【原文カタカナ訳】 【語義考察】 【漢字読み下し】
マーカー部は原文に記されているオシテ。これらを誤写と見て、改修を施した上で解釈しています。
ウカヤアオイカツラノアヤ うかやあおいかつらのあや 産が屋 葵桂の文
ミソムスス ミソヨヱミソヤ みそむすす みそよゑみそや 三十六鈴 三十四枝三十八 ヤヨイモチ ワケイカツチノ やよいもち わけいかつちの 三月十五日 ワケイカツチの (ニニキネ) アマキミハ モロトミメシテ あまきみは もろとみめして 天君は 諸臣召して ミコトノリ ムカシニハリノ みことのり むかしにはりの 御言宣 「昔 ニハリの ミヤタテテ タミツノタメニ みやたてて たみつのために 宮 建てて 田水のために ハラミヤマ ナリテミソヨロ はらみやま なりてみそよろ ハラミ山 成りて三十万 タミオタス ツイニシハカミ たみおたす ついにしはかみ 民を治す ついに地上 ホツマナル ほつまなる ホツマ成る
アマツヒツキオ あまつひつきお 和つ日月を ウケツキテ ワケイカツチノ うけつきて わけいかつちの 受け継ぎて ワケイカツチの カミトナル ミソヒヨロトシ かみとなる みそひよろとし 尊となる 三十一万年 ヲサムレハ ヨハヒモヲイテ をさむれは よはひもをいて 治むれば 齢も老いて ワノヒツキ イマウツキネニ わのひつき いまうつきねに 地の日月 今 ウツキネに ア (ヒコホオテミ) ユツラント ゆつらんと 譲らん」 と
ヲシカイタレハ をしかいたれは 御使到れば ミソフカミ シタヒオシメト みそふかみ したひおしめと 三十二守 慕ひ惜しめど (筑紫三十二の県主) ミコトノリ サタマルウエハ みことのり さたまるうえは 「御言宣 定まる上は ヨロトシオ イハヒテノチノ よろとしお いはひてのちの 万歳を 祝ひて後の ミユキコフ みゆきこふ 御幸乞ふ」
シカフネトエハ しかふねとえは シガ 船問えば ワニカイフ オオカメナラハ わにかいふ おおかめならは ワニが言ふ 「オオカメならば ツキコエン カモハヒトツキ つきこえん かもはひとつき 月越えん カモは一月 オオワニハ ササトモフセハ おおわには ささともふせは オオワニは 些々」 と申せば ノタマハク チチメストキハ のたまはく ちちめすときは 宣給わく 「父召す時は サハカナリ ワレハオオワニ さはかなり われはおおわに 騒かなり 我はオオワニ ヒメハカモ アトニオクレト ひめはかも あとにおくれと 姫はカモ 後に送れ」 と (トヨタマ姫)
オオワニオ シカノウラヨリ おおわにお しかのうらより オオワニを シガの浦より ツナトキテ ハヤチニキタノ つなときて はやちにきたの 綱 解きて 早ちに北の 早々に ツニツキテ イササワケヨリ つにつきて いささわけより 都に着きて イササワケより ミツホマテ ミカエリアレハ みつほまて みかえりあれは ミヅホまで 御帰りあれば アマキミモ トミモヨロコフ あまきみも とみもよろこふ 天君も 臣も喜ぶ
コレノサキ キサキハラミテ これのさき きさきはらみて これの先 后 孕みて (トヨタマ姫) ツキノソム カレニアトヨリ つきのそむ かれにあとより 月臨む 「故に後より カモオシテ キタツニユカン かもおして きたつにゆかん カモをして 北都に行かん ワカタメニ ウフヤオナシテ わかために うふやおなして 我がために 産屋を成して マチタマエ まちたまえ 待ち給え」
カレマツハラニ かれまつはらに 故 松原に (気比の松原) ウフヤフク ムネアワヌマニ うふやふく むねあわぬまに 産屋葺く 棟合わぬ間に カモツキテ ハヤイリマシテ かもつきて はやいりまして カモ着きて 早や入りまして ミコオウム みこおうむ 御子を生む
カツテハイスモ かつてはいすも カツテは椅子も ミユモアク ウカヤノユトハ みゆもあく うかやのゆとは み湯も上ぐ 産が屋の湯とは (入浴用) コノハナノ シロキカニサク このはなの しろきかにさく 木の花の 白きカニ咲く (濁り) コハウノメ マタアマカツラ こはうのめ またあまかつら 凝ウノメ またアマガツら 硫黄
イマミコノ カニツハハケハ いまみこの かにつははけは 今御子の カニ唾 吐けば ココモアリ スセリミヤヨリ ここもあり すせりみやより ココモあり スセリ宮より (回虫) (ホノススミ) ミユススメ マクリトトモニ みゆすすめ まくりとともに み湯すすめ 海人草と共に (スセリの薬湯) (カニ草) カニオタス かにおたす カニを治す
カレナカラエテ かれなからえて 故 永らえて ソヨススノ ヨワヒウカワノ そよすすの よわひうかわの 十四鈴の 齢 ウカワの (ホノススミ) ミヤホメテ シラヒケカミト みやほめて しらひけかみと 宮 褒めて "白髭神" と ナオタマフ なおたまふ 名を賜ふ
カネテカツテカ かねてかつてか かねてカツテが モウサクハ キハウフミヤオ もうさくは きはうふみやお 申さくは 「キは産宮を (夫) ナノソキソ ウツキモチヨリ なのそきそ うつきもちより な覗きそ 四月十五日より この御子の誕生日 ということになる ナソヰカハ ヒコトウカヤノ なそゐかは ひことうかやの 七十五日は 日ごと産が屋の ウフユアク ノコルノリナリ うふゆあく のこるのりなり 産湯上ぐ 遺る法なり」
ホタカミハ ホソノヲキルモ ほたかみは ほそのをきるも ホタカミは 臍の緒 切るも ハラノノリ モノヌシナラス はらののり ものぬしならす ハラの法 モノヌシ鳴らす (コモリ) クワノユミ ハハヤヒキメソ くわのゆみ ははやひきめそ 桑の弓 ハハ矢ひきめぞ ハハ矢は穢の退散ぞ
コヤネカミ イミナカカエテ こやねかみ いみなかかえて コヤネ尊 斎名考えて カモヒトト ハハヨリナキサ かもひとと ははよりなきさ "カモヒト" と 母より "ナギサ タケウカヤ フキアワセスノ たけうかや ふきあわせすの タケ ウガヤ フキアワセズ" の ナオタマフ なおたまふ 名を賜ふ
ユエハチクラニ ゆえはちくらに 故はチクラに カモワレテ ヒメモタケスミ かもわれて ひめもたけすみ カモ破れて 姫もタケスミ ホタカミモ ナキサニオチテ ほたかみも なきさにおちて ホタカミも 渚に落ちて オホルルオ タケキココロニ おほるるお たけきこころに 溺るるを 猛き心に オヨカセハ タツヤミツチノ およかせは たつやみつちの 泳がせば 竜や蛟の (尊敬) チカラエテ ツツカモナミノ ちからえて つつかもなみの 力得て 恙も和みの (序においては「ゑ」) イソニツク いそにつく 磯に着く
ツリフネヨリソ つりふねよりそ 釣舟よりぞ ミホサキノ ワニヱテココニ みほさきの わにゑてここに ミホサキの ワニ得てここに (美保関) (キタツ) ツクコトモ ミタネオモエハ つくことも みたねおもえは 着くことも 御胤思えば ナキサタケ ハハノミココロ なきさたけ ははのみこころ "渚" "猛" 母の実心 アラハルル あらはるる 表るる
キミマツハラニ きみまつはらに 君 松原に ススミキテ ウフヤノソケハ すすみきて うふやのそけは 進み来て 産屋 覗けば 心躍らせて来て ハラハヒニ ヨソヒナケレハ はらはひに よそひなけれは 腹這ひに 装ひ無ければ トホソヒク オトニネサメテ とほそひく おとにねさめて 戸臍引く 音に寝覚めて (「閉づ」の意) ハツカシヤ はつかしや 「恥づかしや」
オトタケスミト おとたけすみと 弟タケスミと ミナツキノ ミソキシテノチ みなつきの みそきしてのち 六月の 禊して後 ウフヤテテ ヲニフニイタリ うふやてて をにふにいたり 産屋出て ヲニフに到り (遠敷) ミコイタキ ミメミテナテテ みこいたき みめみてなてて 御子抱き 御面・御手 撫でて ハハハイマ ハチカエルナリ はははいま はちかえるなり 「母は今 恥ぢかえるなり 恥ぢまくる マミユオリ モカナトステテ まみゆおり もかなとすてて まみゆ折 もがな」 と捨てて
クチキカワ ノホリヤマコエ くちきかわ のほりやまこえ 朽木川 上り 山越え ヤヤミカニ ワケツチノネノ ややみかに わけつちのねの やや三日に ワケツチの北の (=賀茂) ミツハメノ ヤシロニヤスム みつはめの やしろにやすむ ミヅハメの 社に休む (貴船神社)
コノヨシオ ミツホニツケハ このよしお みつほにつけは この由を ミヅホに告げば オトロキテ ホタカミオシテ おとろきて ほたかみおして 驚きて ホタカミをして トトメシム ととめしむ 留めしむ
ヲニフノキチノ をにふのきちの ヲニフの雉の ヒタトヘハ アトオシタヒテ ひたとへは あとおしたひて ひた飛べば 跡を慕ひて ただちに伝えれば
クチキタニ ニシヨリミナミ くちきたに にしよりみなみ 朽木谷 西より南 ヤマコエテ ミツハノミヤニ やまこえて みつはのみやに 山越えて ミヅハの宮に オヒツキテ コエトカエナテ おひつきて こえとかえなて 追ひ着きて 乞えど返え無で 帰還を乞えど返事なく タケスミニ フクメトトメテ たけすみに ふくめととめて タケスミに 含め留めて 留まるよう言い含めて ハセカエリ カエコトナセハ はせかえり かえことなせは 馳せ帰り 返言なせば
キシトヒテ ツクルツクシノ きしとひて つくるつくしの 雉 飛びて 告ぐるツクシの ハテスミト オトタマヒメト はてすみと おとたまひめと ハテスミと オトタマ姫と ワニノホリ ニシノミヤヨリ わにのほり にしのみやより ワニ上り 西宮より ワニ船にて上京し <淀川を遡り> ヤマシロニ イタリテトエト やましろに いたりてとえと 山背に 到りて訪えど ヒメハイマ オリテノホラス ひめはいま おりてのほらす 「姫は今 下りて上らず オトタマオ ササケトアレハ おとたまお ささけとあれは オトタマを 捧げ」 とあれば モロトモニ ノホリモフセハ もろともに のほりもふせは 諸共に 上り申せば <ミヅホに> イモトメス いもとめす 妹召す
儀礼上、キミ=日月は男女のペアであるため 内宮トヨタマ姫の臨時代理として妹姫を召す
アマツヒツキオ あまつひつきお 和つ日月を ワカミヤニ サツケタマイテ わかみやに さつけたまいて 若宮に 授け給いて (ヒコホオデミ) オオヱキミ シノミヤニマス おおゑきみ しのみやにます 太上君 シノ宮に座す (ニニキネ)
ミツホニハ ニハリノタメシ みつほには にはりのためし ミヅホには ニハリの例 ユキスキノ ヲヲンマツリノ ゆきすきの ををんまつりの ユキ・スキの 大御祭の オオナメヱ ミクサノウケオ おおなめゑ みくさのうけお 大嘗会 三種の受けを アニコタエ アオヒトクサオ あにこたえ あおひとくさお 天に応え 青人草を ヤスラカニ タモツヤハタノ やすらかに たもつやはたの 安らかに 保つ八幡の ハナカサリ アスヨロタミニ はなかさり あすよろたみに 花飾り 明日万民に オカマシム おかましむ 拝ましむ
シハシハメセト しはしはめせと しばしば召せど トヨタマハ ミツヤオイテス とよたまは みつやおいてす トヨタマは ミヅ社を出ず アクルトシ オオヱスヘラキ あくるとし おおゑすへらき 明くる年 大上皇 (ニニキネ) ワケツチノ アオヒカツラオ わけつちの あおひかつらお ワケツチの 葵・桂を (=賀茂) ソテニカケ ミヤニイタレハ そてにかけ みやにいたれは 袖に掛け 宮に到れば (ミヅ社) ヒメムカフ ひめむかふ 姫 迎ふ
トキニハオモチ ときにはおもち 時に葉を持ち コレイカン トヨタマコタエ これいかん とよたまこたえ 「これ如何ん」 トヨタマ答え アオヒハソ マタコレイカン あおひはそ またこれいかん 「葵葉ぞ」 また 「これ如何ん」 カツラハソ イツレカクルヤ かつらはそ いつれかくるや 「桂葉ぞ」 「いづれ欠くるや」 どちらが欠けたかな? マタカケス またかけす 「まだ欠けず」
ナンチヨオステ なんちよおすて 「汝 世を棄て ミチカクヤ ヒメハオソレテ みちかくや ひめはおそれて 道 欠くや」 姫は畏れて 妹背の道を損じる気か? カカネトモ ナキサニオヨク かかねとも なきさにおよく 「欠かねども 渚に泳ぐ アサケリニ ハラハヒノハチ あさけりに はらはひのはち 嘲りに 腹這ひの恥 カサヌミハ アニノホランヤ かさぬみは あにのほらんや 重ぬ身は あに上らんや」 <宮に>
コレハチニ ニテハチナラス これはちに にてはちならす 「これ恥に 似て恥ならず シカトキケ コオウムノチハ しかときけ こおうむのちは しかと聞け 子を生む後は チナミタツ ナソヰカニタス ちなみたつ なそゐかにたす 因み絶つ 七十五日に養す ツツシマス サラタチタセス つつします さらたちたせす 謹しまず 更立ち足せず 回復が充分でないのに カツテカミ カネテモフスオ かつてかみ かねてもふすお カツテ尊 かねて申すを <が> ノソクハチ ナンチニアラス のそくはち なんちにあらす 覗く恥 汝にあらず」
タツノコハ チホウミニスミ たつのこは ちほうみにすみ 「竜の子は 千年 海に住み (下) タツタシル チホヤマニスミ たつたしる ちほやまにすみ タッタ知る 千年 山に住み 限界を知る (上) タツフルト チホサトニスミ たつふると ちほさとにすみ 立っ振ると 千年 里に住み 満ち足りると (中) ツクハナル ミイキサトリテ つくはなる みいきさとりて "付く離る" 三生き悟りて 陽陰の和と離の キミトナル きみとなる 君となる」
上 = 天 = 陽┐ ├ 中 = 和 = 人 下 = 地 = 陰┘
ナンチナキサニ なんちなきさに 「汝 渚に オチントス ミタネオモエハ おちんとす みたねおもえは 落ちんとす 御胤思えば (果てん) タケココロ ナシテオヨキテ たけこころ なしておよきて 猛心 なして泳ぎて ナカラウル コレハイキシル なからうる これはいきしる 永らうる これ "地生き" 知る」
ミヤニタチ フリテアサケリ みやにたち ふりてあさけり 「宮に立ち 振りて嘲り (内宮) 権勢をふるえば嘲りも マヌカルル コレアイキシル まぬかるる これあいきしる 免るる これ "天生き" 知る」
イマヒトツ アオヒカツラノ いまひとつ あおひかつらの 「いま一つ 葵桂の 陰陽の イセオヱハ ヒトイキサトル いせおゑは ひといきさとる 妹背を得ば "人生き" 悟る 和合の道を得ば ミツシレハ タツキミコトク みつしれは たつきみことく 三つ知れば 竜君如く 竜が君となる如く カミトナル かみとなる 神となる」 人は神となる
タツキミイカン たつきみいかん 「竜君 如何ん」 竜君とはいかなる者?
タツハヒレ ミツシルユエニ たつはひれ みつしるゆえに 「竜はひれ 三つ知る故に 竜は劣る身なれば ウロコキミ カンツミオニオ うろこきみ かんつみおにお 鱗君 上つ身 おにを その上に立つ身が生きを ミツシレハ ヒトハカミナリ みつしれは ひとはかみなり 三つ知れば 人は神なり」 (天地人) (アヰソロの神) →ホ17
ヒメハハチ オチイリイワス ひめははち おちいりいわす 姫は恥ぢ 怖ぢ入り言わず
ミホツヒメ ミユキオクリテ みほつひめ みゆきおくりて ミホツ姫 御幸送りて (ニニキネの叔母) ココニアリ トエハヨロコヒ ここにあり とえはよろこひ ここにあり 問えば喜び 気を配れば喜び コタエトフ ミホツウナツキ こたえとふ みほつうなつき 応え問ふ ミホツうなづき 原文 ウ
オオヱキミ ココロナイタメ おおゑきみ こころないため 「大上君 心な傷め タマヒソヨ キミトヒメトハ たまひそよ きみとひめとは 給ひそよ 君と姫とは ヒトツキト ムツマシナサン ひとつきと むつましなさん 日と月と 睦まじなさん」 <と> モフストキ ヲヲキミヱミテ もふすとき ををきみゑみて 申す時 太君笑みて タケスミニ トヨタマタセト たけすみに とよたまたせと タケスミに 「トヨタマ養せ」 と カワアイノ クニタマワリテ かわあいの くにたまわりて 川間の 地 賜わりて (河合) タニオイテ ムロツニカメノ たにおいて むろつにかめの 谷を出で ムロツにカメの 貴船の宮は貴船山と (室津) 鞍馬山の谷間にある ムカイマツ カトイテオクリ むかいまつ かといておくり 迎い待つ 門出送り
ミユキナス みゆきなす 御幸なす
キミエヲヲキミ きみえををきみ 君へ太君 (ホオテミ) ノコシコト のこしこと 遺し言
アニヒツキテル あにひつきてる 「天に日月照る ヒトクサモ カニハヒヤスソ ひとくさも かにはひやすそ 人・草も 翳には冷すぞ (自動詞) ワノキミモ カニタミカルソ わのきみも かにたみかるそ 地の君も 翳に民枯るぞ (世の日月) マツリコト コヤネモノヌシ まつりこと こやねものぬし 纏り事 コヤネ・モノヌシ (コモリ) トモニタセ ミヤウチノタハ ともにたせ みやうちのたは 共に治せ 宮内の治は ミホヒメト カメニノリユク みほひめと かめにのりゆく ミホ姫」 と カメに乗り行く カコシマヤ かこしまや カゴシマや
ソヲタカチホノ そをたかちほの ソヲ高千穂の ヒニイナム アサハアサマノ ひにいなむ あさはあさまの 日に辞む 朝はアサマの ヒニムカフ ヒムカフクニト ひにむかふ ひむかふくにと 日に向ふ 日向ふ国と ホツマクニ ほつまくに ホツマ国
ヒメハアサマニ ひめはあさまに 姫はアサマに (アシツ姫) イナムツキ タカチネニイリ いなむつき たかちねにいり 辞む月 高千峰に入り 隠れる月の如く
カミトナル アサマノカミヤ かみとなる あさまのかみや 神となる アサマの神や
コヤスカミ こやすかみ コヤス神
カネテアウヒノ かねてあうひの 兼ねて合う日の その月と兼ね合う太陽の イツノカミ タカチホノネノ いつのかみ たかちほのねの 逸の尊 高千穂の峰の (=逸の尊) カミトナル ナルカミワケテ かみとなる なるかみわけて 神となる 鳴神別けて ツチイカス ワケイカツチノ つちいかす わけいかつちの 土活かす ワケイカツチの (別雷・別活土) スヘラカミ すへらかみ 皇神
キミニツクレハ きみにつくれは 君に告ぐれば (ホホデミ) モニイリテ イセニツケマス もにいりて いせにつけます 喪に入りて イセに告げます ヲヲンカミ カミコトノリハ ををんかみ かみことのりは 大御神 神言宣は アワノカス ヘテモオヌキテ あわのかす へてもおぬきて 「陽陰の数 経て喪を脱ぎて (アワ歌の数:48) マツリキク トシメクルヒハ まつりきく としめくるひは 政聞く 年回る日は (命日) モニヒトヒ ソノミハシラニ もにひとひ そのみはしらに 喪に一日 その身柱に (身丈柱) マツルヘシ まつるへし 纏るべし」 神を纏わすべし
ウケヱテノチノ うけゑてのちの 受け得て後の 受けて行った後の ミユキナル アマテラスカミ みゆきなる あまてらすかみ 御幸なる 和照らす神 ヨロコヒテ ミヲヤニツカフ よろこひて みをやにつかふ 喜びて "御祖に継がふ アマキミト ヲシテタマワル あまきみと をしてたまわる 天君" と ヲシテ賜わる
トヨタマハ ワケツチヤマニ とよたまは わけつちやまに トヨタマは ワケツチ山に モハヨソヤ トシノマツリモ もはよそや としのまつりも 喪 四十八 年の纏りも ミアエナス みあえなす みあえなす
アマキミヒメオ あまきみひめお 天君 姫を (ホホデミ) タツヌレハ コヤネコタエテ たつぬれは こやねこたえて 尋ぬれば コヤネ答えて タメシアリ ミホツニトエハ ためしあり みほつにとえは 「例あり」 ミホツに問えば ウタナセト カレウタヨミテ うたなせと かれうたよみて 「歌なせ」 と 故 歌詠みて →24文 ミホツメカ マコイソヨリオ みほつめか まこいそよりお ミホツ姫が 孫イソヨリを ツカワセハ ヒメムカユルオ つかわせは ひめむかゆるお 遣わせば 姫 迎ゆるを (トヨタマ姫) イソヨリハ タチテヨムウタ いそよりは たちてよむうた イソヨリは 立ちて詠む歌 謹んで
オキツトリ カモツクシマニ おきつとり かもつくしまに 『息つ鳥 カモ着く島に ワカイネシ イモハワスラシ わかいねし いもはわすらし 我が結ねし 妹は忘らじ ヨノコトコトモ よのことことも 夜の事々も』
ミウタウケ ミホツハイカン みうたうけ みほつはいかん 御歌受け 「ミホツは如何ん」 イソヨリカ ミホツノウタニ いそよりか みほつのうたに イソヨリが ミホツの歌に
イミトイヒ ケカレオタツル いみといひ けかれおたつる 『忌と結 穢れを直つる ヒノモトノ カミノココロオ ひのもとの かみのこころお 日の本の 尊の心を シルヒトソカミ しるひとそかみ 知る人ぞ尊』 離れたり付いたりして狂いを正すのが 陰陽和合の本質なれば、<人生きを悟って> 和の尊(和つ日)の心を知る人こそ尊(和つ月)
トキニヒメ カエシハアオヒ ときにひめ かえしはあおひ 時に姫 返しは葵 キミカツラ カミニツツミテ きみかつら かみにつつみて 君 桂 紙に包みて ミヒキクサ フハコニオサメ みひきくさ ふはこにおさめ みひき草 文箱に収め (水引草) タテマツル キミミツカラニ たてまつる きみみつからに 奉る 君 自らに ユヒオトキ ソノウタヨメハ ゆひおとき そのうたよめは 結ひを解き その歌詠めば
オキツトリ カモオヲサムル おきつとり かもおをさむる 『息つ鳥 上下を治むる 陽陰・日月が備わる キミナラテ ヨノコトコトオ きみならて よのことことお 木実ならで 夜の事々を (=汚穢) ヱヤハフセカン ゑやはふせかん えやは防がん』
『息つ鳥 日と月(陽と陰)が揃った君でなくて 穢れた事々をどうして防げましょうか』 離れていた后(月)が戻ることを表明する歌
コノウタオ ミタヒニナンタ このうたお みたひになんた この歌を 三度に涙 オチカカル ヒサノアオヒハ おちかかる ひさのあおひは 落ちかかる ひざの葵葉 モニシミテ ムカヒノコシニ もにしみて むかひのこしに 裳に染みて 迎ひの輿に トヨタマノ アヰミヤイリト とよたまの あゐみやいりと トヨタマの 陽陰宮入りと <上り来て> ヨロコヒテ アヤニウツサセ よろこひて あやにうつさせ 喜びて 紋に写させ オルニシキ コアオヒノミハ おるにしき こあおひのみは 織る錦 "小葵" の御衣
ココチリト ヤマハトイロノ ここちりと やまはといろの "菊散" と "ヤマハ留色" の ミツノアヤ カミノヨソヒノ みつのあや かみのよそひの 三つの紋 神の装ひの (神の纏り) ミハモナルカナ みはもなるかな 御衣裳なるかな
リンク先の説明文中
★印のついたものは他の文献・サイトからの引用。
■印のついたものは筆者の個人的な意見です。
【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】