もり　　モリ　　mori

【守】
１．(心身を)合わすこと。纏り。仕え。治め。調え。保護。世話。備え。補い。＝まめ(忠)

『ここちかすかと　さとのなも　をきなかもりも　たまわれは』ホ8
『さほこなる　ゆけのそしもり　つるめそか　やとにつくむや　しむのむし』ホ9
『さきにみこもり　おもいかね　しなのいなほら　あちのかみ』ホ10
『みそむたり　ゆたねひたせは　みことのり　たまふをしては　こもりかみ』ホ10
『あがたもり　さともるひこも　それたけの　むろもあらかも　おなかなり』ホ13
『くにもりたみの　さとしにも　つくまなさせる　いせのみち』ホ13
『はつのよは　くにとこたちそ　あめにゆき　みるもとあけの　もりさため』ホ13
『こおうむもりは　うまぬとき　すつるむらほし　のりみたる』ホ13
『いくしまと　たるしまよもの　みかきもり』ホ14
『もとつかみ　そのたえもりか　たねくたし　ものとたましゐ　ゆひやわす』ホ14
『ちしるにられて　ゐついろの　はにもてつくる　もりのかみ』ホ14
『つつしみて　あまのこやねか　もともりお　こへはまたとよ　みことのり』ホ17
『やたのかかみに　むかわせて　みかくうつわは　もとのもり』ホ17
『ゑとのいくしま　たるしまと　かみなたまえは　もりもなし』ホ21
『なかつはしらの　ねおかかえ　またよところの　もりもかね　ともにまもれよ』ホ21
『やなゐかくろひ　うつろもり　きねのひときお　ゐやしろにせよ』ホ21
『またうつろゐの　やまさもり　ゑとのほにより　つきまもる』ホ21
『これなんち　もりはなるるお　われこふて　またもりとなす』ホ21
『これにより　あゑよりやゑの　なかゐつか　もりおはなれて　あそひゆけ』ホ21
『あめのみまこの　みことのり　もりおたまわる　おきつひこ』ホ22
『このゆえひひの　みかまとの　ゑともりかみと　たたえますなり』ホ22
『そのそひかみお　ゑともりと　あみやしなうて　やみこなる』ホ22
『きみあるかたち　のたまえは　はてかみしはし　おもふとき　うともりきたり』ホ25
『おしくもと　くしみかたまと　まてにあり　たねこはみこの　おおんもり』ホ27
『みこたけひとと　もりたねこ　たかよりいてて　にしのみや』ホ27
『もゑはむち　ちゑにむよろお　あまもりの　ひとめくりつつ　こよみなる』ホ28
『いとおりひめお　ここたへに　みこなかはしの　をしてもり』ホ31
『わかみやのうし　もりのとみ　こもりかつての　ふたかみお　よしのにまつり』ホ31
『かりすけとなる　おはりかめ　おおあまうちめ　なかはしの　をしてとるもり』ホ33
『ひならきは　きよひこおうむ　きよひこは　たしまもりうむ』ホ35
『いますのこ　たにはみちうし　みけのもり　あめのひおきは　かんぬしに』ホ36
『さかむのおのに　しろかまえ　てしとましらと　もりかたむ』ホ39
『なもあつまもり　おほいそに　やしろおたてて　かみまつり』ホ39
『いわひさをしか　とみそふり　つきみゆきもり　もろつかひ　みなおくりゆく』ホ40
『をころのかみも　はにまつり　としつきひひの　もりはこれ』ミ8

　●元つ神のタエモリ・モトモリの略。

『ちしるにられて　ゐついろの　はにもてつくる　もりのかみ』ホ14
『したつもの　そむよろやちと　もりおゑて　ひとうまるとき』ミ6

２．(神霊を) 纏る所。鎮める所。　＝やしろ(社)・よりしろ(依代)

『なもあつまもり　おほいそに　やしろおたてて　かみまつり』ホ39
『そのよのゆめに　つしまもり　しらいとりなる　やまとたけ』ホ40

　
「もる(守る)」の名詞化。

変態：「もろ(守)」「もの(守・物)」「まら(守)」「まろ(守)」「まゆ(繭)」「はゐ(貝)」
類語：「まもり(守)」「み(見)」「はへ(侍)」「はり(張り)」「ものへ(物部)」「へ(侍・部・衛)」「つき(付き)」「つかひ(仕い)」「つこ(仕)」「そえ(添え)」「さふらひ(侍)」「はふり(祝)」「みはり(見張)」「とへ(戸畔)」「とめ(統め)」「あつかり(預り)」
派生語：「そしもり(疎守)」「みこもり(皇子守)」「こもり(子守)」