嘉祥の纏り。
稲虫を祓うための祓いの儀式。
カヌナカワミミの御使人としてツクシに派遣されたタネコがトヨの国で行った。神武の時にタネコとクシミカタマがヤスカワで行った「直りの祓」と同じ。またその内容は昔ワカ姫がキシヰ国でやったこと
(オシ草で煽ぎ三十二の歌を360回歌う)
である。現在は「扇祭」とも呼ばれる。
ヤマトタリヒコクニ(孝安天皇)
は、自身でカセフの祓を行い、果実の祭をやっている。
開化天皇9年夏の長雨によってミモチが発生、御使としてミケヌシがカセフの纏りによって凶作を防いで以降、各地で年毎の6月16日にカセフの纏りを行うようになる。イクメイリヒコ(垂仁天皇)
も64年に、自身でカセフの祓を行い、果実の祭を祝っている。
【嘉祥】カジャウ −広辞苑より−
陰暦六月一六日に疫気をはらうため一六個の餅や菓子を神に供えて後に食べる行事。年号の嘉祥(かしよう)、あるいは中国南宋から輸入された嘉定通宝に由来する名称ともいう。その略称「嘉通」を「勝つ」の語呂に合せて喜んだという。江戸時代には、将軍から総登城した大名・旗本に菓子を賜う式があり、民間では銭一六文を家人に与える風俗があった。かぞう。嘉定。嘉通。嘉祥喰。
★from『神名備』
当社の例祭は七月十四日に行われ、一般に「那智の火祭」といわれています。これは豪壮な松明の燃えさかる御火の行事から名付けられたものですが、もとは旧暦六月十四日の神事で、正式には「扇会式例祭」または「扇祭」といいます。
十四日は、早朝礼殿の前に神輿を飾り立て、神輿の下部に「ひおうぎ」の花を飾りつけます。午前十時本杜大前の儀に続いて、十一時より大和舞・田楽舞の奉納。その後、御田植式が行われます。午後一時より扇神輿渡御式となりますが、まず礼殿にて発輿祭を行った後、宮司以下神輿の前に列立一拝この問警蹕、御神霊を神輿に迎えます。次に扇指し、神役全員石崖の上から御滝本に向かって、「ザアザアホウ」と大声に発声すること三度。この間礼殿にて太鼓を乱打します。
★『古語拾遺 (葛木御歳神社の由緒より)
』
大地主神、田 作りましし日に、牛の肉を以て田人に食わしめ給いき。時に御歳神の子、その田に至まして、饗に唾きて還りまして、ありさまを父に告げましき。御歳神、怒りまして、いなごをその田に放ち給いしかば、苗の葉たちまちに枯れ損われて、
篠竹のごとなりき。ここに大地主神、片巫(かたかんなぎ) [志止々鳥]・肱巫(ひじかんなぎ)
[今の俗のカマワ及米占なり]
をして、その由を占い求めしむるに、御歳神
祟りを為す。宜しく
白猪・白馬・白鶏を献りて、その怒りを和め奉るべしと申すに、
教えのまにまに謝(の)み奉ります時に、御歳神
答え給わく、実に吾が意ぞ。宜しく麻柄を以てカセを作りてカセぎ、
すなわちその葉を以て祓い、天押草
以て押し、烏扇
以て扇ぐべし。もし如此して出で去らずば、宜しく牛の宍をもて溝口におき、男茎の形を作りて加え、[是、其の心をまじなう故なり] ツスダマ・蜀椒(なるはじかみ)・呉桃葉(くるみ)、また塩をもてその畔に班置(まきお)くべしと宣いき。すなわち、その教えのまにまに為しかば、苗の葉また茂りて、年穀(たなつも)豊稔(ゆたか)なりき。これ今、神祇官に白猪・白馬・白鶏もて御歳神を祭ることの縁なり。
( ■この話での「大地主神」はオホナムチで、「御歳神」はワカ姫
(歳徳神) であるように思われる。)
★伊勢神宮では5月14日と8月4日に「風日祈祭 (かざひのみさい)」という五穀豊穣と天候の順調を祈る祭りが行われている。
【田扇】たあふぎ −広辞苑より−
伊勢市楠部の伊勢神宮の田植の神事に用いる扇。また、そのとき頒布する扇。これで田を扇げば害虫を生ぜず、産婦がいる家の柱にかけると安産するという。
『先に五月雨 六十日降り 稲苗みもちに 傷む故 付くる御使人 居直りの祓
"カセフの纏り" なす』31文
『叢雲 蝕虫を 付くれば
君の 自らに 祓ひ "カセフの 纏り"
なす 故 よみがえり 瑞穂充つ よりて
"果実の 祭" なす』31文
『ミケヌシ 御使に いのらしむ アワ国水尾に 田和神 晴れを祈りて 祓[カセフ]なす』32文
『カセフ纏りは オオナムチ 出雲田和の 例し以て 六月十六日 纏りなす その教草の 守り以て』32文
『これオオナムチ 田和祈 六月十六日 行ひは 三百六十歌ひ 押草に 傷みも直る』32文
『田に額づけば よみがえる やはり若やぎ 瑞穂充つ 民
糧増えて 賑えば "大食主の 祭臣" 名付く』
『それより 山背も 筑紫
"直り" も 出雲にも 伊勢・花山も 年毎に 纏る
"カセフ"ぞ』32文
『君に申せば 自らに カセフの纏り なしませば やはり若やぎ 瑞穂成る 返り詣での 果実をも 自ら祭り』37文
『繁の山は 饒ウケモチの ヤツミミも カセウ
ホツミも 力 守るなり』フ113
【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】