【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
ハラミツツシムオヒノアヤ はらみつつしむおひのあや 孕み謹む帯の文
フソヰスス モモヱフソヤホ ふそゐすす ももゑふそやほ 二十五鈴 百枝二十八穂 トシサミト カシマノミヤノ としさみと かしまのみやの 年サミト カシマの宮の ヒトリヒメ ヲノコナケレハ ひとりひめ をのこなけれは 一人姫 男の子なければ カシマキミ カトリノミヤニ かしまきみ かとりのみやに カシマ君 カトリの宮に ユキイタル フツヌシムカエ ゆきいたる ふつぬしむかえ 行き到る フツヌシ迎え トコトオヱ イリマスノチニ とことおゑ いりますのちに 門言終え 入ります後に モノカタリ ものかたり 物語り
シロスコトクニ しろすことくに 「知ろす如くに ヒヒメアリ ツキコナケレハ ひひめあり つきこなけれは 一姫あり 嗣子なければ カスカトノ アマノコヤネハ かすかとの あまのこやねは カスガ殿 アマノコヤネは <の子> ヨニヒイテ カスカノカミト よにひいて かすかのかみと 万に秀で カスガの尊と ナオタマフ ワレネカワクハ なおたまふ われねかわくは 名を賜ふ 我 願わくは カンツキミ ハシカケナシテ かんつきみ はしかけなして 上つ君 橋架けなして (カトリ上君) タマワンヤ たまわんや 給わんや」
フツヌシコタエ ふつぬしこたえ フツヌシ応え ワカオヰノ ワカヒコサキニ わかおゐの わかひこさきに 「我が甥の ワカヒコ先に ヲシカニテ サカムカヒシテ をしかにて さかむかひして 御使にて さか迎ひして →11文 アヒソメテ ソレヨリイマニ あひそめて それよりいまに 会ひ初めて それより今に ムツマシク イマソノキミノ むつましく いまそのきみの 睦じく 今 その君の (カシマ君) コトナサハ ワレモモフケル ことなさは われももふける 子となさば 我も儲ける (「儲く」の連体形) コノコトク ナカオナサント このことく なかおなさんと 子の如く 仲をなさん」 と
ヒタカミエ ひたかみえ ヒタカミへ (ツボ若宮)
シカニコタエテ しかにこたえて 使に応えて (ことわって) カエリキキ トモニノホリテ かえりきき ともにのほりて 帰りきき 共に上りて ナカクニノ カスカニイタリ なかくにの かすかにいたり 中国の カスガに到り ソノチチノ ココトムスヒニ そのちちの こことむすひに その父の ココトムスビに コヒウケテ こひうけて 乞ひ受けて
タカマニノホリ たかまにのほり タカマに上り (イセ) モロトモニ コレウカカエハ もろともに これうかかえは 諸共に これ伺えば ミコトノリ ミユルシウケテ みことのり みゆるしうけて 御言宣 御許し受けて (アマテル) オカムノチ フタキミカエル おかむのち ふたきみかえる 拝む後 二君帰る モトツクニ もとつくに 元つ国
ココトムスヒハ こことむすひは ココトムスビは ウラナヒテ ヨキヒニチナミ うらなひて よきひにちなみ 占ひて 吉き日に因み トトノヱテ コトホキオエテ ととのゑて ことほきおえて 調えて 寿ぎ終えて ムツマシク コヤネハアメニ むつましく こやねはあめに 睦まじく コヤネは陽陰に (「仕える」に掛かる ) (アマテル) ツカエマス つかえます 仕えます
イツシカヒメモ いつしかひめも いつしか姫も ハラムヨシ アメニツクレハ はらむよし あめにつくれは 孕む由 陽陰に告ぐれば ミコトノリ コモリニコレオ みことのり こもりにこれお 御言宣 コモリにこれを トハシムル とはしむる 訪わしむる
ヒメキミアヒテ ひめきみあひて ヒメ君会ひて ミタネウム ミハタオコエハ みたねうむ みはたおこえは 御胤生む 御機を乞えば コモリタモ ミメノイロセニ こもりたも みめのいろせに 「コモリだも 御姫の愛背に (コヤネ) ナラヒキト ならひきと 習ひき」 と
ヒメハカエシテ ひめはかえして 姫は返して イトイナヤ イロセニトハハ いといなや いろせにとはは 「いと異なや 愛背に問わば アチモマタ ヨソニトワント あちもまた よそにとわんと 彼方もまた "よそに問わんと オモフナリ ココロマヨエハ おもふなり こころまよえは 思ふなり 心迷えば ヲシヱコフ をしゑこふ 教え乞ふ"」
ココニコモリノ ここにこもりの ここにコモリの ミタネフミ みたねふみ 御胤文
アメツチイマタ あめつちいまた 天地いまだ ワカサルニ ウイノヒトイキ わかさるに ういのひといき 分かざるに 初の一息 マトカニテ ミツニアフラノ まとかにて みつにあふらの まどかにて 水に油の (まるで・恰も) メヲワカレ ヲマツノホリテ めをわかれ をまつのほりて 陰陽分かれ 陽まず上りて アメトナリ メハノチクタリ あめとなり めはのちくたり 天となり 陰は後下り (空間・気) クニトロノ ハニミツワケテ くにとろの はにみつわけて 地泥の 埴・水 分けて ハニハヤマ ミツハウミナリ はにはやま みつはうみなり 埴は山 水は海 成り ヲノウツホ カセトウコキテ をのうつほ かせとうこきて 陽の空 風と動きて ホトハケル ほとはける 火と化ける
ヲセノムナモト をせのむなもと 背の棟元 ヒトマロメ アチカクメクリ ひとまろめ あちかくめくり 日と丸め 天近く回り (赤道) ヲニクハル をにくはる 陽に配る <日潤を> (空火風)
イモノミナモト いものみなもと 妹の穢元 [ミナカミ] [みなかみ] [穢上] ツキトコル ハニチカキユエ つきとこる はにちかきゆえ 月と凝る 地に近きゆえ (白道) メニクハリ めにくはり 陰に配り <夜潤を> (水埴)
ウツホカセホト うつほかせほと 空・風・火と ミツハニノ ヰツマシワリテ みつはにの ゐつましわりて 水・埴の 五つ交わりて ヒトトナル ノチハイモヲセ ひととなる のちはいもをせ 人となる 後は妹背 (ミナカヌシ) トツキウム とつきうむ とつぎ生む
ヲハハニムカヒ をははにむかひ 男は地に向ひ (正常位) トツクトキ カリノシシナミ とつくとき かりのししなみ とつぐ時 カリの繁波 ホネアフラ ほねあふら 髄油
メハアニムカヒ めはあにむかい 女は天に向い --------------------------------------------------------------------------------------------------------- マシワリノ カネノニシナキ ましわりの かねのにしなき 交りの 兼ねの和霊 和ぎ [異文] マシワリノ ヨカネノニチカ ましわりの よかねのにちか 交りの 夜兼ねの和霊が --------------------------------------------------------------------------------------------------------- トワタナス とわたなす 迸たなす
チチノカリナミ ちちのかりなみ チチのカリ波 =カリの繁波 タマシマエ シハスルトキニ たましまえ しはするときに 玉島へ 締する時に チナミアヒ ちなみあひ 因み合ひ [霊・波]
ヒルハニウエニ ひるはにうえに 昼は "和" 上に (和霊) ヒタノホリ ヨルハシウエニ ひたのほり よるはしうえに 左昇り 夜は "繁" 上に (繁波) ミキクタリ みきくたり 右降り
アスフタメクリ あすふためくり 翌日二回り ミメクリト ミソカニハミソ みめくりと みそかにはみそ 三回りと 三十日には三十 ミソヒフミ ミカタリユルム みそひふみ みかたりゆるむ 三十一・二・三 三日弛り緩む (2月1・2・3日) タラムトテ ハハノツツシミ たらむとて ははのつつしみ "タラム" とて 母の謹み
ヲノイキス ヨロミチムヤソ をのいきす よろみちむやそ 男のイキス 万三千六百八十 (13,680) メノイキス ヨロミチモヤム めのいきす よろみちもやむ 女のイキス 万三千百八六 (13,186)
ミタネヱテ ハハニマスイキ みたねゑて ははにますいき 御胤得て 母に増す息 ミモムソノ アスハナモフソ みもむその あすはなもふそ 三百六十の 翌日は七百二十 (※女児の場合は347) (720) ミカチヤソ ミソカヨロヤモ みかちやそ みそかよろやも 三日 千八十 三十日 万八百 (1,080) (10,800) ミソヤカニ ヨロミチムヤソ みそやかに よろみちむやそ 三十八日に 万三千六百八十 (2月8日) (13,680) モトトマシ フヨロムチヤモ もととまし ふよろむちやも 元と増 二万六千八百 (元+増) (13,186+13,680=) ヨソムタヒ マシトトマリテ よそむたひ ましととまりて 四十六度 増し止まりて (26,846) 26,866では?
ミメクリハ フツキイタレハ みめくりは ふつきいたれは 回転りは 二月至れば <胞衣の> 満つれば ミカハシリ シワサラニキル みかはしり しわさらにきる 三日走り 皺 さらに切る (先のタラムを挽回) (卵割) キサラトテ ハハノツツシミ きさらとて ははのつつしみ "キサラ" とて 母の謹み (キサラギ)
ムソヨカハ ムソヨメクリニ むそよかは むそよめくりに 六十四日は 六十四回りに (3月4日) キワマリテ ミメクリスヘテ きわまりて みめくりすへて 極まりて 回転りすべて チヤソナリ ツイニタネナル ちやそなり ついにたねなる 千八十なり ついに種 成る (計算上は2,080)
オノコロノ ヱナノヘソノヲ おのころの ゑなのへそのを オノコロの 胞衣の臍の緒 御本尊(胎芽)の カワクルマ ヤヤシシオモリ かわくるま ややししおもり 河車 弥々肉を盛り メクリヘル めくりへる 回り減る
アスムソミタヒ あすむそみたひ 翌六十三度 ツキムソフ オソリメクリテ つきむそふ おそりめくりて 次六十二 遅り回りて [ホソリ] [ほそり] [細り] ミツキニハ ミソコトナレハ みつきには みそことなれは 三月には 三十九となれば (89日目) ミカヤスム ミトリハナナリ みかやすむ みとりはななり 三日休む 充り 端成り ヤヨイサム ヤヨモツツシミ やよいさむ やよもつつしみ 弥 勇む 弥も謹み いよいよ成長する いよいよの注意 (ヤヨイ)
ヨツキニハ コノミウルウモ よつきには このみうるうも 四月には 熟み潤うも (ウツキ) ツツシミヨ つつしみよ 謹みよ (命令形)
ヰツキハモトノ ゐつきはもとの 五月は元の (127日目:5月7日) ヒトメクリ イハフヨロムチ ひとめくり いはふよろむち 一回り 息は二万六千 ヤモヨソム ハラオヒノヰモ やもよそむ はらおひのゐも 八百四十六 孕帯の意も (イキスの数:26,846) (サツサ孕帯) ツツシミヨ つつしみよ 謹みよ
アモトニマネク あもとにまねく 陽元に招く (=日) アラミタマ ツキノニコタマ あらみたま つきのにこたま 荒神霊 月の和霊 タラノホト ミツマシハリテ たらのほと みつましはりて 父母の霊と 三つ交わりて ココロイキ ナリテミツカフ こころいき なりてみつかふ 心・意気 生りて瑞 通ふ 人の本質が通う ツユアフレ つゆあふれ 液あふれ (羊水の増加)
ムツキイタレハ むつきいたれは 六月至れば カワクユエ ホソノヲクタニ かわくゆえ ほそのをくたに 乾く故 臍の緒管に (ミナツキ) チシルカフ ちしるかふ 霊汁通ふ (血液)
ナツキチオニテ なつきちおにて 七月 血を煮て ヰイロハニ コレクラワタト ゐいろはに これくらわたと 五色埴 これ臓腑と アフミナス ココモツツシミ あふみなす ここもつつしみ 腎 成す ここも謹み (アフミツキ)
ヤツキニテ ソミハナリハノ やつきにて そみはなりはの 八月にて 十三端成生の 13部位の身体形成の ハナルトキ はなるとき 果なる時 完成する時 (ハツキ)
ハハノツツシミ ははのつつしみ 母の謹み コレナルソ これなるそ これなるぞ
ハハハウツホネ はははうつほね "ハハ" は空音 (母) マタタタハ ハルノソラネオ またたたは はるのそらねお また"タタ" は 春の空廻を 陽気の巡りを ハニアミテ イタクニタレハ はにあみて いたくにたれは 地に編みて 慈くに足れば (陰・自身) <生み> 慈しんで足らすので タタトイフ たたといふ "タタ" と言ふ
カカハアキノネ かかはあきのね "カカ" は秋の音 (成果の音) イツクシニ カカケアカセル いつくしに かかけあかせる 慈しに 掲げ明かせる (「明かす」の連体形) 育て上げる ココロサシ こころさし 心指し 本質的な性向を言う
チチハチテトノ ちちはちてとの 父は "チ・テ・ト" の (チチ・テテ・トト) ヲシテナリ をしてなり ヲシテなり
チチハハアメオ ちちははあめお 父母 天を (陽) ハニアミテ ツラナルミヤヒ はにあみて つらなるみやひ 地に編みて 連なるミヤビ (陰) 情け結びて テテタタヨ ててたたよ "テテ・タタ" よ <子を結び育てる>
チキリシタシム ちきりしたしむ 契り親しむ トトカカソ ととかかそ "トト・カカ" ぞ
コツキミメコヱ こつきみめこゑ 九月 見目・声 ソナワリテ トツキクライシ そなわりて とつきくらいし 備わりて 十月 座居し ソフツキハ ツキミチウマル そふつきは つきみちうまる 十二月は 月満ち生まる ミタネコレナリ みたねこれなり 御胤これなり
オリシモニ ヒメノナケキハ おりしもに ひめのなけきは 折しもに ヒメの嘆きは コオヲモフ カセノトモシヒ こおをもふ かせのともしひ 子を思ふ 風の灯し火 (揺れ動く心)
タマコツム ヤスキヒモナク たまこつむ やすきひもなく 「保籠積む 安き日もなく 保籠は次第に嵩ばり ミツオコヒ アルハスオコヒ みつおこひ あるはすおこひ 水を乞ひ 或は酢を乞ひ ムナサワキ ツラニノホセハ むなさわき つらにのほせは 胸騒ぎ 面に上せば ヱタヒヱテ ヒメモスナヤミ ゑたひゑて ひめもすなやみ 手足冷えて ひめもす萎やみ ミケタヘス ムネノイタミヤ みけたへす むねのいたみや 食たべず 胸の痛みや メノクラミ タマニヨキヒハ めのくらみ たまによきひは 目の暗み たまに良き日は マメヒラフ まめひらふ 豆拾ふ
コノイタワリモ このいたわりも この労りも ツツシミテ ヨキトシノヘト つつしみて よきとしのへと 謹みて 良きと忍べど イマワカミ イキスヒトトキ いまわかみ いきすひととき 今 我が身 イキス一時 (2時間) ヨソシホト タラヌヤマフノ よそしほと たらぬやまふの 四十枝ほど 足らぬ 病ふの カナシサヤ かなしさや 悲しさや」
コモリハヒメノ こもりはひめの コモリはヒメの イキスミテ チハラオナテテ いきすみて ちはらおなてて イキス診て 幸腹を撫でて ヱミスカホ イキスタラヌハ ゑみすかほ いきすたらぬは 笑みす顔 「イキス足らぬは ヒメミコヨ コレトノキミノ ひめみこよ これとのきみの 姫御子よ これ殿君の (コヤネ) トコカタリ とこかたり 常語り」
----- コヤネの言葉 ----
ワレヒメミコオ われひめみこお 『我 姫御子を マフケラン タチカラワコオ まふけらん たちからわこお 設けらん タチカラ吾子を マネカンナ ワカヨロコヒノ まねかんな わかよろこひの 招かんな 我が喜びの カトヒラキ シカハモフケノ かとひらき しかはもふけの 門開き しかば儲けの されば恵みの ムネノハナ むねのはな 胸の花 (前)
<花の後の> ミナルヲノコハ みなるをのこは 実なる男の子は ヒノミタマ マツコモリクノ ひのみたま まつこもりくの 日の神霊 まず籠りくの ミハシラニ ムカヒタニヰテ みはしらに むかひたにゐて 実柱に 向かひ手に居て メオマネキ ヲマツメクリテ めおまねき をまつめくりて 陰を招き 陽まず恵りて (月神霊) (日神霊) メオツツム メカセハマリテ めおつつむ めかせはまりて 陰を包む 陰が狭まりて ハヱイツル ハナクキハシチ はゑいつる はなくきはしち 生え出づる 放茎はシヂ [ネノハナクキカ] [ねのはなくきか] [根の放茎が] ヲノハシメ ヲノコウムナリ をのはしめ をのこうむなり 男の始め 男の子生むなり
メノコニハ メノメヨリウク めのこには めのめよりうく 女の子には 女の目より受く (母) ツキミタマ ミヤオウルホシ つきみたま みやおうるほし 月神霊 宮を潤し (子宮) ソムキヰテ ノチウクルヒノ そむきゐて のちうくるひの 背き居て 後受くる日の 胎芽から離れ居て (日の神霊との) マシワリハ メマツメクリテ ましわりは めまつめくりて 交わりは 陰まず恵りて 関わりは ヲオツツム ヲハシチナラス をおつつむ をはしちならす 陽を包む 陽はシヂ成らず [ヲハオトロイテ] [をはおとろいて] [陽は衰いて]
タマシマカ ウチニツホミテ たましまか うちにつほみて 玉島が 内につぼみて [ミノハナモ] [みのはなも] [身の端も] メノハシメ メノコウムナリ めのはしめ めのこうむなり 女の始め 女の子生むなり
メハツキノ オソクメクレハ めはつきの おそくめくれは 女は月の 遅く回れば (天体の月の運行) →ミ6文 ヒヒノマシ ミモヨソナツツ ひひのまし みもよそなつつ 日々の増し 三百四十七ずつ <イキスの> フソコカハ ヨロチムソミノ ふそこかは よろちむそみの 二十九日は 万千六十三の ミソカニハ ヒトツモトリテ みそかには ひとつもとりて 三十日には 一つ戻りて ミソヒヨリ ミソミカマテモ みそひより みそみかまても 三十一より 三十三日までも ミカノウチ ヒニソコモトリ みかのうち ひにそこもとり 三日の内 日に十九戻り ミソヨカモ ヒトモトリシテ みそよかも ひともとりして 三十四日も 一戻りして サツメヘリ さつめへり 五十九減り (1+(19×3)+1=59) (11,063−59=11,004)
ミソヰカヨリソ みそゐかよりそ 三十五日よりぞ ヒヒノマシ ミモヨソナナリ ひひのまし みもよそななり 日々の増し 三百四十七なり ヨソカニハ モトマシトモニ よそかには もとましともに 四十日には 元・増し共に (11,004+347×6=13,086) (13,186+13,086) フヨロムチ ミモナソフニテ ふよろむち みもなそふにて 二万六千 三百七十二にて (=26,272) ミチキワム ヱナノメクリモ みちきわむ ゑなのめくりも 満ち極む ヱナの回りも ナソラエテ ヤカテウマレン なそらえて やかてうまれん なぞらえて やがて生れん これに準じ
ヲヲンカミ コソムツキマス ををんかみ こそむつきます 大御神 九十六月座す <子宮に> コノコヤネ モモツキマセリ このこやね ももつきませり このコヤネ 百月座せり タチカラヲ ミソムツキマス たちからを みそむつきます タチカラヲ 三十六月座す サルタヒコ ソムトシオレト さるたひこ そむとしおれと サルタヒコ 十六年居れど コレハマレ これはまれ これは稀れ
ヲノコハトシニ をのこはとしに 男の子は年に メハトツキ イキスヨケレハ めはとつき いきすよけれは 女は十月 イキス好ければ ウムモヤスキソ うむもやすきそ 生むも安きぞ』
---- コヤネの言葉終り ----
マタノトヒ タミハコサワニ またのとひ たみはこさわに またの問ひ 「民は子多に カミトノノ コナキハイカン かみとのの こなきはいかん 守・殿の 子無きは如何ん」
コモリマタ セオリツヒメノ こもりまた せおりつひめの コモリまた 「セオリツ姫の ツツシミニ タミノナスワサ つつしみに たみのなすわさ 謹みに 民のなす業 心遣いに ミオクタキ ハタラクトテモ みおくたき はたらくとても 身を砕き 働くとても ココロムク アフラサカンニ こころむく あふらさかんに 心向く 油 盛んに (命の油) コオウルソ こおうるそ 子を得るぞ
クニカミナトハ くにかみなとは 国守などは タミノタメ ココロツクシテ たみのため こころつくして 民のため 心尽して アフラヘリ コタネマレナリ あふらへり こたねまれなり 油減り 子種まれなり
タカキミハ シモカウラヤミ たかきみは しもかうらやみ 高き身は 下が羨み カナハネハ オキテオウラミ かなはねは おきておうらみ 叶はねば 掟を恨み <下は> キミソシル コレモアタナリ きみそしる これもあたなり 君 謗る これも仇なり
ウチミヤノ アオメノイフリ うちみやの あおめのいふり 内宮の 青侍のいぶり ケオサマス ソハノコトシロ けおさます そはのことしろ 気を冷ます そばのコトシロ <君の> マメナレハ コレオサムメカ まめなれは これおさむめか 忠なれば これを下侍が ウラムナリ うらむなり 恨むなり
キミカメクミモ きみかめくみも 君が恵みも ツイワスレ ウラミネタムノ ついわすれ うらみねたむの つい忘れ 恨み妬むの ニハサクラ サカスハシレヨ にはさくら さかすはしれよ 庭桜 咲かずば知れよ 自分の花が咲かないなら気づけよ =君の子を生めないなら気づけよ
ヨロタミノ ウラメンメトノ よろたみの うらめんめとの 万民の 恨めん侍殿 (「恨む」の連体形 「恨める」の音便) ヨロサクラ アメニウヱテソ よろさくら あめにうゑてそ 万桜 天に植えてぞ オロカメカ ネタムイソラノ おろかめか ねたむいそらの おろか女が 妬むイソラの 愚か女の 妬みが変じたイソラの カナツヱニ コタネウタレテ かなつゑに こたねうたれて 金杖に 子種打たれて ナカレユク アルハカタワト なかれゆく あるはかたわと 流れゆく 或は片端と ナスイソラ なすいそら なすイソラ
ネタムソノイキ ねたむそのいき 妬むその息 ヒヨロミチ ムレテウロコノ ひよろみち むれてうろこの 一万三千 群れて鱗の (通常男子:13,680回) (通常女子:13,186回) オロチナス おろちなす 折霊生す
タマシマノヒマ たましまのひま 玉島の隙 ウカカヒテ コツホニイリテ うかかひて こつほにいりて 窺ひて 子壺に入りて ハラミコオ カミクタクユエ はらみこお かみくたくゆえ 孕み子を 噛み砕く故 タネナラス カタワウムナリ たねならす かたわうむなり 種成らず 片端生むなり
マツシキハ オヨハヌトミオ まつしきは およはぬとみお 貧しきは 及ばぬ富を ウラヤミテ ウラミノアタニ うらやみて うらみのあたに 羨みて 恨みの仇に その怨念が化けるイソラに タネホロフ たねほろふ 種滅ぶ
ヒトオネタメハ ひとおねためは 人を妬めば ヒニミタヒ ホノホクラヒテ ひにみたひ ほのほくらひて 日に三度 炎 食らひて ミモヤスル ネタムネタマル みもやする ねたむねたまる 身も痩する 妬む妬まる ミナトカソ みなとかそ みな咎ぞ
タトエハハヘル たとえははへる 喩えば侍る アオメタチ ヰイロノハナソ あおめたち ゐいろのはなそ 青侍達 五色の花ぞ ソノキミノ ココロアオキハ そのきみの こころあおきは その君の 心青きは 心が青なら アオニメテ キナルハハナノ あおにめて きなるははなの 青に愛で 黄なるば花の 青い花に寄り キオメテシ アカキハハナノ きおめてし あかきははなの 黄を愛でし 赤きは花の アカニメテ シロキハハナノ あかにめて しろきははなの 赤に愛で 白きは花の シロニメテ クロキハハナノ しろにめて くろきははなの 白に愛で 黒きは花の クロニメス オナシココロニ くろにめす おなしこころに 黒に愛す 同じ心に アイモトム あいもとむ 合い求む
キミノココロト きみのこころと 君の心と ワカハナト アフヤアワヌヤ わかはなと あふやあわぬや 我が花と 合ふや合わぬや アエシラス あえしらす あえ知らず 知り得ない
テレハウラムナ てれはうらむな てれば恨むな アケラルモ ヱモヘモヨラス あけらるも ゑもへもよらす 空けらるも 上も辺も揺らず もし避けられても ぶれることなく一途に モトムナリ もとむなり もとむなり 仕えるべし
テレハメストモ てれはめすとも てれば召すとも もし召されても イクタヒモ オソレテノチハ いくたひも おそれてのちは 幾度も 畏れて 後は <その寵を> 畏みて ウラミナシ ツツシミハコレ うらみなし つつしみはこれ 恨み無し 謹みはこれ
モロヒメラ マサニシルヘシ もろひめら まさにしるへし 諸姫ら 真に知るべし イロノハナ ヒトタヒメテテ いろのはな ひとたひめてて 色の花 ひとたび愛でて ハヤチレハ チリトステラレ はやちれは ちりとすてられ 早や散れば 塵と捨てられ ヨソノハナ メストキハソノ よそのはな めすときはその よその花 召す時はその ハナサカリ はなさかり 花盛り
ツラツラオモエ つらつらおもえ つらつら思え ミノハナモ ヒトモウツレハ みのはなも ひともうつれは '満の花も 人も' 移れば 時が移ろえば早晩 チルハナソ タレサシウラム ちるはなそ たれさしうらむ 散る花ぞ 誰 指し恨む ヒトモナシ ひともなし 人も無し
モシアヤマレハ もしあやまれは もし誤れば タネタチテ ミトカメアレト たねたちて みとかめあれと 種 絶ちて 身咎めあれど 怨念の変化「イソラ」により →17文 他人の子種を絶ってしまい ソノヒトハ マタタチモタス そのひとは またたちもたす その人は まだ太刀持たず 子種を絶たれた被害者は ツヱウタス ヒトウチコロス つゑうたす ひとうちころす 杖打たず 他人打ち殺す ユエモナシ ゆえもなし 故も無し
メハヒトミチニ めはひとみちに 女は一途に オモエトモ ネタミワツラフ おもえとも ねたみわつらふ 思えども 妬み煩ふ ムネノホカ オロチトナリテ むねのほか おろちとなりて 胸の火が 愚霊と成りて コタネカム サワリノソカン こたねかむ さわりのそかん 子種噛む 障り除かん <その> ヨツキフミ よつきふみ 代嗣文
ツツシムアヤノ つつしむあやの 謹む結の ハナトハナ ウテハチルナリ はなとはな うてはちるなり 花と花 打てば散るなり ぶつかれば モロトモニ ツネニツツシミ もろともに つねにつつしみ 諸共に 常に謹み ナワスレソコレ なわすれそこれ な忘れそこれ」
ハラミコオ トヒウルタメノ はらみこお とひうるための 孕み子を 訪ひ得るための <コモリ> 訪い見る タヒヤトリ アルヒヒメカミ たひやとり あるひひめかみ 旅宿り ある日ヒメ尊 マタノトヒ オシエノオヒハ またのとひ おしえのおひは またの問ひ 「押締の帯は ワサアリヤ わさありや 技ありや」
コモリコタエテ こもりこたえて コモリ答えて タマキネノ ヲシヱノオヒハ たまきねの をしゑのおひは 「タマキネの 教えの帯は ミミノハニ シナワキマエテ みみのはに しなわきまえて 身々の埴に 品 弁えて クニヲサム オヒハヰワミノ くにをさむ おひはゐわみの 地 治む 帯は五腑の (=五色埴) カタメナリ ヲハシタアワセ かためなり をはしたあわせ 固めなり 男は下合せ (陽は地に向い) メハウエソ めはうえそ 女は上ぞ (陰は天に向う)
ハラミノオヒハ はらみのおひは 孕みの帯は カツラキノ ヨツキヤシロニ かつらきの よつきやしろに 桂来の 代嗣社に ミタネノル トキニアメヨリ みたねのる ときにあめより 御胤祈る 時に天より ニイトリノ ヒトハオツレハ にいとりの ひとはおつれは 丹霊鳥の 一羽落つれば アマツノリ コレハイフキノ あまつのり これはいふきの 天つ宣 これは気吹の 天の告げ ナルモミチ ハケテカツラキ なるもみち はけてかつらき 成る紅葉 化けて桂来 イトリヤマ いとりやま 霊鳥山
ハネサキミレハ はねさきみれは 羽先見れば フソヨスチ カスソナワレト ふそよすち かすそなわれと 二十四筋 数 備われど ツネアラス モロトリミレハ つねあらす もろとりみれは 常あらず 諸鳥見れば ソヰニサケ そゐにさけ 十五に割け
ヒタカミニツル ひたかみにつる ヒタカミに鶴 タテマツル ハネサキミレハ たてまつる はねさきみれは 奉る 羽先見れば フソヨナリ カレモロハネオ ふそよなり かれもろはねお 二十四なり 故 諸羽を ヨリタタシ ヲツルオタテニ よりたたし をつるおたてに 撚り直し 雄鶴を経に (陽) メオヨコニ ケフノホソヌノ めおよこに けふのほそぬの 雌を緯に 経緯の臍布 (陰) オリモツテ ヨソヤソナワル おりもつて よそやそなわる 織り 以て 四十八備わる 陽陰の神が備わる ミハラオヒ みはらおひ 御孕帯
ハハノイサナミ ははのいさなみ 母のイサナミ ナカハラミ コソムツキヘテ なかはらみ こそむつきへて 長孕み 九十六月経て ウミタマフ アマテルカミソ うみたまふ あまてるかみそ 生み給ふ アマテル神ぞ ハタレマノ サハレトオヒニ はたれまの さはれとおひに ハタレマの 障れど帯に トトノヒテ ヨソヤソナワル ととのひて よそやそなわる 調ひて 四十八備わる <威力の> ソノタメシ そのためし その例
テレハヒメキミ てれはひめきみ てれば姫君 <の場合は> サハラネト イキスヒタチト さはらねと いきすひたちと 障らねど イキス ヒタチと ナスオヒソ なすおひそ なす帯ぞ」
トキニミカツチ ときにみかつち 時にミカツチ イフカシク イキスヒタチト いふかしく いきすひたちと 訝しく 「イキス ヒタチと ナルオヒノ ワサニイキスハ なるおひの わさにいきすは なる帯の 技にイキスは イツコエカ いつこえか 何処へか」 どうなるのか?
トキニコモリノ ときにこもりの 時にコモリの コタエニハ こたえには 答えには
ムカシトヨケノ むかしとよけの 「昔 トヨケの ノタマフハ アメヨリサツク のたまふは あめよりさつく 宣給ふは 陽陰より授く (陽陰の神) ケフノオヒ アメニノトリテ けふのおひ あめにのとりて 経緯の帯 陽陰に則りて チチノタケ クラフルオヒニ ちちのたけ くらふるおひに 父の丈 比ぶる帯に <に> ハハノイキ ヒタチトナルハ ははのいき ひたちとなるは 母の息 ヒタチとなるは <が> イタクナリ いたくなり 慈なり
アメヨリイタキ あめよりいたき 天より慈 (陽・父) ハニアミテ ツラナリソタツ はにあみて つらなりそたつ 地に編みて 連なり育つ (陰・母) 陽陰が連帯して育てる コノタメシ このためし 子の例
春の空廻を 地に編みて 慈くに足れば "タタ" と言ふ 父母 天を 地に編みて 連なるミヤビ "テテ・タタ" よ
チチノメクミハ ちちのめくみは 父の恵みは イタタクア ハハノイツクシ いたたくあ ははのいつくし 頂く天 母の慈し <は> ノスルハニ のするはに 載する埴 <父の恵を> →ホ13文
アマテルカミモ あまてるかみも アマテル神も ワスレシト イトフソヨスチ わすれしと いとふそよすち 忘れじと 糸二十四筋 ヨリアハセ メヲハフタエノ よりあはせ めをはふたえの 撚り合せ 陰陽羽二重の ミハトナス みはとなす 御衣となす
コノミハメシテ このみはめして この御衣召して アサコトニ アメツチマツリ あさことに あめつちまつり 朝毎に 天地纏り 陽陰の神を纏り タラチネニ ツカフミココロ たらちねに つかふみこころ 父母に 継がふ実心 (二尊) →ミ10文・ホ23文 ソノキミモ コレトモフセハ そのきみも これともふせは その君も これ」 と申せば (オシホミミ)
ミカツチモ ヨロコヒケフノ みかつちも よろこひけふの ミカツチも 喜び 「経緯の ヌノオラン イワクハフタヱ ぬのおらん いわくはふたゑ 布 織らん」 曰く 「羽二重 アラサルカ コタエテヒラク あらさるか こたえてひらく あらざるか」 応えて開く タカラトノ ウチヨリイツル たからとの うちよりいつる 宝殿 内より出づる ハフタヱハ キミノタマモノ はふたゑは きみのたまもの 羽二重は 君の賜物 フタハアリ ふたはあり 二機あり
ナスユエシラス なすゆえしらす 「生す故知らず 羽二重誕生の訳も知らずに アメノハオ キルモオソレテ あめのはお きるもおそれて 陽陰の機を 着るも畏れて アマテル下賜の陽陰の機を クチントス イマサイワイノ くちんとす いまさいわいの 朽ちんとす 今 幸いの ヲシヱウル ヒメハコヤネノ をしゑうる ひめはこやねの 教え得る ヒメはコヤネの タケシルヤ シレリヒトタケ たけしるや しれりひとたけ 丈知るや」 「知れり 一丈 フタヰキソ ふたゐきそ 二尺五寸ぞ」
カネキクウエノ かねきくうえの 「予ね聞く上の アマテルの ヲンタケト ウマレアヒタル をんたけと うまれあひたる 御丈と 生れ合ひたる ミメクミト モロノタマエハ みめくみと もろのたまえは 御恵み」 と 諸 宣給えば
<大御神と同じ丈の帯とは> イメカミニ イトアリカタト いめかみに いとありかたと 「妹が身に いとありがた」 と ヱミストキ ゑみすとき 笑みす時
チチヨロコヒテ ちちよろこひて 父 喜びて ハフタヱオ ミタケノオヒト はふたゑお みたけのおひと 羽二重を 身丈の帯と ナシタマフ ハラオヒナセハ なしたまふ はらおひなせは 成し賜ふ 孕帯なせば 作りてヒメに授ける ミノイキス ヒタチトナリテ みのいきす ひたちとなりて 身のイキス ヒタチとなりて
陽陰より授く 経緯の帯 陽陰に則りて 父の丈 比ぶる帯に 母の息 "直ち" となるは 慈なり
ヒメノトヒ ウムトキイカン ひめのとひ うむときいかん ヒメの問ひ 「生む時 如何ん」 コモリマタ コレハカツテカ こもりまた これはかつてか コモリまた 「これはカツテが ヨクシレリ ワレカエルノチ よくしれり われかえるのち 良く知れり 我 帰る後 クタスヘシ くたすへし 下すべし」
アルヒミトノニ あるひみとのに ある日御殿に ミアエシテ コモリオマネキ みあえして こもりおまねき 御饗して コモリを招き モノカタリ ワカウマレツキ ものかたり わかうまれつき 物語り 「我が生れ付き ミノタケモ ヒタケムタアリ みのたけも ひたけむたあり 身の丈も 一丈六尺あり チカラワサ ヤタノヒトラノ ちからわさ やたのひとらの 力業 八尺の人らの →17文 ヨロヒキノ イワオモナケテ よろひきの いわおもなけて 万引きの 岩をも投げて ウツロイモ ヒシケハタマフ うつろいも ひしけはたまふ ウツロイも 拉げば賜ふ (鳴神の主) フタツルキ ふたつるき 二剣 (曲治剣・要石槌)
イマフシミレハ いまふしみれは 今 付し見れば ヲキナカミ サカルコモリト をきなかみ さかるこもりと 翁守 盛るコモリと クラフレハ ワレハアカコノ くらふれは われはあかこの 比ぶれば 我は赤子の 対等となるには ミチウケテ ヒトナルカエノ みちうけて ひとなるかえの 道 受けて 人成る返えの 一人前となるお返しに イシツツオ ススメウヤマフ いしつつお すすめうやまふ 石槌を 進め礼ふ」
トキコモリ オトロキワレハ ときこもり おとろきわれは 時コモリ 驚き 「我は ミチノオト コヤネノヲヤモ みちのおと こやねのをやも 道の弟 コヤネの親も <師たる> ワカヲヤト カエモノウケス わかをやと かえものうけす 我が親」 と 返物受けず
ミカツチハ ナオハチススム みかつちは なおはちすすむ ミカツチは なお恥ぢ進む (低まり) コモリミテ ツルキオオカミ こもりみて つるきおおかみ コモリ見て 剣を拝み <その様を> イタタケハ ミカツチエミテ いたたけは みかつちえみて 頂けば ミカツチ笑みて 高く掲げば クラナシテ マツリタエンオ くらなして まつりたえんお 座なして 「纏り絶えんを (系統) ヒメアリテ ヨツキミチキク ひめありて よつきみちきく ヒメありて 代嗣道 聞く コハタカラ こはたから 子は宝」
イキスモシレハ いきすもしれは 「イキスも知れば イキスミヤ コヤネトヒメト いきすみや こやねとひめと イキス宮 コヤネとヒメと ココニオキ ワレハノチヤニ ここにおき われはのちやに ここに置き 我は後屋に フツヌシト ヒタチオヒナシ ふつぬしと ひたちおひなし フツヌシと ヒタチ帯 生し サツケント さつけんと 授けん」 と
カタリトコトモ かたりとことも 語り 門言も トトノヒテ コモリハアメニ ととのひて こもりはあめに 調ひて コモリは陽陰に カエリケリ かえりけり 帰りけり
ノチニカトリノ のちにかとりの 後にカトリの ミヤニユキ カタリテトモニ みやにゆき かたりてともに 宮に行き 語りて共に ヒタカミニ ツクレハキミモ ひたかみに つくれはきみも ヒタカミに 告ぐれば君も (オシホミミ) ヨロコヒテ ケフノホソヌノ よろこひて けふのほそぬの 喜びて 経緯の臍布 オラシムル おらしむる 織らしむる
タカマノハラノ たかまのはらの タカマの原の 都の圏内の カリミヤニ オヒタマワレハ かりみやに おひたまわれは 仮宮に 帯 賜われば モロカナモ ヒタチノミヤト もろかなも ひたちのみやと 諸が名も "ヒタチの宮" と モノノヘカ メテテツクレル もののへか めててつくれる モノノベが 愛でて造れる (「造る」の連体形) カシマミヤ コヤネトヒメト かしまみや こやねとひめと カシマ宮 コヤネとヒメと イキスミヤ いきすみや イキス宮
ヒメハモロメノ ひめはもろめの ヒメは諸侍の ハラムトキ イキスツツシミ はらむとき いきすつつしみ 孕む時 イキス・謹み ヲシヱマス ヤメルハクスリ をしゑます やめるはくすり 教えます 病めるは薬 コレオウク これおうく これを受く
カトリトカシマ かとりとかしま カトリとカシマ イキスミヤ タマフヒタチノ いきすみや たまふひたちの イキス宮 賜ふ ヒタチの <へ君より> オヒノナモ ヰハタオヒトソ おひのなも ゐはたおひとそ 帯の名も "斎端帯" とぞ
タケヤタハ ヤソヨロヲノコ たけやたは やそよろをのこ 丈八尺は 八十万男の子 ナレタケソ ハラミノウチノ なれたけそ はらみのうちの 均れ丈ぞ 孕みの内の アソヒニハ マメオヒロエヨ あそひには まめおひろえよ 遊びには 豆を拾えよ マメナルソ まめなるそ 忠 生るぞ
モシモソフコオ もしもそふこお もしも十二子を ウムハハハ ツキノクライソ うむははは つきのくらいそ 生む母は 月の位ぞ
ヒトハラミ ミツコオウメハ ひとはらみ みつこおうめは 「一孕み 三つ子を生めば ミヒカリノ サイワヒアリト みひかりの さいわひありと 三光の 幸ひあり」 と <ニニキネは> アメニツク あめにつく 上に継ぐ オシホミミの後継となる
アマネクフレテ あまねくふれて あまねく告れて その即位を世に公布し ホツマクニ ヲサマルノチニ ほつまくに をさまるのちに ホツマ国 治まる後に フツヌシノ カトリノミチオ ふつぬしの かとりのみちお フツヌシの カトリの道を コトコトク コヤネニサツケ ことことく こやねにさつけ 悉く コヤネに授け カクレマス かくれます 隠れます
カシマノミチノ かしまのみちの カシマの道の オクモミナ コヤネニサツク おくもみな こやねにさつく 奥もみな コヤネに授く カスカトノ タマカエシナス かすかとの たまかえしなす カスガ殿 "霊還し" 成す オクノリモ コヤネニサツク おくのりも こやねにさつく 奥法も コヤネに授く
コノユエニ ヨモノマツリモ このゆえに よものまつりも この故に 四方の纏りも 四家の治めも オノツカラ ヒトリニツケリ おのつから ひとりにつけり 自ずから 一人に着けり
カシマカミ ヒメウムトキニ かしまかみ ひめうむときに カシマ尊 ヒメ生む時に ハハカナオ コエトナツケス ははかなお こえとなつけす 母が名を 乞えど名付けず マレヒトリ ヒメハヒメナリ まれひとり ひめはひめなり 「稀れ一人 姫はヒメなり マタウマハ マキレンタメニ またうまは まきれんために また生まば 紛れんために イミナセン いみなせん 斎名せん」
マツヒメカミト まつひめかみと まず姫尊と ハカリイフ ユエニコヤネモ はかりいふ ゆえにこやねも ばかり言ふ 故にコヤネも ヨヨノリト ハツハヒメキミ よよのりと はつはひめきみ よよ宣詞 "初は姫君" <には> <と>
ツキノナモ タエノオクノリ つきのなも たえのおくのり 月の名も 妙の奥法 各月の名付けも 巧妙の極み
栲の奥法 帯の極意なる ツツシミノ ヒタチオヒコソ つつしみの ひたちおひこそ 謹しみの 直ち帯こそ イトモカシコシ いともかしこし いとも畏し
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