ヒキメ(1)

→ 語義
  

引き女。 
ホホデミ
が無くした釣針を探すために、ソヲハデ神が召した海女の一人。 
粗籠網を張ることを提案する。
またヒキメは魚の名でもあると思われるが、いまのところ確認できていない。
  

ヒキ女は "引かん 粗籠網" クチ女が "釣り" も 由無しや アカ女一人は "目無し網"』25文

  

  

ヒキメ(2)

→ 語義

 
退き穢。
「穢の退散」 の意。
後世には、妖魔を退散のために音を鳴らす鏑矢(かぶらや)を、蟇目(ひきめ)と呼ぶようになった。

【蟇目・引目】ヒキメ −広辞苑より−
(ヒビキメ(響目)の約。また、その孔が蟇の目に似ているからという)

(ほお)・桐などで製した大形の鏑(かぶら)。また、それをつけた矢。鏃(やじり)をつけず、犬追物(いぬおうもの)・笠懸(かさがけ)などで射る物にきずをつけないために用いた。また、穴から風が入って音を発するので、妖魔を降伏(ごうぶく)するとし、産所に用いた。

【蟇目の法】ヒキメノホウ −広辞苑より−
妖魔降伏のため弓弦を打ち鳴らして蟇目を射ること。

【蟇目役】ヒキメヤク −広辞苑より−
貴人の出産の時などに、妖魔を降伏するために、男児には三度、女児には二度、蟇目を射て音をさせる役。
  

ホタカミは 臍の緒切るも ハラの法 モノヌシ鳴らす 桑の弓 ハハ矢 蟇目ぞ』26文
『垂の斎は 新屋・産屋の 襲われも 蟇目鏑の 清弓なすなり』フ125

  

  

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