【声】
行き来するもの。回るもの。伝わるもの。渡るもの。
『おのつとこゑも あきらかに ゐくらむわたを ねこゑわけ』ホ1 『ゐくらむわたを ねこゑわけ ふそよにかよひ よそやこゑ』ホ1 『あるまうかかふ おゑものお はらふはうたの こゑあまる』ホ1 『なくみこの こゑききとれは あなうれし』ホ4 『みこのこゑ きききるときは おさななの』ホ4 『かみふそよこゑ いさなきと しもふそよこゑ いさなみと』ホ5 『はなこおとろき ひにやふれ かみさりますと なくこえに きみいかりまし』ホ7 『はたれのものの うくめきて さはいのこゑの おそろしく』ホ8 『たかてるひめの なくこえの あめにきこえて』ホ10 『さつさつの こゑといもせの ささいはふ そのもとおりは』ホ12 『なかつきはみめ しむそよへ こゑのよそやち あわのかみ』ホ14 『あたたまる ときにとつけは こおはらみ いきすこえみめ そなえうむ』ホ14 『くさきのむしの みつのこゑ かせにこゑあり うつほはね はにむしもこれ』ホ15 『なるけもの かせみつよるお なもみこゑ きつねたぬきそ』ホ15 『ほとはにの よるはふたこゑ ゐのましそ よつなもこれそ』ホ15 『こつきみめこゑ そなわりて とつきくらいし』ホ16 『みちとみひこも もろこえに やもよろたみは ももちこえ』ホ17 『こえのおは こわにおさまる をのをして』ホ18 『このあわや のとよりひひく はにのこえ くにおしらする たねなれは』ホ23 『こえおそろえて ももひなき まくはいのちの みかのひの』ホ25 『しらいとりきて これおはみ なるしらくもに かみのこえ こたふつつうた』ホ40 『あにちりの はなもわかみの うつろゐか しのひのこえも なりひひくやは』フあちり 『ふにむくは あわのおこりの こえすきお しつめくたせは ふみにおもむく』フふむく |
「こゆ(通ゆ・回ゆ)」の名詞化。
ここでは「C:
行き来する・回る・伝わる・渡る」などの意。
類語:「おと(音)」「ひひき(響き)」
派生語:「こゑあまる(声余)」「さつさつのこゑ(颯々の声)」
【(交・契)】
合い。合わせ。結合。交わり。関わり。契り。
『くさきのむしの みつのこゑ かせにこゑあり うつほはね はにむしもこれ』ホ15 |
「こゆ(交ゆ)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・交わる/交える」などの意。
変態:「かひ(交ひ)」「けゐ(交・契・係)」
【(枯・朽・隅)・声】
負の方向に離れるさま。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」さま
●(元に対して)末。(親に対して)子。(母音に対して)子音。
『おのつとこゑも あきらかに ゐくらむわたを ねこゑわけ』ホ1 『うたひつらねて をしゆれは うたにねこゑの みちひらけ』ホ5 『こころさためて ふぬむえけ もとをのこえお わけしれは』ミ10 |
「こふ・こゆ (枯ふ・朽ふ)」の名詞化。
ここでは「E:
負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」などの意。
変態:「くま(隈)」「くう(隅)」
派生語:「ねこゑ(根隅)」
【越・超・肥】
1.正の方向に離れるさま。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・至る・過ぎる」さま
『いつとゆる かけこゑめをの あいたあり このほとらいの まおしれは』ホ191 『かけろふのひの こえくにの たけいわたつは くつおあけ』ホ25 『としこえは うむきとすめと よねむます としのりやまさ おにやらゐ』ホ38 『しかはその あうわはこゑの ゑなならん いやとよあうは ねおわけす』ミ10 |
2.正の方向に離すもの。 肥やし。
『そのにむかえは こゑかくる てこにいれきて すすなしる』ホ15 |
「こゆ(越ゆ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・至る・過ぎる」などの意。
変態:「くわ(鍬)」
類語:「こ(濃・高・奇・越・超・肥・熟)」
【(還・環)】【(桑)】
回転。巡り。循環。輪廻。運。反復。往き来。繰り返し。めぐらし恵むこと。
『こえおちかえの たなはたの そらひのおとは みにつかす』ミ1 『おほよすからの ことほきも みたひにおよふ こゑよろし』ミ逸 『すのそのの ももおたまわる にしのはは こゑたのしみの ふかきことほき』フすその |
●日月が巡り恵ること。また特に日の出。
『やよろとしへて こゑうちの いさわのみやに をわします』ホ序 『おはひめか こゑねのくにに みはおりて たてまつるとき』ホ4 『こゑのねのくに あちはせか みねこしささく これにめし』ホ24 『あまてるかみは こゑくにの いさわをうちの みやにいて』ホ28 『こゑそふのきさきたつあや』ミ4 『さるたひこ こゑおひのての ゆえとえは こやねこたえて』ミ4 『としたあめみや こゑのみち みおまたくして なからえり』ミ4 『これきみは こゑやすくにの みやにます これはそのかみ とのみこと』ミ5 |
「こゆ(回ゆ・還ゆ)」の名詞化。
ここでは「C:
回る・循環する・還る・戻る」などの意。
変態:「かえ(返・帰・還・通)」「かひ(回)」「かん(環・還)」「くわ(桑)」
類語:「はくわ(環・桑)」「こかひ(転回)」「おちかえ(復ち返え)」「こえおちかえ(還復ち返え)」
派生語:「こゑうち(還内)」「こゑくに(還国)」「こゑち(還道)」
【(還)・越】
こゑねのくに(還根の国)の略。 =こし(越)
『ものぬしは きたよりめくり こゑにきて かのゑおすすむ』ホ24 |
別名1:「こゑねのくに(還根の国)」「こしねのくに(越根の国)」「こしくに(遣国・越国)」「ねのくに(根の国)」
10/03/06
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