はな  ハナ  hana

  

【(餞・供・具)】
合せ。匹敵。添え。供え。供え物。贈り物。
 ●語呂合せにより 「花」 を供える。

『をりつけの うはのしるしと はなをしお そゑてささくる ことのへのうた』ホ序
はなのそゑうた』ホ序
『よろきみほひこ ゆふはなに やいろにきての かみすすむ』ホ14
『たこのうらひと ふちのはな ささくるゆかり はらみゑて なおうむみうた』ホ32
『ふそひつき へてしはすもち うすはたに もちはななして ふたこうむ』ホ38

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はぬ(和ぬ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・匹敵する/させる」の意。

関連語:「はなをし(餞押・花押)」「ゆふはな(斎餞)」「ゆな(斎餞)

 
 

【(放)・端・鼻・(起・木)】
1.離れ。放ち。派生。突出。初め。起り。
 ●端。端緒。派生。発芽。起源。 ●突起。鼻。 ●胴からの派出。頭と手足。 ●大地からの派出。木。

たちはなうゑて うむみこの たかみむすひお もろたたゆ』ホ2
『いさなみは ありまにおさむ はなとほの ときにまつりて』ホ5
『おけらおにはひ ささゆはな かんくらのとの かんかかり』ホ7
『いやたけいかり ほはなふく かみみつはめお まねくとき』ホ8
よそこのはなに このみなる あくりおゑんと もろをかむ』ホ14

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2.連歌の第2織の織詰 (第39句) の名。「みそこ(三十九)」が引き出す。

『としおかさねて ねりなれて あれのりみそこ はなわさも』ホ191
『おりつめのつす みそこはな みのつめゐそこ つすさつめ』ホ39

 
はぬ(放ぬ)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる/離す・放つ・発す・起る」などの意。

変態:「はた(端)」「はし(端)
派生語:「たちはな(橘)」「ささゆはな(笹湯花)」「ほはな(火花)

 
 

【(跳・栄・映・甚)・花・華】
正の方向に離れるさま。 浮上。盛り。繁栄。賑い。高み。至り。絶頂。

『しわかみの こころほつまと なるときは はなさくみよの はるやきぬらん』ホ序
にゑはなみなみ にゑしつむ』
ホ1
『そのおしくさは ぬはたまの はなはほのほの からすはの』ホ1
『にわにうゑおく みとせのち やよいのみかに はなもみもホ2
『わかよろこひの かとひらき しかはもふけの むねのはなホ16

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はぬ(跳ぬ・栄ぬ)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。

変態:「はね(跳ね・羽)

 

植物の「はな」は現在と異り、「盛り・賑い・華やぎ」の意だけなく、「(大地から)放つもの」の意から、その植物(草・木)全体をも「はな」と呼んだようである。
連歌においては「はな」が「発生・起り・基礎」などの意を持つのに対し、「さつめ」は「成長発展」、「ふつめ」は「熟成」、「つくも」は「至り・完成」などの意を持つのではないかと思う。

  

10/05/28

  

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