【原文カタカナ訳】      【語義考察】           【漢字読み下し】
 ワカヒコイセススカノアヤ   わかひこいせすすかあや     ワカヒコ 妹背清かの文
  
 タカノコフ ツホワカミヤノ  たかのこふ つほわかみやの    タカの首      壺若宮の

 アツキヒノ ヱラミウカカフ  あつきの ゑらみうかかふ    暑き日の      上らみ伺ふ
                                           (=上り)

 ワカヒコニ ミキタマワリテ  わかひこに みきたまわりて    ワカヒコに     御酒賜りて

 ミコトノリ カミハイモセノ  みことのり かみいもせの    御言宣       「神は妹背の
                                         アマテル(アメミヲヤ)は陰陽の

 ミチヒラク ワレハカスカニ  みちひらく われかすかに     開く       我はカスガに
                                         (オシホミミ)

 コレウケン          これうけ            これ受けん」
  
       カスカハオナシ        かすかはおなし              カスガ場をなし
                                              (配置に付き)

 ヒタニマス ミキハヒタカミ  ひたます みきひたかみ    左に坐す      右はヒタカミ

 ウオキミト カルキミヲキナ  うおきみと かるきみをきな    央君と       カル君翁

 ツキカトリ カンキミオヨヒ  つきかとり かんきみおよひ    カトリ       上君および

 カシマキミ ツクハシホカマ  かしまきみ つくはしほかま    カシマ君      ツクバシホカマ

 モロモマス          もろます            諸も坐す
  
       トキニミトヒハ        ときみとひは              時に御問ひは

 サキニミツ アヒセンツルオ  さきみつ あひせんつるお    「先に水       浴びせんつるを
                                          水浴びしようとしてるのを

 ウホキミカ トメテマネナス  うほきみか とめまねなす    央君が       止めて真似なす
                                ヨロマロ

 コレイカン          これいかん            これ如何ん」
  
       カスカコタヱテ        かすかこたゑて              カスガ答えて

 ノコルノリ ムカシウヒチニ  のこるのり むかしうひちに    「遺る法      昔ウヒチニ

 ヒナカタケ モモニトツキテ  ひなかたけ ももとつきて    雛が岳       モモにとつぎて
                                          (モモヒナミ)

 ハツミカニ サムカワアヒル  はつに さむかわあひる    初三日に      寒川浴びる

 ソサノヲハ ヒカワニアヒル  そさのをは ひかわにあひる    ソサノヲは     氷川に浴びる

 コレツヨシ キミハヤサシク  これつよし きみやさしく    これ強し       君は優しく

 ヤワラカニ マセハカカエテ  やわらかに ませかかえて    和らかに      ませば考えて

 トトムモノカナ        ととむものかな          止むものかな」
  
  
 イセオコフ カスカトクナリ  いせこふ かすかとくなり    妹背を請ふ     カスガ説くなり
                                 (陰陽)
  
  
 イモヲセハ ヤモヨロウチノ  いもをせは やもよろうちの    妹背は       八百万氏の
                                 (女男)

 ワカチナク ミナアメツチノ  わかちなく みなあめつちの    別ち無く      皆 天地の
                                             (陽陰)

 ノリソナフ          のりそなふ            法 備ふ
  
       キミハアマテル        きみあまてる              キ・ミは和照る
                                                和して恵む

 ツキヒナリ クニカミハソノ  つきひなり くにかみその    月・日なり      国守はその
                                  陰と陽

 クニノテリ タミモツキヒソ  くにてり たみつきひそ    地の照り      民も月・日ぞ
                                 地上での反射     民の夫婦も月と日ぞ
  
 メニホアリ ヒスリヒウチハ  あり ひすりひうちは    陰に火あり     火擦り・火打ちは
                                (水・埴)

 ツキノヒソ ヲニミツアリテ  つきそ みつありて    月の火ぞ      陽に水ありて
                                 (陰)        (空・風・火)

 モユルホノ ナカノクラキハ  もゆるほの なかくらきは    燃ゆる火の     中の暗きは

 ホノミツヨ          ほのみつよ            火の水よ
                                 (陽)
                                同様に人間の男女もそれぞれ陽と陰の両性を
                                持つが、その配分のバランスが異なっている
  
       メヲトタカエト        めをとたかえと              女男違えど

 カミヒトツ ヨヲトハヒナリ  かみひとつ よをとなり    上一つ        夫は日なり
                                 (源)

 ヨメハツキ ツキハモトヨリ  よめつき つきはもとより    嫁は月       月は元より

 ヒカリナシ ヒカケオウケテ  ひかりなし ひかけうけて    光無し        日影を受けて

 ツキノカケ メヲモコレナリ  つきのかけ めをこれなり    月の影       女男もこれなり
  
  
 ヒノミチハ ナカフシノソト  ひのみちは なかふしそと    日の道は      中節の外
                                  太陽の軌道は

 ツキハウチ ヲハオモテワサ  つきはうち おもてわさ    月は内       男は表業
                                        <されば>

 ツトムヘシ メハウチヲサメ  つとむへし はうちをさめ    務むべし      女は内治め

 キヌツツリ          きぬつつり            衣綴り
  
       イヱオヲサムハ        いゑおをさむは              家を治むは

 アニナレト ヤメルカヲヤニ  あになれと やめるをやに    兄なれど      病めるか親に
                                               親の意に

 カナワヌハ オトニツカセテ  かなわ おとつかて    適わぬば      弟に継がせて

 アコトナセ          あこなせ            上子となせ
  
       ヨオツクモノハ        つくもの              代を継ぐ者は

 ユツリウケ ハシヱテトツキ  ゆつりうけ はしとつき    譲り受け      橋得てとつぎ
                                          (うきはし)

 ムツマシク コオウミソタテ  むつましく うみそたて    睦まじく      子を生み育て

 マタユツル          またゆつる            また譲る
  
       メハヨニスメル        すめる              女は世に住める
                                               (「住む」の連体形)

 トコロヱス ウマシミヤヒノ  ところ うましみやひの    所得ず        うまし・みやびの
                                              親愛と協調の

 ヱイニオレ タヱノコトハニ  ゑいおれ たゑことはに    熟に居れ      妙の言葉に
                                  極みに居れ      妙の言葉を吐くことを

 モトムヘシ ヲセノタラチハ  もとむへし をせたらちは    基むべし      背のタラチは
                                 基本とすべし

 ウミノヲヤ アケクレムヘニ  うみのをや あけくれむへに    生みの親      明け暮れむべに

 ウマシモテ ヲイニツカエヨ  うましもて をいつかえよ    うまし以て     老いに仕えよ
  
  
 ヨヲトニハ ミサホオタテヨ  よをとには みさほおたてよ    夫には       操を立てよ

 ヰモノミハ ヲセノオナカニ  ゐもは をせおなかに    妹の身は      背の央中に

 オルコトク ナセハミサホソ  おることく なせみさほそ    居る如く      なせば操ぞ
  
  

 メハナナシ イヱニトツケハ  ななし いゑとつけは    女は名無し     家にとつげば

 ヲセノナニ タカウチムロト  をせのに うちむろと    背の名に      "誰が内室"と
                                           誰々の内室と呼ばれる

 カルキミモ ミタレユルセハ  かるきみも みたれゆるせは    カル君も      乱れ許せば

 タレウチソ          たれうちそ            "誰 内ぞ"
                                 誰が奥さんなんだ!?
                                   <ええっ!!アマテル神の娘!?>
  
       ミヤニノホレハ        みやのほれ              宮に上れば
 
 ウチツミヤ キミハメクミオ  うちつみや きみめくみお    内つ宮       君は恵みを

 クニニノフ ミヤハオナカソ  くにのふ みやはおなかそ    国に延ぶ      宮は央中ぞ
                                         されば内宮はその核心ぞ
  
  

 アカタモリ サトモルヒコモ  あかたもり さともるひこも    県守        里守る彦も

 ソレタケノ ムロモアラカモ  それたけの むろあらかも    それ丈の      室も殿も
                                  それ相応の

 オナカナリ タミハタハタオ  おなかなり たみたはたお    央中なり      民は田畑を

 ヲサムレハ ヤハヲセノミソ  をさむれは をせそ    治むれば      家は背の実ぞ
                                           家内は夫の核心ぞ
  
                                    (夫は日なり 嫁は月)
 ヒハアメニ ツキハツチモル  あめに つきつちもる    日は天に      月は地守る 
                                     <照らし>

 ヨメノミハ ヨヲトヒトリニ  よめは よをとひとりに    嫁の実は      夫一人に
                                   (本質)

 ムカフヒソ          むかふそ            向ふ土ぞ
                                      →ホ16文
  
       ヨロクニツトモ        よろくにつとも              万地苞も
                                              数ある農産物も

 ウムウマヌ アレハメヲトモ  うむうま あれめをとも    生む生まぬ     あれば女男も
                             <種と土の相性で>

 クニツトソ ウマスハヨソノ  くにつとそ うまよその    地苞ぞ       生まずばよその

 メオメトレ ヲセノオナカニ  めとれ をせのおなかに    女を娶れ      "背の央中に

 ヰモアリト ハラアシコトハ  ゐもありと はらあしことは    妹あり" と     腹悪し言葉

 ナカルヘシ ハラヤメヌマニ  なかるへし はらやめに    無かるべし     腹 病めぬ間に
                                           (心)       →17文

 タエニサトセヨ        たえさとせよ          妙に察せよ
  
  
 オキツヒコ ハラアシコトニ  おきつひこ はらあしことに    オキツヒコ     腹悪し言に

 ツマアレテ ミサホタタヌト  つまあれて みさほたたと    妻 荒れて      "操立たぬ" と

 チキリサル          ちきりさる            契り去る
                               夫婦の契りを解消する
  
       チチウホトシカ        ちちうほとし              父ウホトシが

 ヰセミヤニ ナケケハミウチ  ゐせみやに なけけみうち    妹背宮に      嘆けば 御内
                                (=イサワの宮)       (セオリツ姫

 モロメシテ マフツノカカミ  もろめして まふつのかかみ    両召して       マフツの鏡

 ウツサルル          うつさるる            写さるる
                   (尊敬)
       ヲセハケカルル        をせけかるる              背は汚るる

 ニステカマ メハカクサルル  にすてかま かくさるる    ニステ竈      女は隠さるる

 ツクマナヘ ワカカンハセモ  つくまなへ わかかんはせも    ツクマ鍋      我が顔映も
                                            自分の顔すら

 アエミエス ハチハツカシク  あえみえ はちはつかしく    あえ見えず     甚恥づかしく
                                  映っておらず     はなはだ恥しく

 アメニコフ          あめこふ            あめに悔ふ
                                 大いに悔やむ
  
       ヲセユルサネハ        をせゆるさ              背 許さねば

 イヤハチテ マカラントキニ  いやはちて まからときに    いや恥ぢて     罷らん時に
                                 いよいよ恥じて    死のうとする時に

 クラムスヒ トトメテシカル  くらむすひ ととめしかる    クラムスビ     留めて叱る
                                 (=ウホトシ)

 ワカコノミ ニステノツラオ  わかこ にすてつらお    "我が子の実     ニステの面を
                                     (実質)

 ミカカセト          みかかと            磨かせ" と
                                  磨かせろ
  
       ヲヤノヲシエニ        をやをしえに              親の教えに

 オキツヒコ フタタヒトツキ  おきつひこ ふたたひとつき    オキツヒコ     再びとつぎ

 ムツマシク ヰモセノミチオ  むつましく ゐもせのみちお    睦まじく      妹背の道を
                                         陰陽の本質とその和合の道

 マモリツツ モロクニメクリ  まもりつつ もろくにめくり    守りつつ      諸国巡り

 ヨオヲフル ハシメオワリノ  よおをふる はしめおわりの    '世を栄ふる     始め終りの
                                  来世を高める

 ツツマヤカ ミチヲシユレハ  つつまやか みちをしゆれは    慎まやか'      道 教ゆれば

 ヲヲンカミ ホメテタマハル  ををんかみ ほめたまはる    大御神       褒めて賜はる

 カマトカミ          かまとかみ            "竈尊"
  
       テナヘオサクル        てなへさくる              手鍋をさくる

 キタナキモ ミカケハヒカル  きたなきも みかけひかる    汚きも       磨けば光る
                                 卑賤の者も

 カミトナル クニモリタミノ  かみなる くにもりたみの    尊となる      国守・民の

 サトシニモ ツクマナサセル  さとしにも つくまなさせる    諭しにも      付離なさせる

 イセノミチ          いせのみち            妹背の道
                                  (陰陽の道)
  
       コスヱオモフニ        こすゑおもふに              後末重ふに
                                            (来世)

 イマシメノ ナケレハミタル  いましめの なけれみたる    戒めの       無ければ乱る
  
 ハタレマノ タカラアツメテ  はたれまの たからあつめて    ハタレマの     財 集めて

 スヱキユル コレススクラソ  すゑきゆる これすすくらそ    末 消ゆる      これ鈴暗ぞ

 イキノウチ ホシオハナルル  いきうち ほしはなるる    生きの内      欲を離るる
                                 世に生きる内

 コレハススカソ        これはすすかそ          これは鈴明
  
 チチヒメハ タレヨリイテテ  ちちひめは たれよりいてて    チチ姫は      垂より出でて

 ワカヒコニ イマキクススカ  わかひこに いまきくすすか    ワカヒコに     「今聞く "スズカ"

 ワカヰミナ キミタマワレト  わかゐみな きみたまわれと    我が斎名      君 賜われど

 ワケシラス マタトキタマエ  わけしら またときたまえ    訳知らず       また説き給え」
  
 コタエトク ススハマサカキ  こたえとく すすまさかき    応え説く      「真榊  

 ホスヱノヒ トシニキナカノ  ほすゑのひ としきなかの    穂末伸び       年に寸半の
                                              (半寸)

 ムヨロホキ ホシヰオサレハ  むよろほき ほしゐされは    六万穂木      欲気を去れば
                                  [六万寿]

 ススカナリ タカラホシキハ  すすかなり たからほしきは    鈴明なり      財欲しきは

 スヱキユル          すゑきゆる            末消ゆる」
  
       トキニカルキミ        ときかるきみ              時にカル君

 ススミイフ ナンソトカムヤ  すすみいふ なんそとかむや    進み言ふ      「何ぞ咎むや
                                           (=なぜ)

 ワカタカラ ヒトタタユルソ  わかたから ひとたたゆるそ    我が財       人 称ゆるぞ」
  

 コノコタヱ ヒトノサイワヒ  このこたゑ ひとのさいわひ    この応え      「他人の幸ひ  

 ワカマヨヒ マカリクルシム  わかまよひ まかりくるしむ    我が迷ひ      曲り苦しむ」
                                    <その妬み・羨みで>     →17文
 
 マタイワク タノシクオラハ  またいわく たのしくおらは    また曰く      「楽しく居らば?」
                                      <現に苦しまず>
 カスカマタ          かすかまた            カスガまた     <たとえ今はよくとも>
        ウイオシレルヤ        ういしれる              「結を知れるや  
                           (尊敬)              (始め終り)

 アメニウケ アメニカエルソ  あめうけ あめにかえるそ    陽陰に受け     陽陰に還るぞ」
                               人は魂と魄の結びに生を受け 終れば魂と魄に戻るのぞ
  
 カスカマタ キミニテモホシ  かすかまた きみにてもほし    カスガまた      「君にても欲し

 タミハナオ ススカノフミオ  たみなお すすかふみお    民はなお      "清かの文" を

 ミサルカヤ          さるかや            見ざるかや」
  
       ヲキナウナツキ        をきなうなつき              翁 頷き

 クシヒコカ イサメノススカ  くしひこか いさめすすか    クシヒコが     諌めの "清か"
                                                  10文

 イマトケリ クルシミハナニ  いまとけ くるしみなに    今 解けり      苦しみは何」
                                           その苦しみとは?
  
  
 カスカトク ムカシトヨケノ  かすかとく むかしとよけの    カスガ説く      「昔 トヨケの

 ミコトノリ ワレミヨオシル  みことのり われしる    御言宣       『我 三代を知る

 ハツノヨハ クニトコタチソ  はつは くにとこたちそ    初の代は      クニトコタチぞ

 アメニユキ ミルモトアケノ  あめゆき みるもとあけの    に逝き      周る元明の
                                     <ミヲヤを軸に>

 モリサタメ          もりさため            守 定め
  
       フタヨムスヒノ        ふたむすひ              二代 ムスビの
                                             (キノトコタチ)

 モヨロホキ ユキテタマノヲ  もよろほき ゆきたまのを    百万寿       逝きて霊の結
                                          天に還りて人に霊の結を

 ナスオキク          なすきく            和すを聞く
                                    (「執る」の意)
  
                                      (この時点で初めて人に霊の結を付けたようだ)

       イマタマキネモ        いまたまきねも              タマキネも
                                           今世の

 ヤヨロトシ ホシニムサホル  やよろとし ほしむさほる    八万歳       欲に貪る

 ココロナク ユキキノミチモ  こころなく ゆききのみちも    心無く        往き来の道も

 オホヱシル          おほゑしる            覚え知る
  
       メヲオムスヒテ        めをおむすひ              陰陽を結びて

 ヒトココロ ヨニカエルトキ  ひとこころ かえるとき    人心         世に還る時

 スクナレハ マタヨクウマレ  すくなれは またよくうまれ    直ぐなれば     また良く生まれ
                               その心を素直に保てば          <ども>

 ヨコホシハ アヱカエラヌソ  よこほしは あゑかえらそ    邪欲は       あえ還らぬぞ』」
                                邪欲に染まれば     陽陰の宮居に還れぬぞ
 
                               人は元 中子心派 日月なり 直ぐに罷れば 合ひ応え
                                陽陰の宮居に 還さんと 獣になるを 止むなり <ホ15>
  
 マタトワク ヒハヲニカエリ  またとわく にかえり    また問わく     「火は陽に還り

 ミツハメニ ヒトハヒトミニ  みつに ひとひとみに    水は陰に      人は人実に
                                     <還る>   人は人の本質に

 カエランカ          かえら            還らんか」
                                 還らぬのか
  
       イワクハクサヤ        いわくはくさ              曰く「や  

 オノコクサ ヰネアワナラス  おのこくさ ゐねあわなら    オノコ草      稲・栗 成らず
                                      <の側には>         <同様に>
 
 アヤカリテ ヒトモウマルル  あやかりて ひともうまるる    あやかりて     人も生まるる
                                 穢物に交わると

 ミチワスル タトエハタシム  みちわする たとえたしむ    道 忘る       例えば嗜む
                                行き来の道を忘れる

 カラシムシ ウオトリケモノ  からしむし うおとりけもの    枯らし虫      魚・鳥・獣
                                                <の道に>

 アイモトム          あいもとむ            合い求む」
                                       →15文
  
       テレハタカラハ        てれはたからは              「てれば財は

 ナンノタメ          なんため            何のため?」
  
       ホメハウマキニ        ほめはうまき              「褒衣・美味きに

 フケルユエ マレニウマルモ  ふけるゆえ まれうまるも    耽る故       稀に生まるも
                                         <人に>

 マツシクテ ヤツコトナリテ  まつしくて やつこなりて    貧しくて      奴となりて
                                <心>           やはり衣食の虜となり

 ミオシノキ ヒトタノシマス  しのき ひとたのしま    実を凌ぎ      人 楽しまず」
                                  心を蔑ろにし     人たるを楽しまず <また>
  
 カノホシオ ウラヤムヒトカ  かのほしお うらやむひとか    「右の欲を     羨む人が
                                  衣食に耽る欲を  羨む人の念がイソラとなって

 カムユエニ タマノヲミタレ  かむゆえに たまのをみたれ    咬む故に      霊の結 乱れ

 ツチカセノ チマタニシヰノ  つちかせの ちまたしゐの    旋風の       岐にの
                                取り巻くイソラの     交わりによる身の

 クルシミカ ケモノトナルソ  くるしみか けものなるそ    苦しみが      獣となるぞ
                                 苦しみが心を     獣に変じさせても

 カミウタス          かみうた            神打たず」
                                 神はこれに手を下さず
  
       タトエハユメノ        たとえゆめ              「例えば夢の
                                        <しかし>

 オソワレノ シノヒカタクテ  おそわれの しのひかたくて    魘われの      忍び難くて

 ワキマエス マカルノツミモ  わきまえ まかるつみも    弁えず       罷るの詰みも
                               夢と現実を区別せず        (結末)

 オソワレソ          おそわれそ            圧われぞ」
                                神に打たれるに同じ
  
       ヒトオマトワス        ひとまとわす              「他人を惑わす
                                          他人に羨み・妬みを起させる

 ワカホシモ ヒトハウタネト  わかほしも ひとはうたと    我が欲も      他人は打たねど

 タマノヲニ オホヱセメラレ  たまのをに おほゑせめられ    霊の結に      覚え責められ

 ナカキユメ          なかきゆめ            長き夢」
                               悪夢となって現れる
  
       アメノマツリオ        あめのまつり              「陽陰の纏りを
                                             (日月)

 タテオケヨ カハネノミヤニ  たておけよ かはねのみやに    奉ておけよ     屍の宮に
                                  尊重しろよ

 カンクラオ モフセハヲトケ  かんくらお もふせをとけ    神座を       設せば結解け
                              <日月の>

 ヒトナルソ          ひとなるそ            人なるぞ」
  
       マツリナケレハ        まつりなけれ              「纏りなければ

 アマメクミ モレテオツルソ  あまめくみ もれおつるそ    陽陰恵み       漏れて落つるぞ」
                                 (日月)    →15文
  
  
 コオモテヨ モシツマウマス  もてよ もしつまうま    「子を持てよ    もし妻生まず

 タネタエハ メカケメオキテ  たねたえは めかけめおきて    胤 絶えば      妾女置きて

 タネナセヨ          たねなせよ            胤なせよ」
  
       メカケトナレル        めかけなれる              「妾となれる
                                              (「なる」の連体形)

 メノツトメ ツマオウヤマエ  つとめ つまおうやまえ    女の務め      "妻を敬え"

 メカケメハ ホシニナソラフ  めかけめは ほしなそらふ    妾女は       星に擬ふ

 ホシヒカリ ツキニオヨハス  ほしひかり つきおよはす    星光        月に及ばず
                                           (妻)

 ウツクシモ ミヤニナイレソ  うつくしも みやいれ    美しも       宮にな入れそ」
  
  

 アマノハラ ツキナラフレハ  あまのはら つきならふれは    天の原      月並ぶれば
                                             (他動詞)

 クニミタル ツマトメカケト  くにみたる つまめかけと    地乱る        妻と妾と
                                 地を乱す

 ヤニイレハ イヱオミタルソ  いれは いゑおみたるそ    屋に入れば     家を乱るぞ」
  
  

 ツキハヨル ツマナウトミソ  つきよる つまうとみ    「月は夜霊     妻な疎みそ

 ウチヲサム          うちをさむ             内治む」
  
       メカケノコトハ        めかけのことは              「妾の言葉

 ナマツリソ コオウムモリハ  まつり うむもりは    な政りそ      子を生む守は

 ウマヌトキ スツルムラホシ  うまとき すつるむらほし    生まぬ時      棄つる群星

 ノリミタル          のりみたる            範乱る」
  
       インシアマカミ        いんしあまかみ              「往んし和尊

 ホシトナル コレハノリナス  ほしなる これはのりなす    星となる      これは範成す」
  
  

 メノスカタ ヨクテアルルモ  すかた よくあるるも    「女の姿      良くて粗るるも
                                          良くて情が粗れるよりも

 ミニクキニ ヨキミヤヒアリ  みにくきに よきみやひあり    醜きに       良きミヤビあり

 ヨソオヒニ ナフミマヨヒソ  よそおひに なふみまよひそ    装ひに       な踏み迷ひそ」
  
  

 イセノミチ アマノウキハシ  いせのみち あまのうきはし    妹背の道     陽陰のうきはし
                                  (女男の道)

 ヨクワタス カミノヲシヱノ  よくわたす かみをしゑの    よく渡す      の教えの
                                          (アマテル)

 イモヲセノ ミチノオオムネ  いもをせの みちおおむね    妹背の       道の大旨
                                 
 トホルコレナリ        とほるこれなり          通るこれなり」
  
  
 ツクハウシ ホシオサルニハ  つくはうし ほしさるには    ツクバ大人     「欲を去るには

 ミナステテ タノシミマツヤ  みなすてて たのしみまつや    みな捨てて      楽しみ全つや」
                                        それでも楽しんで人生を全うせよと?
  
  
 カスカマロ シカラストメテ  かすかまろ しからすとめて    カスガマロ     「然らず断めて

 タラサラハ ウエハホトコシ  たらさらは うえほとこし    足らざらば     飢えば施し
                                       <つまり>

 ウケンカヤ イワクキタナシ  うけかや いわくきたなし    受けんかや     曰く "汚し
                                    (ぬ)

 ホトコシオ ウケハホヰトソ  ほとこしお うけはほゐとそ    施しを       受けば汚人ぞ"

 キカサルヤ          きかさるや            聞かざるや」
  
       ナオカラサレハ        なおからされは              「直からざれば  

 ヒトナラス ヨニアリナカラ  ひとならす ありなから    人ならず      世にありながら

 ソノワサニ ウメルタカラオ  そのわさに うめるたからお    その業に      産める財を
                                       (「産む」の連体形)

 タタコヒテ クラフイヌコソ  たたこひて くらふいぬこそ    ただ乞ひて     競ぶ愚こそ

 アノツミヨ          あのつみよ            大の潰よ」
  
       マタトフタカラ        またとふたから              また問ふ「財

 サルコトハ          さることは            去る如は?」
  
       カスカマタトク        かすかまたとく              カスガまた説く

 ホシサルハ ステスアツメス  ほしさるは すてあつめ    「欲去るは       棄てず集めず

 ワサオシレ タカラアツメテ  わさしれ たからあつめて    技を知れ      財 集めて

 クラニミツ チリヤアクタノ  くらみつ ちりあくたの    蔵に満つ      塵や芥の

 コトクナリ          ことくなり            如くなり」
  
       ココロスナオノ        こころすなお              「心 素直の  

 ヒトアラハ ワカコノコトク  ひとあらは わかこのことく    人あらば       我が子の如く

 トリタテテ ミナタストキハ  とりたてて みなたすときは    取り立てて     充な足す時は

 ホシモナシ          ほしなし            欲も無し」
  
       チリトアツメテ        ちりあつめ              「塵と集めて

 ヨニセマリ ウラヤムモノカ  せまり うらやむものか    余に迫り      羨むモノが
                                  余人を圧し    羨みの念がイソラとなって

 カムユエニ タマノヲミタレ  かむゆえに たまのをみたれ    咬む故に      霊の結 乱れ

 ミヤナクテ スヱマモラヌオ  みやなくて すゑまもらお    みやなくて     末 守らぬを
                                  やむなくて   人に生まれる来世を守らぬを

 タマカエシ ナセハヲトケテ  たまかえし なせをとけて    霊還し       なせば結解けて

 ミヤニイル ナサネハナカク  みやいる なさなかく    宮に入る      なさねば永く
                                陽陰の宮居に入る

 クルシムソ          くるしむそ            苦しむぞ」
  
  
       トキニシホカマ        ときしほかま              時にシホカマ

 コナキトテ トエハカスカノ  こなきとて とえかすかの    子無きとて     問えばカスガの

 ヲシヱニハ          をしゑには            教えには
  
       アユキワスキノ        あゆきわすき              「天ユキ地スキの

 マツリヌシ タノミテソレノ  まつりぬし たのみそれの    祭主        頼みてそれの
                                   <に>            生れ来るべき霊の

 タマカエシ ナサハクルシム  たまかえし なさくるしむ    霊還し       なさば苦しむ

 タマノヲモ トケテムネカミ  たまのをも とけむねかみ    霊の結も      解けてムネカミ
                                               魂は陽元へ

 ミナモトエ タマシヰワケテ  みなもとえ たましゐわけて    ミナモトへ     魂・魄 分けて
                                  魄は陰元へ

 カミトナル タフトキヒトノ  かみとなる たふときひとの    となる      尊き人の
                                        <されば>

 コトウマル ナレトユキスキ  うまる なれゆきすき    子と生まる     なれど活き優き

 タマユラソ          たまゆらそ            たまゆらぞ」
  
       スヱオヲモヒテ        すゑをもひ              「末を重ひて

 ムツマシク ワサオツトムル  むつましく わさつとむる    睦まじく      業を務むる
                                曲りなく直ぐに

 イセノミチカナ        いせのみちかな          妹背の道かな」
                                 清かの道
  
  
 コノミチオ マナフトコロハ  このみちお まなふところは    この道を      学ぶ所は

 カンカセノ イセノクニナリ  かんかせの いせのくになり    神形の       妹背の国なり
                                 神の現れの       (和の国)
  

 チチヒメモ ノチニハイセノ  ちちひめも のちにはいせの    チチ姫も      後には妹背の

 ヲンカミニ ツカヱススカノ  をんかみに つかゑすすかの    御神に       仕え 清かの
                                (アマテル)

 ミチオヱテ イセトアワチノ  みちて いせあわちの    を得て      イセアワ州の
                                            伊勢と近江の

 ナカノホラ          なかほら            中の洞
                                  鈴鹿峠の洞
  
       ススカノカミト        すすかのかみと              清かの神と
                                            (チチ姫)

 ハコネカミ ムカフイモヲセ  はこねかみ むかふいもをせ    ハコネ神      向ふ妹背
                                 (オシホミミ)

 
 ホシオサル ススカノヲシヱ  ほしさる すすかをしゑ    欲を去る      清かの教え

 ヲヲイナルカナ        ををいなるかな          大いなるかな

  

  

 最終更新:2016/06/22

  

 リンク先の説明文中
 ★印のついたものは他の文献・サイトからの引用。
 ■印のついたものは筆者の個人的な意見です。

  

  

 【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
 【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
 【ホツマツタエのおもしろ記事】