大己貴。 ヤシマシノミ
(八島士奴美) のオホナムチ。
サタ大神。日隈君。カル君。顕国玉。田中神(田和守/神)。
斎名:クシキネ。ソサノヲとイナダ姫の第五子。アマテルの娘婿。
アマテルの娘のタケコを妻とし、クシヒコ、タカコ、ステシノタカヒコネを生む。
その他にも、タケミナカタ、シマツウシなど合せて181人の子を持つ。
初代大物主。八重垣の臣。
大物主としての職務を、息子であるコトシロヌシ(クシヒコ)に代役させ、自国出雲の経営に専念する。オホナムチの担いでいる袋には籾が入っていて、手に持つ槌は培う象徴。肉食を許したので民は早死にだったという。稲虫を、ワカ姫の押草に祓い得たことに感動して、娘タカコをワカ姫に奉っている。
しかしあまりにも強力になったため、謀反の疑いをかけられ、日隅国 (津軽:アソベのアカル宮) に国替えされる。そこに壮大絢爛な大本(ウモト)宮を建設し、再び国造りに励む。この地でのオホナムチの後裔が島津氏だと思われる。
晩年、自らの先神霊と業神霊が現れ、これを青垣山に宮を造って祭る。時のオオモノヌシ・フキネには代嗣が無かったため、オオモノヌシの断絶を恐れたオホナムチは、先神霊・業神霊の助言に従い、ツミハの子のクシミタカマを、フキネの養子とすることで問題を解決する。
島根県大原郡大東町須賀、須我 (スガ)
神社
島根県八束郡鹿島町大字佐陀宮内、佐太
(サタ) 神社
島根県簸川郡大社町杵築東、出雲 (イズモ)
大社
青森県中津軽郡岩木町百沢、岩木山
(イワキヤマ) 神社
鹿児島県霧島市国分広瀬、大穴持 (オナンジ)
神社
山口県鳴門市大麻町桧字神ノ北、八坂
(ヤサカ) 神社
イサナギ┐┌ヒルコ ┌オオヤヒコ ┌クシヒコ──コモリ ├┼アマテル ├オオヤ姫 ├タカコ イサナミ┘├ツキヨミ ├ツマツ姫 ├タカヒコネ └ソサノヲ───┐├コトヤソ ├タケミナカタ │├オホナムチ─────┴シマツウシ … … …シマツミチヒコ ┌アカツチ┬??─┬サワラノ ├┤ │ │ └ユツヒコ │├カツラギヒトコトヌシ┬カツテ────??─ツルギネ │ └ハヤスフ姫 ││ └アカホシ └アシナツチ┐ │├オオトシクラムスビ─┬オキツヒコ ├イナタ姫───┘│ └ヤマクイ テニツキ─┘ └スセリ姫
ソサノヲ┐ ├オホナムチ┐┌クシヒコ────コモリ イナタ姫┘ ││ ├┼タカコ アマテル┐ ││ ├タケコ──┘└タカヒコネ ハヤコ─┘
★『古語拾遺 (葛木御歳神社の由緒より)
』
大地主神、田 作りましし日に、牛の肉を以て田人に食わしめ給いき。時に御歳神の子、その田に至まして、饗に唾きて還りまして、ありさまを父に告げましき。御歳神、怒りまして、いなごをその田に放ち給いしかば、苗の葉たちまちに枯れ損われて、
篠竹のごとなりき。ここに大地主神、片巫(かたかんなぎ) [志止々鳥]・肱巫(ひじかんなぎ)
[今の俗のカマワ及米占なり]
をして、その由を占い求めしむるに、御歳神
祟りを為す。宜しく
白猪・白馬・白鶏を献りて、その怒りを和め奉るべしと申すに、
教えのまにまに謝(の)み奉ります時に、御歳神
答え給わく、実に吾が意ぞ。宜しく麻柄を以てカセを作りてカセぎ、
すなわちその葉を以て祓い、天押草
以て押し、烏扇
以て扇ぐべし。もし如此して出で去らずば、宜しく牛の宍をもて溝口におき、男茎の形を作りて加え、[是、其の心をまじなう故なり] ツスダマ・蜀椒(なるはじかみ)・呉桃葉(くるみ)、また塩をもてその畔に班置(まきお)くべしと宣いき。すなわち、その教えのまにまに為しかば、苗の葉また茂りて、年穀(たなつも)豊稔(ゆたか)なりき。これ今、神祇官に白猪・白馬・白鶏もて御歳神を祭ることの縁なり。
(■この話での「大地主神」はオホナムチで、「御歳神」はワカ姫
(歳徳神) であるように思われる。)
『クシキネは 異にやさしく 治むれば 流れを汲める 諸が名も ヤシマシの身の オホナムチ』9文
『君 クシキネを モノヌシに タケコを妻と なして生む 兄はクシヒコ 妹はタカコ 弟はステシノ タカヒコネ』9文
『クシキネ アワの ササザキに 鏡の船に 乗り来るを 問えど答えず』9文
『クシキネ
篤く 恵む後 共に務めて 現し地 病めるを癒し 鳥
獣 蝕虫払ひ 振ゆをなす』9文
『ヲヲナムチ スクナヒコナも 共々に 国々恵る 折しもに 糧尽く民に 牛の肉 許す稲の田に 厭虫の 穢える嘆きの』ミ逸文
『オホナムチ 一人恵りて 民の糧 獣肉許せば 肥え募り みな早枯れす』9文
『稲蝕虫 クシキネ
馳せて これを問ふ シタテル姫の 教え種 習い帰りて』9文
『押草に 扇げば蝕の 虫去りて やはり若やぎ 実る故 娘タカコを 奉る』9文
『ヲヲナムチ アメヤスカワの ワカヒルメ 問えば答えの 教え草 押して扇げば たちまちに 蝕虫去にて』ミ逸文
『オホナムチには クシヒコを オオモノヌシの 代りとて コトシロヌシと 仕えしめ 己はイヅモに 教ゆるに』9文
『一二三六百八十 二俵の ヒモロケ
数え 種袋 槌は培ふ 御宝』9文
『飢え治す糧も 倉に満つ 雨・風・日照り 実らねど アタタラ配り 飢えさせず』9文
『イツモ八重垣
オホナムチ 生え画内で 楽しむる 百八十一人 子に満つるかな』9文
『サタは弥増す 子孫 百八十富める ヲヲナムチかな』ミ逸文
『イツモ八重垣 オホナムチ 満つれば欠くる 理か 額を玉垣 内宮と これ九重に 比ぶなり』10文
『築く九重 玉垣の 内つの宮に 比べ越し 天の治えは カフの殿 正すは子の オモヰカネ 守議りして 選り正す』ミ逸文
『然れどホヒは 国守に へつらい媚びて 三年まで 返言あらで オオセイイ ミクマノ
遣れど 父がまま』10文
『オホナムチ 応え
問わんと ミホサキの 連へ雉子の イナセハギ 天の応えを 問ふ時に コトシロヌシが 笑す顔』10文
『我が父退らば 諸共の 返言なせば "まだ一人 あり"
と言う間に 現わるる タケミナカタぞ』10文
『オホナムチ その子のままを 二尊へ "我が子退りにき 我も退る"』10文
『"今 我退らば 誰かまた 敢えて平れなん 者あらじ 我がクサナギの この矛に 平らし給え」と 言ひて退る』10文
『時に服ふ オホナムチ 百八十守を 率い来て 忠も日陰の 灘[涙]
あり』10文
『タカミムスビの 立たし枝 理
あれば 御言宣 賜ふアソベの アカル宮 天振ゆを受くる オホナムチ』10文
『散るアソベの ウモト宮 造る千尋の 掛橋や 百八十縫の 白立に 顕地尊 オホナムチ ツカル
ウモトの 守となる』10文
『オオナムチ 一度落ちて 日隅君 その子モノヌシ 忠をなす これには似ずも ウツヲまた 後
殊立てん 許し給えや』21文
『祖父喜び "その父が 和の神と 成りて後 孫に会いたく 年寄る"
と 手づから御饗』24文
『モノヌシも 喜び曰く "我が君の 山を八房の 居雪成す" 祖父驚き "我たとひ 新田成すとも これ知らず"』24文
『"君は真の 照らす尊 代々の上祖ぞ 忠なせ"
と 国境まで 送りてぞ 名残あるなり』24文
『ツガルには 沼
掘り上げて 田水埋む アソベの丘の 居雪山 七万里
潤みて』
『オオナムチ 自ら褒めて "葦の根さ 基より散らひ 岩根こも 皆
伏し靡け 治むるは 弥万年に誰か また現らん"』27文
『海原 光 現れて "我あればこそ
汝その おおよそに成す 功ぞ"』27文
『"我は汝の 先神霊 貴霊業霊" "さて知りぬ 纏る先霊 どこに住む" "否
神住まず" "汝をば 青垣山に 住ません"』27文
『子無きが故に 乱るるぞ コトシロヌシが 兄弟の子の クシミカタマを 乞い受けて 嗣となすべし』27文
『御教えに ミモロの傍に 殿
成して 乞えば賜はる 儲けの子』27文
『クシミカタマと 若妻の サシ国別姫 諸共に 住ませて主は ツクシ治す』27文
『イトウ神 善きを知る名ぞ 愚霊なる 恥に自ら さすらひて 慈愛を知れば オオナムチ 一姫を娶る』28文
『あなにえや 得つは和つ結ふ 和き国 形 蜻蛉の 因めせる これ蜻蛉洲』31文
『和尊は ヤマト心安 還根国 ヤマトヒタカミ ソコチタル 地上ホツマ オオナムチ 玉垣内方 ニギハヤヒ 空みつ大和』31文
『オオナムチ 殊
成す時に ミモロ神 "我あればこそ おおよその 殊
成さしむる" 先神霊 また業霊は ワニヒコぞ』31文
『故 オオナムチ 嗣となす 三度回りて 殊
成せば 一人別れて 三人目の ワニヒコまでが ミワの神"』31文
『代々皇の 守りとて 九月十一日 祭らしむ アタツクシネに オオミワの 姓
賜わる ワニヒコは 百九十二歳ぞ』31文
『カセフ纏りは オオナムチ 出雲田和の 例し以て 六月十六日 纏りなす その教草の 守り以て』32文
『これオオナムチ 田和祈 六月十六日 行ひは 三百六十歌ひ 押草に 傷みも直る』32文
『サルタヒコ "コヱ"
を "日の出" の 故問えば コヤネ答えて "これ昔 スクナヒコより ヲオナムチ 我に授けり』ミ4文
『十月 大陰
退けて 時雨なす 弥々底に満ち 陽を尽くす 故 ヲヲナムチ 神無月に ヌルデを焚きて 諸守に 餅飯ほどこし』ミ7文
『天の寝せは コトシロヌシ(クシヒコ)が 美保の連り[釣] 父が清かの 禊なすまで』フ008
『卑の転の 赤(華) 交さば 垂たひ(下火) ヲウナムチ 金も赤・白と 練るや転けらん』フ057
『卑の連の 末々に潤す ヲウナムチ 宮も肺も 噤みしの華』フ062
『舳の美の 船は教えの ヲオナムチ 飢え
見ぬ衣を 被り諫めつ』フ063
『籾の熟せば 埋けと室とに ヲウナムチ 俵
咲わせ 酒ぞ造れり』フ072
『繁の塵の 謗りも嘘と 思ひくさ モノヌシ(オオナムチ)ならで モノや散るらん』フ116
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