【(知・領)】
1.執り行う者。執行責任者。
『くしひこお おおものぬしの かわりとて ことしろぬしと つかゑしめ』ホ9 『そはのことしろ まめなれは これおさむめか うらむなり』ホ16 『やまとめよしこ ことしそひ かみにみつきの みつえしろ』ホ36 |
2.領地。治める地。知行する地。
『さつきはつひに ふねはせて ゆくやつしろえ ひのくれて』ホ38 |
「しる(知る・領る)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・治める・する・執り行う」などの意。
【城・代】
1.囲い。(何かを)収める所/もの。
2.分け。限り。区分。区画。
『たみなわしろに たねおまく やよいなかより かけろいて なえおいそたつ』ミ7 |
●(敵を)拒む垣。防御柵。
『よつきやしろの いろしては あめのみをやに いのらんと』ホ4 『きさきまつ みこいたかせて しろおこえ きみにもふさく』ホ35 『きみかゆるしの あるときに ほのほおこりて しろくつる』ホ35 『さかむのおのに しろかまえ てしとましらと もりかたむ』ホ39 『さかむのおのの しろせめお かたくまもれは あたやから』ホ39 |
「しる(領る/退る)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・収める・覆う」、裏を返して「B:
離す・分ける・限る」などの意。
変態:「しめ(締め・占め)」「しま(州)」
類語:「かき(垣)」「きり(限)」「かきり(限り)」「かこみ(囲み)」「き(城)」
【代】
見合うさま。匹敵するさま。釣合うさま。値。
『ひめないかしろ ゐそくらと すへてみもなそ』ホ7 『このひあすかの みやしろと ふとたまおして いわわしむ』ホ21 『やまとめよしこ ことしそひ かみにみつきの みつえしろ』ホ36 |
●助けること。在らすこと。存続させること。
「しる(知る・領る・占る)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・匹敵する・在る/現す・足す・守る・保つ」などの意。
変態:「すゑ(据え)」「しめ(占め)」「すめ(統め)」「とめ(止め・留め)」
【白・(新・更)】
改まったさま。新たなさま。
『いふきぬし くまのくすひと まてにあり しろくろこまに もろそひて』ホ8 『それはきはきに きりはしろ ひのきはきあか くりはくろ』ホ15 『あかきははなの あかにめて しろきははなの しろにめて』ホ16 『ねはこねうすき くきひとり よゑゐはひとみ こしろはな』ホ24 『かしきのゆうお なかにたて ましろのゆうお きねにたて』ミ8 |
● しろかね(白金) の略。
『あかまろゐくゐ しろまろは よものつなかゐ』ミ8 『へのこけの かかさはちたひ をうなむち かねもかしろと ねるやこけらん』フへこけ |
「しる(更る・新る)」の名詞化。
ここでは「C:
回る・還る・戻る・改まる」などの意。
【(精・優・騒・繁・聳・早)・白】
正の方向に離れる/離すさま。「上げる・勢い付ける・栄す・熟れさす・優れさす・勝らす・至らす」さま
『またたなひくは あおかきの やまもこもれる やましろは いのちのまそよ』ホ38 |
「しる(精る・優る・鋭る)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。
変態:「そろ(繁)」
【背・(尻・後)】
負の方向に離れるさま。後退した場所。後ろ。
「しる(退る)」の名詞化。
ここでは「E:
負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・退く」などの意。
『なかはやましろ はなやまの おとはひかしの あすかのへ』ホ8 |
変態:「しり(尻)」
類語:「うしろ(後ろ)」「おしり(お尻)」「あと(後)」「うら(裏)」「せ(背)」
反対語:「おもて(表)」「まえ(前)」「むね(胸)」
派生語:「やましろ(山背)」
【(退・痴・垂)・白】
負の方向に離れるさま。「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」さま
●陰・月を表す色。 ●しろかね(白金)の略。銀。
「しる(退る・痴る・垂る)」の名詞化。
ここでは「E:
負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。
変態:「しれ(痴れ)」
12/02/22
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