たる  タル  taru

  

【足る・(治る・養る・連る)】【断定の助動詞「たり」】
A: 合う/合わす。釣合う。収(治)まる/収(治)める。調う/調える。補給する。在る/現す。
  匹敵する/させる。適う。〜している。〜である。

『かれたるいねの わかかえる わかのうたより わかのくに』ホ1
『つきはおくれて みそたらす まことみそひそ』ホ1
『めかみには なりなりたらぬ めもとあり』ホ3
『をゑくまにすつ ひるこひめ いまいつくしに た りいたりホ3
『いくしまと たるしまよ もの みかきもり』ホ14

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変態:「なる」「ある」「たふ(食ぶ)」「たむ(溜む/矯む)」「つる(連る)」「つむ(詰む)」 「とる(執る)」「とむ(留む)」 「とふ(問う・訪う)
派生語:「たら(父母)」「あたる(当る)」 「はたる(徴る)」「あた たら(充足)」「たるみ(治見)」「たたる(祟る)

 
 

【(断る・遮る・出る・弛る)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

変態:「たふ(遮ふ)」「たゆ(絶ゆ)」「ちる(散る)」「つ む(摘む)」「てる(出る)」「とふ(飛ぶ)
派生語:「はたれ」「くたり(件)」「ひたり(左)」 「かたる(語る)」「なたる(傾る)

 
 

【(回る・廻る)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。動く。

変態:「たむ(回む)」「た ふ(回ふ・廻ふ)
派生語:「はたらく(働く)

 
 

【足る・(立る・養る・達る・至る)】
D: 正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・過ぎる・余る・至る」

『またたたは はるのそらねお はにあみて いたくにた れは たたといふ』ホ16
『これてひとみお いたかんと まろめてわたり ふたたたるホ17
『やまとひめ ことしももやつ よろこひて よはひいたれは われたりぬ』ホ38

 
変態:「たゆ(耐ゆ)」「つる(吊 る)
つむ(積む)」「てる(照る)」「とふ(跳ぶ)」「とむ(富む)
派生語:「いたる(至る)」「ひたる(秀達る)」「ひたり(左)」「ほたる(蛍)」「たたら(踏鞴)

  
 

【垂る・(弛る・怠る・惰る)】
E: 負の方向に離れる/離す。「下る・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」

『いくしまと たるしまよ もの みかきもり』ホ14
『みそひふみ みかたり ゆるむ たらむとて ははのつつしみ』ホ16
『つみはらわんと あらためて かみおうやまひ をしえたれホ34
『きかまろは たるはお ふきて ゐかすれは』ミ8

 
類語:「たふ(賜ぶ)」「ち ふ(禿ぶ)」「つふ(潰ぶ)」「つゆ(潰ゆ)」「つむ(詰む)
派生語:「たれ(垂)」「くたる(下る)」 「なたる(傾る・雪崩る)」「お こたる(怠る)」「たるしま(足島・垂締)」「たらむ(弛らむ)」「したたる(滴る)」「ちたる(沈垂る)」「うなたる(項垂る)」「すたる(廃る)」「さみたれ(五月雨)

 
 

【足・(治・養)】
足らし。治め。調え。治者。

『むよのつき お もたるのかみ かしこねと やもおめくりて たみおたす』ホ2

 
「たる(足る・治る・養る)」の名詞化。

変態:「たら(足)たり(足り)
類語:「たらし(足らし)」「たらち(足らち)」 「たし(足し・治し)」

  

10/02/10

 

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