しな  シナ  sina

  

【(凌・長)・信】
上にあるさま。他に勝るさま。他を越えるさま。
 ● 高み。高地。高原。山岳。 (=信濃)

『さきにみこもり おもいかね しなのいなほら あちのかみ』ホ10
『みかつちか とらへてなくる あしかひの おそれてにくる しなのうみホ10
『ややひととなる すわのかみ しなのはさむく とりししに さむさしのくと』ホ15
『よめちゆくねの をにおさむ ゑなかたけなる しなのくにホ28
『さきにみこ みたりうむとき しなのより しなあかたの ぬしきたり』ホ28

 
しのく(凌ぐ)」の母動詞「しぬ」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる/離す」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る・超える」などの意。

諏訪・駿河・甲斐は元々は信濃の別名(何れも「高地・山国」の意)だったが、時代と共に分割されて行ったように思っている。よって古代の駿河は海岸部を含んでいなかったとと推測する。

変態:「しの(篠)」「ちの(茅野)」「すわ(諏訪)そわ・そは・そひ(岨)さは(多・騒・娑麼)」「さや(明)」「さゆ(冴)
類語:「するか(駿河)」「しなの(信濃)」「かひ(甲斐)」「あし(葦)
あち(阿智・阿治)ち(茅)」「あしかひ(葦萱・葦牙)
派生語:「しなのうみ(信の海)

 
 

【(凌・長)・級長】
正の方向に離すもの。「高める・勢い付ける・栄す」もの =かせ(風)

『むらくもおおひ くらませは しなとおまねき ふきはらふ』ホ8
しなとへに ふきはらふとき ちおむかひ ともにいります』ホ21

 
しぬ(凌ぬ・聳ぬ・繁ぬ)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離す」で、「上げる・勢い付ける・栄す・熟れさす・優れさす・勝らす・至らす」などの意。

類語:「いなさ(往なさ)のかせ(退かせ・野風)
派生語:「しなと(科戸・級長戸)

 
 

【品・科・階】
1.類似。匹敵。適合。対応。質。
2.分け。区別。区分。区画。分類。種別。

『たまきねの をしゑのおひは みみのはに しなわきまえて くにをさむ』ホ16
『ときにもとむる うまれつき そむよろやちに しなかわる』ホ17
しなにより あめよりきみに つけあるそ まさにはつへし』ホ17
『そたちによりて しなかわる よくのりなれて これおしる』ホ192
『みはむゐしなお ゐつわけて なかすゐしかわ せきいれて』ホ24
『をのゑなお ねにおさむれは よくまもり わさはひあるも しなかゑて』ホ28
『よめちゆくねの をにおさむ ゑなかたけなる しなのくにホ28
『さきにみこ みたりうむとき しなのより しなあかたの ぬしきたり』ホ28
『ゑなこふときに みことのり はにしなぬしは ゑなかたけ』ホ28
はゑしなおよひ さらしなと つましなぬしら このみゑな そのをにおさめ』ホ28
『あまのおさかへ ちのへきへ たちはかせへの としなへお あはせたまわる』ホ37

 
しぬ(親ぬ/散ぬ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・似る・匹敵する」、裏を返して「B: 離れる・分れる・区切る」などの意。

変態:「つな(綱)」「たな(棚)」「しつ(質)」「しち(質)」
類語:「くさ(種)」「しろ(代)」「あたひ(値)」「あかた(県)

 
 

【(垂・衰・萎)・支那】(China)
(日が)衰え沈むさま。またその方角の国。

『ひひのしし しなきみいてて ちよみくさ たつぬとなけく』ホ15

 
しぬ(垂ぬ・衰ぬ)」の名詞化。
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」などの意。

変態:「しね(垂・衰)
類語:「くろその(玄圃)
あかかた(赤県)「ころひつくに(転日つ地)」から(韓・漢・加羅・伽耶)しらき(新羅)

  

10/08/22

   

 基本理論はこちら

【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】