【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
キツノナトホムシサルアヤ きつのなとほむしさるあや 東西の名と蝕虫去る文 [起尽]
ソレワカハ ワカヒメノカミ それわかは わかひめのかみ それワカは ワカ姫の尊 ステラレテ ヒロタトソタツ すてられて ひろたとそたつ 捨てられて 「拾た」 と育つ (廣田宮) カナサキノ ツマノチオヱテ かなさきの つまのちおゑて カナサキの 妻の乳を得て アワウワヤ テフチシホノメ あわうわや てふちしほのめ アワウワや 長ぢ 初の目
ウマレヒハ カシミケソナエ うまれひは かしみけそなえ 生れ日は 炊食供え タチマヒヤ ミフユカミオキ たちまひや みふゆかみおき 立舞や 三冬 髪置き ハツヒモチ アワノウヤマヒ はつひもち あわのうやまひ 初日・十五日 陽陰の敬ひ (一月一日・十五日) (日月) モモニヒナ アヤメニチマキ ももにひな あやめにちまき 桃に雛 あやめに茅巻 (三月三日) (五月五日) タナハタヤ キククリイワヒ たなはたや きくくりいわひ 棚機や 菊・栗祝ひ (七月七日) (九月九日・十三日) ヰトシフユ ヲハハカマキル ゐとしふゆ をははかまきる 五歳冬 男は袴着る (十一月) メハカツキ めはかつき 女は被衣
コトハオナオス ことはおなおす 言葉を直す アワウタオ ツネニヲシヱテ あわうたお つねにをしゑて アワ歌を 常に教えて
アカハナマ イキヒニミウク あかはなま いきひにみうく 『アカハナマ イキヒニミウク フヌムエケ ヘネメオコホノ ふぬむえけ へねめおこほの フヌムエケ ヘネメオコホノ モトロソヨ ヲテレセヱツル もとろそよ をてれせゑつる モトロソヨ ヲテレセヱツル スユンチリ シヰタラサヤワ すゆんちり しゐたらさやわ スユンチリ シヰタラサヤワ』
アワノウタ カタカキウチテ あわのうた かたかきうちて 和の歌 カダカキ打ちて ヒキウタフ オノツトコヱモ ひきうたふ おのつとこゑも 引き歌ふ 自ずと声も <民を> アキラカニ ヰクラムワタヲ あきらかに ゐくらむわたを 明らかに 五臟六腑・緒 (内臓) (外殻) ネコヱワケ フソヨニカヨヒ ねこゑわけ ふそよにかよひ 根隅分け 二十四に通ひ (内と外) 24声に折り返し ヨソヤコヱ コレミノウチノ よそやこゑ これみのうちの 四十八声 これ身の内の メクリヨク ヤマヒアラネハ めくりよく やまひあらねは 巡り良く 病あらねば ナカラエリ スミヱノヲキナ なからえり すみゑのをきな 永らえり スミヱの翁 (カナサキ) コレオシル これおしる これを知る
ヲキナノイワク をきなのいわく 翁の曰く ヒノイツル カシラハヒカシ ひのいつる かしらはひかし 「日の出づる 頭は東 タケノホル ミナミルミナミ たけのほる みなみるみなみ 猛昇る 皆見る南 ヒノオツル ニシハニシツム ひのおつる にしはにしつむ 日の落つる 西は煮沈む
ヨネトミツ カマニカシクハ よねとみつ かまにかしくは 米と水 釜に炊ぐは ヒカシラヤ ニヱハナミナミ ひかしらや にゑはなみなみ 火頭や 煮え花 皆見 ニヱシツム ヱカヒトタヒノ にゑしつむ ゑかひとたひの 煮え静む 回日一度の (巡り来る日) ミケハコレ みけはこれ 食はこれ」
フルトシフヨリ ふるとしふより 「経る年 古より (寿命) (昔から) ツキミケノ ヒトハモヨロニ つきみけの ひとはもよろに 月三食の 人は百万に ツキムケノ ヒトハフソヨロ つきむけの ひとはふそよろ 月六食の 人は二十万 イマノヨハ タタフヨロトシ いまのよは たたふよろとし 今の代は ただ二万年 イキナルル ミケカサナレハ いきなるる みけかさなれは 生き均るる 食 重なれば ヨワヒナシ ユエニヲンカミ よわひなし ゆえにをんかみ 齢なし 故に御神 (アマテル) ツキニミケ ニカキハホナヤ つきにみけ にかきはほなや 月に三食 苦きハホ菜や」
ミナミムキ アサキオウケテ みなみむき あさきおうけて 「南向き 朝気を受けて 正面が南を向き 朝日の霊を受けるので ナカイキノ ミヤノウシロオ なかいきの みやのうしろお 長生きの 宮の後ろを 住む人を長生きさせる その後宮を キタトイフ ヨルハネルユヱ きたといふ よるはねるゆゑ 北と言ふ 夜は寝る故 夜は後宮で寝るゆえ キタハネソ きたはねそ 北は "ネ" ぞ」
モシヒトキタリ もしひときたり 「もし人来たり <て> コトワケン アワネハキタヨ ことわけん あわねはきたよ 応わけん 会わねば北よ それに対応するとしよう (裏) アフハヒテ ミナミニコトオ あふはひて みなみにことお 会ふば日手」 「南に事を (南=表) [皆見] ワキマエテ オチツクハニシ わきまえて おちつくはにし わきまえて 落ち着くは西 カエルキタ ネヨリキタリテ かえるきた ねよりきたりて 帰る北 北より来たりて [寝] ネニカエル ねにかえる 北に帰る」 [寝]
キハハルワカハ きははるわかは 「木は春 若葉 ナツアオハ アキニヱモミチ なつあおは あきにゑもみち 夏 青葉 秋 煮えもみぢ フユオチハ コレモオナシク ふゆおちは これもおなしく 冬 落葉 これも同じく ネハキタニ キサスヒカシヤ ねはきたに きさすひかしや 根は北に 萌す東や サニサカヱ ツハニシツクル さにさかゑ つはにしつくる "サ" に栄え "ツ" は西尽くる」
ヲハキミノ クニヲサムレハ をはきみの くにをさむれは 「"ヲ" は君の 国治むれば キツヲサネ ヨモトナカナリ きつをさね よもとなかなり キツヲサネ 四方と中なり」 キハヒカシ ハナハモミナミ きはひかし はなはもみなみ 「起は東 華栄 南 コノミニシ ミオワケオフル このみにし みおわけおふる 熟み 西 身を分け生ふる 木が身を分けて結ぶ キノミユヱ キミハヲメカミ きのみゆゑ きみはをめかみ 木の実ゆえ 木実は男女尊」 君は夫婦不可分の尊
シカルノチ イサワノミヤニ しかるのち いさわのみやに 然る後 イサワの宮に <ワカ姫が> ハヘルトキ キシヰノイナタ はへるとき きしゐのいなた 侍る時 キシヰの稲田 (紀州) ホヲムシニ イタムオナケキ ほをむしに いたむおなけき 蝕虫に 傷むを嘆き アルカタチ ツクルイサワノ あるかたち つくるいさわの ある形 告ぐるイサワの 陰陽和合の ヲヲンカミ アマノマナヰニ ををんかみ あまのまなゐに 大御神 アマのマナヰに ミユキアト みゆきあと 御幸後 →6文
タミノナケキニ たみのなけきに 民の嘆きに ムカツヒメ イソキキシイニ むかつひめ いそききしいに ムカツ姫 急ぎ紀州に ユキヒラキ タノキニタチテ ゆきひらき たのきにたちて 行きひらき 田の東に立ちて ("田の起"を願うマジナイ) オシクサニ アホクワカヒメ おしくさに あほくわかひめ 押草に 扇ぐワカ姫
ウタヨミテ ハラヒタマエハ うたよみて はらひたまえは 歌詠みて 祓ひ給えば ムシサルオ ムカツヒメヨリ むしさるお むかつひめより 虫去るを ムカツ姫より コノウタオ ミソメオマテニ このうたお みそめおまてに この歌を 三十侍を左右に (30人の青侍) タタツマセ オノオノトモニ たたつませ おのおのともに たたづませ 各々共に ウタハシム イナムシハラフ うたはしむ いなむしはらふ 歌わしむ 稲虫祓ふ ワカノマシナイ わかのましない ワカのまじない (和)
タネハタネ ウムスキサカメ たねはたね うむすきさかめ 『田根 畑根 大麦 小麦 盛豆 マメスメラノソロハモハメソ まめすめらのそろはもはめそ 大豆 小豆らの そろ葉も蝕めぞ 茂る葉も傷むが ムシモミナシム むしもみなしむ 虫もみな締む』 虫も一緒におしまいになる
クリカエシ ミモムソウタヒ くりかえし みもむそうたひ 繰り返し 三百六十歌ひ トヨマセハ ムシトヒサリテ とよませは むしとひさりて 響ませば 虫 飛び去りて ニシノウミ サラリムシサリ にしのうみ さらりむしさり 西の海 さらり蝕更り 一転して蝕みは直り ヱオハラヒ ヤハリワカヤキ ゑおはらひ やはりわかやき 穢を祓ひ やはり若やぎ ヨミカエル ソロニミノリテ よみかえる そろにみのりて よみがえる 繁に実りて ヌハタマノ ヨノカテオウル ぬはたまの よのかておうる ヌバタマの 世の糧を得る オンタカラ おんたから 御宝
ヨロコヒカエス よろこひかえす 喜び返す 喜びまくる キシヰクニ アヒノマヱミヤ きしゐくに あひのまゑみや 紀州国 太陽の前宮 タマツミヤ ツクレハヤスム たまつみや つくれはやすむ タマツ宮 造れば安む アヒミヤオ クニカケトナス あひみやお くにかけとなす 太陽宮を 国懸となす
ワカヒメノ ココロオトトム わかひめの こころおととむ ワカ姫の 心を留む タマツミヤ カレタルイネノ たまつみや かれたるいねの タマツ宮 枯れたる稲の ワカカエル ワカノウタヨリ わかかえる わかのうたより 若返る ワカの歌より ワカノクニ わかのくに ワカの国
タマツノヲシカ たまつのをしか タマツの御使 タマツ宮への御使 アチヒコオ ミレハコカルル あちひこお みれはこかるる アチヒコを 見れば焦るる 心沸く ワカヒメノ ワカノウタヨミ わかひめの わかのうたよみ 沸姫の 沸の歌詠み ウタミソメ オモヒカネテソ うたみそめ おもひかねてそ 歌見染め 思ひかねてぞ 心に留めきれずに ススムルオ ツイトリミレハ すすむるお ついとりみれは 進むるを つい取り見れば
キシイコソ ツマオミキワニ きしいこそ つまおみきわに 『紀州こそ 妻を身際に コトノネノ トコニワキミオ ことのねの とこにわきみお 琴の音の 床に我君を [事の根の] [融] マツソコイシキ まつそこいしき 待つぞ恋しき』
オモエラク ハシカケナクテ おもえらく はしかけなくて 思えらく 橋 架けなくて (仲人) ムスフヤハ コレカエサント むすふやは これかえさんと 結ぶ和 これ返さんと [陽陰] 返歌せんと カエラネハ コトノハナクテ かえらねは ことのはなくて 返らねば 言の葉なくて マチタマエ ノチカエサント まちたまえ のちかえさんと 「待ち給え 後 返さん」 と モチカエリ タカマニイタリ もちかえり たかまにいたり 持ち帰り タカマに到り モロニトフ もろにとふ 諸に問ふ
カナサキイワク かなさきいわく カナサキ曰く コノウタハ カエコトナラヌ このうたは かえことならぬ 「この歌は 返言ならぬ マワリウタ ワレモミユキノ まわりうた われもみゆきの 回り歌 我も御幸の フネニアリ カセハケシクテ ふねにあり かせはけしくて 船にあり 風激しくて ナミタツオ ウチカエサシト なみたつお うちかえさしと 波立つを 打ち反さじと 船を転覆させまいと マワリウタヨム まわりうたよむ 回り歌 詠む
ナカキヨノ トオノネフリノ なかきよの とおのねふりの 『長き夜の 絶の眠りの 途絶えがちな眠りの ミナメサメ ナミノリフネノ みなめさめ なみのりふねの みな目覚め 波乗り船の 高浪に漂う船の オトノヨキカナ おとのよきかな 復の良きかな』 (揺れ)
トウタエハ カセヤミフネハ とうたえは かせやみふねは と歌えば 風止み 船は ココロヨク アワニツクナリ こころよく あわにつくなり 快く アワに着くなり ワカヒメノ ウタモミヤヒオ わかひめの うたもみやひお 沸姫の 歌もミヤビを カエサシト モフセハキミノ かえさしと もふせはきみの 反さじ」 と 申せば君の 覆すまいと ミコトノリ カナサキカフネ みことのり かなさきかふね 御言宣 「カナサキが船 (渡し) ノリウケテ メヲトナルナリ のりうけて めをとなるなり 乗り受けて 夫婦なるなり」
ヤスカワノ シタテルヒメト やすかわの したてるひめと ヤスカワの シタテル姫と 若宮を仕立てる姫として アメハレテ ソノオシクサハ あめはれて そのおしくさは 陽陰晴れて その押草は 陽陰調和(結婚)し ヌハタマノ ハナハホノホノ ぬはたまの はなはほのほの ぬばたまの 花はほのぼの グラデーションして カラスハノ アカキハヒノテ からすはの あかきはひのて 明らす花の 赤きは日の出 赤くなる花で その赤さは日の出のようだから ヒアフキノ イタモテツクル ひあふきの いたもてつくる ヒアフギの 板もて作る 1. 日扇とも言う 2. ヒノキの アフキシテ クニモリヲサム あふきして くにもりをさむ 扇して 国守り治む ヲシヱクサ をしゑくさ 教え種
カラスアフキハ からすあふきは 明らす扇は (=明らす花・日扇) ソフハナリ ヒアフキノハハ そふはなり ひあふきのはは 十二葉なり 檜扇の羽は (ヒノキ製の扇) ミナハラフ アワノヨソヤソ みなはらふ あわのよそやそ 穢 祓ふ 陽陰の四十八ぞ (アワ歌) マタミソフ ミチナワスレソ またみそふ みちなわすれそ また禊ふ 道な忘れそ [三十二]
ハナキネハ ヰナニツツルオ はなきねは ゐなにつつるお ハナキネは 五・七に綴るを アネニトフ アネノコタエハ あねにとふ あねのこたえは 姉に問ふ 姉の答えは (沸姫) アワノフシ あわのふし 「陽陰の節」
マタトフハラヒ またとふはらひ また問ふ 「祓ひ ミソフナリ みそふなり 三十二なり」
イマミソヒトハ いまみそひとは 「今 三十一とは コノヲシヱ アメノメクリノ このをしゑ あめのめくりの この教え 天の回りの ミムソヰヱ ヨツミツワケテ みむそゐゑ よつみつわけて 三六十五回 四つ・三つ分けて ミソヒナリ ツキハオクレテ みそひなり つきはおくれて 三十一なり 月は遅れて ミソタラス マコトミソヒソ みそたらす まことみそひそ 三十足らず まこと三十一ぞ (29.5日)
シカレトモ アトサキカカリ しかれとも あとさきかかり 然れども 後先かかり 陰と陽の掛り合いから (月と日) ミソフカモ アルマウカカフ みそふかも あるまうかかふ 三十二日も 離る間うかがふ 32日となる場合もある 日月と不一致の間を窺う オヱモノオ ハラフハウタノ おゑものお はらふはうたの 汚穢モノを 祓ふは歌の コヱアマル こゑあまる 声余る
シキシマノヱニ しきしまのゑに 直州の上に ヒトウマレ ミソヒカニカス ひとうまれ みそひかにかす 人生まれ 三十一日に活す メハミソフ ウタノカツモテ めはみそふ うたのかつもて 穢は禊ふ 歌の数以て [三十二] ワニコタフ コレシキシマノ わにこたふ これしきしまの 曲に応ふ これ直州の (穢) ワカノミチカナ わかのみちかな 和の道かな」 (やわし)
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