【連る・釣る・(捕る・取る)】
A: 合う/合わす。連なる/連ねる。継ぐ。まとめる。収(治)まる/収(治)める。
『うちつれやとる さたのみや のりおさためて はたれねも』ホ9 『ときにそのはは あねつれて かりやにいたり まみゑこふ』ホ24 『たけつみひこと おとたまめ つれいてきみお おかましむ』ホ25 『たたひとり つれてしはらく ここにあり つくしのたみお おもふはかりそ』ホ25 『からひさは おいうかつくぬ つれのほり きみにつくれは』ホ34 『をにつるの まつりははなの かにのこり やむまつしさも をにやつくらん』フをつる 『しのつるは つかえつくして ついたちの つきみつころの ふゆにあうなり』フしつる |
変態:「たる(足る)」「たむ(溜む・矯む)」「つむ(集む)」「とむ(留む・求む)」「する(刷る)」「ぬる(塗る)」
派生語:「うつる(写る・映る)」「つつる(綴る)」「つらぬ(連ぬ)」「ひきつり(引き連り)」「うちつる(打ち連る)」「つり(連・釣)」「つら(連)」「わつらふ(煩う)」「つらぬく(貫く)」「つるへ(釣瓶)」「つるき(連)」「もつれ(縺れ)」
【(飛る・禿る・散る・逸る)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
変態:「たふ(遮ふ)」「ちる(散る)」「つむ(摘む)」「てる(出る)」「とふ(飛ぶ)」「する(剃る・擦る・掏る)」
派生語:「つるき(剣)」「わつらふ(煩う)」「けつる(削る)」
【(回る・擦る)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。
変態:「たむ(回む・廻む)」「する(擦る)」
派生語:「うつる(移る)」「ゆつる(譲る)」
【吊る・(足る・逹る・至る・徹る・点る・尽る・照る)】
D:
正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」
『とかあやまちも ふためとの かしこところの ひきつりに』ホ8 『つうちよこへに つりわけて をりひめかさり ふむときに』ホ23 『あのつるに くらゐもわさも ゆつるとは しるもしらぬも さためつるかな』フあつる 『ふのつるは とみもよひなき とりゑなみ たつはなやかの ゐもやつくらん』フふつる 『ものつるは まさかきはなの いさおしも あたのやまひも もとにかえつる』フもつる 『すのつるの ひとをはしもに めくりきて みつのねかひの はるやきぬらん』フすつる |
変態:「たふ(耐ふ)」「つむ(積む)」「てる(照る)」「とふ(跳ぶ)」「とむ(富む)」「すむ(澄む)」
派生語:「つら(面)」「かつら(桂・葛・蔓・鬘)」「かつらき(葛城)」「つり(吊り)」「つる(蔓・鶴)」
独り言:「tall」
【(垂る・絶る・禿る・潰る)】
E:
負の方向に離れる/離す。「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」
変態:「たふ(絶ふ・賜ぶ)」「たる(垂る)」「ちふ(禿ぶ)」「つゆ(潰ゆ)」「つむ(詰む)」「する(摩る)」
派生語:「わつらふ(煩う)」「つらら(氷・氷柱)」「けつる(削る)」
【連・弦】
合わせ。結び。張り。渡し。連続。連鎖。連中。
『さほこなる ゆけのそしもり つるめそか やとにつくむや しむのむし』ホ9 『ちちかゆんつる きりおきて ちちあつかやお ころさしむ』ホ38 『いのつるは はやこかをろち まつられて なるいわなかも みさほおちつる』フいつる 『へのつるの すすにうるほす をうなむち みやもふくしも つくみしのはな』フへつる |
「つる(連る)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・結ぶ・連ねる・張る・渡す」などの意。
変態:「つれ(連れ)」「つら(連・列)」「つり(連り・釣り)」「つな(綱)」「たな(棚)」「つた(伝・蔦)」「つね(常)」
【蔓】【鶴】
正の方向に離れるさま。 伸び栄えるもの。背の高いもの。
『ひたかみにつる たてまつる はねさきみれは ふそよなり』ホ16 『かれもろはねお よりたたし をつるおたてに めおよこに』ホ16 『にわにすむつる ちよみくさ そそきねおはむ いけのかめ はおはむ』ホ24 |
「つる(逹る・吊る)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
類語:「かた(葛)」「かつら(葛・蔓)」「つつら(葛)」
独り言:「tall」
【つる (助動詞)】
〜たる(てる・とる)。〜なる。〜である。
『さきにみつ あひせんつるお うほきみか とめてまねなす これいかん』ホ13 『にゐはりつ つくはおすきて いくよかねつる』ホ39 『あのつるに くらゐもわさも ゆつるとは しるもしらぬも さためつるかな』フあつる 『いのつるは はやこかをろち まつられて なるいわなかも みさほおちつる』フいつる 『ものつるは まさかきはなの いさおしも あたのやまひも もとにかえつる』フもつる |
「つる」は断定・継続の意を表す「つ」の連体形。
「たる・なる・ある」に同じ。動詞の連用形に接続する。
10/02/17
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