 直木となるぞ"
ヲヤココロ コマコマアツキ をやこころ こまこまあつき 親心 細々篤き 親心とはすなわち トノヲシヱ とのをしゑ 調の教え
コハヲサノネソ こはをさのねそ 子は長の根ぞ オサナコニ アラコヲシヱテ おさなこに あらこをしゑて 幼子に 新木教えて 新木に擬えて ツチカエハ ナオキヲサトソ つちかえは なおきをさとそ 培えば 直き長とぞ ナルココロ なるこころ なる心
メクミオシラハ めくみおしらは 恵みを知らば 環境の恵みを得れば コタカラノ ムネウツハリト こたからの むねうつはりと 木材の 棟・梁と ナルコトク ヒトノスマヰノ なることく ひとのすまゐの なる如く 人の住居の ウエニアリ うえにあり 上にあり
アラタケココロ あらたけこころ 荒猛心 コニモトメ キキスキネチケ こにもとめ ききすきねちけ 子に求め 利き 過ぎねぢけ ヨコシマノ ハタレトナルソ よこしまの はたれとなるそ 邪の ハタレとなるぞ
マスヒトラ オサナノトキハ ますひとら おさなのときは マスヒトら 幼の時は 司たちよ <まだ> ネチケノメ ハヤアラタメヨ ねちけのめ はやあらためよ ねぢけの芽 早や改めよ <己の荒猛心を>
ステニマエ ノリオアヤマル すてにまえ のりおあやまる すでに前 法を誤る マスヒトノ ホメスキネチケ ますひとの ほめすきねちけ マスヒトの 褒め 過ぎねぢけ <荒猛を>
クラキネ(根のマスヒト)の、シラヒトと コクミに対する態度をいうと思われる。 ヨコシマカ タテオモチケテ よこしまか たておもちけて 邪が 経を捩けて トコヤミノ ナンタヤワシテ とこやみの なんたやわして 篤病みの 傾 和して ヤヤシツム ややしつむ やや鎮む
コレモミクサノ これもみくさの これも三種の ウツワノリ アラテイカンソ うつわのり あらていかんそ 器法 あらで如何んぞ 無かったら如何にしようとも ヱサランヤ ゑさらんや 得ざらんや 得られなかったろうよ
カネテオモエハ かねておもえは 兼ねて思えば マスカカミ アオヒトクサモ ますかかみ あおひとくさも マス鏡 青人種も スクトナル ヒトニオケラハ すくとなる ひとにおけらは 直ぐとなる 人に於けらば カキリナシ ナカクツチカフ かきりなし なかくつちかふ 限り無し 長く培ふ ゆっくり大樹に育てる ヲシヱナスヘキ をしゑなすへき 教えなすべき
ヲヤココロ トケヌミホツメ をやこころ とけぬみほつめ 親心 解けぬミホツ姫 コモリタラ ソノコニモトム こもりたら そのこにもとむ コモリ親 「その子に求む コモリの母親 アラタケノ ココロモカナト あらたけの こころもかなと 荒猛の 心もがな」 と コヒケレハ カミノミツケニ こひけれは かみのみつけに 乞ひければ 神の御告げに (アマテル)
アラタケハ カセハケシクテ あらたけは かせはけしくて 荒猛は 風激しくて ニハカフリ マツフシコフト にはかふり まつふしこふと 俄降り 松 節・瘤と ワタカマリ チヨオフルトモ わたかまり ちよおふるとも わだかまり 千齢を経るとも マシナラス ましならす ましならず
ヲヤノココロモ をやのこころも 親の心も トシハケシ アエシノハステ としはけし あえしのはすて 疾し激し あえ忍ばずて 抑えられずに ニハカカセ にはかかせ 俄風 <を吹かしてしまう>
オロカニクラク おろかにくらく 愚かに暗く ニフキコハ ソノアラカセニ にふきこは そのあらかせに 鈍き子は その荒風に フキウタレ イタミシノヘハ ふきうたれ いたみしのへは 吹き打たれ 痛み忍べば <ても> その痛みを押し殺すため ナオカラス なおからす 直からず
ムチオノカルル むちおのかるる 鞭を逃るる ハヤキキオ ホメヨロコヘハ はやききお ほめよろこへは 早利きを 褒め喜べば (=荒猛) スキネチケ ハタレトナルソ すきねちけ はたれとなるそ 過ぎねぢけ ハタレとなるぞ
アヤマルナ ヲヤツツシメヨ あやまるな をやつつしめよ 誤るな 親 謹めよ クラキコモ コマカニヲシヱ くらきこも こまかにをしゑ 暗き子も 細かに教え ヒオツミテ スコシハトフル ひおつみて すこしはとふる 日を積みて 少しは通る ツキオヘテ アツクヲシヱハ つきおへて あつくをしゑは 月を経て 篤く教えば ニフサルル トシトシマナフ にふさるる としとしまなふ 鈍 更るる 年々学ぶ 改まる アケホノノ ワサモハヤキソ あけほのの わさもはやきそ 曙の 業も早きぞ
ハツヨリモ ヨカラテワサオ はつよりも よからてわさお 初よりも 良からで業を カエストモ モモチヲシヱテ かえすとも ももちをしゑて 替えずとも 百千教えて オホヱスハ シツムルツヱニ おほゑすは しつむるつゑに 覚えずば しつむる杖に (=しつける) マタヲシユ ヱヱコハタノメ またをしゆ ゑゑこはたのめ また教ゆ ええ子は頼め 熟老の子は委ねて教人となせ ヲシヱトノ テモトモマツノ をしゑとの てもともまつの 教え人の 手元も松の <その> シモトツヱ しもとつゑ 楉杖
オヱルママニテ おゑるままにて 生えるままにて (人の思わくを排して) ツチカエハ ソトセニナオル つちかえは そとせになおる 培えば 十年に直る 世話すれば キサシオヱ ミソトセヤヤニ きさしおゑ みそとせややに 兆しを得 三十年ややに ノヒサカヱ モモノツクリキ のひさかゑ もものつくりき 伸び栄え 百の造り木 ミモノハリ ヰモハムナキソ みものはり ゐもはむなきそ 三百の梁 五百は棟木ぞ
ヒトノリモ ソトセホホナル ひとのりも そとせほほなる 人法も 十年ほぼ平る ミソノハリ ヰソハムナキノ みそのはり ゐそはむなきの 三十の梁 五十は棟木の イサオシモ アツキメクミノ いさおしも あつきめくみの 功も 篤き恵みの ユルノリオ カナラスウムナ ゆるのりお かならすうむな 緩法を 必ず倦むな ハヤルナヨ はやるなよ 早るなよ
ハヤキハタレニ はやきはたれに 早きハタレに 早利き・荒猛のハタレに オモムカテ ヤタノカカミノ おもむかて やたのかかみの 赴かで ヤタのカガミの アヤキケハ ヨコカオサルソ あやきけは よこかおさるそ 謂 聞けば 汚曲を更るぞ 改めるぞ ワカココロ イレテヰヤスク わかこころ いれてゐやすく 我が心 入れて気安く 日月の神霊を 耳より入れるので心を健やかに アメカマモルソ あめかまもるそ 陽陰が守るぞ (日月) →ホ15文
タチカラヲ ススミモフサク たちからを すすみもふさく タチカラヲ 進み申さく ヌスヒトノ ミツメニシルル ぬすひとの みつめにしるる 「盗人の 三つ目に知るる (受ける) ツチイカン カミハヤワシテ つちいかん かみはやわして 槌 如何ん」 神は和して (後の病) ミコトノリ みことのり 御言宣
シハシココロオ しはしこころお しばし心を シツメマテ ワレヒトフリオ しつめまて われひとふりお 静め待て 我 人ぶりを ツネミルニ フツクコトナル つねみるに ふつくことなる 常 見るに 悉く異る クニカミノ イキフクカセオ くにかみの いきふくかせお 地神の 息吹く風を (地域の守護神) 巡らす風を ウケウマレ イキストナレハ うけうまれ いきすとなれは 受け生まれ 息すとなれば 活動するとなれば ナラハシノ コトハモクニオ ならはしの ことはもくにお 慣わしの 言葉も地を ヘタツレハ カハレトヨソノ へたつれは かはれとよその 隔つれば 変われど よその オサナコモ ナシメハソコノ おさなこも なしめはそこの 幼子も 馴染めばそこの フリトナル ふりとなる ふりとなる
ウツホニスメト うつほにすめと 空に住めど <人は> ソラトハス ハニフミオレハ そらとはす はにふみおれは 空 飛ばず 埴 踏み居れば コタエシル カセハニカミノ こたえしる かせはにかみの 応え知る 風・埴神の 人の反応を感じ取る (風土) マモルユエ ミルキクタヒニ まもるゆえ みるきくたひに 守る故 見る聞く度に 人が何かを経験する度に ヨシアシモ ヒメモスアメニ よしあしも ひめもすあめに 善し悪しも ひめもす陽陰に 人の中子が <風・埴神を介して> 感じる善悪も ツケアレハ つけあれは 告げあれば
カクシヌスムモ かくしぬすむも 隠し盗むも ミニソフル カセヨリアメニ みにそふる かせよりあめに 身に添ふる 風より陽陰に <まずは> ツクルナリ つくるなり 告ぐるなり
フタノヌスミハ ふたのぬすみは 二の盗みは セククマリ ヌキアシナスモ せくくまり ぬきあしなすも 跼り ぬき足なすも ツチノカミ メクミニヨリテ つちのかみ めくみによりて 土の神 恵みによりて =埴神 マタツケス またつけす まだ告げず
ミタヒソコナフ みたひそこなふ 三度 損なふ 3度目の犯行にて病ふ (陽陰が槌) オノカムネ サワキアルヨリ おのかむね さわきあるより 己が胸 騒ぎあるより (犯人) コトフルエ ミメニアラハレ ことふるえ みめにあらはれ 言 震え 見目に表れ ソノヌシハ カレニトヒツメ そのぬしは かれにとひつめ その主は 故に問ひ詰め (長) ココサトシ マタウラトエハ ここさとし またうらとえは ここ察し また心問えば おおよそ察し ツイカタル ついかたる つい語る
ヨソノウタエモ よそのうたえも よその訴えも 陽陰は第三者からの告発も アツカレト ミツシルツケノ あつかれと みつしるつけの 預かれど 三つ知る告げの 三つの告知の内 フタタヒモ アメノミタネト ふたたひも あめのみたねと 二度も 陽陰の御胤と 陽陰上祖の末だからと キミノツケ マチユルセトモ きみのつけ まちゆるせとも 君の告げ 待ち許せども 長への告げを 猶予するが
シナニヨリ アメヨリキミニ しなにより あめよりきみに 品により 陽陰より君に 罪によっては ツケアルソ マサニハツヘシ つけあるそ まさにはつへし 告げあるぞ 真に恥づべし アメツチカ ワルサナセソト あめつちか わるさなせそと 天地が 悪さなせそと 陽陰が サカシコソスレ さかしこそすれ 逆しこそすれ 別手順を踏みさえするのだから
ハタレカミ ハルナススミテ はたれかみ はるなすすみて ハタレ頭 ハルナ進みて ヲヲンツケ ソラカミノレト ををんつけ そらかみのれと 大御告げ 「空神 宣れど 神が長に告げても スメラカミ ツケナテオラハ すめらかみ つけなておらは 皇尊 告げなで居らば 皇君の 命令がなければ オヤオヤヤ アラコキキテン おやおやや あらこききてん 親々や 新子 利きてん 若子らは利口になるだろう オササスリ アラサネタケル おささすり あらさねたける 長 擦り 新実 猛る 長をごまかし 若子の心は荒猛となる コレウンツ アナトルスリラ これうんつ あなとるすりら これ倦んつ 侮るスリら これで長は倦む 侮る曲者たちは ネシケマス サソアシナント ねしけます さそあしなんと ねじけ増す "さそ足 何ど 擦り足からどうやって ハニシラン イヤスリタケル はにしらん いやすりたける 埴 知らん" いや擦り猛る 埴神が知ろうかと いよいよ擦れて荒猛となる コレフンタ シヰハフスリモ これふんた しゐはふすりも これ踏んだ 末生ふスリも これを踏まえて 幼き曲者らも オタケンハ ツラモカタルモ おたけんは つらもかたるも お猛んば 面も語るも 荒猛にふるまえば 彼らの表情と言葉から ワケランヤ わけらんや 分けらんや」 白黒を判別できようか
スヘカミソラニ すへかみそらに 「皇尊 空に (天下) シラセヌハ アラコスリナル しらせぬは あらこすりなる 知らせぬば 新子スリなる 号令しない以上 若子は曲者となる コレミウン サソラキキテン これみうん さそらききてん これみうん サソら 利きてん これが成熟した ハタレらは狡猾だろうと オノカヘラ ナンマスコチニ おのかへら なんますこちに 己が侍ら 七十万九千に 自分の兵たち ワサツケテ ソラツカマント わさつけて そらつかまんと 技付けて 空 掴まんと (天下) ミチヒネリ ムタヒタタカヒ みちひねり むたひたたかひ 道ひねり 六度戦ひ ナシタレト マサクルコトハ なしたれと まさくることは なしたれど まさぐる如は イカナラン いかならん 如何ならん」 どうしたわけだろう
ソノトキカミハ そのときかみは その時神は ニコヱミテ マタハナトルナ にこゑみて またはなとるな にこ笑みて 「また跳躍るな また荒猛となるな タタココロ シツメテキケヨ たたこころ しつめてきけよ ただ心 静めて聞けよ オノカトキ サカリアサムク おのかとき さかりあさむく 己が鋭き 逆り欺く ムクヒアリ ユエオキカセン むくひあり ゆえおきかせん 報ひあり 故を聞かせん」 反作用
ワレミルニ ヒトノミヤヒハ われみるに ひとのみやひは 我見るに 人のミヤビは ナサケヱタ アメヨリサツク なさけゑた あめよりさつく 情枝 陽陰より授く 情を伝える枝 (日月) タマトシヰ ムスフヰノチノ たまとしゐ むすふゐのちの 魂と魄 結ぶ命の <二つが結んで> 命そのものの タマナカコ ウムチハキモソ たまなかこ うむちはきもそ 霊 中子 潤む霊は肝ぞ (霊=中子=心) 心を潤すのは臓器ぞ
シヰノネハ ムラトココロハ しゐのねは むらとこころは 魄の根は ムラト・心派 肉体の肝は 腎臓 心臓 フクシユフ ヨクラヨコシヤ ふくしゆふ よくらよこしや フクシ・ユフ ヨクラ・ヨコシや 肺 肝臓 膵臓 脾臓 ネノムクラ ワタルミヤヒカ ねのむくら わたるみやひか 根の六臓 渡るミヤビが この根の六臓を モノオシル ものおしる ものを知る
ナサケナカコニ なさけなかこに 情 中子に カヨエルト タトエハクセト かよえると たとえはくせと 通えると 例えば曲人 (贈賄商人) マイナヒテ サカヰマサンオ まいなひて さかゐまさんお 賄ひて 栄い増さんを トミモホシ とみもほし 臣も欲し (収賄役人)
トリヒキマシテ とりひきまして 取引増して ヨロコヘハ ヘリニクムタミ よろこへは へりにくむたみ 喜べば 減り憎む民 取引減少を憎む別の商人が マタツヨク ネカエハイカル またつよく ねかえはいかる また強く 願えば 怒る トモノオミ セマルオヱラミ とものおみ せまるおゑらみ 朋の臣 迫るを選み ワケカエス メクミヨロコフ わけかえす めくみよろこふ 分け還す 恵み喜ぶ 分け前を回す
マケニクム まけにくむ 負け憎む
『人意は変わる 驕りがち 謙りには硬く』ホ23
キミメスオソレ きみめすおそれ 君召す 怖れ 上司に召され タタサレテ カルルカナシサ たたされて かるるかなしさ 正されて 枯るる悲しさ モロコエト キミノイカリニ もろこえと きみのいかりに 諸乞えど 君の怒りに マタユリス カナシキノチノ またゆりす かなしきのちの まだ許りず 悲しき 「後の イサオシト モロカモラエハ いさおしと もろかもらえは 功」 と 諸がもらえば その臣を預かれば =連帯保証すれば ユルサルル ゆるさるる 許さるる
オソレハマトヒ おそれはまとひ 怖れば惑ひ 恐怖という感情が曲りを アラタメテ マメナルコトシ あらためて まめなることし 改めて 忠なる如し 直ぐとなす如し
マトエルモ ミヤヒナカコニ まとえるも みやひなかこに 惑えるも ミヤビ 中子に ミヤビは機能して中子に ツケオケハ ヒトウツトキハ つけおけは ひとうつときは 告げ置けば 人打つ時は 告げているため イタミシル ソシレハウラミ いたみしる そしれはうらみ 痛み知る 誹れば恨み その痛みを知る 誹ればその恨みも知り ウツワモノ ヌスマハオシム うつわもの ぬすまはおしむ 器物 盗まば惜しむ 盗めば逆に物を惜しむ ソコナハハ シムノイタミモ そこなはは しむのいたみも 損なわば シムの痛みも 健康を損なえば 親族の心痛も シルナカコ しるなかこ 知る中子
ココロハアシキ こころはあしき 心派悪しき (心情) ワサナセハ ミヤヒナカコニ わさなせは みやひなかこに 業なせば ミヤビ 中子に ツクアワレ つくあわれ 告ぐあわれ
ヒトカヒトウツ ひとかひとうつ 人が人打つ コロスオモ ミレハノソカン ころすおも みれはのそかん 殺すをも 見れば除かん オモヒアリ コロフモオコス おもひあり ころふもおこす 思ひあり 転ぶも起す アワレヱタ あわれゑた あわれ枝
マシテワカミハ ましてわかみは 増して我が身は ミヤヒヨリ ムネニトホレハ みやひより むねにとほれは ミヤビより 宗に通れば 中子に直通しているため アヤシナク ミオヲサムレト あやしなく みおをさむれと 怪しなく 身を治むれど 誤りなく ココロハハ オコリオキケハ こころはは おこりおきけは 心派は 奢りを聞けば (霊の結・人心) ホシニシム ほしにしむ 欲に染む →13文
アチモイロメモ あちもいろめも 味も色目も ヨコシマニ シヰニアヤカリ よこしまに しゐにあやかり よこしまに 魄に肖り (肉体) ミオカラス みおからす 身を枯らす
ホシモソソケハ ほしもそそけは 欲も濯げば アチナオリ イセノミチナル あちなおり いせのみちなる 味直り 妹背の道 生る (調和の道)
イサムトモ ヌスムココロハ いさむとも ぬすむこころは 勇むとも 盗む心派 ミヤヒヨリ ヰクラニツケテ みやひより ゐくらにつけて ミヤビより 五臓に告げて ヤスカラス ミメニコトハニ やすからす みめにことはに 安からず 見目に言葉に 身体が楽でないため 外見も言葉も セククマリ ヌキアシコタフ せくくまり ぬきあしこたふ 跼り ぬき足 応ふ 縮こまり 抜き足の態度となって表れる
ハニココロ ヨロマスシレト はにこころ よろますしれと 埴 心 万・十万知れど 埴神は人の心を ミヤヒカラ みやひから ミヤビから 結局それは人のミヤビから得る
トキスキテナル ときすきてなる 鋭き過ぎて生る 利発が過ぎねじけて生まれた ハタレトモ ソレココロミニ はたれとも それこころみに ハタレ共 それ試みに ワサオナセ ワレハヤノソク わさおなせ われはやのそく 技をなせ 我 早や除く ミヤヒアリ みやひあり ミヤビあり
コレマツカヤノ これまつかやの これ松・榧の ニヘナルソ ミヤヒナケレハ にへなるそ みやひなけれは 膠なるぞ ミヤビなければ ミモカルル カレテイロホシ みもかるる かれていろほし 身も枯るる 枯れて色欲 ナンノタメソヤ なんのためそや 何のためぞや
ツツシミテ アマノコヤネカ つつしみて あまのこやねか 謹みて アマノコヤネが モトモリオ コヘハマタトヨ もともりお こへはまたとよ 元守を 乞えばまた響 ミコトノリ みことのり 御言宣
ヒトハアメツチ ひとはあめつち 人は天地 カタトレリ ソラハタカマノ かたとれり そらはたかまの 象れり 空はタカマの ハラノウチ メハナニシルモ はらのうち めはなにしるも 原の内 目・鼻に知るも
天空はタカマの原の一部であり、人で言えば頭にあたる。 その中で目や鼻のように目立つ存在として知られるのが
ヒツキホシ ひつきほし 日・月・星
ヰワタムクラモ ゐわたむくらも 五腑六臓も <目鼻が天なら>
クニノミチ ナカコハキミソ くにのみち なかこはきみそ 地の道 中子は君ぞ キモハトミ ヨコシハタミヨ きもはとみ よこしはたみよ 肝は臣 脾は民よ フクシカキ ムラトハナラス ふくしかき むらとはならす 肺 垣 腎は平らす ワタソエテ わたそえて 腑 副手
ミヤヒメツケノ みやひめつけの ミヤビ 目付の ミヤビは監視役で ワルサツケ わるさつけ 悪さ告げ
フクシカマエノ ふくしかまえの 肺 かまえの 肺は垣として働き アツサムモ コロモカユレト あつさむも ころもかゆれと 暑寒も 衣替ゆれど 暑寒の変化には 衣服を替えさせて対処するが ホシニシム ほしにしむ 欲に染む 欲に対しては無力
トキハカマワス ときはかまわす 時はかまわず アマキニハ ヨコシムサホル あまきには よこしむさほる 甘きには 脾 むさぼる 甘美には 夢中になる ココロサシ こころさし 心指し 本質的な性向を持つ
ムラトノイキオ むらとのいきお 腎の息を <それゆえ> 腎臓の代謝機能を メクラスモ イロニオホレテ めくらすも いろにおほれて 巡らすも 色に溺れて 働かせながらも ラミカラス コレミノカカミ らみからす これみのかかみ 霊身枯らす これ身の鏡 (=中子) 中子は肉体の鏡なり
ゆえに身体に異常があれば、中子も異常をきたしている また逆に身体を健全に戻せば、中子の異常も健全に戻る
クモリサヒ ウハワルナカコ くもりさひ うはわるなかこ 曇り錆び 奪わる中子 衰えた中子を ミカカント ヤタノカカミニ みかかんと やたのかかみに 磨かんと ヤタのカガミに 民の魂魄を映す鏡に ムカワセテ ミカクウツワハ むかわせて みかくうつわは 向かわせて 磨く器は 中子を写して 磨く有形物こそ モトノモリ もとのもり 元の守 根の六臓
ナカコノカタチ なかこのかたち 中子の形 中子のありさまは カカミソヨ かかみそよ 明暗見ぞよ
中子=心=霊=魂魄=陽陰=日月=昼夜=明暗 明暗見(陽と陰の和合)=魂魄=中子
ヒトミヌトテモ ひとみぬとても 人見ぬとても ヌスムナヨ オヨソノヒトハ ぬすむなよ およそのひとは 盗むなよ およその人は シラネトモ ミナアラハルル しらねとも みなあらはるる 知らねども 穢 現るる 中子の曇りが現れる モトノモリ もとのもり 元の守 根の六臓ぞ
アメハイニシル あめはいにしる 天は気に知る (陽・風) ハニコタフ ヒトハツケシル はにこたふ ひとはつけしる 埴 応ふ 人は告げ知る コノミツニ ツケアラハレテ このみつに つけあらはれて この三つに 告げ顕れて ヲヲヤケノ ツミマヌカルル ををやけの つみまぬかるる 公の 罪免かるる トコロナシ ところなし 所なし
ツネニオソレヨ つねにおそれよ 常に畏れよ 尊べよ ヒノメクリ ヒルハヒトカモ ひのめくり ひるはひとかも 日の巡り 昼は人気も (太陽) アキラカテ ヨハカトニコル あきらかて よはかとにこる 明らかで '夜は暗と濁る 夜は闇に紛れる ムシハミモ アメノココロニ むしはみも あめのこころに 蝕みも' 陽陰の心に 陽陰の観点から ミルハカミ ハニトシハカミ みるはかみ はにとしはかみ 見るば 上 埴と地上 陽と 陰と中間である
コノアチオ ヒトノミニシル このあちお ひとのみにしる この味を 人の身に知る 陽と陰とその和合を 人の身にまとめる
だから『人の中子も人ふたり』
コノミツオ アワスカカミノ このみつお あわすかかみの この三つを 合わす明暗見の (陽・陰・和) ヤハヤシロ タハタミオタス やはやしろ たはたみおたす "ヤ" はヤシロ "タ" は民を治す (公・官) ソノキミノ ヨロノミハタノ そのきみの よろのみはたの その君の 万の御機の マツリコト ヲサムヤスミノ まつりこと をさむやすみの 政事 治む八隅の <によって> タミハヤタ ヤタミアマネク たみはやた やたみあまねく 民は八尺 ヤタミあまねく テラサント ヤタノカカミト てらさんと やたのかかみと 照らさんと ヤタのカガミと ナツクナリ なつくなり 名付くなり
ナオミサノリノ なおみさのりの 尚 みさ法の さらに陰陽和合の法の アチハヒオ フカクマナヒテ あちはひお ふかくまなひて 味わひを 深く学びて ココニシルヘシ ここにしるへし 極に知るべし
トキニヱム ハルナムハタレ ときにゑむ はるなむはたれ 時に笑む ハルナ 六ハタレ <の> サキノツミ ユリテモトケヌ さきのつみ ゆりてもとけぬ 先の罪 許りても解けぬ 許されてもほどけぬ オノカムネ イマヤヤワルル おのかむね いまややわるる 己が胸 今やや割るる コリタマノ ヲトロソソキテ こりたまの をとろそそきて こり霊の 汚泥濯ぎて 濁った中子の ノチノヲオ オク のちのをお おく 後の結を 起く 今後の誓いを 立てる
アラタケニ あらたけに 荒猛に ヨルヒトモ ヲトロソソカン よるひとも をとろそそかん 揺る人も 汚泥濯がん チカヒナス ちかひなす 誓ひなす
マタタチカラヲ またたちからを またタチカラヲ タニオテテ タマユラキケハ たにおてて たまゆらきけは 「谷を出て たまゆら聞けば ミツシレリ タトヒイソラモ みつしれり たとひいそらも 瑞知れり 喩ひ イソラも タツイヌモ ヒシクココチテ たついぬも ひしくここちて 竜・狗も 拉ぐ心地で ハンヘリキ はんへりき 侍べりき」 仕える如し
コモリタウタオ こもりたうたお コモリ治歌を
カンカエテ かんかえて 考えて
フクシノヤマヒ ふくしのやまひ 『肺の病 タシヤスシ ナサケトアチノ たしやすし なさけとあちの 治し易し 情と味の スキヤムモ ネニイラヌマヨ すきやむも ねにいらぬまよ 過ぎ病むも 根に入らぬ間よ (中子) ハヤイヤセ ヒトワサモコレ はやいやせ ひとわさもこれ 早や癒せ 人業もこれ イロホシモ ミチモテナセハ いろほしも みちもてなせは 色欲も 道もて為せば アヤマタス ヨコヨラハヤム あやまたす よこよらはやむ 誤たず 横揺らば病む 横にそれれば病む ホシキオモ ヰヱワサナセヨ ほしきおも ゐゑわさなせよ 欲しきをも 癒え業なせよ 直ぐな行いなせよ トホシクト ヌスマハカルル とほしくと ぬすまはかるる 乏しくと 盗まば枯るる』
トミツネニ ヒトノイキスオ とみつねに ひとのいきすお 「臣 常に 人の息すを カンカエハ タマスハフクシ かんかえは たますはふくし 考えば 騙すば肺 イロムラト ヌスメハキモヱ いろむらと ぬすめはきもゑ 色 腎 盗めば肝へ ソコナエハ オトロクナカコ そこなえは おとろくなかこ 損なえば 驚く中子 それに驚く中子の動揺が ミメニシル コトハイキスノ みめにしる ことはいきすの 見目に知る」 「言葉・息すの 外見に表る ミツシレハ ツタエミチヒキ みつしれは つたえみちひき 瑞 知れば 伝え導き ソロコヤシ タミニキハサン そろこやし たみにきはさん ソロ肥やし 民 賑わさん チカヒノミ ちかひのみ 誓ひのみ」
トキニアマテル ときにあまてる 時に和照る ミコトノリ ムヘナリナンチ みことのり むへなりなんち 御言宣 「むべなり汝 ヨモメクリ ツチカフミチニ よもめくり つちかふみちに 四方巡り 培ふ道に 民を調え育てる道にて カテフヤシ イトマアラセテ かてふやし いとまあらせて 糧 増やし 暇あらせで 暇も空けず クニメクリ ヨノアシハラモ くにめくり よのあしはらも 地 回り 万の葦原も 土を改良して ミツホナル カミノミウタニ みつほなる かみのみうたに 瑞穂成る」 神の御歌に
ツチカフハ ミノアシハラモ つちかふは みのあしはらも 『培ふば 惨の葦原も 培えば 不毛の雑草地とて ミツホナル タミトナセトミ みつほなる たみとなせとみ 瑞穂成る 民と成せ 臣 成果を実らす 培って民となせ 臣よ トミトナレタミ とみとなれたみ 臣と成れ 民』 ついには臣となれ 民よ
モロヒトニ アマノコヤネノ もろひとに あまのこやねの 諸人に アマノコヤネの モフサクハ ミウタノアチハ もふさくは みうたのあちは 申さくは 「御歌の味は スエスエノ タミモミチヒキ すえすえの たみもみちひき 末々の 民も導き
スナオナル ワサモヲシヱテ すなおなる わさもをしゑて 素直なる 業も教えて ツチカエハ ヰヱモサカエテ つちかえは ゐゑもさかえて 培えば 家も栄えて 国家 ソロフユル ミツホトナセル そろふゆる みつほとなせる 繁 殖ゆる 瑞穂と成せる 繁華を増す 結果 (「成す」の連体形) カミウタソ かみうたそ 上み歌ぞ」 激励歌
カクノヲシヱニ かくのをしゑに 「かくの教えに ミチヒキテ タミモヰヤスク みちひきて たみもゐやすく 導きて 民も気安く ニキハセテ ソノクニタモツ にきはせて そのくにたもつ 賑わせて その国保つ モノアラハ スエタミトテモ ものあらは すえたみとても 者あらば 末民とても ウエノトミ カナラスヲシテ うえのとみ かならすをして 上の臣 必ずヲシテ タマフナル ミウタナリケリ たまふなる みうたなりけり 賜ふなる 御歌なりけり」
カケマクモ イトオソレミノ かけまくも いとおそれみの 「かけまくも いと畏れみの オンウタト ミチトミヒコモ おんうたと みちとみひこも 御歌」 と 三千臣彦も モロコエニ ヤモヨロタミハ もろこえに やもよろたみは 諸声に 八百万民は モモチコエ アナアリカタヤ ももちこえ あなありかたや 百千声 「あなありがたや アナニヱヤ アナウレシヤト あなにゑや あなうれしやと あなにえや あな嬉しや」 と ヲカミサル ヤタノカカミノ をかみさる やたのかかみの 拝み更る ヤタの鏡の 帰る ミナノアヤ イトメクミナリ みなのあや いとめくみなり 御名の謂 いと恵みなり アナカシコカナ あなかしこかな あな賢かな
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