【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
サカノリノアヤ さかのりのあや 酒法の文
サホヒコノ イサワニキケハ さほひこの いさわにきけは サホヒコの イサワに聞けば ワカミヤノ チチヒメメトル わかみやの ちちひめめとる 若宮の チチ姫娶る (オシホミミ) ソノトキニ タカキカミキノ そのときに たかきかみきの その時に タカギが酒の (タカキネ) アヤコエハ カミノヲシエハ あやこえは かみのをしえは 謂 乞えば 神の教えは (アマテル)
イニシエノ アメツチウヒノ いにしえの あめつちうひの いにしえの 天・地・泥の キハナキニ キサシワカルル きはなきに きさしわかるる 際無きに 兆し分かるる アウノメヲ ヲハアメトナリ あうのめを をはあめとなり アウの陰陽 陽は天となり ヒノワナル メハクニトナリ ひのわなる めはくにとなり 日輪 成る 陰は地となり ツキトナル つきとなる 月と成る
カミソノナカニ かみそのなかに 神その中に アレマシテ クニトコタチノ あれまして くにとこたちの 生れまして クニトコタチの トコヨクニ とこよくに トコヨ国
ヤモヤクタリノ やもやくたりの <まずミナカヌシは> 八方八下りの ミコウミテ ミナソノクニオ みこうみて みなそのくにお 御子生みて 皆その国を (トホカミヱヒタメの各国) ヲサメシム コレクニキミノ をさめしむ これくにきみの 治めしむ これ国君の ハシメナリ はしめなり 初めなり
ヨツキノカミハ よつきのかみは 代嗣の尊は クニサツチ サキリノミチオ くにさつち さきりのみちお クニサツチ サキリの道を ウケサレハ サツチニヲサム うけされは さつちにをさむ 受けざれば サツチに治む ヤミコカミ オノオノミコオ やみこかみ おのおのみこお 八御子尊 各々御子を ヰタリウム ゐたりうむ 五人生む
ヤモノヨツキハ やものよつきは 八方の代嗣は トヨクンヌ アメヨリミツノ とよくんぬ あめよりみつの トヨクンヌ 上より三つの 先君により ワサオワケ キミトミタミノ わさおわけ きみとみたみの 業を分け '君・臣・民の ミクタリノ カミハモフソノ みくたりの かみはもふその 三件の 尊は' 百二十の ミコアリテ アメナルミチハ みこありて あめなるみちは 御子ありて 陽陰和る道は メモアラス ミツヨヲサマル めもあらす みつよをさまる 女も生らず 三代納まる 女を生むことなく 三時代は終了する
マサカキノ ウヱツキヰモニ まさかきの うゑつきゐもに 真榊の 植え継ぎ五百に ミツルコロ ヨツキノヲカミ みつるころ よつきのをかみ 満つる頃 代嗣の男尊 (3000万年に相当) ウヒチニノ スヒチオイルル うひちにの すひちおいるる ウビチニの スヒチを入るる サイアヒノ ソノモトオリハ さいあひの そのもとおりは 最愛の そのもとおりは
コシクニノ ヒナルノタケノ こしくにの ひなるのたけの 越国の 鄙るの岳の カンミヤニ キノミオモチテ かんみやに きのみおもちて 尊宮に 木の実を以ちて アレマセハ ニワニウヱオク あれませは にわにうゑおく 生れませば 庭に植えおく ミトセノチ ヤヨイノミカニ みとせのち やよいのみかに 三年後 三月の三日に ハナモミモ モモナルユエニ はなもみも ももなるゆえに 花も実も 百生る故に モモノハナ フタカミノナモ もものはな ふたかみのなも 百の木 二尊の名も モモヒナキ モモヒナミナリ ももひなき ももひなみなり "百雛木" "百雛実" なり
ヒナハマタ ヒトナルマエヨ ひなはまた ひとなるまえよ 雛はまだ 人成る前よ キミハソノ キノミニヨリテ きみはその きのみによりて 君はその 木の実によりて ヲカミハキ メカミハミトソ をかみはき めかみはみとそ 男尊は "キ" 女尊は "ミ" とぞ ナツキマス なつきます 名付きます
ヒトナルノチニ ひとなるのちに 人成る後に ヤヨイミカ ミキツクリソメ やよいみか みきつくりそめ 三月三日 酒 造り初め タテマツル モモトニクメル たてまつる ももとにくめる 奉る 桃下に酌める (「酌む」の連体形) ミキニツキ ウツリススムル みきにつき うつりすすむる 酒に月 映り 進むる 気分を進める
メカミマツ ノミテススムル めかみまつ のみてすすむる 女尊まず 飲みて進むる ノチヲカミ ノミテマシワル のちをかみ のみてましわる 後 男尊 飲みて交わる
トコノミキ とこのみき 融の酒
注: 男=陽=上=大=空・火・風 女=陰=下=小=水・埴=泥
ミアツケレハヤ みあつけれはや 身 熱ければや アスミアサ サムカワアヒル あすみあさ さむかわあひる 明す三朝 冷川浴びる ソテヒチテ ウスノニココロ そてひちて うすのにこころ 袖 浸ぢて ウスの和心 袖を水に沈め 陽陰の和合の本質に マタキトテ ナモウヒチニト またきとて なもうひちにと 全きとて 名もウビチニと (泥因) スヒチカミ すひちかみ スヒヂ尊 (水土)
コレモウヒニル これもうひにる これも泥和る 陰(女)と交わる フルコトヤ オオキスクナキ ふることや おおきすくなき 振言や 多き少なき (慶言) ウスノナモ うすのなも ウスの名も [珍] (=君)
コノヒナカタノ このひなかたの この雛形の ヲハカムリ ウオソテハカマ をはかむり うおそてはかま 男は冠 大袖・袴 メハコソテ ウハカツキナリ めはこそて うはかつきなり 女は小袖 上被衣なり
コノトキニ ミナツマイレテ このときに みなつまいれて この時に 皆 妻入れて ヤソツツキ モロタミモミナ やそつつき もろたみもみな 八十続き 諸民も皆 (臣たち) ツマサタム アメナルミチノ つまさたむ あめなるみちの 妻 定む 陽陰和る道の ソナワリテ タクヒナルヨリ そなわりて たくひなるより 具わりて 類成るより トシカソエ ヰモツキアマノ としかそえ ゐもつきあまの 年数え 五百継天の マサカキヤ まさかきや 真榊や
別個体の男女が結合して子を生むという方法は 大宇宙に「陽陰和る道」が起って霊を世に下ろす ようになってから三千万年後のことなのである
ヰツヨノカミハ ゐつよのかみは 五代の尊は オオトノチ オオトマエナリ おおとのち おおとまえなり オオトノチ オオトマエなり (皇殿内) (大門前) ツノクヰハ オオトノニヰテ つのくゐは おおとのにゐて ツノクヰは 皇殿に居て イククイオ トマエニアヒミ いくくいお とまえにあひみ イククイを 門前に会ひ見 ツマトナス カレヲハトノソ つまとなす かれをはとのそ 妻となす 故 男は "殿" ぞ メハマエト ヤモツツキマテ めはまえと やもつつきまて 女は "前" と 八百続き 全て 長く続いて終了し
ムヨノツキ オモタルノカミ むよのつき おもたるのかみ 六代の嗣 オモタルの尊 カシコネト ヤモオメクリテ かしこねと やもおめくりて カシコネと 八方を恵りて タミオタス たみおたす 民を治す
ヲウミアツミノ をうみあつみの ヲウミ安曇の ナカハシラ ヒカシハヤマト なかはしら ひかしはやまと 中柱 東はヤマト (本州) ヒタカミモ ニシハツクシノ ひたかみも にしはつくしの ヒタカミも 西はツクシの アシハラモ ミナミアハソサ あしはらも みなみあわそさ 葦原も 南 阿波・ソサ キタハネノ ヤマトサホコノ きたはねの やまとさほこの 北は根の ヤマトサホコの チタルマテ オヨヘトモヨホ ちたるまて およへともよほ チタルまで 及べど百万年 ツキコナク ミチオトロヒテ つきこなく みちおとろひて 嗣子なく 道 衰ひて ワイタメナ わいためな わいため無
トキニアメヨリ ときにあめより 時に天より 時に中央政府より
フタカミニ ツホハアシハラ ふたかみに つほはあしはら 二尊に 「ツボは朝原 (イサナギ・イサナミ) (中原) チヰモアキ イマシモチヒテ ちゐもあき いましもちひて 千五百秋 汝 用ひて シラセトテ トトホコタマフ しらせとて ととほこたまふ 領せ」 とて 経と矛 賜ふ
フタカミハ ウキハシノヱニ ふたかみは うきはしのゑに 二尊は うきはしの上に サクリウル ホコノシツクノ さくりうる ほこのしつくの 栄り得る 祝の雫の オノコロニ ミヤトノツクリ おのころに みやとのつくり オノコロに 宮殿造り (八紘殿) オオヤマト ヨロモノウミテ おおやまと よろものうみて 央ヤマト 万物生みて ヒトクサノ ミケモコカヒモ ひとくさの みけもこかひも 人草の 食も籠交ひも ミチナシテ ワイタメサタム みちなして わいためさたむ 道 成して わいため定む イサオシヤ いさおしや 功や
アメノカミヨリ あめのかみより 天の尊より (先の君) フタカミノ ナナヨノミキモ ふたかみの ななよのみきも 二尊の 七代の幹も (基軸) トホコノリ とほこのり 経矛法
コオトトノフル こおととのふる 子を調ふる トコミキノ ノリモテイワク とこみきの のりもていわく 床酒の 法もて曰く (融酒) コノサケハ トコヨイノクチ このさけは とこよいのくち この酒は トコヨ イノクチ ヤマカケノ スクナミカミノ やまかけの すくなみかみの 山陰の スクナミ守の タケカフニ トリノツイハム たけかふに とりのついはむ 竹株に 鳥のついばむ コレオミテ ハシメテツクリ これおみて はしめてつくり これを見て 始めて造り カレササケ ヤヨイミカモテ かれささけ やよいみかもて 故 笹笥 三月三日もて ココノクミ マタシホリサケ ここのくみ またしほりさけ 九の酌み また搾り酒 ソサノヲノ イツモニハシメ そさのをの いつもにはしめ ソサノヲの イヅモに初め ツクルコレナリ つくるこれなり 造るこれなり
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■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
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