香具山(橘山)。天香具山(陽陰の橘山)。
ハラミ山の別名。八下りの御子がハラミ山にトコヨの木(橘)を植えたことにより付いた名。
カグヤマ(2)と区別するために、特に「天香久山(陽陰の橘山)」とも言う。
『クニトコタチの 八下り子 木草を苞の ホツマ国 東遥かに 熟み高く 立ち上る日の ヒタカミや』4文
『タカミムスビと 国統べて トコヨの木を ハラミ山 橘山となす 五百継ぎの 真榊も植え』4文
『またハタレ 日隅・ヒタカミ 橘山下 二岩浦に 継ぐ告げ(黄楊)の
櫛の歯挽けば 諸守は タカマに議り』8文
『またフツヌシは "カグ山を 司れ"
とて カトリ尊』8文
『"久方の 天の橘山 遠離方より 岨渡り来る日 細嫋 腕を巻かん とはすれど"』40文
香具山の埴。
神武東征の折、タカクラ山の麓で磯城タケル・葛城アカシ等と対戦する時に、天皇の夢に『香具山の埴の平盆に神饌を盛って神を祀れ』と言う告げがあった。
またミマキイリヒコ(10代崇神天皇)
の時にタケハニヤスが謀反を起こすが、妻のアタ姫は香具山の埴を領巾(ヒレ)
に入れて、国の物実(モノザネ)
と祈願している。
「香具山」は大和(飛鳥)地方を象徴し、「埴」はその土地の象徴とされていたようだ。つまり香具山の埴を手中に収めることは大和の国を手に入れることを象徴する。
『皇
祈る 夢の告げ "神を祭れよ 香具山の 埴の平手に ヒモロケ"
と 神の教えに 和さんとす』29文
『君を重えば 香具山の 埴の平手の ヒモロケに 天地祭り 後
討たん" ウカシが告げも 夢合せ』29文
『シイネツヒコは 蓑と笠 箕を持つウカシ 翁・姥の 民の姿で 香具山の 峰の埴採り』29文
『直ちに行けば 仇も見て 様を笑ひて 避け通す 故に香具山 埴
採りて 返れば君も 喜びて』29文
『斎瓮を作り 丹生川の ウタに写せる アサヒハラ アマテル・トヨケ 二祭は ミチオミぞ』29文
『これ徴 タケハニヤスの 背くなり 我聞く
妻の アタ姫が 香具山埴を 領巾に入れ 祈りて国の 物実と』34文
『斎名テルヒコ 下さんと 父自らの 告げ文を カグヤマ
使に 奉る』20文
『中国の守 拒まんを 防ぐ供守 カグヤマは ヤマズミの二子 フトタマは ミムスビの三子』20文
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