【(合る・和る・結る)・得る】
A: 合う/合わす。収(治)まる/収(治)める。結ぶ。統べる。現す。(心を)合わす。納得する。同調する。叶う。
『たけきこころに およかせは たつやみつちの ちからゑて』ホ序 『かなさきの つまのちおゑて あわうわや てふちしほのめ』ホ1 『うきはしにゑる おのころの やひろのとのに たつはしら めくりうまんと』ホ3 『あめのみちゑて ひとくさの なけきおやわす かみあらす』ホ4 『ひとのねちけの ときすくれ こりゑてむつの はたれなる』ホ8 |
※「ゑて(得て)」は「ゑる(得る)の連用形」+「て(接続助詞)」ではなく、
「ゑつ(得つ)」の連用形なのかもしれない。これは上二段・下二段の動詞に共通。
●他の動詞の連用形に接続して「可能」の意を添える。
『きみよろこひて たれかこの とりとりゑんや ゆかわたな とみこれとらん』ホ36 『きみいわく とりゑはほめん ゆかわたな くくひとふかた おひたつね』ホ36 『ついにとりゑて ねつきふか ほんつのみこに たてまつる』ホ36 『ふりおなしむの ととせふり あにおもひきや しのきゑて さらかえるとは』ホ37 『なみはかしはの ものやから みなころしゑて ふそやほの』ホ38 |
変態:「あふ(合う)」「ある(在る)」「いる(入る・居る)」「うる(得る)」「おる(織る・居る)」「ゆふ(結う)」
派生語:「ゑかく(描く)」
【彫る】
B: 離れる/離す。放つ。分ける。払う。除く。空ける。発す。
『われきくゑみし むねしのき あれおさもなく むらきみら あひおかしえる』ホ39 |
変態:「ある(離る・散る)」「いる(射る)」「うる(売る)」「ほる(放る・彫る)」
派生語:「えら(鰓)」「えり(襟)=へり(縁)」「いゑり(彫)」
【(熟る・上る・笑る)・選る】
D:
正の方向に離れる/離す。「高める・尊ぶ・栄す・熟成する・優ぐる・中心に置く・至らす・選ぶ」
『はたれうち やたみをさむる いきおひも かれはからして いきおゑる』ホ23 『かみはしれをさ そゑけつり ももふそやうた ゑりたまふ』フ序 |
変態:「ある(荒る)」「いる(炒る)」「うる(熟る)」「よる(選る)」「えむ(笑む)」
派生語:「ゑらむ(選む)」「えらく(笑楽)」
独り言:「elite」
【(彫る・減る)】
E:
負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」
変態:「へる(減る)」「はふ(這う)」「ひゆ(冷ゆ)」「ほる(呆る)」「あゆ(零ゆ)」「なゆ(萎ゆ)」「やむ(病む)」
派生語:「いゑり(彫)」
10/09/08
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