霊の緒 (霊の結)。 緒 (結)。
魂と魄の結合/結合部分。「こころ・精神・精魂」といった意味にも用いる。
魂(陽霊)と魄(陰霊)が結合して中子となる。この結合をタマノヲ(霊の結・霊の緒)と呼ぶ。厳密には中子は人のココロ(心)ではなく、本源という意味である。人の心情という意味でのココロは霊の結が生み出しているのであり、中子は無垢の神性である。だから霊の緒は「心(中子)の派出部・心(中子)の端」と言う意味でココロバ(心派)と呼ばれることもある。
人は世に生まれる時、天元神がその人に守
(もり) を付ける。この守を「元守
(もともり)」あるいは「天元の差使(あもとのさをしか)」と言う。元守は16万8千のモノと魂と魄を結い合わす(霊の結・霊の緒)。これにより人は世での生命を得るという。
霊の結は16万8千のモノや世に生きた経験が添うことによって、人間性が形成される部分。
霊の結は人に最初から付属していたのではなく、キノトコタチ (トヨケの過去世) が天に還った時に、その統括の元に人に付けたものだという。これはウヒチニ・スヒチを初めとして人に男女の別が設けられたのと同時期であろうと思われる。また例外的にアマテルには霊の結が無く、魂と魄は融合している。
霊の結を切ることを『霊断ち』という。魂と魄の結合が人の命を結んでおり、結が切れると人は死ぬので、霊の結は「致命的に重大な物事」の意味にも使われる。
人は死ぬと霊の結が解けて、魂と魄は、ムナモト(陽元=日)
と ミナモト(陰元=月)
に還るのが正常であるが、肉食によって動物的な属性を帯びてしまった人や、天寿を全うせずに未練を残して死んだ人などは、霊の結が乱れて、霊の結が乱れて解けず、魂・魄が陽元と陰元に還れずにさまよう場合がある。『結(緒)を解く』というのは、乱れた霊の結を解いて、死してなお迷う魂と魄
(動物に宿る可能性がある) を陽陰の宮居
(陽元と陰元) に還し、再び人に生まれ変われるようにすることを言う。 =霊還し
★『天地の 寄合ひの極み 玉緒の 絕えじと思ふ 妹が邊り見つ』万十一
『天日宮を 国懸となす ワカ姫の 心を留む タマツ宮 枯れたる稲の 若返る 沸の歌より 沸の国』1文
『霊の結留む 宮の名も 復橘の 和来宮 御子生れませば モチキネと 名付けて到る』5文
『霊還しせば 人成らん 先に罷るも 結を解きて 人に生まるぞ』8文
『万者転れど 霊 還し 乱れ結解けば 神となる 心地明清』8文
『我 三世を知る 初の世は クニトコタチぞ 天に逝き 回る元明の 守
定め』13文
『二世 ムスビの 百万寿 逝きて霊の結 和すを聞く』13文
『陰陽を結びて 人心 世に還る時 直ぐなれば また良く生まれ 汚欲は 敢え還らぬぞ』13文
『右の欲を 羨む人が 咬む故に 霊の結乱れ 旋風の 岐に魄の 苦しみが 獣となるぞ 神打たず』13文
『他人を惑わす 我が欲も 他人は打たねど 霊の結に 覚え責められ 長き夢』13文
『陽陰の纏りを 奉て置けよ 屍の宮に 神座を 設せば結解け 人なるぞ』13文
『塵と集めて 余に迫り 羨むモノが 咬む故に 霊の結
乱れ みやなくて 末 守らぬを 霊還し なせば結解けて 宮に入る』13文
『霊還し なさば苦しむ 霊の結も 解けてムネカミ ミナモトへ 魂・魄
分けて 神となる』13文
『十六万八千の モノ
添ひて 人 生まる時 元つ神 そのたえ守が 種下し モノと魂・魄 結ひ和す』14文
『傍にトホカミ ヱヒタメの 八神は人の 霊の結を 膨み振らせて 永らえを 結び和せば』フ序
『アイフヘモオスシの神は キツヲサネ 五臓六腑を 調えり 三十二の神は 見目・形 日夜の随に 守らせば』フ序
『血[霊] 穢れ 故に 霊の結も 乱れて
元に 還らねば 魂・魄
迷ひ 苦しみて 獣の種を 合い求む』15文
『時来ぬ枯れは 苦しみて 霊の結
乱れ 天に還えず 齢
保ちて 天にあがる 時は楽しみ 罷るなり』15文
『穢肉は臭く 結も乱れ 解くは洗身 潤留菜も』15文
『まして我が身は ミヤビより 胸に通れば 怪し無く 己を治むれど 心派は 奢りを聞けば 欲しに染む』17文
『もし誤りて 殺さるも 敵を捕れば 結を解くと あまねく民に 告るるなり』23文
『後の守は トヨケ法 '霊の結入れて 皇の 弥々守らんは' 和の道 ミモロの山に 洞掘りて』23文
『和の逆矛 放けながら 入りて静かに 時を待つ 直ぐなる主を 見分けんと 直ぐな印の 杉
植ゆる』23文
『結の胞衣を 北に納むれば よく守り 災ひあるも 品
替えて 防ぎ祓えば 和らぎて 霊の結永く』28文
『トカクシ曰く "汝
今 日三の炎を 絶つべしぞ 我が供
食みて 下に降れ"』28文
『"清神を守れば 罪消えて また人成る" と 緒を切れば よろの緒絶うの 山ぞハコサキ』28文
『四道の エビス平け 君に告ぐれば 国安ぐ 秋
タタネコに 折れ枯れの 結解く纏りを 箸塚に なせば輝く 宣りの市』34文
『昔の人の 緒を留む ヲトタチバナ 名を賜ひ』37文
『親つモノ 十六万八千と 守を得て』ミ6文
『人生まる時 神とモノ 魂・魄
結び 霊の結と 五臓六腑も その上の 十四経
備え 人と成す』ミ6文
『傍にトホカミ ヱヒタメの 八神は人の 霊の結を 膨み振らせて 永らえを 結び和せば』フ序
『アイフヘモオスシの神は キツヲサネ 五臓六腑を 調えり 三十二の神は 見目・形 日夜の随に 守らせば』フ序
『垂の縄の 膿む霊の結の 欲なれば 天の政も 欲や生むらん』フ112
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