トコヨ

→ 語義
  

常世 (疾代)。  
先行する時代。クニトコタチ代/世。 =カミヨ(上代・神代)
ウヒチニ・スヒチより前の、世に男女の別が無かった世代。
  

ササケトコヨ ヰノクチの スクナミ守の 竹株に 雀が籾を 入るを見て 酒 造り初め 進めけり』2文
『この酒は トコヨ イノクチ 山陰の スクナミ守の 竹株に 鳥のついばむ これを見て 初めて造り 故 笹笥ミ2文
『深く謀りて オモイカネ トコヨの踊り '長咲' や 俳優歌ふ』7文
『諸守は 結戸の前に 姦踊り これぞトコヨの "長咲" や』7文

『剣の基は 和の矛 クニトコタチの 代にはまだ 矛 無き故は 素直にて 和りを守れば 矛 要らず』23文

  

  

トコヨクニ

→ 語義

  
トコヨ国。

  1. クニトコタチ時代の世界の国々。 
    神代の理想郷で、日本の場合特にホツマ国ヒタカミ
    真榊をそのシンボルとする。
      
    クニトコタチの トコヨ国 八方八下りの 御子生みて 皆その国を 治めしむ これ国君の 初めなり』2文
    クニトコタチの 八下り子 木草を苞の ホツマ国 東遥かに 熟み高く 立ち上る日の ヒタカミや』4文
    タカミムスビと 国 統べて トコヨの木を ハラミ山 橘山となす 五百継ぎの 真榊も植え』4文
      
      
  2. 人代になるとヒタカミ国のことを言うようになる。時代が下るとまたホツマ国もトコヨに含まれるようになる。ヤマトの政権が及ばない東国をトコヨと言うようになったようだ。
      
    を求めに タジマモリ トコヨに行けよ 我が思ふ クニトコタチの 御代の木』37文
    『これ得んと 遥かに行きし トコヨとは』37文

  

■福島県東白川郡塙町大字常世中野、福島県東白川郡塙町大字常世北野、福島県耶麻郡塩川町大字常世、千葉県銚子市常世田町など、常世の地名が多く東国に残っているのは面白い。

  

  

トコヨカミ

→ 語義

  
トコヨ尊。
先行する時代の尊。 =クニトコタチ
ウヒチニ・スヒチ
より前の、世に男女の別が無かった時代の和つ日月。 
  

トコヨ尊 木の実 東に 植えて生む ハコクニの尊 ヒタカミの タカマに纏る ミナカヌシ2文

  

  

トコヨノハナ

→ 語義

  
トコヨの木。 (ハナは、ここでは「(地から) 放つ・跳ぬ」の意で「木や草」を示す。)
トコヨシンボルの(カグ・タチバナ)。「トコヨの道」を象徴する。
この木を植えた「ハラミ山」を「橘山 (カグヤマ)という。
  

■トコヨの神は橘をどこから持って来たのだろう。日本に土着の木ではなさそうだ。南方を暗示するように思う。
  

クニトコタチの 八下り子 木草を苞の ホツマ国 東遥かに 熟み高く 立ち上る日の ヒタカミや』4文
タカミムスビと 国 統べて トコヨの木を ハラミ山 橘山となす 五百継ぎの 真榊も植え』4文
を求めに タジマモリ トコヨに行けよ 我が思ふ クニトコタチの 御代の木』37文

  

  

トコヨノミチ

→ 語義

  
トコヨの道。(疾代の道)。

  1. トヨヨの統治理念。 
    調和による秩序の道。相反するものを和合・中和することによって生まれる秩序。
    陽陰なる道妹背の道調の道

    『人草の 嘆きを和す 尊あらず あらねばも 尽きんかと』4文
    ツクシに御幸 を 植えてトコヨの 道 成れば 諸守 受けて 民を治す』5文
    トコヨの道を 教ゆ クニトコタチも 和り恵り 堅地に八方を 何方と 生む国 総て オノコロぞ』18文
  2. トヨヨ神の皇統。 
    クニトコタチ
    からオモタルまで連なる日本の国君としての本家筋。

    東の君と  受けて 大嘗事も 真榊の 六万に継ぎて』4文

  

  

トコヨサト

→ 語義
  

トコヨ里。
トコヨの流れを汲む地。
二尊は国々を巡り、民にトコヨの道を教えて行く。そしてトコヨの道が通った地には、橘をトコヨの国のシンボルとして植えていく。こうした国々をトコヨ里と呼んだ。 
「里」は「下・末・麓・裾野」などの意。
  

ソサに来たりて 宮 造り 静かに結ます キシヰ国  植えて トコヨ里5文

  

  

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