【し・(如・然)】「しく(如く)・しかる(然る)」からの転。
・「き」の連体形。動詞の連用形に接続して「〜する如く」の意を表す。
・また形容詞の活用語尾「し」となる。
『いにしえの あめつちうひの きはなきに きさしわかるる あうのめを』ホ2 『わかひこか むねにあたりて うせにしお かえしやおそる もとおりや』ホ10 『いんしあまかみ ほしとなる これはのりなす』ホ13 『よのとりけもの いましめと あまねくふれし』ホ15 『わかみみも けかるるあかお みそきせし なからふみちお よろこへは』ホ15 『そのきみの こころあおきは あおにめて きなるははなの きおめてし』ホ16 『あわうたお よみておのころ よろものお うみしはむかし』ホ18 『ひかしらは ひたかみよりそ をさまりし そのやすくにの ちゐもむら』ホ23 『さきにみくさの たからもの みこおしひとに たまひしは』ホ24 『むかしくしひこ いさめしお あさけるけかれ みそきなす』ホ24 『みやあいて とえはやまくい これむかし きみかちおかり とられしお』ホ25 『おきつとり かもつくしまに わかいねし いもはわすらし よのことことも』ホ26 『みつからしるし このふみお やしろにおくは ゐつこのためか』ホ28 『むかしきさきお おかせしも をやこのなさけ うちにすむ』ホ31 『はらみのやまの よきくさも ゐもとせまえに やけうせし』ホ32 『たけひてる むかしささけし かんたから いつもにあるお みまくほし』ホ34 『のちのさかえお おもわんや たやすくたすと うらみしか』ホ34 『あらみたま やよろほまちし かんたから あまつひつきの さかほこき』ホ36 『これゑんと はるかにゆきし とこよとは かみのかくれの およひなき』ホ37 『やすみせし おとめのみめに ましわれは たつさえいるる はなむしろ』ホ38 『あめみまこ そめしひみつの をんはらひ ひみつのさわり はらふへし』ホ39 『ことことく まつろふときそ うたはくに ちからはあたひ たまわりし』ホ39 『うすゐのさかに やまとたけ わかれしひめお おもひつつ』ホ39 『さねさねし さかむのおのに もゆるひの ほなかにたちて とひしきみはも』ホ39 『ときおくつるき まつのねに おきわすれしか なからえり かれにあけうた』ホ40 『むかしくまそか そむきしも またあけまきに むけえたり』ホ40 『まてにはへりて たすけしに ほつまおうたす ひとなきお』ホ40 『あいちたの おとめかとこに わかおきし いせのつるきの たちわかるやわ』ホ40 『おこそかに ことひきはらの みささきに おちしおはよつ』ホ40 『こうすかむけし くにめくり なさんといせに みゆきなり』ホ40 『かもとなつけし ことのはお ついてにかやふ そのかたち』ミ10 『そのときひるこ またとけす むかしふたかみ うみませし』ミ10 『おほふうれしさ またあらし たかえあわせし ゑみすかほ』ミ逸 『へのつるの すすにうるほす をうなむち みやもふくしも つくみしのはな』フへつる 『すのちりの すられのみつの ことふきに なておさまりし すちりかみなり』フすちり |
【し】「しむ」の短縮。 使役の助動詞「す」の命令形「せ」の変態。
『おけはいかりて ひたしせす うちにつくれは とよひめに ひたしまつらし』ホ7 |
【じ】否定の推量/意志の助動詞。〜しないだろう。〜すまい・させまい。〜するべからず。=まじ
『いそのはの まさこはよみて つくるとも ほつまのみちは いくよつきせし』ホ序 『かせはけしくて なみたつお うちかえさしと まわりうたよむ』ホ1 『わかひめの うたもみやひお かえさしと もふせはきみの みことのり』ホ1 『ふたかみおそれ わかみやに むへそたてしと あめにあけ』ホ4 『おととのくるは さはあらし くにうはふらん』ホ7 『このところ ほかえはゆかし そむかしと いえはたすけて たちかえり』ホ10 『いまわれさらは たれかまた あえてなれなん ものあらし』ホ10 『あまてるかみも わすれしと いとふそよすち よりあはせ』ホ16 『つねにまもりて とりおかふ たみのからかれ あらしなと』ホ21 『きるへきとかは きりつくす おもいのこらし』ホ23 『みのほとも わすれてついに つるきうく うけさせしとて みのかきよ』ホ23 『おきつとり かもつくしまに わかいねし いもはわすらし よのことことも』ホ26 『ときにあまきみ われおもふ そみすすをいて たねあらし』ホ27 『すそのやつうみ みつうまり やくれとなかは かわらしと みつくりのうた』ホ32 『いゆきたかひて うかかわく しらしとみまき いりひこあわや』ホ33 『たまもしつ いつもまつらは まくさまし』ホ34 『しかのちは ひるおかみぬり さかいきに あたらしものと かたりたまひき』ホ39 『めはたをはらに あたらしと すつおかなさき おもえらく』ミ1 『たらちねかみわ おそれまし あわのみやにわ そたてしと』ミ逸 『おほふうれしさ またあらし たかえあわせし ゑみすかほ』ミ逸 『もやまとの みちはつきせし ありそうみの はまのまさこは よみつくすとも』フもやま 『をのはらは みちもつるきも かけさしと もとめさいわう をはらさしかみ』フをはら |
【為・仕】「す(為)」の名詞化。〜をすること。〜に仕えること。〜を担うこと。
『そさのをしわさ あちきなく なしろしきまき あおはなち』ホ7 『やほさみと うよかたかはし むらいくひ うまささつくり みわかみに』ホ33 |
【為・仕・師】同上。 〜をする器具/者。〜に仕える者。〜を担う者。
『かわかりきさりもち にわとりはきし すすめいゐ はとはものまさ』ホ10 『しゐのねは むらとこころは ふくしゆふ よくらよこしや』ホ17 『やほうよか たかはしいくひ みきつくり みわおおかみに たてまつる』ホ33 『このときに しとりへたてへ おほあなし ゆみやはつかし たまへかみ』ホ37 『たちはなひめと ほつみてし さくらねましお さきにやり』ホ39 『ここにひるこは ゐものしに かなあやゐさせ あまねくに』ミ10 |
【為・知・領・司・士】同上。 束ねる者。統べる者。治める者。 =うし(大人)・ぬし(主)
『おとうかしきて しきたける かたきあかしも みなこはむ』ホ29 『おとうけし たけたあかたし くろはやは しきのあかたし』ホ30 |
【使・如】匹敵する者。代理者。使い。 =しか(如・使)
『かしはてによる うさこひめ たねこかつまと ちちにとひ つくしのをしと』ホ29 |
【垂・萎・衰・下・沈・死・賤・霜】負の方向に離れるさま。しもつき(霜月)。
『しのたまやまに したたりか なかれうみなる』ホ18 『しにぬうは もまわりそなう をんまつり さゆりのゑなの かみそうみける』フしぬう 『しのゆんは あらやうふやの おそわれも ひきめかふらの しゆんなすなり』フしゆん 『しのゐさは つまのもかりお みくまのの かみのゐさめの あしそひきける』フしゐさ |
【枝・支】同上。 分れ。散り。派生。分割したものの一。
『いまわかみ いきすひととき よそしほと たらぬやまふの かなしさや』ホ16 |
【州・支・枝・方・時】同上。 方。区分。区画。 =しま(州)・しめ(締)・しゐ(州)・す(州)
『きのとこたちや そのみこは あめかかみかみ つくしたす』ホ2 『いましもちひて しらせとて ととほこたまふ』ホ2 『いつしかひめも はらむよし あめにつくれは みことのり』ホ16 |
【繁・聳・茂・優・幸・茅・葦】正の方向に離れるさま。
『うつみやは おおつしのみや いまつくり これたまわりて うつります』ホ25 『しのはらは ははとはらめる やのつほね うちめはなかの くらいなり』ホ27 『しのはらは かみのふしみの たまくしお あみのめくみの みやこたつなり』フしはら 『しのきにの とほこにみつの あらそひも あにかおろかに きもやつむらん』フしきに 『しのちりの そしりもうそと おもひくさ ものぬしならて ものやちるらん』フしちり 『しのむくは かめもひつきも ちよにめの かかやくはなの ころやむくらん』フしむく 『しのねせは むしはむははか はやかれか みつやうらみて しねせあむらん』フしねせ 『しのそのは つきのこまひく まめやかも ゐもかめくみの かてやあつらん』フしその 『しのつるは つかえつくして ついたちの つきみつころの ふゆにあうなり』フしつる |
【精】同上。ししなみ(精波)の略。
『ひるはにうえに ひたのほり よるはしうえに みきくたり』ホ16 |
【霊・精・血・乳】同上。物質に宿っている状態のエネルギー。=ち(霊)
『めはあにむかひ ましわりの かねのにしなき とわたなす』ホ16 |
【父】同上。 陽。 =しし
『しのおれは めくみあらわし かのおれは めかおつくして あのくたらなり』フしおれ |
【風】同上。煽るもの。栄すもの。「しぬ(繁ぬ)」から。
『はつきはしめは ふためさく あらしくさふす』ミ9 『ねのつきつゆも しもはしら こからしふけは きはみおち』ミ9 |
【直・清・澄・信・近・親】添う(沿う)さま。直ぐなさま。
●
反り・曲りなきさま。素直。一途。信じて疑わないさま。信仰。
『しのやまは たおうけもちの やつみみも かせうほつみも ちからもるなり』フしやま 『しのこけの はとのまはけて のとやとつ ゆひねつのふむ あみりたおしれ』フしこけ |
●(曲・穢を)直すさま。 直ぐにするさま。直し。
『しのゆんは あらやうふやの おそわれも ひきめかふらの しゆんなすなり』フしゆん |
● 親密。縁。親族。
『しおえては をきなかあみに けゐのかみ あにしらひけも ちゑてやわなり』フしえて 『しのよろの もすみはそろの ひとめくり まなそろあみて よろのかんくら』フしよろ |
【直・清・濯】同上。直ぐなさま。曲り濁りの無いさま。純粋。 しむ(澄む)より。
『すかははきかね ししろかね うひにあかかね はくろかね』ホ15 『みつうくうつほ ほなるうお しはうろこよし ほはくさし』ホ15 『みつはめのかみ あらはれは ゐてのしみつお いさきよく』ホ22 |
11/03/30
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