瓊矛。経矛。
トはタマ(尊・瓊)と同義で、「尊ぶべきもの・最尊重されるべきもの」などの意。
具体的には「立て・掟・経・教え・法」などを表し、アマテルはこれを「調えるヲシテ」と呼んでいる。タマ(珠)をそのモノザネとする。
ホコはそれに逆らうものをほころばす力を意味する(逆矛)。
トホコは調和と秩序の実現を象徴するもので、具体的には「法と警察力」を指す。
二尊の統治原理の二本柱であり、鳥居の二柱は
経矛と二尊を象徴するものである。
また二尊は 経矛によってオノコロを得、万物を生んでいることから、「世における創造の源」の意を持つ。
この経矛 は代嗣が無く断絶した中央政府 (オモタル政権の残存機構)
から、暫定政権であるヒタカミのトヨケを経て、二尊に与えられたものである。おそらく経矛は正式な中央政権の継承者の証だったと思われる。これは後にアマテルによって「三種宝」に発展する。アマテルが二尊から受け継いだ逆矛は、後にクシヒコに授けられた。
『天地の 平けし時に 二尊の 経矛に治む』序
『時に天より 二尊に "ツボは葦原 千五百秋 汝
用いて 領せ" とて 経と矛賜ふ』2文
『二尊の 交わる時に 融酒や 融は経矛に 子をもとむ』2文
『経・矛あり 経は調ふる オシテなり 二尊
受けて 親となり 民を我が子と 育つるに 篤く教えて 人となす』17文
『教えても尚 逆らはば 討ち綻ばせ 罪・咎の 直しも 遠き 天と地 届かぬことを 思ふなり』17文
『二尊の 経・矛に治む 年
経れば 鈍・均・鋭の 民
生るも 喩えば数の 器物 屑を捨てなで 鈍・鋭を 均し用いん 和の心ぞ』17文
『二尊の うきはしに立ち "この下に 国
無からん" と 経・矛以て さくる
み祝の 滴りが 凝り成る州を オノコロと』18文
『和の尊 嗣無く
政 尽きんとす 故イサナギに 宣給ふは』23文
『"豊葦原の 千五百秋 瑞穂の田
あり 汝 行き 領すべし" とて 経と矛と 授け賜る』23文
『経はヲシテ 矛は逆矛 二尊は これを用ひて 葦原に オノコロを得て ここに下り』23文
『ヤヒロの殿と 中柱 立てて回れば[恵れば] 央州 通るまことの 調の教え』23文
『クシヒコ
生まれ 直ぐなれば 授く御矛に 鑑みて ミモロに入りて 時
待つも 道
衰はば また出でて 熾さんためや』28文
『"弟 [経]に諭し 教えても来ぬ 後討つも 良し"
と タカクラ 弟シギと 遣りて示せど 肯はず』29文
『和の尊より 二尊の 七代の幹も 経矛法』ミ2文
『瓊は立て 貫は潤す 矛も立て 汚曲滅ぼす 二柱 往き来鳥居の 二尊と 聞きて各々 ヲシテ染めけり』ミ3文
『フトマニは 往んし天守 経と矛を 授け給えば 二尊も 地土
万の 道 生みて』フ序
『天の縄(経と矛)の 道も
妹背の 仲人も 強きも和す 天縄(神の縄)なりけり』フ016
経矛法。経矛の道。逆矛の法。
調和/融和と秩序実現の法。
「経」を教え諭して、それでも逆って従わない者は綻(矛)ろばすという統治制度。
アマテルは天の運行の360度を基本に、四分割 (90度)
して刑法を定め、細分化して条項を作る。
犯した罪の合計が、
90座を超えると「処を去る」
180座を超えると「さすらう」
270座を超えると「交わり去る」
360座を超えると「命去る」 360度一周で天に還す。
■「トホコ」は断絶した中央政府から二尊に与えられたものであるので、二尊以前にもトホコ法は行われていたと思われる。
『天回り 三百六十度を 経矛法 "所を去る"
と "さすらふ" と "交り去る"と "命去る"
四つ割過ぎて 綻びと』7文
『経・矛あり 経は調ふる オシテなり 二尊
受けて 親となり 民を我が子と 育つるに 篤く教えて 人となす』17文
『教えても尚 逆らはば 討ち綻ばせ 罪・咎の 直しも 遠き 天と地 届かぬことを 思ふなり』17文
『天マスヒトと 副二人 清汚を数える 道立てて 汚の三百六十位 天の満ち 及べば殺す 道はこれ』23文
『クシヒコ
生まれ 直ぐなれば 授く御矛に 鑑みて ミモロに入りて 時
待つも 道
衰はば また出でて 熾さんためや』28文
『"弟 [経]に諭し 教えても来ぬ 後討つも 良し"
と タカクラ 弟シギと 遣りて示せど 肯はず』29文
『またトヨケ 逆矛の法 天の星 九座表し カツヲ九木 千木は外を削ぐ
故 外宮 内厚く 厳 民の父』36文
『上が代の 経矛の道も やや倒ふ 枯れを治むる ヤマトタケ 神に還さの 遺し文』ミ序
『二柱 政る経矛の 道あれど アマテル神の ヤタ鏡 創り
三種の 尊宝』ミ序
『和の尊より 二尊の 七代の幹も 経矛法』ミ2文
『曲の払の 矛(経矛法)に基づき 和らぎて 邪も素直に 流れ行くなり』フ066
経矛に充つ。 充つの。
二尊が経矛によって調えたもの、それはすなわち「オノコロ・国家」である。
よって「経矛に充つの・充つの」は、「くに」を引き出す枕詞として用いられる。
『勢の鋭りの 争う 充つの 地の殊 君が平へに 引きや散るらん』フ020
『下の精りの 擦られの充つの 寿に
平で収まりし 捩り神なり』フ100
『垂の尽る(冬の至り)の 一陽は十一月に 巡り来て 充つの願ひの 春や来ぬらん』フ110
『繁の抗の 経矛に充つの 争ひも 上が疎かに 肝(臣)や潰むらん』フ115
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