サカホコ・アメノホコ・アメノサカホコ

→ 語義
  

逆矛。天の矛(和の矛)。天の逆矛(和の逆矛)。
(中央政府) より二尊に、(経・法)と共に授けられた「和を実現する矛」。 トホコ
中央政府の警察力を象徴する。サカホコは「法にらうものをほころばすもの」の意。

イサナミは調の道に逆らう者を排除する「逆矛」を表す。 これが「隈の神」の意味。
イサナギは、民を導き治める実戦部隊の臣を育てる「調の教え」を表す。これが「治汚の神」の意味。

ト・ホコは三種宝が始められるまでは、中央政府の皇位の証だったと思われ、二尊からアマテルに引き継がれたものである。アマテルはこれをクシヒコに授け、クシヒコはそれを持ってミモロ山の洞に入る。
  

『時により 二尊に "ツボは葦原 千五百秋 汝 用いて 領せ" とて 経と矛賜ふ』2文
『かく実心を 尽し生む 一姫三男尊 生みて余の 君・臣の充ち 調の教え 逆り惇らば 綻ろばす』3文
『剣の基は 和の矛 クニトコタチの 代にはまだ 矛 無き故は 素直にて 和りを守れば 矛 要らず』23文
ヲシテ 矛は逆矛 二尊は これを用ひて 葦原に オノコロを得て ここに下り』
23文
ヤヒロの殿と 中柱 立てて回れば[恵れば] 央州 通るまことの 調の教え
23文
『またも 宝の故は 調の道に 国治むれど その中に 横転く者は 己が実に 合わねば道を 逆に行く』23文
『治むる道の 乱れ糸 切り綻ばす 器物 和の教えに 逆らえば 身に受く和の 逆矛ぞ』23文
『力・大年 捧ぐれば 八方の賑わひ 田から出る 故に宝ぞ 逆矛も 討ち治む故 宝なり』23文
クシヒコ 汝 御孫より ヲコヌシ尊の 賜ふ名も まだ足らず  二尊の 賜ふ逆矛 幸ひに その気を得れば 譲るなり』23文
『生れ素直に 和道の 教えに適ふ '皇の 八重垣' の翁 賜ふ名も ヤマトヲヲコの ミタマ尊23文
『'霊の結入れて 皇の 弥々守らんは' 和の道 ミモロの山に 洞掘りて 和の逆矛 放けながら 入りて静かに 時を待つ』23文
クシヒコ 生まれ 直ぐなれば 授く御矛に 鑑みて ミモロに入りて 時 待つも  衰はば また出でて 興さんためや』28文
『またトヨケ 逆矛の法 天の星 九座表し カツヲ九木 千木は外を削ぐ  故 外宮 内厚く 厳  民の父』36文
陽陰の御孫に を授け ヤマト治むる 御鏡は コヤネに授く 神の宗 の源 皇籠の尊ミ序
の掟は 御恵みに 横曲滅ぼす 端の抜き』ミ1文

  

  

サカホコノノリ (トヨケノリ)

  
逆矛の法。トヨケ法。
調の道に逆らう者を排除し、秩序を守ることを言う。 「隈の神」と同義。
「調の道」は八方の民を活け恵む、君の母の心であるに対し、「逆矛の法」は、その君の恵みを内外の乱れから厳しく守る父の心だという。籠神社や伊勢神宮の内宮と外宮は、その精神を表したものである。

「逆矛の法」を実践しようとした者には、トヨケイサナミクシヒコの三人がいるが、いずれも君を地に残し自らは世を去っている。天上界から地上を見守ることが「逆矛の法」の前提となっているようだ。

クシヒコはアマテルより授かった天の逆矛を携え、それを曝け出したままミモロ山の洞に入るが、アマテルは「もし調の道が衰えた時に、それを再興するためにクシヒコはそうしたのだ」と語っている。後にそれはオオモノヌシ断絶の危機に、オホナムチをしてクシミカタマを嗣とする時に、またオミケヌシ開化天皇への諫言を経て、崇神天皇の国家存亡の危機の時に、ミモロ神 (オオモノヌシ神) となって現れ、現実のものとなる。

  
クシヒコは 大和山辺に 殿造り 齢を考えば 歳すでに 十二万八千百 際あれば 後の守は トヨケ法23文
『'霊の結入れて 皇の 弥々守らんは' 和の道 ミモロの山に 洞掘りて 和の逆矛 放けながら 入りて静かに 時を待つ』23文

クシヒコ 生まれ 直ぐなれば 授く御矛に 鑑みて ミモロに入りて 時 待つも  衰はば また出でて 興さんためや』28文
オオナムチ 殊 成す時に ミモロ神 "我あればこそ おおよその 殊 成さしむる 先神霊 また業霊は ワニヒコぞ"』31文
『故 オオナムチ 嗣となす 三度回りて 殊 成せば 一人別れて 三人目の ワニヒコまでが ミワの神"』31文
『代々皇の 守りとて 九月十一日 祭らしむ アタツクシネに オオミワの 姓 賜わる』31文
『(オミケヌシ) 嘆きて曰く "大御神 陽陰の道 成す 代々の君 継ぎ受け収む 和日月32文
が政 諌めずて 阿り君を 穴にする 心汚なし  如何ん 我が上祖神 離れんや 穢れ食まず" と』32文
問ふて "かく教ゆるは 誰神ぞ" 答えて "我は地つ神 オオモノヌシぞ"』33文
『我はこれ オオモノヌシの 神なるが  な憂ひそ 治せざるは 我が心あり』33文
『我が オオタタネコに 祭らさば ひとしく平れて 遠つ地も 真に服ふ』33文
モモソ姫 オオモノヌシの 妻となる "夜には来りて 昼 見えず  明けなば君の 御姿を 見ん" と留むれば』34文
大神恥ぢて 人と成り " 忍びず 我が恥" と 大空踏んで 御諸山34文
『またトヨケ 逆矛の法 天の星 九座表し カツヲ九木 千木は外を削ぐ  故 外宮 内厚く 厳  民の父』36文
の掟は 御恵みに 横曲滅ぼす 端の抜き』ミ1文
『曲の払の 矛(逆矛法)に基づき 和らぎて 邪も素直に 流れ行くなり』フ066

  

  

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