いたく  イタク  itaku
ゐたく  ヰタク  witaku

  

【抱く・懐く・(慈く)】
A: 合わす。収める。(心身を)添える。守る。慈しむ。かしずく。

『ふたかみのまえ おちととむ おもわすいたく ゆめここち』ホ4
『をはちちにゑて はおいたけ めはははにゑて あとゐねよ』ホ7
『またたたは はるのそらねお はにあみて いたくにたれは たたといふ』ホ16
『これてひとみお いたかんと まろめてわたり ふたたたる』ホ17
『をにふにいたり みこいたき みめみてなてて はははいま』ホ26

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いつ(合つ・埋つ)」と同義語「たく(抱く・食く)」の合成。
ここでは「A: 合う/合わす」の意。

変態:「いつく(傅く)」「うつく(弼く)」「なつく(懐く)

 
 

【(至く・頂く)】
D: 正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」

『すのはらの まつりゆたかに ことふけは はらとうるわう たみそいたけり』フすはら

 
いつ(厳つ・至つ)」と同義語「たく(長く・焚く)」の合成。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
いつ(厳つ・至つ)」と「たく(長く・焚く)」を連結すれば「いたたく(頂く)」となる。

変態:「ひたく(秀長く)」「いつく(斎く)」「あたく(あたける)」「またく(全く)」「もたく(擡ぐ)」
類語:
いたたく(頂く)

 
 

【(慈)】
慈しみ。恵み。慈愛。慈恵。

『ちちのたけ くらふるおひに ははのいき ひたちとなるは いたくなり』ホ16

 
「いたく(慈く)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・(心身を)添える・慈しむ・かしずく」などの意。

変態:「いたき(慈)」「いちき」「いつき(慈・斎)みつき(貢)
類語:「いつくし(慈し)」「いとう(慈愛)
関連語:「いたこ(潮来)」

  

13/03/10

  

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