【にけり】
〜に然り。〜に違わず。〜なのである。(〜する)のである。
『ははやおそえて たまふのみ をしかむしろお おりにけり』ホ11 『いえはうつろゐ とひあかり なるかみしてそ さりにける』ホ27 『かこやまうみて さかむなる ゑのしまかみと なりにける』ホ28 『さねんとあれは おもえとも なかきけるその つきたちにけり』ホ40 『こきみもみこと みちひこも みなつつしみて うやまいにけり』ミ6 『あきにとは こちにひもとけ つみのかる つくみこころの はるそきにける』フあきに 『ふのきにの あらそうとみの ことわりお やわせはたみの ふゆそきにける』フふきに 『ものきにの のりはおろかに あらためす もとおをこせは われもきにけり』フもきに 『をのきにの いさおしおとに あるなれは ゐゑもさかいも さにそきにける』フをきに 『をのねせは めのまつりこと おきふしも わかぬまよひの をはねせにけり』フをねせ 『すおえては きりひにさむる ひえあれと なかれのふねに さおそゑにける』フすえて |
「に(也)」+「けり(然り)」
「に」は「なり(也る)」の転。
「にけり」は動詞の連用形に接続する。
類語の「なりけり」は動詞の終止形、また名詞にも接続。
また「ありけり」は係助詞「ぞ/こそ」に続いて「ありける/ありけれ」で結ぶことが多い。
類語:「ありけり」「なりけり」「ありき」「なりき」「にき」
用例:
『ヲシカ 莚を 降りにけり』11文
『飛び上り 鳴神してぞ 去りにける』27文
『江ノ島神と なりにける』28文
『皆 謹みて 敬いにけり』ミ6文
『噤み心の 春ぞ来にける』フ3
『下にぞ来にける』フ83
『流れの船に 竿ぞ得にける』フ103
『倣うなりけり』ミ逸文
『民 長らふる 祓なりけり』10文
『嗣子も業も 孕むなりけり』フ50
『業も喜ぶ 儲けなりけり』フ43
『ヒナガタケとぞ 称ゆなりけり』2文
『ほつまを並めて 鳥居 成りける』21文
『喜び 研きぞありける』フ11
『我を頼まぬ 人にぞありける』37文
『暮れ日の神霊 ぬば玉なりき』4文
11/03/20
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