【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
ミハサタメツルキナノアヤ みはさためつるきなのあや 衣定め 剣名の文 アメツチモ ウチトモキヨク あめつちも うちともきよく 天地も 内外も清く トホルトキ ミチモノノヘラ とほるとき みちもののへら 通る時 三千モノノベら シラヰシニ ツルキオカミテ しらゐしに つるきおかみて 領居州に 剣 拝みて (八重垣剣) モノヌシカ キルモタカラカ ものぬしか きるもたからか モノヌシが "斬るも宝" が (クシヒコ) ユエオコフ トキニアマテル ゆえおこふ ときにあまてる 故を乞ふ 時に和照る ミコトノリ みことのり 御言宣
ツルキノモトハ つるきのもとは 剣の基は アメノホコ クニトコタチノ あめのほこ くにとこたちの 和の矛 クニトコタチの ヨニハマタ ホコナキユエハ よにはまた ほこなきゆえは 代にはまだ 矛なき故は (=トコヨ) スナホニテ ノリオマモレハ すなほにて のりおまもれは 素直にて 和を守れば (調和) ホコイラス ほこいらす 矛 要らず
ココロユキスク こころゆきすく 心ゆきすく カミノヨハ マスヨロトシノ かみのよは ますよろとしの 上の代は 千万年の コトフキモ ウヒチニノヨハ ことふきも うひちにのよは 寿も ウヒチニの代は オコソカニ カサルココロノ おこそかに かさるこころの 厳かに 飾る心の コトフキモ モモヨロトシソ ことふきも ももよろとしそ 寿も 百万年ぞ
オモタルノ タミトキスクレ おもたるの たみときすくれ オモタルの 民 鋭き勝れ モノウハフ コレニオノモテ ものうはふ これにおのもて 物奪ふ これに斧以て キリヲサム きりをさむ 斬り治む
オノハキオキル おのはきおきる 斧は木を伐る ウツワユエ カネリニホコオ うつわゆえ かねりにほこお 器ゆえ 金錬りに矛を ツクラセテ トキモノキレハ つくらせて ときものきれは 造らせて 鋭き者斬れば ヨツキナシ タミノヨワヒモ よつきなし たみのよわひも 代継ぎ無し 民の齢も ヤヨロナレ やよろなれ 八万均れ
ケニモヨレトモ けにもよれとも 食にもよれども ムカシアリ ヨロススモヘリ むかしあり よろすすもへり 昔あり 万鈴も減り モトセヨリ マタヨロニマス もとせより またよろにます 百年より また万に増す コレススオ ムスフカミナリ これすすお むすふかみなり これ鈴を 結ぶ上なり 人の心は寿命を 結ぶ源なり →ミ4文
オソルルハ ナツミトキレハ おそるるは なつみときれは 恐るるは 泥み人斬れば コタネタツ ケニツツシメヨ こたねたつ けにつつしめよ 子種絶つ げに謹めよ
アメノカミ ツキナクマツリ あめのかみ つきなくまつり 天の尊 嗣なく政 (オモタル) ツキントス カレイサナキニ つきんとす かれいさなきに 尽きんとす 故イサナギに ノタマフハ トヨアシハラノ のたまふは とよあしはらの 宣給ふは 「響朝原の チヰモアキ ミツホノタアリ ちゐもあき みつほのたあり 千五百秋 瑞穂の田あり <の> ナンチユキ シラスヘシトテ なんちゆき しらすへしとて 汝 行き 領すべし」 とて トトホコト サツケタマワル ととほこと さつけたまわる 経と矛と 授け賜る → 2文
トハヲシテ ホコハサカホコ とはをして ほこはさかほこ 経はヲシテ 矛は逆矛 フタカミハ コレオモチヒテ ふたかみは これおもちひて 二尊は これを用ひて 法と警察力の行使権を用いて アシハラニ オノコロオヱテ あしはらに おのころおゑて 朝原に オノコロを得て 中国に 中軸地を得て ココニオリ ヤヒロノトノト ここにおり やひろのとのと ここに下り ヤヒロの殿と ナカハシラ タテテメクレハ なかはしら たててめくれは 中柱 立てて巡れば [恵れば] オオヤシマ トフルマコトノ おおやしま とふるまことの 大八州 通るまことの 全国に 通る 調和の トノヲシヱ とのをしゑ トの教え
チヰモノアシモ ちゐものあしも 千五百の葦も 千五百村の雑草も ミナヌキテ タトナシタミモ みなぬきて たとなしたみも みな抜きて 田となし民も (あしひき) ニキハエハ ヰヤマトトフル にきはえは ゐやまととふる 賑わえば ヰヤマト通る 大いなる調和が通る ヤマトクニ やまとくに ヤマト国 故に名づける和国
マトノヲシヱハ まとのをしゑは マトの教えは エ 調和の教育は ノホルヒノ モトナルユエニ のほるひの もとなるゆえに 昇る日の 本なる故に 日の出の勢いの 原動力ゆえ ヒノモトヤ シカレトヤマト ひのもとや しかれとやまと "日の本" や しかれどヤマト ナステソヨ なすてそよ な棄てそよ
ワレハトノチニ われはとのちに 我はトの道に (調の道) ヲサムユエ オミモトミナリ をさむゆえ おみもとみなり 治む故 "オミ" も "トミ" なり 臣もオミではなくトミと呼ぶ ソノユエハ モトモトアケノ そのゆえは もともとあけの その故は 元々明の ミヲヤカミ ヰマスウラニハ みをやかみ ゐますうらには ミヲヤ神 居ます裏には キタノホシ きたのほし 北の星
イマコノウエハ いまこのうえは 今この上は またこの上方は ミソムメノ トノカミヰマス みそむめの とのかみゐます 見染む目の トの神 居ます 隣接する区画に →フトマニ図 ソノウラカ ナカハシラタツ そのうらか なかはしらたつ その心が 中柱立つ トの精神こそ 中軸として立てる クニノミチ くにのみち 国の道 国家の道
アメヨリメクム あめよりめくむ 天より恵む トノカミト ムネニコタエテ とのかみと むねにこたえて トの神と 旨に応えて その精神に共鳴して マモルユエ ヒトノナカコニ まもるゆえ ひとのなかこに 守る故 人の中子に アイモトメ ヒトツニイタス あいもとめ ひとつにいたす 合い求め 一つに致す 親和して トの神の恵みと一つに合わす
トノヲシエ ナカクヲサマル とのをしえ なかくをさまる トの教え 永く治まる タカラナリ たからなり 宝なり
アメノヒツキオ あめのひつきお 和の日月を ウクルヒノ ミツノタカラノ うくるひの みつのたからの 受くる日の 三つの宝の ソノヒトツ アメナルフミノ そのひとつ あめなるふみの その一つ 陽陰和る文の ミチノクソコレ みちのくそこれ 道奥ぞこれ
マタホコモ タカラノユエハ またほこも たからのゆえは また矛も 宝の故は トノミチニ クニヲサムレト とのみちに くにをさむれと 調の道に 国治むれど ソノナカニ ヨコキクモノハ そのなかに よこきくものは その中に 横転く者は オノカミニ アワネハミチオ おのかみに あわねはみちお 己が身に 合わねば道を サカニユク さかにゆく 逆に行く
ヒトリモトレハ ひとりもとれは 一人悖れば トモオマシ ムレアツマリテ ともおまし むれあつまりて 朋を増し 群れ集りて ワタカマリ ミチサマタケハ わたかまり みちさまたけは わだかまり 道 妨げば (調の道) メシトリテ タタシアカシテ めしとりて たたしあかして 召し捕りて 糺し明かして ツミオウツ つみおうつ 罪を打つ
ヲサムルミチノ をさむるみちの 治むる道の ミタレイト キリホコロハス みたれいと きりほころはす 乱れ糸 斬り綻ばす ウツワモノ うつわもの 器物 →ミ1
アメノヲシヱニ あめのをしゑに 和の教えに (=調の道) サカラエハ ミニウクアマノ さからえは みにうくあまの 逆らえば 身に受く "和の サカホコソ さかほこそ 逆矛" ぞ
クニミタルレハ くにみたるれは 国 乱るれば タモアレテ ミツホノホラス たもあれて みつほのほらす 田も粗れて 瑞穂上らず 成果が上がらず マツシキオ ツミヒトキリテ まつしきお つみひときりて 貧しきを 罪人斬りて タカヤセハ ミツホノナリテ たかやせは みつほのなりて 耕せば 瑞穂の成りて タミユタカ チカラオホトシ たみゆたか ちからおほとし 民 豊か 力・大歳 あがり・収穫を ササクレハ ヤモノニキワヒ ささくれは やものにきわひ 捧ぐれば 八方の賑わひ 高めれば タカラテル カレニタカラソ たからてる かれにたからそ "タ" から出る 故に宝ぞ <斬るも>
サカホコモ ウチヲサムユエ さかほこも うちをさむゆえ 逆矛も 打ち治む故 タカラナリ たからなり 宝なり イサナミイワク いさなみいわく イサナミ曰く →言立 アヤマタハ ヒヒニチカウヘ あやまたは ひひにちかうへ 「誤たば 日々に千頭 日々千人の臣を コロスヘシ イサナキイワク ころすへし いさなきいわく 殺すべし」 イサナギ曰く
ウルハシヤ チヰモノカフヘ うるはしや ちゐものかふへ 「麗しや 千五百の頭 千五百人の臣を ウマントテ ウミテヲシヱル うまんとて うみてをしゑる 生まん」 とて 生みて教える →5文 (「教ゆ」)の連体形 トノミチオ ウケテヲサムル とのみちお うけてをさむる 調の道を 受けて治むる チヰモムラ トノミチトホリ ちゐもむら とのみちとほり 千五百村 調の道通り オオトシノ ミツホヱルナリ おおとしの みつほゑるなり 大歳の 瑞穂得るなり
ヒカシラハ ヒタカミヨリソ ひかしらは ひたかみよりそ 日頭は "日高み"よりぞ 日の出の方向である 東部から ヲサマリシ ソノヤスクニノ をさまりし そのやすくにの 治まりし そのヤス国の 治まっていった チヰモムラ ミナカウヘアリ ちゐもむら みなかうへあり 千五百村 みな頭あり (司)
イマコレオ アワセテミチノ いまこれお あわせてみちの 今これを 合せて三千の カミヲサム アメツチサリテ かみをさむ あめつちさりて 守 治む 天地 離りて トオケレハ ワタクシタツル とおけれは わたくしたつる 遠ければ 私立つる <守が> →ホ17
コノユエニ モノノヘヨモニ このゆえに もののへよもに この故に モノノベ四方に ツカワシテ アメマスヒトト つかわして あめますひとと 遣わして 天マスヒトと ソエフタリ そえふたり 副二人
サカオカソエル さかおかそえる 清汚を数える (「数ふ」の連体形) ミチタテテ カノミモムソヰ みちたてて かのみもむそゐ 道立てて 科の三百六十位 (曲・汚) アメノミチ オヨヘハコロス あめのみち およへはころす 天の満ち 及べば殺す (一周) ミチハコレ みちはこれ 道はこれ (経矛法)
モシアヤマリテ もしあやまりて もし誤りて コロサルモ カタキオトレハ ころさるも かたきおとれは 殺さるも 敵を捕れば 真犯人を捕れば ヲオトクト アマネクタミニ をおとくと あまねくたみに 結を解くと あまねく民に 霊の結を解くと (人として転生するようにすると) フルルナリ ふるるなり 告るるなり
地上での一回限りの生涯より、人として 転生のサイクルを継続できることを重視
サホコノクニノ さほこのくにの サホコの国の マスヒトカ ミチオミタレハ ますひとか みちおみたれは マスヒトが 道を乱れば (シラヒト・コクミ) コレオメス タタセハコロス これおめす たたせはころす これを召す 糺せば殺す ツミナルオ サオヱテノカル つみなるお さおゑてのかる 罪なるを 清を得て逃る マタノカニ ツイニアメヨリ またのかに ついにあめより またの科に ついに天より (御上) ツミセラル つみせらる 詰みせらる
カレカオコリオ かれかおこりお 故 科起りを タヤスクニ ユルセハタミモ たやすくに ゆるせはたみも たやすくに 許せば民も ミナオコル コレヨリハタレ みなおこる これよりはたれ みな驕る これよりハタレ アラハルル あらはるる 現るる
タトエハカワノ たとえはかわの 例えば川の ミナモトノ ヒトシツクヨリ みなもとの ひとしつくより 源の 一滴より ナカレマシ ノタニアフルル なかれまし のたにあふるる 流れ増し 野田に溢るる
ヒトモコレ ヒトリユルセハ ひともこれ ひとりゆるせは 人もこれ 一人許せば ヨロムレテ ソノミチモトル よろむれて そのみちもとる 万群れて その道悖る サシオケハ ツイニハヨモノ さしおけは ついにはよもの 差し置けば ついには四方の ミタレナス みたれなす 乱れなす
コレミナモトオ これみなもとお これ源を タタサネハ オオミツナシテ たたさねは おおみつなして 正さねば 大水なして フセカレス コレシラスンハ ふせかれす これしらすんは 防がれず これ領らずんば (源) ヲサマラヌナリ をさまらぬなり 治まらぬなり
ワレミルニ ヒトイハカワル われみるに ひといはかわる 我見るに 人意は変る オコリカチ ヘリニハカタク おこりかち へりにはかたく 驕りがち 謙りには難く 驕りがちで 謙ることには頑固
『恵み喜ぶ 負け憎む』ホ17
カレハタノ ヲリノリサタム かれはたの をりのりさたむ 故 機の 織法定む
ユフノハハ タテイトヤモリ ゆふのはは たていとやもり 結の幅 経糸 八百垂 (機) ヲサヨモハ ヤソリヒトヨミ をさよもは やそりひとよみ 筬 四百歯 八十垂 一算 ヤリヒトテ ヘクヰニソロヱ やりひとて へくゐにそろゑ 八垂 一手 綜杭に揃え アレヲサニ マキヲサニイレ あれをさに まきをさにいれ 粗筬に 撒き 筬に入れ カサリカケ メヲフミワケテ かさりかけ めをふみわけて 替更り掛け 陰陽踏み分けて (綜絖) <踏木の> (経糸を上下二手に分けて) カヒナクル ヲサメクラセテ かひなくる をさめくらせて 梭投ぐる 筬 巡らせて ユフヌノモ キヌモヲルナリ ゆふぬのも きぬもをるなり ユフ・ヌノも 絹も織るなり
トヨミモノ モノヌシカミノ とよみもの ものぬしかみの 十算物 モノヌシ尊の (800垂) ツネノハソ モニハカタオリ つねのはそ もにはかたおり 常の衣ぞ 喪には固織
コヨミモノ ムラシアタヒラ こよみもの むらしあたひら 九算物 連・直ら (720垂) ツネノハソ モハコノカタハ つねのはそ もはこのかたは 常の衣ぞ 喪は九の固機
ヤヨミモノ アレヲサヘヲミ やよみもの あれをさへをみ 八算物 粗長・辺臣 (640垂) ツネノハソ モハヤノカタハ つねのはそ もはやのかたは 常の衣ぞ 喪は八の固機
ナヨミヨリ フトノハタミノ なよみより ふとのはたみの 七算縒り 太布は民の (560垂) ツネノハソ モハムノカタハ つねのはそ もはむのかたは 常の衣ぞ 喪は六の固機
ワレツネニ ソフヨミオキル われつねに そふよみおきる 我 常に 十二算を着る (960垂) ツキノカス モハソノカタハ つきのかす もはそのかたは 月の数 喪は十の固機
ナツハヌサ ウミテヌノヲリ なつはぬさ うみてぬのをり 夏はヌサ 績みてヌノ織り フユハユキ ヨリテユフヲリ ふゆはゆき よりてゆふをり 冬はユキ 縒りてユフ織り キルトキハ カミシモヨヨノ きるときは かみしもよよの 着る時は 上下よよの 貴賎いよいよ多くの ヰモヤスク ゐもやすく 気も安く
カサルオミレハ かさるおみれは 飾るを見れば ニキハエト ウチハクルシム にきはえと うちはくるしむ 賑わえど 内は苦しむ (心)
ソノユエハ ユフヌノキヌオ そのゆえは ゆふぬのきぬお その故は ユフ・ヌノ・絹を ソメカサル コレナスヒトハ そめかさる これなすひとは 染め飾る これなす人は タカヤサテ ヒマカクユエニ たかやさて ひまかくゆえに 耕さで 隙欠く故に 装飾に暇をつぶす故に タモアレテ タトヒミノレト たもあれて たとひみのれと 田も粗れて たとひ実れど トホシクテ ヤヤヒトカスノ とほしくて ややひとかすの 乏しくて やや人数の カテアレト モトチカラヱヌ かてあれと もとちからゑぬ 糧あれど 基力得ぬ イネノミハ ハミテモコエス いねのみは はみてもこえす 稲の実は 食みても肥えず ヤフヤクニ カテタラサルソ やふやくに かてたらさるそ ようやくに 糧 足らざるぞ
ホコルヨハ アメノニクミニ ほこるよは あめのにくみに 誇る代は 陽陰の憎みに (=驕る) アメカセノ トキモタカエハ あめかせの ときもたかえは 雨風の 時も違えば 時節も不適当となるため イネヤセテ タミノチカラモ いねやせて たみのちからも 稲 痩せて 民の力も ヤヤツキテ ヨニクルシムソ ややつきて よにくるしむそ やや尽きて 弥に苦しむぞ
カサリヨリ オコリニナリテ かさりより おこりになりて "飾り" より "驕り" になりて トキハカル ハテハハタレノ ときはかる はてははたれの 鋭き 謀る 果てはハタレの クニミタレ タミヤスカラス くにみたれ たみやすからす 国乱れ 民 安からず カレツネニ タミノヰヤスキ かれつねに たみのゐやすき 故 常に 民の気安き ユフオキル ゆふおきる 結を着る
アサコトスカノ あさことすかの 麻子と菅の ハフタヱハ タミノヰヤスク はふたゑは たみのゐやすく 羽二重は 民の気安く ナカラヱト ヒニイノルハソ なからゑと ひにいのるはそ 永らえと 日に祈る衣ぞ (日毎) → 16文・ミ10
ニシコリハ ユキスキミヤノ にしこりは ゆきすきみやの 錦織は ユキ・スキ宮の オオナメノ ヱノトキノハソ おおなめの ゑのときのはそ 大嘗の 会の時の衣ぞ
アヤオリハ ハニノヤシロノ あやおりは はにのやしろの 綾織は 埴の社の サナメヱニ スキイノルハソ さなめゑに すきいのるはそ 新嘗会に 結き祈る衣ぞ
コノユエハ アヤニシコリハ このゆえは あやにしこりは この故は 綾・錦織は オサハヤモ ヒトハニヨタリ おさはやも ひとはによたり 筬歯八百 一歯に四垂り ミチフモリ コレアシハラノ みちふもり これあしはらの 三千二百垂 これ朝原の <千五百村を治める> トヨノカス タナハタカミト とよのかす たなはたかみと トヨの数 棚機神と (配る者) タハタカミ オナシマツリノ たはたかみ おなしまつりの 田畑神 同じ纏りの アヤニシキ あやにしき 綾・錦
ミチリノタテニ みちりのたてに 三千垂の経に ヘカサリオ カケテヨツムツ へかさりお かけてよつむつ 綜・替更りを 掛けて四つ・六つ フミワクル ヤナキアヤナル ふみわくる やなきあやなる 踏み分くる "柳綾" なる ハナカタハ ヱカキマノリニ はなかたは ゑかきまのりに 花形は 描き 目載りに アテウツシ あてうつし 当て写し
ツウチヨコヘニ つうちよこへに ツウヂ・ヨコヘに
ツリワケテ ヲリヒメカサリ つりわけて をりひめかさり 吊り分けて 織姫 替更り フムトキニ ヨコヘニワケテ ふむときに よこへにわけて 踏む時に ヨコヘに分けて ツウチヒク カヒヌキナケテ つうちひく かひぬきなけて ツウヂ引く 梭 貫き投げて ヲサメクル アヤニシコリモ をさめくる あやにしこりも 筬 巡る 綾・錦織も (他動詞) コレナルソ タカハタノリノ これなるそ たかはたのりの これなるぞ 高機法の アラマシソコレ あらましそこれ あらましぞこれ
マツリコト タミノイモセハ まつりこと たみのいもせは 政事 民の妹背は (夫婦) ヲサヒトハ ヰヤクムヲサハ をさひとは ゐやくむをさは 筬一歯 五家組む長は 5家を束ねる長は ヒトテユヒ ひとてゆひ 一手指
ヤソテヘヒトリ やそてへひとり 八十手侍 一人 (400屋) アレヲサト ナルオオトラカ あれをさと なるおおとらか 粗長と なるを小臣らが チキリマク ちきりまく 契り任く
ヤソアレヘオク やそあれへおく 八十粗侍 置く (32,000屋) アカタヌシ コレヒトヨミノ あかたぬし これひとよみの 県主 これ一算の モノノヘソ もののへそ モノノベぞ
ヤソヘノクニニ やそへのくにに 八十侍の国に (80県主) ツウチオキ モノノヘタテオ つうちおき もののへたてお ツウヂ置き モノノベ経を (80算=2,560,000屋) 役人をして経を ヲシヱシム をしゑしむ 教えしむ
コノクニツコニ このくにつこに この国造に ヨコヘソリ ソエテアマネク よこへそり そえてあまねく ヨコヘ十人 添えてあまねく ミチワキテ みちわきて 道 頒きて 制を公布し
サカオミアタヒ さかおみあたひ 清汚臣アタヒ 功罪監察の臣 "直" は ツウチヘテ タタチニツクル つうちへて たたちにつくる ツウヂ経て 直ちに告ぐる 直接に
アノメツケ コレアタヒラソ あのめつけ これあたひらそ 天の目付 これアタヒらぞ
モノノヘオ ヤモリツカヌル もののへお やもりつかぬる モノノベを 八百人束ぬる (10国=800算=25,600,000屋) ヌシハコレ オオモノヌシヤ ぬしはこれ おおものぬしや 主はこれ オオモノヌシや ソエムラシ コトシロヌシト そえむらし ことしろぬしと 副 ムラジ コトシロヌシと 副の "連" と タスケシム たすけしむ 助けしむ
ソエノフタリハ そえのふたりは 副の二人は ヘトカサリ オオモノヌシハ へとかさり おおものぬしは 綜と替更り オオモノヌシは ハタノヌシ カレサカオヨム はたのぬし かれさかおよむ 機の主 故 清汚を算む 行政機構の主
ソノカマテ アレハアレオサ そのかまて あれはあれおさ 十の科まで あれば粗長 クミオヨヒ ソウチハシカル くみおよひ そうちはしかる 組を呼び 十内は叱る (五人組) ソノソトハ アカタニツケル そのそとは あかたにつける 十の外は 県に告げる
アカタヌシ コソウチハツエ あかたぬし こそうちはつえ 県主 九十内は杖 90未満は杖打ちの刑 ケタノカハ カトヤニイレテ けたのかは かとやにいれて 方の科は 括屋に入れて 90以上の科は 拘置所 クニツコニ ツクレハハカリ くにつこに つくれははかり 国造に 告ぐれば計り
ケタノカハ ツエウチアカタ けたのかは つえうちあかた 方の科は 杖打ち 県 90以上の科は 杖打ちの上その県を オヒヤラヒ おひやらひ 追ひ遣らひ
フタケタナラハ ふたけたならは 二方ならば 180以上の科は クニオサル くにおさる 国を去る その国を去らせる
アマレハツケル あまれはつける 余れば告げる <二方に> モノヌシノ タタシアカシテ ものぬしの たたしあかして モノヌシの 正し明して フモノカハ シマニサスラス ふものかは しまにさすらす 二百の科は 州に流離す 隔絶地に流し遣る
ミケタカハ カミツメヌキテ みけたかは かみつめぬきて 三方科は 髪・爪 抜きて 270以上の科は イレスミシ いれすみし 入れ墨し
アメニワタレハ あめにわたれは 天に渡れば 360度一周すれば ミオカラス マカルノツミハ みおからす まかるのつみは 身を枯らす 罷るの詰みは 死刑の執行は モノヌシノ ミコトオウケヨ ものぬしの みことおうけよ モノヌシの 命を受けよ
モノノヘラ シカトキケコレ もののへら しかときけこれ モノノベら 確と聞けこれ ワカママニ タミオキルナヨ わかままに たみおきるなよ 我が随に 民を斬るなよ タミハミナ ナオワカマコソ たみはみな なおわかまこそ 民は皆 なお我が孫ぞ
ソノタミオ マモリヲサムル そのたみお まもりをさむる その民を 守り治むる クニカミハ コレナオワカコ くにかみは これなおわかこ 国守は これなお我が子
クニカミハ タミノタラチネ くにかみは たみのたらちね 国守は 民のタラチネ ソノタミハ クニカミノコソ そのたみは くにかみのこそ その民は 国守の子ぞ ワカコテモ ヲヤカキルナヨ わかこても をやかきるなよ 我が子でも 親が斬るなよ
"タ" も "ヲシ" も 乳無きの親よ 鑑みて 助くる民は 子の如く 二尊受けて 親となり 民を我が子と 育つるに 篤く教えて 人と成す 臣・民 子・孫 隔てなく 慈く・恵まん 思ひなり <ホ17>
ワカコサス ツミモヤソクラ わかこさす つみもやそくら 我が子殺す 罪百八十クラ ママコサス ツミフモナソカ ままこさす つみふもなそか 継子殺す 罪二百七十科 イモイサス ツミフモナソカ いもいさす つみふもなそか 妹いさす 罪二百七十科 (妻)
ウマスメハ ヨソメソアニモ うますめは よそめそあにも 生まず女は よそ女ぞ 兄も 出産拒否の女は セモカラス トカミモムソカ せもからす とかみもむそか 背も枯らす 咎三百六十科
嫁が出産を拒否する場合、夫の家は断絶し 実家も親戚の一つを失うことが確実なため ウマサルハ ヨソウメハアニ うまさるは よそうめはあに 生まざるは 他所生めば豈 <結果的に> 他の女が生めば何ら罪無し
タラチウツ トカミモムソカ たらちうつ とかみもむそか タラチ討つ 咎三百六十科 ママヲヤオ ウツトカヨモカ ままをやお うつとかよもか 継親を 討つ咎四百科
アメノリオ タミヒトクミカ あめのりお たみひとくみか 天法を 民一組が (公法) ミタレテモ ヲサメクラネハ みたれても をさめくらねは 乱れても 筬 巡らねば ハタオレス カレオサムルハ はたおれす かれおさむるは 機 織れず 故 治むるは (自下二) ハタノミチカナ はたのみちかな 機の道かな
トキニマタ オオモノヌシカ ときにまた おおものぬしか 時にまた オオモノヌシが モウサクハ ムカシミタレス もうさくは むかしみたれす 申さくは 「昔 乱れず オコラヌオ アラコオキテハ おこらぬお あらこおきては 驕らぬを 粗衣を着ては イツクンソ キミヱミイワク いつくんそ きみゑみいわく いづくんぞ」 君 笑み曰く
ナンチモト タタチオモエト なんちもと たたちおもえと 汝 もと ただち思えど 汝は当初のことを 短絡的に想起するが ノチノヨニ イヤヲサマレハ のちのよに いやをさまれは 後の代に いや治まれば 次第に世が治まれば ウヱシラテ オコルタノシノ うゑしらて おこるたのしの 飢え知らで 驕る楽しの 飢えを知らずに 奢る楽しさの ミツルトキ ウヱトシコロハ みつるとき うゑとしころは 満つる時 飢え遠し頃は 蔓延する その時 飢えを忘れた頃こそ ミノラステ マコトニウヱル みのらすて まことにうゑる 実らずて 真に飢える (「飢ゆ」の連体形) コレカネテ サタムルハノリ これかねて さたむるはのり これ予て 定むる衣法 カンカミソ コレツツシメヨ かんかみそ これつつしめよ 鑑みぞ これ謹めよ
人意は変る 驕りがち 謙りには硬く 故 機の 織法定む
ムカシナル アオヒトクサモ むかしなる あおひとくさも 昔 和る 青人草も →18文 ソニフヱテ ミチオフレテモ そにふゑて みちおふれても そに増えて 道を触れても こんなに増えて トトキカネ コスヱヤフルル とときかね こすゑやふるる 届きかね 後末破るる モトイカヤ トキホコフラハ もといかや ときほこふらは 基かや 時 矛振らば スミヤカニ トホランモノト すみやかに とほらんものと 速やかに 通らんものと <道が> ツルキナス つるきなす 剣 成す
ソノトキフレテ そのときふれて その時触れて カネリトオ ソタリニツルキ かねりとお そたりにつるき 金錬人を 十人に剣 ツクラシム ナカニヒトリハ つくらしむ なかにひとりは 造らしむ 中に一人は ヒイテタリ ヤヒハスルトク ひいてたり やひはするとく 秀でたり 刃 鋭く ミツオワル みつおわる 水を割る 一線を画す
コノカネリトニ このかねりとに この金錬人に ミコトノリ ナンチカヤイハ みことのり なんちかやいは 御言宣 「汝が刃 ヨクトキソ シカレトマテノ よくときそ しかれとまての よく鋭きぞ 然れど左右の イキカレオ シラスヲシエン いきかれお しらすをしえん 活き枯れを 知らず 教えん シカトキケ しかときけ 確と聞け」
タノメハハルノ たのめははるの 「"立の目" は春の (=立の間) イキルコロ タノメオイレテ いきるころ たのめおいれて 活きる頃 "左の眼" を入れて ネルツルキ イキミニチカク ねるつるき いきみにちかく 錬る剣 活き身に近く カレウトシ モシアヤマルヤ かれうとし もしあやまるや 枯れ疎し もし誤るや オソルナリ おそるなり 恐るなり
カノメハアキノ かのめはあきの "枯の目" は秋の (=枯の間) カラスコロ カノメオイレテ からすころ かのめおいれて 枯らす頃 "右の眼" を入れて ネルツルキ カレミニチカク ねるつるき かれみにちかく 錬る剣 枯れ身に近く イキウトシ いきうとし 活き疎し
ツミアルモノオ つみあるものお 罪ある者を カレトイフ ナキハイキナリ かれといふ なきはいきなり "枯れ" と言ふ 無きは "活き" なり カノツルキ カレミオコノミ かのつるき かれみおこのみ 右の剣 枯れ身を好み イキオソル コレソヲサムル いきおそる これそをさむる 活き恐る これぞ治むる タカラモノ コレウツヘシト たからもの これうつへしと 宝物 これ打つべし」 と ノタマエハ のたまえは 宣給えば
オソレテモモカ おそれてももか 畏れて百日 モノイミシ ミキメヒトツテ ものいみし みきめひとつて モノ忌みし 右眼一つで ネルツルキ ヤフリアクレハ ねるつるき やふりあくれは 錬る剣 八振り上ぐれば ミコトノリ イマコノツルキ みことのり いまこのつるき 御言宣 「今この剣 ムヘニヨシ ワカミココロニ むへによし わかみこころに むべ熟し 我が実心に ヨクカナイ ミヨノヲサマル よくかない みよのをさまる よく適い 家の治まる 国家 タカラモノ ナモヤヱカキノ たからもの なもやゑかきの 宝物 名もヤヱガキの ツルキトソ つるきとそ 剣」 とぞ
カネリオホメテ かねりおほめて 金錬りを褒めて タマフナハ アマメヒトツノ たまふなは あまめひとつの 賜ふ名は "アマメヒトツ" の カミトナル かみとなる 尊となる
ノチニハタレカ のちにはたれか 後にハタレが ミタルトキ カナサキオヨヒ みたるとき かなさきおよひ 乱る時 カナサキおよび ムマサカミ ツルキタマワリ むまさかみ つるきたまわり 六将守 剣 賜わり <八重垣の> ハタレウチ ヤタミヲサムル はたれうち やたみをさむる ハタレ討ち 八民治むる イキオヒモ いきおひも 勢ひも
カレハカラシテ かれはからして 「"枯れ" は枯らして (罪人)
イキオヱル タトヱハハヤシ いきおゑる たとゑははやし "活き" を選る 例えば林 キリヒラキ タクニコタマノ きりひらき たくにこたまの 伐り開き 焚くに木霊の ナキコトク キルヘキトカハ なきことく きるへきとかは 無き如く 斬るべき咎は キリツクス オモイノコラシ きりつくす おもいのこらし 斬り尽す 思い残らじ (心/霊)
ツルキトハ ツハキノヨハヒ つるきとは つはきのよはひ ツルギとは 'ツ' は木の齢 アニツキテ カレルアノツソ あにつきて かれるあのつそ 上に尽きて 枯れる上の尽ぞ 極みに達して
ルハシハノ カワケハモユル るはしはの かわけはもゆる 'ル' は柴の 乾けば燃ゆる ルキノホソ キハキノカレテ るきのほそ きはきのかれて 霊気の火ぞ 'キ' は木の枯れて オモヒナシ カレニツルキト おもひなし かれにつるきと 思ひ無し 故に "尽霊帰" と 心/霊は陽陰に帰る ナツクナリ なつくなり 名付くなり
モシタミオコリ もしたみおこり もし民驕り ミノホトモ ワスレテツイニ みのほとも わすれてついに 身の程も 忘れてついに ツルキウク ウケサセシトテ つるきうく うけさせしとて 剣 受く 受けさせじとて (抑止力としての) ミノカキヨ みのかきよ 身の垣よ
剣を恐れることが己を守る盾となる だから 剣=太刀(たち)=盾(たて)
モシモツカサノ もしもつかさの もしも司の オコリニテ タミオカラセハ おこりにて たみおからせは 驕りにて 民を枯らせば ツミオオシ ヨコヘニサラニ つみおおし よこへにさらに 罪 大し ヨコヘに更に アラタメテ ソノタミイカス あらためて そのたみいかす 改めて その民 活かす →21文 トミコトミ オコリシノヒテ とみことみ おこりしのひて 臣・小臣 驕り忍びて ミチマモレ ワカミノタメノ みちまもれ わかみのための 道 守れ 我が身のための (調の道) ヤヱカキハコレ やゑかきはこれ ヤヱガキはこれ」 汚穢垣は驕りを忍ぶこと
トキニマタ オオモノヌシカ ときにまた おおものぬしか 時にまた オオモノヌシが モフサクハ ハタレヤフルノ もふさくは はたれやふるの 申さくは 「ハタレ敗るの ナオモカナ トエハアマテル なおもかな とえはあまてる 名をもがな」 問えば和照る (ヤヱカキ) ミコトノリ みことのり 御言宣
ハタレカワサハ はたれかわさは 「ハタレが禍は (汚穢) チカツケス ユミヤニヤフリ ちかつけす ゆみやにやふり 近付けず 弓矢に敗り <まずは> チカツケハ タチウチハラフ ちかつけは たちうちはらふ 近付けば 太刀打ち払ふ <もし> <だから太刀は攻撃具ではなく> ミノカキソ みのかきそ 身の垣ぞ」 汚穢から身を守る垣(盾)ぞ
マタトフヤタミ またとふやたみ また問ふ 「ヤタミ 己はオオモノヌシ として八方の民を オサムレハ ヤタナハイカン おさむれは やたなはいかん 治むれば "ヤタ"名は如何ん」 (謙譲)
ミコトノリ カカミハタミノ みことのり かかみはたみの 御言宣 「鏡は民の ココロイル イレモノナレハ こころいる いれものなれは 心入る 容れ物なれば (魂魄) ヤタカカミ ツルキハアタオ やたかかみ つるきはあたお ヤタ明暗見 ツルギは仇を 民の魂魄の写し (汚穢) チカツケス ちかつけす 近付けず」
マタトフカキノ またとふかきの また問ふ 「垣の ヤヱイカン やゑいかん "ヤヱ" 如何ん」
キミニコヱミテ きみにこゑみて 君 にこ笑みて ノタマフハ イシクモコエリ のたまふは いしくもこえり 宣給ふは 「美しくも乞えり ソレヤヱハ ムカシフタカミ それやゑは むかしふたかみ それ "ヤヱ" は 昔 二尊 <がそれによって> クニシラス モノイフミチノ くにしらす ものいふみちの 国領らす 物言ふ道の [物結ふ道] アワウタノ アハアメトチチ あわうたの あはあめとちち アワ歌の 'ア' は天と父 (陽) ワハハハソ ヤハワカミナリ わはははそ やはわかみなり 'ワ' は母ぞ 'ヤ' は我が身なり (陰) (和) (人)
コノアワヤ ノトヨリヒヒク このあわや のとよりひひく この ア・ワ・ヤ 咽より響く ハニノコエ クニオシラスル はにのこえ くにおしらする 埴の声 国を領らする タネナレハ アワハアワクニ たねなれは あわはあわくに 種なれば 'アワ' はアワ国 (=中国) ヤハヤモノ アオヒトクサノ やはやもの あおひとくさの 'ヤ' は八方の 青人草の ナモヤタミ なもやたみ 名も ヤタミ
ヤハイエヰナリ やはいえゐなり <また> 'ヤ' は家居なり (和・家) タハヲサム ミハワカミナリ たはをさむ みはわかみなり 'タ' は治む 'ミ' は我が身なり
アワクニノ ヤニイテヤシマ あわくにの やにいてやしま アワ国の 家に率て八州 中央政府の 八紘殿に導いて国家全体を シラスレハ ヤハヤツナラス しらすれは やはやつならす 領らすれば ヤは八つならず モモチヨロ カサヌルフシノ ももちよろ かさぬるふしの 百・千万 重ぬる節の 百万・千万を (=房)
ヤエカキソ やえかきそ "和重垣" ぞ」
トキニモノヌシ ときにものぬし 時にモノヌシ (クシヒコ) ヱミイワク ムカシモノヌシ ゑみいわく むかしものぬし 笑み曰く 「昔モノヌシ タマワリテ フカクオモエト たまわりて ふかくおもえと 賜わりて 深く思えど マタトケス イマヤフヤクニ またとけす いまやふやくに まだ解けず 今ようやくに コレオシル これおしる これを知る
コレヤヱカキハ これやゑかきは これ "ヤヱガキ" は モノノヘノ ナナリトオノカ もののへの ななりとおのか モノノベの 名なりと己が ヲニコタユ テレハスヘラノ をにこたゆ てれはすへらの 央に応ゆ てれば "統べら" の (肝) (和・統・家) ヨヨノカキ オノカヲナリト よよのかき おのかをなりと よよの垣 己が央なり」 と (本分) チカイナス ちかいなす 誓いなす
マタミコトノリ またみことのり また御言宣 ムヘナルヤ クシヒコナンチ むへなるや くしひこなんち 「むべなるや クシヒコ 汝 ミマコヨリ ヲコヌシカミノ みまこより をこぬしかみの 御孫より ヲコヌシ尊の (ニニキネ) 大地主 タマフナモ マタタラスワレ たまふなも またたらすわれ 賜ふ名も まだ足らず 我 フタカミノ タマフサカホコ ふたかみの たまふさかほこ 二尊の 賜ふ逆矛 サイワヒニ ソノキオヱレハ さいわひに そのきおゑれは 幸ひに その気を得れば ユツルナリ ゆつるなり 譲るなり」
ウマレスナオニ うまれすなおに 「生れ素直に ヤマトチノ ヲシヱニカナフ やまとちの をしゑにかなふ 和道の 教えに適ふ スヘラキノ ヤヱカキノヲキ すへらきの やゑかきのをき '皇の ヤヱガキ' の翁 タマフナモ ヤマトヲヲコノ たまふなも やまとををこの 賜ふ名も ヤマトヲヲコの 和 皇籠 の ミタマカミ みたまかみ ミタマ尊」 御霊尊
トキニクシヒコ ときにくしひこ 時にクシヒコ オソレフシ シハシコタエス おそれふし しはしこたえす 畏れ伏し しばし応えず モノノヘラ サウケタマエト もののへら さうけたまえと モノノベら 「さ、受け給え」 と ススムレト マタウナタルオ すすむれと またうなたるお 進むれど またうなだるを コヤネマタ ナフカオソレソ こやねまた なふかおそれそ コヤネまた 「な深畏れそ ウケタマエ ワレワカケレト うけたまえ われわかけれと 受け給え 我 若けれど コモリトハ ヨヨムツマシク こもりとは よよむつましく コモリとは よよ睦じく キミノタメ ナカコヒトツニ きみのため なかこひとつに 君のため 中子一つに マメナサン トキニクシヒコ まめなさん ときにくしひこ 忠なさん」 時にクシヒコ ウヤマイテ ウケイタタケハ うやまいて うけいたたけは 敬ひて 受け頂けば 拝領すれば
キミハマタ フトタマカクニ きみはまた ふとたまかくに 君はまた フトタマ・カグに (カグヤマ) ミコトノリ マコテルヒコノ みことのり まこてるひこの 御言宣 「孫テルヒコの ハネノオミ フトタマハヨヨ はねのおみ ふとたまはよよ 羽の臣 フトタマはよよ マツリトレ マタカクヤマハ まつりとれ またかくやまは 祭 執れ またカグヤマは (陽陰の纏り) モノヌシヨ ムソノモノノヘ ものぬしよ むそのもののへ モノヌシよ 六十のモノノベ ツカサトリ タミオヲサメヨ つかさとり たみおをさめよ 司り 民を治めよ」
トキニマタ コヤネコモリニ ときにまた こやねこもりに 時にまた コヤネ・コモリに ミコトノリ イマキヨヒトノ みことのり いまきよひとの 御言宣 「今 キヨヒトの (改めて) ハネノオミ コヤネハヨヨノ はねのおみ こやねはよよの 羽の臣 コヤネはよよの マツリトレ コモリハヨヨノ まつりとれ こもりはよよの 祭 執れ コモリはよよの モノヌシソ トモニマモリテ ものぬしそ ともにまもりて モノヌシぞ 共に守りて タミオタセ たみおたせ 民を治せ」
マタスヘマコニ またすへまこに また皇孫に (テルヒコ) (キヨヒコ) ミコトノリ ナンチラマツリ みことのり なんちらまつり 御言宣 「汝ら纏り オコタラス ホツマナルトキ おこたらす ほつまなるとき 怠らず ほつま成る時 ヤタヤスフラン やたやすふらん ヤタ安ぶらん」 (民)
クシヒコハ ヤマトヤマヘニ くしひこは やまとやまへに クシヒコは 大和山辺に トノツクリ ヨオカンカエハ とのつくり よおかんかえは 殿造り 節を考えば トシステニ ソフヨロヤチモ としすてに そふよろやちも 歳すでに 十二万八千百 キワアレハ ノチノマモリハ きわあれは のちのまもりは 際あれば 後の守りは (忠) トヨケノリ とよけのり トヨケ法
タマノヲイレテ たまのをいれて 「霊の結入れて 精魂を添えて スヘラキノ ヨヨマモランハ すへらきの よよまもらんは 皇の よよ守らんは アメノミチ あめのみち 和の道」
ミモロノヤマニ みもろのやまに ミモロの山に ホラホリテ アマノサカホコ ほらほりて あまのさかほこ 洞掘りて 和の逆矛 サケナカラ イリテシツカニ さけなから いりてしつかに 放けながら 入りて静かに 曝け出したまま トキオマツ ときおまつ 時を待つ (和の道が衰えて再興を要する時) →ホ27・ホ32・ホ33
スクナルヌシオ すくなるぬしお 直ぐなる主を ミワケント スクナシルシノ みわけんと すくなしるしの 見分けんと 直ぐな印の スキウユル すきうゆる 杉 植ゆる
ヲコノミタマノ をこのみたまの 皇籠の御霊の カミハモト ヒノワワケミノ かみはもと ひのわわけみの 尊は本 日輪分身の (親) (アマテル) コトノリモ アメニツクトテ ことのりも あめにつくとて 言宣も 「上に継ぐ」 とて 末は本に継ぐもの <オオモノヌシは> コモリカミ ソエモノノヘハ こもりかみ そえもののへは コモリ尊 副モノノベは トマミナリ コトシロヌシハ とまみなり ことしろぬしは トマミなり コトシロヌシは ツミハナリ ニニキネミコノ つみはなり ににきねみこの ツミハなり ニニキネ御子の マモリナリケリ まもりなりけり 守りなりけり
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