【(添く・然く・如く・直く)】
A: 合う/合わす。寄る/寄せる。現す。露にする。似る/似せる。匹敵する/させる。迫る。
変態:「しく(如く)」「すく(直ぐ・挿ぐ・好く)」「せく(塞く)」
派生語:「ふさく(塞ぐ)」「さかし(然かし)」「ささく(差添く)」「さかむ(相模)」
【離く・放く・裂く・割く・避く・咲く・(散く・曝く)】
B: 離れる/離す。分れる/分ける。放つ。出す。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
『やめるほのほの くるしさお そてわきさきて かせいれは』ホ9 『もやきりふせる あおはかり さけてかんとお さらんとす』ホ10 『つひにきかやも こかねさく いさこうみこも しかしかと』ホ11 『あわうひの めくれるなかの みはしらに さけてめをなる』ホ14 『みさほつすうた あめつつち とりますきみと なとさけるとめ』ホ31 |
変態:「すく(空く)」「そく(削ぐ)」
派生語:「さく(笏)」「はなさく(放裂く)」「さかふ(逆ふ)」「さかる(離る・逆る)」「さくる(決る・刳る)」「さささき(酒咲)」「さけふ(叫ぶ)」「さかむ(相模)」「みさき(岬)」
【(探く)】
C:
回る/回す。往き来する/させる。
変態:「たく(綰く)」「なく(擦く)」「ぬく(貫く)」
派生語:「さかす(探す)」「さくる(探る)」「さか(探)」「なさけ(情け)」「みささき(陵)」
【咲く・幸く・(栄く・繁く・過く・優く・賢く)】
D:
正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・先行する・熟れる・優れる・中心にある・至る」
『しわかみの こころほつまと なるときは はなさくみよの はるやきぬらん』ホ序 『かたまろか いたれははたれ いろかえて さきみたれたる きくみちの』ホ8 『きみかめくみも ついわすれ うらむねたむの にはさくら さかすはしれよ』ホ16 『まさたねならは うむときに さけとちかひて ここにうゑ さとにかえます』ホ24 |
変態:「しく(頻く)」「すく(優ぐ・過ぐ)」「せく(急く)」「たく(長く・焚く)」
派生語:「さきり(幸極)」「さかゆ(栄ゆ)」「さかる(盛る)」「さく(笏)」「さき(先・前)」「さくる(幸る)」「さきり」「あさく(嘲く)」「やさか(弥栄)」「さかしる(賢しる)」「さけ(酒)」「ささく(捧ぐ)」「さささき(酒咲き)」「あさこ(麻)」「さけふ(叫ぶ)」「むらさき(熟幸)」
【(垂く)・下ぐ・提ぐ】
E:
負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」
類語:「しく(敷く)」「そく(退く)」
派生語:「さかる(下がる)」「あさける(嘲る)」「なさけな(情けな)」「いささか(些か)」「さかふ(倒ふ)」「ひさこ(瓢)」
【(割)・冊・笏】
1.板を割いたもの。書付け札。
2.開いて咲かすもの。
『たまのいわとお ひらけとて いちゐのはなの さくもちて いまこそひらく あまのとや』ホ4 『くらゐのやまの いちゐさく よになからゑて さくもつは かみのほすゑそ』ホ4 『かんむりと さくとみはもと ととまりて むなしきからの しらいとり』ホ40 『のほののかふり さくみはも みたまけにいれ しらみこし』ホ40 |
「さく(裂く・割く/咲く・栄く)」の名詞化。
【(咲・幸・栄・繁・過・優)】
正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま
『さくらうちかめ さくなたり せおりつほのこ さのすけに』ホ6 『ことしふそよの さくすすお ふそゐのすすに うゑかえて』ホ8 |
「さく(咲く・栄く・繁く・過く・優く)」の名詞化。
変態:「さか(栄)」「さき(咲き・幸)」「しけ(繁)」
派生語:「さくなたり」「さくすす(幸鈴)」
【(垂・下・敷)・酢】
E:
負の方向に離れるさま。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」さま
『ほろろほろろと なくおきき さくめかつけに なもなくて あめおなくやと』ホ10 『きみうすめして そことくに つふたつあはの さくとこに ひきあけさしむ』ホ28 |
「さく(垂く・下ぐ)」の名詞化。
変態:「さけ(下げ)」「しき(敷き)」「しこ(醜)」「そこ(底)」「たき(滝)」
類語:「した(下)」「しも(下)」「すえ(末)」「さむ(寒)」
派生語:「さくめ(下女)」
10/02/25
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