いつ  イツ  itu
ゐつ  ヰツ  witu

  

【(合つ・埋つ・結つ・傅つ・斎つ)】
A: 合う/合わす。結ぶ。結う。溜まる/溜める。埋まる/埋める。平る/平らす。対する。かしずく。

『もろあかた ぬしらおほみけ ささけんと いつみめかやに そのつとえ』ホ38

変態:「あつ(当つ)」「うつ(打つ)」「なつ(撫づ)」「ひつ(漬づ)
派生語:「いと(糸)」「いた(板)」「いつも(出雲)」「いつみ(泉)」「いたく(抱く)」「いつな(飯綱)」「いつく(傅く)」「いたす(致す)」「いたむ(痛む)」「いたわる(労る)」「あいた(間)」「いと(井戸)」「いつわる(偽る)」「いち(市)」「いとむ(挑む)」「ついて(序で)

  
 

【出づ・逸つ・(放つ・射つ)】
B: 離れる/離す。分れる/分ける。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

『をきなのいわく ひのいつる かしらはひかし たけのほる』ホ1
『やちくらちきり ぬきんつる いつち』ホ4
『かみなりいてん ことおこひ くひめくるまに あくりこふ』ホ4
『ふそひすす ももふそゐゑた としきしゑ はつひほのほの いつるとき』ホ4
いつるわかひの かかやきて しらやまひめは うふゆなす』ホ4
『おのれはさらす ははよりそ ゐゑすていつる ひめもまま』ホ7
『ひとなるのりの みかかみお せおりつひめの もちいてて』ホ8
『たかのには はけものいてて いふきぬし みやおたつれは しつまるに』ホ8
『たけみかつちか すすみいて あにたたひとり ふつぬしか』ホ10
『わかくにお しのひしのひに おとさんや いてわかちから くらへんと』ホ10
『うほきみかとに いてむかふ をしかむしろに たちなから』ホ11
『ちちひめは たれよりいてて わかひこに いまきくすすか わかゐみな』ホ13
『かすかわかひこ たちいてて おかみつつしみ あるこころ もふせるうたに』ホ14
『ひひのしし しなきみいてて ちよみくさ たつぬとなけく』ホ15
『はゑいつる はなくきはしち をのはしめ をのこうむなり』ホ16
『うちよりいつる はふたゑは きみのたまもの ふたはあり』ホ16
『おふひのみなの きつをさね ゐくらのかみの なりいてて』ホ22
『うたかひに たひやおよはに たちいてて いせにかえます』ホ24
『あたたねならは ほろひんと ひおつけやけは あつかりて はひいてんとす』ホ24
『しはしはめせと とよたまは みつやおいてす あくるとし』ホ26
『かわあいの くにたまわりて たにおいて むろつにかめの むかいまつ』ホ26
『あるひまたいて みそきなす しらはのやきて のきにさす』ホ27
『みこたけひとと もりたねこ たかよりいてて にしのみや』ホ27
『みもろにいりて ときまつも みちおとろはは またいてて をこさんためや』ホ28
『いさかわに みそきのわぬけ みやにいつ みうえのとみは かみまつる』ホ31
『みやにいて まつりこときく とみわけて うきあなのかみ みあえなす』ホ31
『みこもはおさむ よそやのち わかみやにいて まつりこと』ホ31
『うまさけや みはみわのとの あさとにも いててゆかなん みわのとのとお』ホ33
『やまとなみはの ひめこその みやよりいてて とよくにの ひめこそみやに』ホ34
『おとすくしたに としこえて いてたつはつひ あけのはら』ホ36
『やつのうち いつしこかたな のこしおき そてにかくして はきいつるホ37
『かみのしらいぬ みちひきて みのにいつれは たけひこも』ホ39
『しいてしのきて おしあゆみ わつかいてゆく こころゑひ』ホ40
『ときにおもむろ なるいとり いつれはもろと みささきの みひつおみれは』ホ40
『めくみしらせん そのために いているきつお をしゆなり』ミ1
『おとめにと ななねにあたる くにいつね とめはみつねの あいぬなり』ミ10

 
変態:「あす(褪す)」「はす(派す・発す)」「ほつ(解つ)」「うす(失す)」「ます(申す)
派生語:「いた(板)」「いたす(出す)」「いつな(逸在)」「いとふ(厭う)」「いてむかふ(出迎ふ)」「はせいつ(生せ出つ)」「いとま(暇)」「いて(出・射手)」「いとけ(幼)」「いたつ(出立つ)」「いつわる(偽る)」「いてたつ(出で立つ)

 
 

【(揺つ・移つ)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。循環する/させる。送る。運ぶ。

変態:「いす(揺す)」「ゆす(揺す)」「うつ(運つ・移つ)」「おつ(復つ)」「もつ(戻つ)
派生語:「いとなむ(営む)

 
 

【(秀つ・熟つ・厳つ・逸つ・至つ・斎つ)】
D: 正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」

変態:「みつ(満つ)」「はす(馳す)」「ひつ(秀つ)」「ふつ(悉つ)」「ほつ(秀つ)
派生語:「いたる(至る)」「いたす(致す)」「いと(甚)」「いち(至・逸・一)」「いたく(頂)」「いたき(頂)」「いたたく(頂く)」「ひいつ(秀づ)」「いちこ(苺)

 
 

【凍つ・(退つ・低つ・卑つ・鄙つ)】
E: 負の方向に離れる/離す。「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」

変態:「はす(破す)」「ふす(臥す)」「へす(減す)
派生語:「いたむ(傷む)」「いたわる(労る)」「いたつき(労き・病)

  
 

【厳・逸・(功・勇)】
D: 正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま

  ●勢い。勇ましさ。元気。気迫。気概。憤慨。エネルギー。

『とよけみつから みそきして やちくらちきり ぬきんつる いつちホ4
『かたにわふんて けちらして いつのおたけに なしりとふ』ホ7
『あねとまみゑて のちゆかん はるかにくれは うたかわて いつかゑしませ』ホ7
『またみかつちは かしまたち いつおあらはす もののへの』ホ10
『ややいつおそれ やすからす あまてるかみは かさぬひに』ホ33
『ちきはとおそく かれとみや うちあつくいつ たみのちち』ホ36
『かもといせとは みをやなり すてにやふれて いつほそし』ホ37
『ふかくはかりて いつにふせ めくみになつけ ほつまなし』ホ39
『あめのめくみと いつにより あらふるかみも まつろえは』ホ40

  ●素晴らしさ。優秀。高級。精巧。功績。

『いまににきねの さきみたま くにとこたちの わさみたま あらはるいつと』ホ序
『いますへらきの あまきみは みなににきねの いつによる』ホ序
『またいつのりは はせるとき しとなめくらお しきおひて はるひゆるめす』ホ191
いつとゆる かけこゑめをの あいたあり このほとらいの まおしれは』
ホ191
『なるるも としなかは はせいつかけも なかなれや』ホ192
『たとへなるかみ くにゆるも いつわさなして しつむへし』ホ22
『これとこたちの さらのゐつ わけいかつちの あまきみと をしてたまわる』ホ24
いつへおつくり にふかわの うたにうつせる あさひはら』ホ29
『ををんかみ ほめてみまこは あまかみの あらはるいつと』ホ30
わかきみの いつおやまとに たてんとす われきみのため たつとなりホ39

  ●乗馬法「厳乗り」の略。

『ちみちいつあれ のりのりお またくゑるそと さつけます』ホ191
『たけもののへら あれいつの のりゆみわさに よこしまお のそけは』ホ191
『あれいつの わさはゑかたき ももちたひ ととのへねりて これおうる』ホ192

  ●ゐつかみ(逸尊) 厳乗りを習得した「をはしり」と「ににきね」が賜った名。

『もののへお めくみたまひて をはしりに いつのなたまふ』ホ191
『わさゑたまへは みことのり ゐつのをしてお たまひけり』ホ192
いつをはしりと たかひこね ふたあれかみと きさらしゑ』ホ192
『またむよろとし ふたあれの ゐつのかみとて むよろとし』ホ21

 
「いつ(出つ・逸つ/至つ)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。

変態:「いさ(功・勲・勇)」「いち(意地)」

  
 

【(至・甚・斎・頂)・逸・伊豆】
D: 正の方向に離れるさま。 大いなるさま。至高。頂上。卓絶。

『さるたして たけのいわくら おしはなち いつのちわきの よろいさき』ホ24
『あさのまに なかみねなせは かみのなも ゐつあさまみねホ24
『ついにほる ゐつをはしりの ほらあなに みつからいりて はこねかみ』ホ24

  ●ゐつかみ(逸尊)の略。「ににきね」を指す。

『むそよろとしの よおしりて いかつちわくる いつのかみホ序
『へてまたもとの にはりみや ゐつををかみの ことおおいかな』ホ21
いつのかもふね いせにつけ めくりこえとも ををんかみ』ホ24
『さるたして たけのいわくら おしはなち いつのちわきの よろいさき』ホ24
いつあさまみこ やますみの よかみうつして やすかわら』ホ32

  ●<地名> 伊豆。甚しい突出。 =みほ

『つくもより いつのみさきに ほおあけて おきはしるめは』ホ20
『おおやますみは ゐつさきの かりやにむかえ みあえなす』ホ24

 
「いつ(出つ・逸つ/至つ)」の名詞化。
「いつ(厳・稜威)」と同じく、正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に「離れる」の意だが、ここでは「至る・達する・満ちる・超える」などの意味合いが強い。
この意味の場合には「い」の代わりに特に「ゐ」を使っていると思われる箇所がある。

変態:「いた(甚・至・頂)」「いち(一)」「うつ(全)」「ひた(直)」「ふつ(悉)」「ふと(太)
独り言:「いたい(偉大)」

  
 

【何】
1.分割したものの一つ。不特定多数の一つ。区分。方向。
2.1の特定を促す語。

『ときにしほかみ またとはく いつれもみきの ことくかや』ホ12
いつしかひめも はらむよし あめにつくれは みことのり』ホ16
『いきすひたちと なるおひの わさにいきすは いつこえか』ホ16
『むかしみたれす おこらぬお あらこおきては いつくんそ きみゑみいわく』ホ23
『ふそゐはる いつもはつそひ あかためし みなものたまひ みことのり』ホ32
いつかおよはん たとえとみ いたわるとても むけさらん』ホ39
『こひねかわくは いつのひか みことかえさん のにふして たれとかたらん』ホ40

 
「いつ(出つ・逸つ)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる・分れる・区切る」などの意。

変態:「なに(何)」「あに(豈)
類語:「いか(如何)

 
 

【五】

ゐつよのかみは おおとのち おおとまえなり』ホ2
『たかみむすひの ゐつよかみ いみなたまきね とようけの』ホ2
『ふたかみの ひひめみをうむ とのゐつつ とえはかなさき こたふるに』ホ3
『をさむゐつよの みむすひの ゐみなたまきね もとあけお うつす』ホ4
『たかみむすひの ゐつよきみ ひことにのほる あまつみや』ホ4
『うつほかせほと みつはにの ゐつましわりて ひととなる』ホ14
『ちしるにられて ゐついろの はにもてつくる もりのかみ』ホ14
『うつほかせほと みつはにの ゐつましわりて ひととなる のちはいもをせ とつきうむ』ホ16
『ちみちのあふみ かなつくり かけはをさしの つりなわも ゐつきみしかく』ホ192
『ちみちには はるひゆるくて ゐつゆひの とふるほとよし』ホ192
『はつきもち さつきゐつかの ことほきの のりにかけたは あやしあり』ホ192
『いくたまは たかきのゐつこ さのひこね ひこなのこなり』ホ20
『みこはやふさの いてくるま ふそゐのはとお ゐつともの まもるみやつこ』ホ20
『おおものぬしは ゐつくみの ものへふそゐお ひきそふて』ホ20
『なかゐつか もりおはなれて あそひゆけ このまゐつかに やつくりすホ21
『よつのなは みつはめのかみ ゐつのなは はにやすのかみ』ホ22
『もりにゐいろの くもおこる いつもちもりと なつくなり』ホ27
『たねこはみこの おおんもり みこたけひとは としゐつつ』ホ27
『ををんみき たまひたまもの ゐついろの かつみねにしき あやももは』ホ35
ゐつはたたこと むつはつれ ななはつきつめ やつはつき』ホ39
『このゐつつ ましわりなれる かんひとは あうわあらわる みなかぬし』ミ6
『ういのゐつねは みとてあし とめのみつねは あめつちと』ミ10
ゐつね ましわりて ひとのいきすと なりてより ゐつななわけて よそやすち』ミ10

 
「ゐつ」の名詞化。

  

10/03/19

  

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