【好き】
(心を)寄せるさま。好物。
『はたれよろこひ かみいかん わかすきしるや またいわく なんちもしるや』ホ8 |
「すく(好く)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・添える・寄せる」などの意。
変態:「つき(付き・着き)」
【(結き・挿き・助き)・主基・須岐】
合わせ。足し。招き寄せ。纏り。
『ひさかたの ひかりあれます ういなめゑ あゆきわすきに つけまつり』ホ4 『やまうみと とみことたまは はにすきの なめゑにつけて』ホ27 『すきとのに うましあしかい ひこちかみ あわせまつれは なもたかま』ミ6 |
「すく(結く・挿く)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・寄せる・纏る・留める」などの意。
変態:「すけ(助)」「つき(付き)」「つけ(付け)」
同義語:「まつり(纏り)」「ゆき(結き)」
派生語:「ゆきすき(結き挿き)」
【(直ぎ・濯ぎ・鋤き)】
1.直なさま。それや曲がりのないさま。
『まつはおならし すきはしら むねおかつらに ゆひあわせ』ミ8 『やまとなる おほものぬしの かみのみき いくひさつくる すきはいくひさ』ホ33 |
2.直ぐにすること。それ・偏り・曲りを直すこと。調え。
『ふたかみの つきてあまねく のりめくり たみのをしゑは すきくわや』ホ18 『のりうしけれは うしとして たのあらすきや にもつもの』ホ18 『ふにむくは あわのおこりの こえすきお しつめくたせは ふみにおもむく』フふむく |
「すく(直ぐ)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・調和する・直す」などの意。
変態:「さか(直)」「しか(直)」「しき(直)」「すか(清)」「すく(直)」「そこ(直)」「すこ(健)」
派生語:「ゐすすき(五筋直ぎ)」
【鋤・犂】
(土を)調えるもの。
『ふたかみの つきてあまねく のりめくり たみのをしゑは すきくわや』ホ18 |
「すく(直ぐ)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・収める・直す・調える」などの意。
【杉】
直ぐなさま。直ぐな木。
『すくなるぬしお みわけんと すくなしるしの すきうゆる』ホ23 『あかつちかみに これをしゑ ひすきのたねお うゑさしむ』ホ25 『すきにふき あにかひさこは よのうつわ おとかなすひは すきになるなり』フすきに |
「すく(直ぐ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・直る」などの意。
また「す(直)」+「き(木)」
反対語:「まつ(松)」
【空き・隙】
離れるさま。分れるさま。空いているさま。まばらなさま。
『やまのさすきに やしほりの さけおかもして まちたまふ』ホ9 |
「すく(空く)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる/離す・払う・除く・空く/空ける」などの意。
類語:「あき(空き)」「ひま(暇)」「いとま(暇)」
派生語:「さすき(桟敷)」
【小麦】
D:
正の方向に離すもの。活力・成長の素。
『たねはたね うむすき(小麦)さかめ まめすめらの そろはもはめそ むしもみなしむ』ホ1 |
「すく(優ぐ・繁ぐ)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「高める・敬う・増進する・勢い付ける・熟成する・栄す・優れさす」などの意。
変態:「すか(優・透・繁)」「すく(優)」「さか(栄)」「さき(幸)」「しけ(繁)」
【優き・勝き】
高いさま。優れるさま。勝るさま。高み。頂き。
『やましろの わにたけすきに いんへすえ つはものひきて いくさたて』ホ34 |
「すく(優ぐ・勝ぐ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・中心にある・至る・越す」などの意。
10/02/27
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