【原文カタカナ訳】      【語義考察】           【漢字読み下し】
 キミトミノコシノリノアヤ   きみとみのこしのりあや     君臣遺し法の文
  
 ヰソススノ チヱノハタトシ  ゐそすすの ちゑはたとし    五十鈴の      千枝の二十年
                                           (本来なら51鈴0枝20穂)

 アメカワル コヨミマタトテ  あめかわる こよみまたとて    代わる        まだとて
                                 (ウガヤ崩御)

 モノヌシカ イセニモフテテ  ものぬしか いせもふてて    モノヌシが     イセに詣でて
                                (クシミカタマ)

 コレオトフ          これとふ            これを問ふ
 
       フタヱコレヨリ        ふたゑこれより              フタヱ「これより

 ウカカハテ コフトノニウク  うかかはて こふとのうく    伺はて        代殿に請く
                                うかごうて・・・、

 ヨロコヒト トモニイタレル  よろこひと ともいたれる    喜び」と      共に到れる
                                             (「到る」の連体形)

 オウチミヤ          おうちみや            大内宮
                                 (イサワ宮日夜見の宮)
 
                                 クシミカタマは、タガの央君ヰツセが宮崎に
                                 避難したため、"オオモノヌシ"であると同時に
                                 ヰツセの"代殿" となって天下に号令している。
 
       カスカニアイテ        かすかあいて              カスガに会いて

 モトオトウ ヲキナコタエテ  もととう をきなこたえて    原因を問う      翁 答えて
  
  
 コノススハ アメツチヒラク  このすすは あめつちひらく    このは      天地開く

 トコタチノ ミヤノマサカキ  とこたちの みやまさかき    トコタチの     宮の真榊

 アヱチヱニ サクスストナル  あゑちゑに さくすすなる    熟枝千枝に      幸鈴となる

 ウヱツキノ ヰモニイタレハ  うゑつきの ゐもいたれは    植え継ぎの     五百に至れば

 ミモハカリ ヨロトシミチテ  みもはかり よろとしみちて    三百ハカリ     万歳満ちて
                                  (3千万年)     それにて進展は極まり

 ヰモツキノ アマノマサカキ  ゐもつきの あまのまさかき    五百継ぎの     天の真榊
  
  
 トシノホノ トトセニハヰキ  としの とせには    年の穂の      十年には五寸
                                  1年に半寸の

 ムソトシニ ミタノフヱトノ  むそとしに みたのふゑとの    六十年に      三尺伸ぶ ヱトの
 
 ヒトメクリ アクルトシナル  ひとめくり あくるとしなる    一回り       明くる年成る

 ミタノアヱ          みたのあゑ            三尺の熟枝
  
       ナレハフタヱト        なれはふたゑと              なれば二兄弟
                                              (ヱ尊ト尊)

 キアヱヨリ ヱトホトカソエ  きあゑより かそえ    キアヱより     枝と穂と数え

 ヒトヱムソ トヱハムモトセ  ひとむそ ゑはむもとせ    一枝六十       十枝は六百年

 モヱハムチ チヱニムヨロオ  ゑはむち ちゑむよろお    百枝は六千     千枝に六万を

 アマモリノ ヒトメクリツツ  あまもりの ひとめくりつつ    陽陰守の      一回りづつ
                                  (ヱト守        (60年)

 コヨミナル          こよみなる            暦成る
  
       カレチヱノトシ        かれちゑのとし              故 千枝の年
                                            (999枝の60穂)

 タネウヱテ アクレハハユル  たねうゑて あくれはゆる    種植えて       明くれば生ゆる

 マサカキオ ハコクニミヤニ  まさかきお はこくにみやに    真榊を       ハコクニ宮に

 トコタチノ ウヱテクニナモ  とこたちの うゑてくになも    トコタチの     植えて国名も
                                (キノトコタチ)

 ヒタカミノ タカミムスヒノ  ひたかみの たかみむすひの    ヒタカミの     タカミムスビの

 ウヱツキノ フソヒノススノ  うゑつきの ふそひすすの    植え継ぎの     二十一の鈴の

 モモヱノチ          もものち            百枝後
  
       ヰヨタマキネノ        たまきねの              五代タマキネの
                                           (五代タカミムスビ)

 イサコヒメ ナナヨノカミノ  いさこひめ ななよかみの    イサコ姫      七代の尊の

 タカヒトト タカヒノツサノ  たかひとと たかひつさの    タカヒトと     タカヒの西南の
                                           (ヒタカミ)

 ツクハヤマ イサカワハナル  つくはやま いさかわなる    ツクバ山      イサ川端なる

 ミヤニヰテ ウナツキアミテ  みやて うなつきあみて    宮に居て      頷き合みて
                                (イサ宮)

 キミアヒテ ナモイサナト  きみあひて いさなきと    キ・ミ合ひて      名もイサナキと
                                  (木・実)

 イサナノ          いさなみの            イサナミ
  
       アメフタカミノ        あめふたかみの              上二尊の

 ミコナキオ カレタマキネノ  みこなきお かれたまきねの    御子なきを      故 タマキネの

 カツラキノ ヤマニイノレハ  かつらきの やまいのれは    桂来の       山に祈れば

 アメミヲヤ ヒノワノミタマ  あめみをや ひのわみたま    アメミヲヤ     日輪の神霊

 ワケクタシ アマテルカミオ  わけくたし あまてるかみお    分け下し      アマテル神を

 ウミタマフ          うみたまふ            生み給ふ
  
       トキフソヒスス        ときふそひすす              時 二十一鈴

 モフソヰヱ ミソヒキシヱノ  もふそゐ みそひきしゑの    百二十五枝     三十一キシヱの

 ハツヒノテ ワカヒトトモニ  はつひのて わかひともに    初日の出      若日と共に

 アレマセハ イミナワカヒト  あれませは いみなわかひと    生れませば     斎名ワカヒト

 ウフミヤハ ハラミサカオリ  うふみやは はらみさかおり    産宮は       ハラミサカオリ
 

 ノヱナオ ニオサムレハ  をのゑなお おさむれは    結の胞衣を     峰に納むれば

 ヨクマモリ ワサハヒアルモ  よくまもり わさはひあるも    よく守り      災ひあるも

 シナカヱテ フセキハラエハ  しなかゑて ふせきはらえは    品 替えて      防ぎ祓えば

 ヤワラキテ タマノナカク  やわらきて たまのをなかく    和らぎて      霊の結 永く
                                魂と魄が融和して    霊の結を永く保つ
  

 コレニヨリ オオヤマスミカ  これより おおやますみか    これにより     オオヤマスミが
                                            (サクラウチ)

 メクリミテ ヨメチユクノ  めくりみて よめちゆくねの    巡り回て      病路行く 廻の
                                                周辺の

 ニオサム ヱナカタケナル  おさむ ゑなかたけなる    峰に納む      胞衣が岳 成る
                                             (恵那岳)

 シナノクニ          しなのくに            シナの国
  
       イタルワカヒト        いたるわかひと              至るワカヒト
                                           人と成るワカヒト

 ヒタカミノ アメノミヤニテ  ひたかみの あめのみやにて    ヒタカミの     陽陰の宮にて

 ミチマナフ ミソホニシロシ  みちまなふ みそしろし     学ぶ       三十年に知ろし

 ミヤツクリ オオヒヤマトニ  みやつくり おおひやまとに    宮造り        太陽山下に
                                (ヤスクニ宮)        ハラミ山麓

 マツリトル アメフタカミノ  まつりとる あめふたかみの    政 執る       上二尊の

 ユツリウケ アマヒノミコト  ゆつりうけ あまひのみこと    譲り受け       太陽の御子と
  
  
 ミウチニハ ソフノツホネニ  みうちには そふのつほねに    御内には      十二の局に

 オクキサキ ヨタリノスケニ  おくきさき たりすけに    置く后       四人の典侍に

 ヨウチメト ヨオシモソヱテ  うちめと おしもそゑて    四内侍と      四乙下添えて

 ツキノミヤ セオリツヒメオ  つきのみや せおりつひめお    月の宮       セオリツ姫を

 ミキサキト アメニオサメテ  みきさきと あめおさめて    御后と       に収めて
                                         局を12の月に擬えて天に収む

 オオヤマト ヒタカミヤスノ  おおやまと ひたかみやすの    オオヤマト     ヒタカミ・ヤスの
                                  (太山下)

 マツリコト キコセハタミモ  まつりこと きこせたみも    政事        聞こせば民も

 オタヤカニ フソヰヨロトシ  おたやかに ふそゐよろとし    穏やかに      二十五万年
  
  
 アメヒツキ ミコノオシヒト  あめひつき みこおしひと    和日月       御子のオシヒト

 ユツリウケ モトノタカヒニ  ゆつりうけ もとたかひに    譲り受け       元のタカヒに

 シロシメス ニシハヤスカワ  しろしめす にしやすかわ    領ろし召す     西はヤスカワ

 オモイカネ ヲシカトワケテ  おもいかね をしかとわけて    オモイカネ     御使人分けて

 トツクニハ ツキヨミヲサム  とつくには つきよみをさむ    突国は       ツキヨミ治む
                                  (四国)

 シラヤマハ ネニツキスミハ  しらやまは つきすみは    シラヤマは     に ツキスミは
                                 (ヤソキネ)      (根国)   (筑紫)

 スミヨロシ          すみよろし            スミヨロシ
                                  (カナサキ)
  
        アマテルカミハ         あまてるかみ                アマテル神は

 コヱクニノ イサワヲウチノ  こゑくにの いさわをうちの    還国の       イサワ大内の

 ミヤニイテ ヤツヲンミミニ  みやて やつをんみみに    宮に居て      八つ御耳に

 キコシメシ タミノヲシヱハ  きこしめし たみをしゑは    聞こし召し     民の教えは

 イセノミチ          いせのみち            妹背の道
                                  陽陰和合の道
  
       ソノカンカセノ        そのかんかせの              その神形の
                                           その神の現れの

 イセノクニ トホリタツトム  いせのくに とほりたつとむ    妹背の国      通り 立つ富む
                                   和の国を       巡り 高めて栄す

 カンカセオ ウラヤミネシケ  かんかせお うらやみねしけ    神風を        羨みねじけ
                                 神の加勢を        羨み拗けて成る

 ハケモノカ ミツカラホメテ  はけものか みつからほめて    化け物が      自ら褒めて

 ハタレキミ ナハカリコチオ  はたれきみ なはかりこちお    ハタレ君      七十万九千を

 ムレアツメ クニオミタレハ  むれあつめ くにみたれは    群れ集め      国を乱れば
  

 スミヨロシ カトリカシマヤ  すみよろし かとりかしまや    スミヨロシ     カトリカシマや

 イフキヌシ カタタチカラヲ  いふきぬし かたたちからを    イフキヌシ     カダタチカラヲ

 クスヒカミ ミナウツワヱテ  くすひかみ みなうつわて    クスヒ尊      皆 得て

 コレオウツ トキニムハタレ  これうつ ときむはたれ    これを打つ     時に六ハタレ

 ミナクタル コレスヘカミノ  みなくたる これすへかみの    皆 降る       これ皇尊の
                                            ()

 ミコトノリ          みことのり            御言宣
                                 まじない      →8文      
  
       ミコオシヒトモ        みこおしひとも              御子オシヒトも

 ミソヨロハ ヲサメテミコノ  みそよろ をさめてみこの    三十万端      治めて 御子の
                                 (30万+α)

 ホノアカリ トクサタカラニ  ほのあかり とくさたからに    ホノアカリ     十種宝に

 カケメクリ ソラミツヤマト  かけめくり そらみつやまと    駆け恵り      空みつヤマト

 アスカミヤ          あすかみや            アスカ宮
  
       オトキヨヒトハ        おときよひとは              弟キヨヒトは

 ニハリミヤ アラタヒラキテ  にはりみや あらたひらきて    ニハリ宮      新治開きて

 タミヲサム ソヤヨロトシニ  たみをさむ そやよろとしに    民治む        十八万年に

 コトオエテ ミツキハワカル  ことて みつきはわかる    殊を得て      水際分かる

 ニハリフリ          にはりふり            ニハリ振り
  
       アメヨリミツノ        あめよりみつの              陽陰より三つの
                                           (アマテル)

 カンタカラ キミトミワケテ  かんたから きみとみわけて    尊宝        君・臣 分けて

 タマワレハ ココロヒトツニ  たまわれは こころひとつに    賜われば      心一つに
                                                24文

 クニノナモ シワカミホツマ  くにのなも しわかみほつま    国の名も      "地上ホツマ"

 アラハルル          あらはるる            現るる
  
       ミソヨロフレハ        みそよろふれは              三十万経れば

 アメノナモ ワケイカツチノ  あめのなも わけいかつちの    陽陰の名も     ワケイカツチの
                                アマテルの授く名も

 アマキミト ムソヨロヲサム  あまきみと むそよろをさむ    天君と       六十万治む

 ヲヲンメクミソ        ををんめくみそ          大御恵みぞ
  
  
 サキニミコ ミタリウムトキ  さきみこ たりうむとき    先に御子      三人生む時

 シナノヨリ ヨシナアカタノ  しなのより よしなあかたの    シナノより     四科県の
                                  (信濃)

 ヌシキタリ アマテルカミノ  ぬしきたり あまてるかみの    主 来たり      アマテル神の
                                (スワ守)   24文

 タメシアリ ヱナコフトキニ  ためしあり ゑなこふときに    例あり        胞衣乞ふ時に

 ミコトノリ          みことのり            御言宣
                                 (ニニキネ)
  
       ハニシナヌシハ        はにしなぬしは              「ハニ科主は
                                            (埴科)

 ヱナカタケ ハヱシナオヨヒ  ゑなかたけ はゑしなおよひ    恵那岳       ハヱ科及び
                                              (波閇科)

 サラシナト ツマシナヌシラ  さらしなと つましなぬし    サラ科と      ツマ科主ら
                                  (更科)        (妻科)

 コノミヱナ ソノヲニオサメ  このゑな そのおさめ    この三胞衣     その峰に納め

 マモルヘシ          まもるへし            守るべし」
  
  
 ソノオトミコノ              そのおとみこの              その乙御子の

 ウツキネハ ツクシニイタリ  うつきねは つくしいたり    ウツキネは     ツクシに到り
                                 (ホオテミ)

 タオコヤシ ヲヤニツカフル  こやし をやつかふる    田を肥やし     親に継がふる
                                          (ニニキネ)

 タミオメテ ソヤヨロヲサメ  たみめて そやよろをさめ    民を愛で      十八万治め

 モトクニノ ヒツキオウケテ  もとくにの ひつきうけて    本国の       日月を受けて

 アマカミノ ヲヤニツカフル  あまかみの をやにつかふる    陽陰神の      "祖に継がふる
                                 アマテルの授く       (御祖に継がふ天君

 キミノナモ ムソヨロヲサメ  きみも むそよろをさめ    君" の名も     六十万治め

 ケヰノカミ          けゐのかみ            "契の神"
  
       ミコカモヒトハ        みこかもひとは              御子カモヒトは
                                              (ウガヤ)

 ヒツキウケ ミツホオウツス  ひつきうけ みつほうつす    日月受け       ミツホを移す

 タカノミヤ ヲサムルタミオ  たかのみや をさむるたみお    タガの宮      治むる民を

 コノコトシ アメニコトフル  ことし あめにことふる    子の如し      に応ふる

 カミノナモ ミヲヤアマキミ  かみのなも みをやあまきみ    神の名も      "御祖天君"
                               アマテル神の授く名も

 ワカミヤノ トキニヨソヨロ  わかみやの ときよそよろ    若宮の       時に四十万

 ヨノマツリ マタミソヰヨロ  よのまつり またみそゐよろ    万の政       また三十五万
                                          <を執りて後>

 ユタカナリ          ゆたかなり            豊かなり
  
       トキニイサワノ        ときいさわの              時にイサワの

 アマツカミ ソフノキサキモ  あまつかみ そふのきさきも    陽陰つ神      十二の后も
                                  (アマテル)      内宮を除く十二后も

 カミトナル セオリツヒメト  かみとなる せおりつひめと    神となる      セオリツ姫と

 ヲヲンカミ ミヤウツサント  ををんかみ みやうつさと    大御神       「宮 移さん」と
                                         <イサワから>

 ミモカワニ アノホルチヱテ  みもかわに あのほるちて    ミモ郷に      上昇る地 得て

 サコクシロ ウチノミヤヰニ  さこくしろ うちみやゐに    サコクシロ     の宮居に
                                           (宇治)

 フヨホヘル          ふよへる            二万年経る
  
       トキニヰソスス        ときゐそすす              時に五十

 ミヤニハヱ ツラツラオホス  みやはゑ つらつらおほす    宮に生え      つらつら思す

 ウヱスシテ ハヱルモアメヨ  うゑて はゑるあめよ    「植えずして    生えるも陽陰
 
                                               『花も実も陽陰の随なり』ホ15
 
 ワカイノチ アメカシラスト  わかいのち あめしらすと    我が命       陽陰が知らす」と

 ヤモカミオ メシテワレヨオ  やもかみお めしわれお    八百守を      召して「我 世を

 イナマント サルタニアナオ  いなまと さるたあなお    辞まん」と     サルタに穴を

 ホラシムル マナヰニチキル  ほらしむる まなゐちきる    掘らしむる     「マナヰに契る
                                                 纏る

 アサヒミヤ オナシトコロト  あさひみや おなしところと    アサヒ宮      同じ所」と
 
 ノタマエハ          のたまえは            宣給えば
  
       モロオトロキテ        もろおとろきて              諸 驚きて

 トトムレハ イヤトヨワレハ  ととむれは いやとよわれは    留むれば      「否とよ我は

 タミノタメ ニカキオハミテ  たみため にかきはみて    民のため      苦きを食みて
                                           (ハホ菜)

 モナソミヨ フチヰモトシオ  もなそみよ ふちゐもとしお    百七十三万     二千五百年を

 ナカラエテ アメノタノシミ  なからえて あめのたのしみ    永らえて      陽陰の楽しみ
                                            (天界)

 オホユレハ          おほゆれは            覚ゆれば」
                                  懐かしめば
  
  
  
 ヨニノコスウタ        のこすうた             --- 世に遺す歌 ---
 ツネニキク サヲシカヤタノ  つねきく さをしかやたの   『常に着く      差使八手の  

 ワカカムリ ハトミモタミニ  わかかむり はとみもたみに    我が冠       衣と裳 民に

 ヲオトトケ アワオツカネテ  ととけ あわおつかねて    緒を届け      "陽陰を束ねて
                                  その端を届け
 ヒツキナス モスソオクメト  ひつきなす もすそおくめと    日月為す       裳裾を汲め" と

 キミタミノ ヲシヱノコシテ  きみたみの をしゑのこして    君・民の       教え遺して

 アニカエル          あにかえる            天に還る
   
       トテナイタメソ        とていため              とて な傷めそ
                                              卑下するなよ

 ワカミタマ ヒトハアノモノ  わかみたま ひとあのもの    我が神霊      人は上の者
                                  自分の本質を     人は悉く霊長の者なり
  

 ウエニアル ワレハカンムリ  うえある われかんむり    上にある       我は冠
                                  頂きにある     我を冠とすれば

 ヒトクサハ ミミチカキヲソ  ひとくさは みみちかきをそ    人草は       耳近き緒ぞ
                                人草の神霊は       冠の緒ぞ
  
 ムネキヨク ミハアカツケト  むねきよく あかつけと    胸清く        身は垢付けど
                                  (心)

 サシカミテ アメニツクレハ  さして あめつくれは    差使が見て      陽陰に告ぐれば
                                  (元守)        (天界)

 サヲシカノ ヤツノキコエニ  さをしかの やつのきこえに    差使の       八つの聞こえに

 アラハレテ イノレモカモト  あらはて いのれもかもと    洗われて      いのれもがもと
                                           直ることを願って

 ミモスソノ タミオナテツツ  みもすその たみなてつつ    裳裾の       民を撫でつつ
                               最下層に身を置く

 サヲシカノ キヨキニカミハ  さをしかの きよきにかみは    差使の       清きに尊は
                                 (六宗)
 アリトコタエキ        ありこたえ          ありと言えき』
 
                                 六宗を清く保ち、霊の緒を乱さず還れば
                                 また良く生まれ、尊き人の子に生まれる

  
  
 カエシノトウタ        かえしのとうた             --- 還し宣歌 ---
 ヒトツネニ カミニムカハハ  ひとつねに かみむかはは   『人 常に       尊に向はば
                                 人が向上を望み、尊き者を志す時は常に

 ヨノミミノ アカハアモトノ  みみの あかあもとの    世の身々の     垢は天元の

 サヲシカニ キヨメタマヒテ  さをしかに きよめたまひて    差使に       清め賜ひて
                                           清めてもらって

 サコクシノ フユノカカミニ  さこくしの ふゆのかかみに    サコクシの     振ゆの鏡に

 イルトオモヱハ        いるおもゑは          入ると思えば』
                                        <よい>

  
  
 マタサルタ ムカシサツクル  またさるた むかしさつくる    「またサルタ    昔 授くる

 サカホコキ ウツクシキスス  さかほこき うつくしきすす    サカホコキ     美しき鈴

 ワイキタチ カカンノンテン  わいきたち かかんのんてん    地生き太刀     カカンノンテン

 トキマチテ ミチアラハセヨ  ときまちて みちあらはせよ    時待ちて       道 現せよ」
  
  

 マタキサキ ヒロタニユキテ  またきさき ひろたゆきて    「また      ヒロタに行きて
                                  (セオリツ姫)
 
 ワカヒメト トモニヰココロ  わかひめと ともゐこころ    ワカ姫と      共に妹心

 マモルヘシ ワレハトヨケト  まもるへし われとよけと    守るべし      我はトヨケと

 ヲセオモル ヰセノミチナリ  をせもる ゐせのみちなり    背を守る      妹背の道なり」
                                                  →ミ10
 
  

 マタコヤネ ナンチヨクシル  またこやね なんちよくしる    「またコヤネ    汝 良く知る

 タケコカコ クシヒコウマレ  たけこ くしひこうまれ    タケコが子     クシヒコ 生まれ

 スクナレハ サツクミホコニ  すくなれは さつくみほこに    直ぐなれば     授く御矛に
                                             (天の逆矛)

 カンカミテ ミモロニイリテ  かんかみて みもろいりて    鑑みて       ミモロに入りて

 トキマツモ ミチオトロハハ  ときまつも みちおとろはは    時待つも       道 衰はば
                                            (和道)

 マタイテテ ヲコサンタメヤ  またいてて をこさためや    また出でて     興さんためや」
                                                 トヨケ法(逆矛の法)
  

 ナンチマタ カカミノトミハ  なんちまた かかみのとみは    「汝また       鏡の臣は  

 カロカラス カミオミヤコニ  かろから かみみやこに    軽からず      神を都に
                                          (日・月)

 トトムヘシ ワレモマモラン  ととむへし われまもら    留むべし      我も守らん

 コレナリト          これなりと            これなり」と
  
       ミヨノミハハコ        みよのみははこ              礼の御衣箱

 ミヲシテト ナンチカスカヨ  みをしてと なんちかすかよ    御ヲシテと     「汝 カスガよ

 ノコシモノ タカニモチユキ  のこしもの たかもちゆき    遺し物       タガに持ち行き

 ササケヨト ミツカラコレオ  ささけよと みつからこれお    捧げよ」と     自らこれを

 サツケマス カスカハキミニ  さつけます かすかはきみに    授けます      カスガは君に
                                              (ウガヤ)

 タテマツル カミノヲシテト  たてまつる かみのをしてと    奉る        神のヲシテと  

 サヲシカノ カムリトハモハ  さをしかの かむりはもは    差使の       冠と衣裳は

 ココチリソ          ここちりそ            菊散
  
       ミユキノミコシ        みゆきみこし              神逝の神輿

 マナヰニテ アマテルカミハ  まなゐにて あまてるかみは    マナヰにて     アマテル神は

 ウチツミヤ トヨケハトミヤ  うちつみや とよけとみや    内つ宮       トヨケは外宮
                                (籠神社本宮)           (真名井神社)
  
  

 カレカスカ オクリテノチハ  かれかすか おくりのちは    故 カスガ      送りて後は
                                     <アマテル帰天の影響を考えて>

 ツトメオリ ミカサヤシロノ  つとめおり みかさやしろの    務め降り       ミカサ社の
                                 鏡臣を退任して     ミカサ社に籠り

 タマカエシ クニヲサマレハ  たまかえし くにをさまれは    霊還し       国治まれば
                               世に迷える霊を還す

 カレモナシ          かれなし            枯れも無し
 
       マツリノアヤオ        まつりのあやお              祭の文を

 ミツソメテ ヒトツモチユキ  みつそめて ひとつもちゆき    三つ染めて      一つ持ち行き

 ヒヨミナス フタヱニサツケ  ひよみなす ふたゑさつけ    日夜見なす     フタヱに授け

 ミモスソノ サコクシロウチ  みもすその さこくしろうち    神裳裾の      "サコクシロ内"

 アラタメテ アマテルカミノ  あらためて あまてるかみの    改めて       "アマテル神の

 ウチツミヤ          うちつみや            内つ宮"
 
       ヤモツカフカミ        やもつかふかみ              八百 仕ふ守
                                           (多数の)

 ハンヘリテ ヒモロケササケ  はんへりて ひもろけささけ    侍りて       ヒモロケ捧げ

 アニコトフ ヰセノミチウク  あにことふ ゐせのみちうく    天に応ふ      妹背の道 受く
                                  天と交わる      陰陽和合の道

 カントミノ ツカフカミラカ  かんとみの つかふかみか    神臣の        仕ふ守らが

 ハヘルユエ ウチハヘトコロ  はへるゆえ うちはへところ    侍る故       "大人侍所"

 カスカカミ フトノトコトオ  かすかかみ ふとのとことお    カスガ尊      太宣言を

 ツカサトルカナ        つかさとるかな          司るかな
  
  
 ムヨロトシ ヘテコソツキル  むよろとし こそつきる    六万年       経て 去年尽きる
                                          51鈴19穂に植継ぎなく枯れた

 サクススソ ムカシカスカニ  さくすすそ むかしかすかに    幸鈴ぞ       昔 カスガに 

 ミコトノリ フソムノススオ  みことのり ふそむすすお    御言宣       「二十六の鈴を
                                     <それを受けて>   (26本目)

 ワレウヱテ ノチノフソヰモ  われうゑて のちふそゐも    我 植えて      後の二十五も
                                (カスガ)

 ミコトノリ ウケメクリウユ  みことのり うけめくりうゆ    御言宣       受け 巡り植ゆ

 ミヤノマエ キミオワサネハ  みやまえ きみおわさは    宮の前       君おわさねば
                                        タケヒトはこの時ツクシに居るが
                                        三種を受けておらず即位してない

 イカニセン          いかにせん            如何にせん」    
 
       フタヱカイワク        ふたゑいわく              フタヱが曰く

 カスカトノ イナムミカサモ  かすかとの いなむみかさも    「カスガ殿     辞むミカサも
                                           神祭を離れても

 イマヰセノ ツカフルカミノ  いまゐせの つかふるかみの    今 妹背の      仕ふる守の

 ヰマスヘシ コレコトワリト  ゐますへし これことわりと    埋ますべし」    これ理と
                                 補うでしょう

 クニメクル モノヌシフレテ  くにめくる ものぬしふれて    国巡る        モノヌシ告れて
                              (自生する真榊の捜索)   (クシミカタマ)
                               
 モノノヘラ カスカノカミオ  もののへ かすかのかみお    モノノベら     カスガの尊を
                                      <に>

 ミチヒカス モロカミイハフ  みちひか もろかみいはふ    導かす       諸守祝ふ

 カトテシテ クニクニメクリ  かとてて くにくにめくり    門出して      国々巡り

 マサカキノ フタヱミヱトヱ  まさかきの ふたゑみゑとゑ    まさかきの     二回三回十回
                                (回掻き/真榊)

 カツテナク          かつてなく            嘗て無く
 
       イヨニイタレハ        いよいたれは              イヨに到れば

 コトシロカ ヤカタニイレテ  ことしろか やかたいれて    コトシロが     館に入れて
                                  (ツミハ)

 アルシトフ ススナエアリヤ  あるしとふ すすなえありや    主 問ふ       「鈴苗ありや」
                                (ツミハ)

 カツテナシ テオムナシクス  かつてなし むなしく    「嘗て無し     手を空しくす」

 モノヌシカ ヲキナウヱンヤ  ものぬしか をきなうゑや    モノヌシが     「翁 植えんや」
                                 (クシミカタマ)    この際は翁が種を植えようや

 カスカマタ ワレハトミナリ  かすかまた われとみなり    カスガまた      「我は臣なり

 キミウユル アマノマサカキ  きみうゆる あまのまさかき    君 植ゆる      天の真榊
                                君の御業と定められた

 イカニセン ワレハノトコト  いかにせん われはのとこと    如何にせん     我は宣言

 ノンスノミ          のんすのみ            宣んすのみ」
 
       マタトフナンチ        またとふなんち              また問ふ「汝

 タオスツヤ ホロシテイワク  すつや ほろしいわく    治を棄つや」    ホロして曰く
                                統治の基を破棄する気か?

 チハステス ウユオオソレテ  はすて うゆおそれて    「治は棄てず    植ゆを畏れて」

 マタモトフ イフキカミカヤ  またもとふ いふきかみかや    またも問ふ     「イフキカミかや」
   

                                  君の御言宣を受けて植え継ぐ真榊を
                                      御言を得ずにカスガが植え継ぐ事は
                                      アマテルもウガヤも世を離れたる今
                                      最も正統と思われるツキヨミの子の
                                      イフキヌシに対して遠慮があるのか
  
 トキニハハ タナコヒメアリ  ときはは たなこひめあり    時に母       タナコ姫あり
                                        (アマテルの娘でイフキヌシの妻)

 コタエイフ ムカシフタカミ  こたえいふ むかしふたかみ    応え言ふ      「昔 二尊

 ヒノカミオ キミツキハツク  ひのかみお きみつきはつく    日の神を      君 月は次ぐ
                                 (アマテル)       (ツキヨミ)

 ツクハトミ コノコトミナリ  つくとみ このとみなり    次ぐは臣      この子 臣なり
  
                                  臣であるツキヨミの子もまた臣なり

 トミオモテ マタキミトセス  とみおもて またきみと    臣を以て      まだ君とせず」
                                   カスガもイブキヌシも臣たる
                                   立場は同じであり遠慮は無用
  
  

 ヒノカミノ ツキヱテウユル  ひのかみの つきうゆる    「日の神の     嗣得て植ゆる
                                               本来植えるべき

 キミハイマ ワカキタケヒト  きみはいま わかきたけひと    君は今       若きタケヒト
                                      <遠方にある>

 オモワネハ アメノムシハミ  おもわは あめのむしはみ    思わねば      陽陰の蝕み    
                                それを考えて汝が今           7文
                                種を植えておかねば
 ハルルトキ ナエハヱナンヤ  はるるとき なえはゑなんや    晴るる時      苗 生え無んや」
                                             生えてないじゃないか
  
   
 アルシトフ サクススハタチ  あるしとふ さくすすはたち    主 問ふ       「幸鈴二十
                                (ツミハ)      五十鈴が幸鈴となって20年

 ノヒイカン カレニウセタリ  のひいかん かれうせたり    伸び如何ん」     「過に失せたり
                                 伸展の状況は?     すでに枯れ失せた

 コレモアメ          これあめ            これも陽陰
  
       トキニフタヱカ        ときふたゑか              時にフタヱが

 コヨミナハ イカカナサンヤ  こよみなは いかかなさや    「暦名は      如何がなさんや」
  

 トキニヒメ タラチヲカミニ  ときにひめ たらちをかみに    時に姫       タラチヲ神に
                                  (タナコ)       アマテルの神霊に

 カリイワハ ススキハヨワヒ  かりいわは すすきよわひ    懸り言わば     「鈴木は齢
                                   =言えば

 ハタトセノ ノヒモコノキノ  はたとせの のひこのの    二十年の      延びもこの木の
                                            (延長)

 ノイノチ カスカモヨワイ  あのいのち かすかよわい    上の命       カスガも齢

 ナカケレハ コレナツクヘシ  なかけれは これなつくへし    長ければ      これ名付くべし」
                               長くて今や余分の人生ゆえ
  
  

 トキカスカ ヤヤエミイワク  ときかすか ややえみいわく    時 カスガ      やや笑み曰く

 コヨミナオ アスストセンヤ  こよみなお あすすや    「暦名を      "あすす" とせんや」

 トキニヒメ モロカミトモニ  ときにひめ もろかみともに    時に姫       両守ともに

 ムヘナリト アススニキワメ  むへなりと あすすにきわめ    「宜なり」と    "上鈴" に極め

 フソヒホノ キナヱノハルハ  ふそひの きなゑはるは    二十一穂の     キナヱの春は

 アメフタヱ アススコヨミト  あめふたゑ あすすこよみと    アメフタヱ      "上鈴暦" と

 ナオカエテ アツサニホリテ  かえて あつさほりて    名を代えて     に彫りて
                                            版木を彫って

 タテマツル          たてまつる            奉る
  
       アススコヨミオ        あすすこよみお              上鈴暦を

 モロウケテ コノヨノワサオ  もろうけて このよわさお    諸 受けて      この世の業を

 カンカミル コヨミコレナリ  かんかみる こよみこれなり    鑑みる       暦これなり
                                 (明暗見る)
  
  
 タナコヒメ イフキトミヤニ  たなこひめ いふきとみやに    タナコ姫      イフキト宮に

 ウムミコノ ヱハイヨツヒコ  うむみこの いよつひこ    生む御子の     兄はイヨツヒコ

 トサツヒコ ウサツヒココレ  とさつひこ うさつひここれ    トサツヒコ     ウサツヒコ これ

 ヲントモニ ユキテツクシノ  をんともに ゆきつくしの    御供に       行きてツクシの
                              <タケヒトの>

 ウサニスム ハハモウサニテ  うさすむ ははもうさにて    ウサに住む     母もウサにて
                                          (タナコ)

 カミトナル イツクシマミヤ  かみとなる いつくしまみや    神となる      イツクシマ宮

 イトウカミ ヨキオシルナソ  いとうかみ よきしるそ    イトウ神      善きを知る名ぞ
                                                 (善知鳥)
   
  
 オロチナル ハチニミツカラ  おろちなる はちみつから    愚霊なる      恥に自ら   
                                       <母ハヤコの>

 サスラヒテ イトウオシレハ  さすらひて いとうしれは    さすらひて     慈愛を知れば

 オオナムチ ヒヒメオメトル  おおなむち ひひめめとる    オオナムチ     一姫を娶る
                                           (タケコ)

 コノシマツ ミツヒメマツル  しまつ みつひめまつる    子のシマツ     三姫祭る

 ソトカハマ イトウヤスカタ  そとかはま いとうやすかた    外ヶ浜       イトウヤスカタ
                                               (善知鳥安方)

 カミノミケ ハムウトウアリ  かみみけ はむうとうあり    の御供      蝕むウトウあり
  
  

 コカシラノ オロチカハメハ  こかしらの おろちはめは    九頭の       蛇が蝕めば  

 シマツウシ ハハキリフレハ  しまつうし ははきりふれは    シマツウシ     蝕霊 斬りふれば
                                           憑く蝕霊を斬り離せば

 ニケイタリ コシノホラアナ  にけいたり こしのほらあな    逃げ至り      越しの洞穴
                                  逃げ果せ

 ホリヌケテ シナノニテレハ  ほりぬけて しなのてれは    掘り抜けて     シナノに出れば

 コレオツク          これつく            これを告ぐ
 
       イセノトカクシ        いせとかくし              イセのトガクシ

 ハセカエリ ナンチハオソル  はせかえり なんちおそる    馳せ帰り      「汝は恐る
                             <知行地に>         汝はおびえている

 コレイカン コタエテムカシ  これいかん こたえむかし    これ如何ん」     答えて「昔
                                 これは一体?

 フタオロチ ヒメニウマレテ  ふたおろち ひめうまれて    二愚霊       姫に生まれて

 キミメセハ モチハミコウミ  きみめせは もちみこうみ    君 召せば      モチ御子生み
                                (アマテル)

 スケトナル ハヤハヒメウミ  すけなる はやはひめうみ    典侍となる     ハヤ生み

 ウチツホネ          うちつほね            内局
  
       ウチセオリツカ        うちせおりつか              内 セオリツが
                                         そうした中

 ミキサキニ ナルオモチコカ  みきさきに なるもちこか    御后に       なるをモチコが

 コロサント ネタメハハヤハ  ころさと ねためはやは    殺さんと      妬めば ハヤは

 キミオシヰ オトキミコエト  きみおしゐ おときみこえと    君を退い      弟君 媚えど
                                           (ソサノヲ)

 アラハレテ トモニサスラフ  あらはれて ともさすらふ    露れて       共にさすらふ
  
  

 アカツチカ メオオトキミニ  あかつちか おおときみに    アカツチが     姫を弟君に
                                         (ハヤスフ姫

 チナムオハ ハヤカオロチニ  ちなむおは はやおろちに    因むをば      ハヤ愚霊に
                                          ハヤがその怨霊にて

 カミコロス オトアシナツカ  かみころす おとあしなつか    噛み殺す      弟アシナヅが
                                      <アカツチの>

 メオコヱハ ナナヒメマテハ  こゑは ななひめまては    姫を乞えば     七姫までは

 カミクラフ          かみくらふ            噛み食らふ
 
       トキニソサノヲ        ときそさのを              時にソサノヲ  

 コレオキリ ミオヤスカタト  これきり やすかたと    これを斬り     身をヤス形と
                                       その骸を殺された姫らの形見として

 マツルユエ マタヤマスミノ  まつるゆえ またやますみの    祭る故       またヤマスミの
                                              (マウラ)

 メトウマレ イモトオネタム  うまれ いもとねたむ    姫と生まれ     妹を妬む
                                (イハナガ)       (アシツ姫)

 ツミノトリ          つみのとり            罪の連り
  
        マタモチオロチ         またもちおろち                またモチ愚霊

 セオリツオ カマンカマント  せおりつお かまかまんと    セオリツを     噛まん噛まんと

 モヰソヨホ ヱソシラタツノ  もゐそよ ゑそしらたつの    百五十万年     蝦夷白龍の

 タケニマツ イマカミトナル  たけまつ いまかみとなる    に待つ      今 神となる
                                          今セオリツの神となる

 ムナシサヨ          むなしさよ            虚しさよ」
  
       トカクシイワク        とかくしいわく              トカクシ曰く

 ナンチイマ ヒミノホノホオ  なんちいま ひみのほのほお    「汝 今       日三の炎を

 タツヘシソ ワカミケハミテ  たつへしそ わかみけはみて    絶つべしぞ     我が供 食みて

 シタニオレ サカミオモレハ  したおれ さかみもれは    下に降れ      直霊を守れば
                                   低まれ

 ツミキエテ マタヒトナルト  つみきえて またひとなると    罪消えて       また人成る」と

 ヲオキレハ ヨロノヲタウノ  をおきれは よろのをたうの    結を切れば     撚の結断の
                                (霊の結)

 ヤマソハコサキ        やまはこさき          山ぞハゴサキ
  
  
 コノサキニ タケウマルル  このさきに たけうまるる    この先に      健に生まるる

 タケコヒメ タカニモウテテ  たけこひめ たかもうてて    タケコ姫      タガに詣でて
                                (オホナムチの妻)

 モノヌシカ タチニオワレハ  ものぬしか たちおわれは    モノヌシが     に終われば
                                   (クシミカタマ)    (タガ殿)
                               (タケコの玄孫に当たる)

 ススキシマ オモムロオサメ  すすきしま おもむろおさめ    芒島        骸 納め
                                 (現・沖島)

 タケフカミ          たけふかみ            健生神
 
       ムカシサスライ        むかしさすらい              昔さすらい

 コトオヒク トキニアラレノ  ことひく ときあられの    琴を弾く      時に霰の

 ススキウツ コトニヒヒキテ  すすきうつ ことひひきて    芒打つ        異に響きて

 タエナレハ コノハオウツシ  たえなれは このうつし    妙なれば      この映を写し

 コトツクル ナモイスキウチ  ことつくる いすきうち    琴つくる      名もイスキ打ち

 シマウミモ ナハイスキナリ  しまうみも いすきなり    閉海も       名はイスキなり
  
  
 タキコヒメ カクヤマツミノ  たきこひめ かくやまつみの    タキコ姫      カクヤマツミの

 ツマトナリ カコヤマウミテ  つまなり かこやまうみて    妻となり      カコヤマ生みて
                                           (=タクリ)

 サカムナル ヱノシマカミト  さかむなる ゑのしまかみと    サカムなる     ヱノシマ神と
                                  (相模)

 ナリニケル          なりにける            成りにける
  
       アススミソミホ        あすすみそみ              上鈴三十三年
                                             (ツナヱ)

 カスカカミ モモヰソムヨロ  かすかかみ ももゐそむよろ    カスガ尊      百五十六万

 フソヰナリ フタヱニイワク  ふそゐなり ふたゑいわく    二十五なり     フタヱに曰く

 ワカヨハヒ キワマルユエニ  わかよはひ きわまるゆえに    「我が齢      極まる故に

 カンオチオ ナンチニサツク  かんおちお なんちさつく    神翁を       汝に授く」
  
  

 ツトメトテ ミカサニカエリ  つとめとて みかさかえり    務めとて      ミカサに帰り

 タラマツリ ナンチオシクモ  たらまつり なんちおしくも    タラ祭り       「汝 オシクモ
                               (ヰチヂアサカ姫)

 シカトキケ ムカシツカエテ  しかきけ むかしつかえて    確と聞け      昔 仕えて

 ミカカミオ タマエハワレラ  みかかみお たまえわれ    御鏡を       賜えば我ら

 タノトミソ ワカコラヤワセ  たのとみそ わかこやわせ    左の臣ぞ      我が子ら和せ
                                              (荒猛を排せ)
  
 タトフレハ ハルハヌルテハ  たとふれは はるぬるては    例ふれば      春は潤出葉

 ナツアオク モミチハツヨク  なつあおく もみちつよく    夏青く        もみぢは強く

 フユハオツ タトヒオチテモ  ふゆおつ たとひおちても    冬 葉落つ      たとひ落ちても

 ナウラメソ カケノマメナセ  うらめ かけまめなせ    な恨めそ      蔭の忠なせ

 コノメテル          このてる            この芽出る
                                また必ず春は来る
 
       ユエハアスカオ        ゆえあすかお              故はアスカを

 オチタトキ マメオワスレス  おちとき まめおわすれ    落ちた時      忠を忘れず

 コノユエニ ミマコニメサレ  このゆえに みまこめさ    この故に      御孫に召され
                                          (ニニキネ)

 マメナセハ ツイニカカミノ  まめなせは ついかかみの    忠なせば       ついに鏡の

 トミトナル マタモノヌシハ  とみなる またものぬしは    となる      またモノヌシは
                                         同じくアスカを落ちたクシヒコ

 ミキノトミ          みきのとみ            右の臣
  
       ハツヨキアキノ        はつよきあきの              葉強き秋の
                               <蔭の忠に出た若芽は> もみじの如く強き成果たる

 ユミツルキ カクノコトシト  ゆみつるき かくことしと    弓剣         かくの如し」と
                                 弓剣となる

 サケススム ソノサカツキオ  さけすすむ そのさかつきお    酒 進む       その逆坏を
                                              (返杯)

 コエハイナ コカラサツケヌ  こえいな からさつけ    請えば「否     子から授けぬ」
 
 

 トキニマタ カカミノトミオ  ときまた かかみのとみお    時にまた      「鏡の臣を

 ウヤマウカ ノコルノリソト  うやまうか のこるのりそと    敬うが       遺る法ぞ」と

 カミトナル          かみとなる            神となる
 
       キサラキソヒカ        きさらきそひ              ニ月十一日

 オシクモハ ヨソヤモニイリ  おしくもは よそやもにいり    オシクモは     四十八喪に入り

 ヤマシロノ オシホニオサム  やましろの おしほおさむ    山背の       オシホに納む
                                            (小塩)

 ヒカシムキ コレヒメカミノ  ひかしむき これひめかみの    東向き       これヒメ尊の

 マカルトキ キハヤマシロニ  まかるとき やましろに    罷る時       は山背に
                                           (男君)

 イマスユエ イキスノミヤノ  いますゆえ いきすのみやの    埋ます故      イキスの宮の

 ニシムキソ モロタミシタヒ  にしむきそ もろたみしたひ    西向きぞ      諸民慕ひ

 モニイルハ アメモノコトシ  もにいるは あめもことし    喪に入るは     天喪の如し
                                           (皇の喪)
  
 サルタヒコ ミソキニアワノ  さるたひこ みそきにあわの    サルタヒコ     "水濯ぎに泡"の   

 ムナサワキ フトマニミレハ  むなさわき ふとまにみれは    胸騒ぎ       フトマニ見れば

 ヰムノミハ カカミヱヱナル  ゐむのみは かかみゑゑなる    "斎むの身"は    『鏡老なる

 ナカヒトリ ウレヒアリトテ  ひとり うれひありとて    名が一人      憂ひあり とて
                                                といっても

 コレマツリ ウケヌウレイト  これまつり うけうれいと    これ纏り       受けぬ憂い』と
                                                 参考:モヨロ

 オトロキテ ウチニイタレハ  おとろきて うちたれは    驚きて       ウチに居たれば

 ミカサヤマ ナオハセノホル  みかさやま なおはせのほる    ミカサ山      なお馳せ上る

 カスカトノ          かすかとの            カスガ殿
 
       ハヤカリオサメ        はやかりおさめ              早や仮納め

 モナカユエ トモニモニイリ  もなかゆえ とももにいり    喪中ゆえ      ともに喪に入り

 ミコシナシ アスヒラオカニ  みこしなし あすひらおかに    神輿成し       翌日ヒラオカに

 オクルトキ サルタカコエハ  おくるとき さるたこえは    送る時       サルタが乞えば

 ユルサレテ ミコシアクレハ  ゆるさて みこしあくれは    許されて      神輿 開くれば
  

 サルタヒコ ワレツネニコフ  さるたひこ われつねこふ    サルタヒコ     「我 常に乞ふ

 タマカエシ オヰヱトフタヱ  たまかえし おゐゑふたゑ    霊還し       オヰヱフタヱ

 ヒフミアリ イマワレヒトリ  ひふみあり いまわれひとり    霊文あり       今 我一人

 ウケサルト チチニソクヤム  うけさると ちちにそくやむ    受けざる」と    散々にぞ悔やむ
  
  

 トキニカミ メオアキイワク  ときかみ あきいわく    時に       眼を開き曰く
                                 (死んだコヤネ)

 ナンチヨク ワスレスキタル  なんちよく わすれきたる    「汝よく       忘れず来る

 ミモスソヨ コフハコレソト  みもすそよ こふこれそと    裳裾よ       乞ふはこれぞ」と

 サツケマス サルタウケトリ  さつけます さるたうけとり    授けます      サルタ受け取り

 トワントス ハヤメオトチテ  とわ はやめおとちて    問わんとす     早や眼を閉じて

 コタエナシ          こたえなし            応え無し
  
       ミユキコトナリ        みゆきことなり              神逝事 成り
                                             葬儀

 ソノノチニ ミモスソトエハ  そののちに みもすそとえは    その後に      裳裾問えば

 サルタヒコ ムカシハタレオ  さるたひこ むかしはたれお    サルタヒコ     「昔ハタレを
 
 ヤフラント ミソキナストキ  やふらと みそきなすとき    敗らんと      禊なす時

 カミノモノ イワニカカリテ  かみの いわかかりて    神の裳の      岩に懸かりて
                                (アマテル)

 ヒタヒケハ タキオチクタル  ひたひけは たきおちくたる    ひた引けば     滝落ち下る

 サクナタリ          さくなたり            サクナタリ
  
       アメニイノレハ        あめいのれは              陽陰に祈れば

 クスナカレ ハミアシオカム  くすなかれ はみあしかむ    屑 流れ       蛇 足を噛む
                                (裳裾の屑)

 オイツメテ トマルワラヒテ  おいつめて とまるわらひて    追い詰めて     留まるで

 クリツ モスソノクスニ  くくりすつ もすそくすに    括り棄つ      裳裾の屑に

 ヤフルユエ ススクスモチイ  やふるゆえ すすくすもちい    敗る故       末々葛 用い

 コレオタス シムミチヤフル  これたす しむみちやふる    これを治す     シムミチ敗る
                                           (蛇霊の化物)

 ウツワヱル          うつわゑる            器 得る
  
       ミナミソキシテ        みなみそきて              穢禊して
                                           [水禊]

 ウツワヱテ ムミチオヤフリ  うつわゑて むみちおやふり     得て       六ミチを敗り

 ヲサムタミ ミナミモスソノ  をさむたみ みなみもすその    治む民       みな裳裾の

 ナカレナリ          なかれなり            流れなり」
  
       サルタアサカニ        さるたあさかに              サルタ アサカに

 スナトリノ ヒラコニカマレ  すなとりの ひらこかま    漁の        翻子に噛まれ

 オホルルオ キミウスメシテ  おほるるお きみうすめて    溺るるを      君 渦侍して

 ソコトクニ ツフタツアハノ  そことくに つふたつあはの    そことくに     粒立つ粟の

 サクトコニ ヒキアケサシム  さくとこに ひきあけさしむ    敷床に       引き上げさしむ

 ワラニタス ハヒラオヌキテ  わらたす はひらぬきて    藁に助す      肺臓を温きて

 ナマナス          なまこなす            鈍こなす
                                 この一節は唐突に感じるが、おそらく「裳裾」を
                                 別の実例を挙げて説明しているのものと思われる
  
       サキニカクヤマ        さきかくやま              先にカクヤマ
                                             アスカ政府の

 ナカスネハ ミヲヤスヘラキ  なかすねは みをやすへらき    ナガスネは     御祖皇

 ミコナキオ オシクモイノル  みこなきお おしくもいのる    御子なきを      オシクモ祈る

 ソノフミオ コエトサツケス  そのふみお こえさつけ    その文を      乞えど授けず
                                 (代嗣文)

 マカルノチ アマノタネコハ  まかるのち あまのたねこは    罷る後       アマノタネコは
                                <皇の>

 コノフミオ ミカサニコメテ  このふみお みかさこめて    この文を      ミカサに籠めて

 キミノトモ          きみとも            君の供
                                タケヒトと筑紫へ
  
        ナカスネヒコハ         なかすねひこ                ナガスネヒコは

 ソノクラオ ヒソカニアケテ  そのくらお ひそかあけて    その蔵を      密かに開けて

 ウツシトル クラトミツケテ  うつしとる くらとみつけて    写し盗る      蔵人見つけて

 コレオツク タネコオトロキ  これつく たねこおとろき    これを告ぐ     タネコ驚き

 キミニツク サヲシカヤレハ  きみにつく さをしかやれは    君に告ぐ      差使遣れば
                                (タケヒト)

 ミココタエ クラトカワサハ  みここたえ くらとかわさは    御子答え       「蔵人が業は
                                 (ニギハヤヒ)        蔵人の言う所業は

 ワレシラス コレニアラケテ  われしら これあらけて    我 知らず」     これに散けて
                                          これで二政府は相離反し

 コトシロハ イヨニトトマル  ことしろは いよととまる    コトシロは     イヨに留まる
                                  (ツミハ)
                                   ツミハはコトシロとしてアスカの宮にも通っていた <ホ27>
  

 ソノツマハ イセニモフテテ  そのつまは いせもふてて    その妻は      イセに詣でて
                                (タマクシ姫)     (妹背の神)

 サルタヒコ タタラナスオハ  さるたひこ たたらなすおは    サルタヒコ     称ら為すをば
                                 サルタヒコが     神を奉斎したれば

 ミニイタリ ソコテヒメウム  いたり そこひめうむ    身に到り      そこで姫生む
                              <霊験が>

 ソノツマニ トリアケサセテ  そのつまに とりあけさせて    その妻に      取り上げさせて

 オクリユク コトシロエメハ  おくりゆく ことしろえめは    送り行く      コトシロ笑めば
                                <伊予に>

 サルタヒコ タタユルヒメノ  さるたひこ たたゆるひめの    サルタヒコ     称ゆる姫の

 ナハタタラ イススヒメナリ  たたら いすすひめなり    名はタタラ     イスズ姫なり
  
  
 ナカスネカ ワレオタツレハ  なかすねか われおたつれは    ナガスネが     我を立つれば
                                         君を差し置き自我を立てれば

 イチサワク カレニハラミノ  いちさわく かれはらみの    市 騒ぐ       故にハラミの
                                世は不穏となる

 ミコフレテ ホツマヒタカミ  みこふれて ほつまひたかみ    御子告れて      ホツマヒタカミ
                                 (ムメヒト)

 カテフネオ ノホサヌユエニ  かてふねお のほさゆえに    糧船を       上さぬ故に

 タカノミヤ ツクシノミヤに  たかのみや つくしのみやに    タガの宮      ツクシの宮に
                                  (ヰツセ)       (ミヤサキ宮)

 ユキヰマス          ゆきゐます            行き居ます
 
       オオモノヌシハ        おおものぬしは              オオモノヌシは
                                            (クシミカタマ)

 タカトノニ ネノクニヲサメ  たかとのに ねのくにをさめ    タガ殿に      根の国治め
                               タガ央君の代の殿となり

 オオタオハ ヒウカカントノ  おおたおは ひうかかんとの    オオタをば     日向代殿
                                (コモリの12男)      (タケヒト)   

 ソエモノト ナシテムスメノ  そえものと なしむすめの    副モノと      なして娘の
                                               オオタの娘の

 ミラヒメオ メトリテウムコ  みらひめお めとりうむこ    ミラ姫を      娶りて生む子

 タタヒコカ アタツクシネハ  たたひこか あたつくしねは    タタヒコが     アタツクシネは

 オサナナソ          おさななそ            幼名ぞ
  
 チチノツミハモ              ちちつみはも              父のツミハも

 カミトナル アススヰソトシ  かみとなる あすすゐそとし    神となる      上鈴五十年

 カンナツキ ヤソヨヨロミチ  かんなつき やそよよろみち    十月        八十四万三千

 ヨソヤナリ コトシワニヒコ  よそやなり ことしわにひこ    四十八なり     今年ワニヒコ
                                             (クシミカタマ)

 モモノヤツ イモトイススハ  ももやつ いもといすすは    百の八つ      妹イスズは

 トオヰツツ          とおゐつ            十五つ
 
       トモニモニイリ        とももにいり              共に喪に入り

 ヨソヤノチ アハノアカタニ  よそやのち あはあかたに    四十八後      阿波の県に

 オサムノチ ミツカラシルシ  おさむのち みつからしるし    納む後       自ら記し

 コノフミオ ヤシロニオクハ  このふみお やしろおくは    この文を      社に置くは
                                          (阿波宮)

 ヰツコノタメカ        ゐつこためか          何時のためか

  

  

 最終更新:2017/01/20

  

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