みたる  ミタル  mitaru

  

【乱る・(惨る)】
A: 合う/合わす。交じる/交ぜる。もつれる。からむ。
B: 離れる/離す。それる/そらす。曲る/曲げる。異常となる。
<結果として>
E: 負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」

『うむそさのをは たまみたれ くにのくまなす あやまちそ』ホ7
『まえうしろ みたれてなかる わかはちお のちのおきての うらかたそ』ホ7
『かのほしお うらやむひとか かむゆえに たまのをみたれホ13
『あまのはら つきならふれは くにみたるホ13
『つまとめかけと やにいれは いゑおみたるそ』ホ13

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みつ(見つ/罷つ/惨つ)」と同義語「たる(連る/弛る/垂る)」の合成。
ここでは「A: 合う/合わす」、裏を返して「B: 離れる/離す」、またその結果「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる/離す」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」などの意。
自動詞・他動詞どちらにも使われる。

変態:「まつる(纏る)」「まとふ(纏う)」「もつる(縺る)」「もちる(捩る)」「もとる(悖る)
派生語:「みたれ(乱れ)」「みたら(淫ら)」「みたり(濫り)」

 
 

【(満たる)・濫る】
D: 正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」

『かたまろか いたれははたれ いろかえて さきみたれたる きくみちの』ホ8
『たかまはむつの はたれかみ はちのことくに みたるれは』ホ9

 
みつ(満つ)」と同義語「たる(達る)」の合成。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。

変態:「みちる(満ちる)」「いたる(至る)
派生語:「みたり(濫り)」「さきみたる(咲き濫る)

 
 

【三たる・三人る】
三つある。三つである。3体である。

みたるきくみち ゐつなみち なるかみもとむ あゑのみち』ホ8

 
みつ(三つ)」+「ある(在る)」の合成。
これが名詞化すると「みたり(三人)」となる。

『またはたれ つくしのみたり なかくにの はなやまののに ともあつむ』ホ8
『はたれみたりか さきみたれ いくゑかわりて おとろかす』ホ8
『みなめして ちおそそくとき きくみたり すくにきつねの かけあれは』ホ8


 

10/01/07

  

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