后。
単に「后」という場合は、「ウチミヤ(内宮)」をいう場合もあるし、内宮以外の局をいう場合もある。
「后を立つ」と表現する場合、この后は「内宮」を指す。
「ミキサキ(御后)」と言う場合には「内宮」を指すことが多い。
「ウチキサキ(内后)」と言う場合は「内宮」と「内侍」の場合の両方あるので、注意を要する。
后は、基本的には子を生むことによって昇格するらしい。
男子を生むと典侍に、女子なら内侍に昇格する。生んだ男子が皇太子になると内宮に昇格する。
セオリツ姫の場合、始めは内侍、オシホミミを生んで典侍、それが皇太子と成った時点で内宮に上ったようだ。
アマテルの内宮と四局
根国 イサナギ┐ ├───アマテル ヒタカミ イサナミ┘ ┃ ┃ ┃ ハラミ サクラウチ───セオリツ姫ホノコ [内宮] ─────オシホミミ(8) ┃ ┃ 根国 クラキネ──┬─マス姫モチコ [北局の典侍] ──アメノホヒ(1) │ ┃ └─コマス姫ハヤコ [北局の内侍] ──タケコ(2)・タキコ(3)・タナコ(4) ┃ 山背 カダ──────アチコ [北局の下侍] ┃ ┃ ヒタカミ ヤソキネ──┬─オオミヤ姫ミチコ [東局の典侍] ──イキツヒコネ(6) │ ┃ └─タナハタ姫コタヱ [東局の内侍] ┃ 筑波 ツクバハヤマ──ソガ姫 [東局の下侍] ┃ ┃ 美濃 カナヤマヒコ──ウリフ姫ナカコ [南局の典侍] ← 内宮に上ったホノコの代りに入る ┃ ハラミ サクラウチ───ワカサクラ姫ハナコ[南局の内侍] ┃ 筑紫 カスヤ─────イロノヱ姫アサコ [南局の下侍] ┃ ┃ 筑紫 カナサキ────ハヤアキツ姫アキコ[西局の典侍] ──アマツヒコネ(5) ┃ 筑紫 ムナカタ──┬─オリハタ姫オサコ [西局の内侍] │ ┃ └─トヨ姫アヤコ [西局の下侍] ──クマノクスヒ(7)
『宮つ屋
成りて 十二の后 スガタが娘 御后に なして歌詠み カダカキの 琴を楽しむ』20文
『カゴシマ宮に 移ります トヨタマ姫を 御后に 典侍・内・下侍 二人ずつ 六局も成り 調えば』25文
『陽炎の火の コエ国の タケイワタツは 沓を上げ アソ姫
斎餞に 奉る 君召し上げて 内后』25文
『三鈴の間 しばらくも 休まで民を 治す故に 后・局も 御子生まず』25文
『七月七日 妹背結び カモタケズミに 御言宣 "后を妻に 賜ふべし 乞ふに任せん"』27文
『姉タマネ姫 ハラ皇君 后になして ミゾクイが イクタマは典侍 イクヨリは 内侍となれど』27文
『"代々の上祖の 嗣子無し 十二の后も 如何なるや" 時に天君 "我
思ふ 十三鈴老いて 種あらじ"』27文
『年も若生の ヤセ姫を 十一の后も みな祝ふ オシクモ清め 代嗣社に 祈れば著し 孕み得て 十五月に生む ヰツセ君』27文
『生む御子は イナイイ君ぞ 御后と 成りて生む御子 カンヤマト イハワレヒコの 尊なり』27文
『御内には 十二の局に 置く后
四人の典侍に 四内侍と 四乙下 添えて 月の宮 セオリツ姫を 御后と』28文
『時にイサワの 陽陰つ神 十二の后も 神となる セオリツ姫と 大御神 宮
移さんと ミモ郷に 天昇る地
得て』28文
『また后 ヒロタに行きて ワカ姫と 共に妹心 守るべし 我はトヨケと 背を守る 妹背の道なり』28文
『内 セオリツが 御后に なるをモチコが 殺さんと 妬めばハヤは 君を退い 弟君
媚えど 露れて 共にさすらふ』28文
『アスカに照らす ニギハヤヒ 妹ミカシヤを 后とし 生む御子の名も ウマシマチ』29文
『"后 立てん" と 諸に問ふ ウサツが申す "コトシロが タマクシと生む 姫
タタラ ヰソスズ姫は 国の色"』29文
『君 代嗣なし クメが子の イスキヨリ姫 乙下侍に 召せば后に 咎められ』31文
『二十九年 キシヱ一月三日 后立つ ヨソタリ姫の 歳十五ぞ』31文
『磯城のオオメが ホソ姫を 后ぞ
春日 チチハヤが ヤマカ姫
なる 典侍后』32文
『十八年春 一月十五日 后 生む御子は ヤマトネコヒコ クニクルの 斎名モトキネ』32文
『陽陰の御孫の 例なり 飾りを民に 拝ませて 御上后と 母を上げ 十二の局に 后
立つ』32文
『民に拝ませ 母も上げ 十二の后も 先にあり 明くるキナヱを 初の年』32文
『オオヒコの姫の 今年十一 召して后の ミマキ姫』33文
『民 楽しめば 君 安ぐ 后も生えて 典侍ヤサカ 十市に詣で 生む御子は トチニイリ姫』34文
『七年七月 初日 コモツミの 子のツツキ タルネがカバヰ ツキ姫を 立つ后
妹の カクヤ姫 なる内侍』35文
『ヒハス姫 后に立てて 妹三人 典侍と内侍に タケノ姫
一人返せば 恥かしく 輿より罷る 堕国ぞ』36文
『后ヒハスの 回送りは 諸臣召して 御言宣 "先の追枯れ 好からねば この行ひは 如何にせん"』37文
『帰る後 サラスが娘 呼び上せ カマハタトベを 后とし イワツクワケの 御子を生む 斎名
トリヒコ』37文
『キビツヒコが姫 立つ后 播磨のイナヒ ヲイラツ姫 内侍の時に 去年四月
孕みて生まず 二十一月経て』38文
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