【(合く)・葺く・拭く】
A: 合う/合わす。付ける。造る。塞ぐ。蓋をする。覆う。
『きはさかしまに かしらした かれむねおもて やねとなす ふくはやねねそ』ホ21 『かれまつはらに うふやふく むねあわぬまに かもつきて』ホ26 『ははよりなきさ たけうかや ふきあわせすの なおたまふ』ホ26 『おもえはなんた ふくそてに あふれてみかお うるほせり』ホ35 『むねおかつらに ゆひあわせ かやふきすみて このみはむ』ミ8 |
変態:「はく(佩く・接ぐ・矧ぐ)」「ひく(曳く)」
派生語:「ふくろ(袋)」「ふける(耽る)」「ふくむ(含む)」「まふく(設く)」「もふく(設く)」
【(吐く)・吹く】
B: 離れる/離す。放つ。払う。退く。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
『かきやふり むらくもおこし ほのほふき つふていかつち』ホ8 『はるなははみち のもやまも かゑてむらくも ほのほふき』ホ8 『いやたけいかり ほはなふく かみみつはめお まねくとき』ホ8 『つゐてふたつは くちふさき ふくいきむれて ふすむうん』ミ10 『ひとのういねも あにあきて くちふさきふく いきむれて』ミ10 |
変態:「はく(吐く・掃く・剥ぐ)」「ひく(弾く)」「へく(剥ぐ)」「ほく(解ぐ)」
派生語:「ふける(「退く」の意)」「ふき(蕗)」「ふきはらふ(吹き払う)」
【振く・吹く】
C: 回る/回す。行き来する/させる。動く/動かす。響く/響かす。交換する。分配する。めぐらす。恵む。
『むらくもおおひ くらませは しなとおまねき ふきはらふ』ホ8 『ほらかゐふかせ まひれけし かくむさほらせ これおうつ』ホ8 『にふきこは そのあらかせに ふきうたれ いたみしのへは なおからす』ホ17 『ふつくことなる くにかみの いきふくかせお うけうまれ いきすとなれは』ホ17 『あめみをや あておむすひて ふくうつほ きわなくめくり』ホ18 『かなまろの ななのきたひの いくしまや たるしまかみと ふきなする』ミ8 |
変態:「ひく(弾く)」「うく(動く・蠢く)」「おく(送く)」「あく(明く)」「ゆく(往く)」「まく(巻く)」
派生語:「もふく(儲く)」「ふくし(肺)」「ふく(復)」
【(奮く・沸く・祝ぐ・膨く)・噴く・更く・深く】
D:
正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」
『ほめはうまきに ふけるゆえ まれにうまるも まつしくて』ホ13 『ふつくことなる くにかみの いきふくかせお うけうまれ いきすとなれは』ホ17 『はなむしろ みおあけみきの たわむれや よふけゑゑれは』ホ38 『きかまろは たるはおふきて ゐかすれは』ミ8 『もちまてに そこにふきたつ はつひかせ これかみかたち』ミ7 『さつきにもろは なるつゆお なめんとゑもき あやめふく』ミ7 |
変態:「はく(化く)」「ほく(祝ぐ)」「いく(活く)」「うく(浮く)」「やく(焼く)」「ゆく(行く)」「わく(沸く)」
派生語:「ふか(深)」「ふけ(更け・老け)」「ぶかぶか」「あふく(煽ぐ・仰ぐ)」「ことふく(寿く)」「いふき(気吹)」「ふける(更ける・深ける・老ける・蒸ける)」「ふくむ(膨む)」「いきふく(息吹く)」「ふかし(深し)」「ふくゐ(福井)」「ふくろ(袋)」
【(退く・呆く)】
E:
負の方向に離れる/離す。「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」
変態:「ひく(退く)」「ほく(呆く)」「まく(負く)」「めく(めげる)」
【服】
合わせ。覆い。包み。囲み。着もの。
「ふく(葺く・拭く)」の名詞化。
【福・(奮・噴・更・深)】
D:
正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま
「ふく(奮く・噴く)」の名詞化。
10/02/07
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