【故】
然れば。ですから。なので。
『たれおまことと なしかたし かれにひとつお あけしるす』ホ序 『かれをはとのそ めはまえと やもつつきまて』ホ2 『かれにはらみお おおひやま とよけかかゑて わかひとと いみなおささく』ホ3 『やますみか ささみきすすむ かれをかみ とこみきしるや』ホ4 『かれうひるきの みことなり きねはめをとの をのきみそ』ホ4 『かれおおやまと ひたかみの やすくにのみや』ホ6 『かれのんてんも あにきかす ひつきとわれは あわもてらすさ』ホ8 『かれこのうたお さつさつの こゑとたのしむ』ホ12 『かれもろはねお よりたたし をつるおたてに めおよこに』ホ16 『そのぬしは かれにとひつめ ここさとし またうらとえは ついかたる』ホ17 『きはさかしまに かしらした かれむねおもて やねとなす』ホ21 『なんちしれ こわおにわとす かれにわや しらてけかるや』ホ21 『あめのかみ つきなくまつり つきんとす かれいさなきに のたまふは』ホ23 『ちからおほとし ささくれは やものにきわひ たからてる かれにたからそ』ホ23 『かれかおこりお たやすくに ゆるせはたみも みなおこる』ホ23 『ひといはかわる おこりかち へりにはかたく かれはたの をりのりさたむ』ホ23 『たみやすからす かれつねに たみのゐやすき ゆふおきる』ホ23 『おおものぬしは はたのぬし かれさかおよむ』ホ23 『をさめくらねは はたおれす かれおさむるは はたのみちかな』ホ23 『きはきのかれて おもひなし かれにつるきと なつくなり』ホ23 『かれにきもけし みやひかえ やはりあしつと のたまえは』ホ24 『かれしらひけの すせりもて たみよみかえる まもりとて』ホ24 『このあきみつほ ちからなす かれやまはとの みはとなす』ホ24 『かれによのうち むつましき ゑとおなつけて はらからと いふもとおりそ』ホ24 『てれはゆきみて たおまさん かれむめひとお をきみとす』ホ25 『へてもあそくに またこえす かれみやつくり うつります』ホ25 『かれこれおほし みやすてて うとにいたれは はてかみの』ホ25 『しからすそ つほねはあれと こおうます かれにすておき』ホ25 『きさきはらみて つきのそむ かれにあとより かもおして きたつにゆかん』ホ26 『かれまつはらに うふやふく むねあわぬまに かもつきて』ホ26 『かれなからえて そよすすの よわひうかわの みやほめて』ホ26 『みほつにとえは うたなせと かれうたよみて みほつめか』ホ26 『かれにつみはお ことしろと あすかのみやに はへらしむ』ホ27 『ははにこわれて をしかすつ かれにつくしの みゆきこふ』ホ27 『かれちゑのとし たねうゑて あくれははゆる まさかきお』ホ28 『かれたまきねの かつらきの やまにいのれは あめみをや』ホ28 『かれかすか おくりてのちは つとめおり みかさやしろの たまかえし』ホ28 『かれにはらみの みこふれて ほつまひたかみ かてふねお のほさぬゆえに』ホ28 『はらのをきみは かてととむ かれになかすね ふねととむ』ホ29 『かれにみちをみ さかすれは あたなすことお おたけひて』ホ29 『かれにかくやま はにとりて かえれはきみも よろこひて』ホ29 『またわさたまは わにひこそ かれおおなむち つきとなす』ホ31 『みあつくなれは にきはひて かれにほつみの まつりなす』ホ31 『いろきねの とこねつひこそ かれうちお おおすけとなす』ホ31 『かれあにをきみ うえなひて そのこおおやけ あわたおの』ホ31 『かれよみかえり みつほあつ よりてほつみの まつりなす』ホ31 『やさかうむ やさかいりひこ おおきねそ かれははおあく』ホ33 『ことのりに たしかたしかれ つとにおき つみかみにこふ』ホ33 『をとみかしまと たたねこと たまかえしのり まつらしむ かれにあかるき』ホ33 『あらひとのりお またむけす かれよもにをし つかはして のりをしえしむ』ホ33 『かれつのか めしてつかえは まめありて ゐとせにたまふ なはみまな』ホ34 『かれそろあつく たみゆたか いまわかよにも おこたらす かみまつらんと』ホ36 『なつきひめ かゐもてあにの こといのる かれいゐのみや』ホ36 『おほろけの ものならすかれ こにもゑす そのぬしおまつ』ホ36 『やもひとくさお いけめくむ かれかつをやき ちきのうち そくはうちみや』ホ36 『ちきはとおそく かれとみや うちあつくいつ たみのちち』ホ36 『かれこれゑんと みゆきして みのたかきたの たかよりの』ホ38 『かれすみよろし なおりかみ もろはのやしろ さらにたて』ホ38 『とみとあにとに さとさしむ しかれとこはむ かれころす』ホ38 『いわかとに しみつわきてる これささく かれになつくる みつしまそ』ホ38 『たけひのいわく かみのみこ なんちおめせと まつろはす かれにうつなり』ホ39 『ひのかみここに みちまなふ かれひたかみそ あめのみこ』ホ39 『それのきみ あすかおうちて くにおとる かみにたかえり かれなれす』ホ39 『まめもみさほも あらわせり かれそこもつす ものもつす つつきうたなり』ホ39 『かれおりとめの つすはたち おりはつのつす あひかなめ おりつめのつす』ホ39 『これおりかえに あひつあり かれうちとるお よしとなす』ホ39 『ときおくつるき まつのねに おきわすれしか なからえり かれにあけうた』ホ40 『かれみなつけん ききますや ゆるせはささく やまとたけ』ホ40 『わかたりひこと たけうちと うちにまいらす かれめして とえはもふさく』ホ40 『くるえとあらは うかかはん かれにみかきお まもりおる』ホ40 『ひとたひあひて よくにたる かれはめくろと そのさとお なつけたまわる』ホ40 『かれにいまとく よかのはた したえはういに みおをさむ』ミ1 『かれにわかきみ つきのみけ にかきはほなや』ミ1 『これおみて はしめてつくり かれささけ やよいみかもて ここのくみ』ミ2 『これおこよみの うりふつき かれこゑくにの きみとたたゑり』ミ4 『あめにかかりて このひとつ かれにとしたの あめのみや』ミ5 『うましあしかい ひこちかみ かれあめみこと わのみこと』ミ6 『くにたまくわし さこくしろ かれかみまつる はもたかま』ミ6 『ゑとのかみ とよりののとの ゆえおとふ かれにとよけの なめことそ』ミ7 『かれををなむち かなつきに ぬるておたきて もろかみに もちゐほとこし』ミ7 |
「かれ」は「しかれば(然れば)」の短縮。
「しかれば」は「しかる(然る・如くある)」+「ば」
類語:「されば(然れば)」「ゆえに(故に)」
【枯】【僕】
負の方向に離れるさま。「下がる・落ちる・勢いを失う・負ける・静まる・果てる・終わる」さま
『このたひは たかみむすひの とみかれお のそくかとての かしまたち』ホ10 『つねにまもりて とりおかふ たみのからかれ あらしなと』ホ21 『たみおみたらは そのつかさ あらためかえて かれおとく ゆえからふなる』ホ21 『しかれと まてのいきかれお しらすをしえん しかときけ』ホ23 『たのめおいれて ねるつるき いきみにちかく かれうとし』ホ23 『かのめおいれて ねるつるき かれみにちかく いきうとし』ホ23 『すせりくさにて かにはきて くさかれいゆる なもすせり』ホ24 『みかさやしろの たまかえし くにをさまれは かれもなし』ホ28 『かみかよの とほこのみちも ややさかふ かれおをさむる やまとたけ』ミ序 |
●死。
『しかるのち たかまにはかり そさのをの とかはちくらの みきたかれ』ホ7 『たみのかて けししゆるせは こゑつのり みなはやかれす』ホ9 『かれおなけきて みちさつく おもえいのちは みのたから ことわさもせな』ホ15 『ときこぬかれは くるしみて たまのをみたれ あにあえす』ホ15 『おれかれの をとくまつりお はしつかに なせはかかやく のりのいち』ホ34 『さきのおひかれ よからねは このおこなひは いかにせん』ホ37 |
●故人。
『かくきみか はなたちはなは かれかつま おしやまやりて よはしむる』ホ37 |
●罪人。
『つみあるものお かれといふ なきはいきなり』ホ23 『はたれうち やたみをさむる いきおひも かれはからして いきおゑる』ホ23 |
『きつおむけ ことなれはみお ほろほせる かれらやすます ひもなきと』ホ40 |
「かる(枯る)」の名詞化。
ここでは「E:
負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。
変態:「こり(懲り・転)」「くれ(暮)」「くら(暗)」「くろ(黒)」「くま(隈)」「くも(雲)」
類語:「おゑ(汚穢)」「やみ(闇)」「よみ(黄泉)」「とか(咎)」「つみ(罪)」「さか(逆)」「やつかれ(僕)」「やつこ(奴)」
派生語:「はやかれ(早枯)」「とみかれ(臣枯れ)」「かれき(枯疫)」
【(過・右)・彼・故】
1.先のもの。過ぎ去りしもの。過去のもの。右のもの。 故人。
『かくきみか はなたちはなは かれかつま おしやまやりて よはしむる』ホ37 『たけひのいわく うたのこと またとふかれは あわならす なにのうたそや』ホ39 『かれむかし たかみむすひの やそきねと ちゐものこらに をしえには』ミ4 |
2.(「かれに」の形で) 既に。とっくに。
『あるしとふ さくすすはたち のひいかん かれにうせたり これもあめ』ホ28 |
「かる(上る・過る)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・先行する・熟れる・至る・過ぎる」などの意。
また「か(右・過)」+「れ(在)」
類語:「こ(故)」
【かれ】(形容詞活用語尾)
・・・かろう。
『ときにこやねは はやかれと おほものぬしも ととめける』ホ20 『あめつちの ひらくむろやの かみあれは ゑやはよわかれ ぬしはなかかれ』ホ21 『さわりなかれと もてあそふ さるたのかみの なにしあふ』ホ40 |
「から(形容詞未然形語尾)」+「ん(推量)」の短縮形。
11/02/23
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