※29文〜40文は、地名については原義と異なると思われる場合でも、現在一般に使用されている漢字で表記しています。

  

 【原文カタカナ訳】      【語義考察】           【漢字読み下し】
 アマキミミヤコトリノアヤ   あまきみみやことりあや     天君 都鳥の文
  
 アマキミノ モトハミマコノ  あまきみの もとみまこの    天君の       基は御孫の
                                            (ニニキネ)

 イカツチオ ワケテヲサムル  いかつちお わけをさむる    雷を        別けて治むる

 ヲヲンカミ ホメテミマコハ  ををんかみ ほめてみまこは    大御神       褒めて御孫は
                                 (アマテル)

 アマカミノ アラハルイツト  あまかみの あらはるいつと    天神の       現る稜威と

 タマフナハ ワケイカツチノ  たまふは わけいかつちの    賜ふ名は      "ワケイカツチの

 アマキミト ミクサモワケテ  あまきみと みくさわけて    天君" と      三種も分けて

 アメミマコ ヒタリカスカト  あめみまこ ひたりかすかと    陽陰御孫      左カスガと
                                          (左の臣)

 ミキコモリ サツケテヨヨニ  みきこもり さつけよよに    右コモリ       授けて代々に
                                (右の臣)

 コレオツク          これつく            これを継ぐ     
  
       ミヲヤツクシニ        みをやつくしに              御祖 筑紫に
                                          (御祖天君)

 クタルトキ ヲシテハモチテ  くたるとき をしてもちて    下る時       は持ちて
                                          (白矢の璽)

 ミカカミハ ヒタリオシクモ  みかかみは ひたりおしくも    御鏡は       左オシクモ
                                ヤタ鏡

 ヤヱカキハ クシミカタマニ  やゑかきは くしみかたまに    八重垣は      クシミカタマに

 サツケオキ ミヲヤツクシニ  さつけおき みをやつくしに    授け置き      御祖 筑紫に

 ヒタルトキ カミノヲシテハ  ひたるとき かみのをしては    ひたる時      尊の璽は

 タケヒトニ ハハタマヨリモ  たけひとに ははたまよりも    タケヒトに     母タマヨリも

 カミトナル カカミハカアヒ  かみとなる かかみかあひ    神となる      鏡は河合

 ヤヱカキハ ワケツチミヤニ  やゑかきは わけつちみやに    八重垣は      ワケツチ宮に

 アツケオク          あつけおく            預け置く
  
       ナカスネヒコハ        なかすねひこは              ナガスネヒコは

 ヤマサキニ カワフネコハム  やまさきに かわふねこはむ    山崎に       川船拒む

 モノヌシカ ウタントスレハ  ものぬしか うたすれは    モノヌシが     討たんとすれば
                                (クシミカタマ)

 ヰツセミコ オソレタカヨリ  ゐつせみこ おそれたかより    ヰツセ御子     恐れ多賀より

 ユクツクシ クシミカタマハ  ゆくつくし くしみかたまは    行く筑紫      クシミカタマは

 オシクモト ナカスネウテハ  おしくもと なかすねうては    オシクモと     ナガスネ撃てば

 ニケユクオ オヒテカワチニ  にけゆくお おひかわちに    逃げ行くを     追ひて河内に

 トトマリテ タケチノコリト  ととまりて たけちのこりと    留まりて      タケチノコリと

 アウヱモロ ヤマトノソフニ  あうゑもろ やまとそふに    アウヱモロ     大和層富に
                                      <をして>

 フセカシム          ふせかしむ            防がしむ
  
       モノヌシカエリ        ものぬしかえり              モノヌシ帰り
                                           モノヌシは多賀へ戻り

 オシクモハ カワチニユキテ  おしくもは かわちにゆきて    オシクモは     河内に行きて

 オシホヨリ カスカオマネキ  おしほより かすかまねき    小塩より      カスガを招き

 ヒラオカノ ヤシロマツリテ  ひらおかの やしろまつりて    枚岡の       社 纏りて
                                            <に>

 カミトナル ツクシノタネコ  かみとなる つくしたねこ    神となる      筑紫のタネコ

 モオヲサメ ヨカミマツリテ  をさめ よかみまつりて    喪を治め      四神祭りて

 アウヱモロ カワチオカネテ  あうゑもろ かわちかねて    アウヱモロ     河内を兼ねて
                                          <に層富と>

 ヲサメシム オオモノヌシハ  をさめしむ おおものぬしは    治めしむ      オオモノヌシは

 アワウミノ オオクニミヤオ  あわうみの おおくにみやお    アワ海の      央国宮を

 ツクリカエ コシネノクニモ  つくりかえ こしねのくにも    造り替え      越根の国も

 サホコミナ タミオヲサメテ  さほこみな たみをさめて    サホコみな      民を治めて

 シツカナリ          しつかなり            静かなり
  
       イマアマキミノ        いまあまきみの              今 天君の
                                 <本来の意味とは異なるが>

 クラヒナル ムカシハミウヱ  くらひなる むかしみうゑ    位 成る       昔は御上
                                 [比び]

 ワケサツク イマハナキユエ  わけさつく いまはなきゆえ    分け授く      今は無きゆえ
                              <三種を>

 ソノツカヒ ヨリテハカレハ  そのつかひ よりはかれは    その使ひ      寄りて議れば

 ミナイワク ヒノカミツカヒ  みないわく ひのかみつかひ    皆 曰く       「日の神使ひ
                                           (アマテル役)

 ミチヲミト ツキノツカヒハ  みちをみと つきのつかひは    ミチヲミと     月の使ひは
                                           (セオリツ姫役)

 アタネナリ ホシノツカヒハ  あたねなり ほしのつかひは    アタネなり     星の使ひは
                                           (アキツ姫役)

 アメトミト インヘタマワリ  あめとみと いんへたまわり    アメトミ」 と    斎瓮 賜わり

 ミソキナス          みそきなす            なす       
  
       トキニカシハラ        ときかしはら              時に橿原

 スヘラキノ ミヨアラタマノ  すへらきの みよあらたまの    皇の        御代新玉の

 トシサナト ハツヒサヤヱニ  としさなと はつひさやゑに    年サナト       初日サヤヱに
                                 (アスズ58年)

 ウマシマチ トクサタカラオ  うましまち とくさたからお    ウマシマチ     十種宝を

 タテマツル アメノタネコハ  たてまつる あめのたねこは    奉る        アメノタネコは

 カミノヨノ フルコトシルシ  かみのよの ふることしるし    上の代の      振言記し

 タテマツル ナナクサミソモ  たてまつる ななくさみそも    奉る        七草みそも

 トントホモ カミアリカユモ  とんとほも かみありかゆも    ドンド火も     神あり粥も

 オコナワレ サアヱヒツキト  おこなわ さあゑひつきと    行われ       サアヱ 日月と
                                            21日に日月となる
  
 アメトミハ ワケツチミヤノ  あめとみは わけつちみやの    アメトミは     ワケツチ宮の
                                  (星の使)

 ツルキモチ アタネハカカミ  つるきもち あたねかかみ    剣持ち        アタネは鏡
                                           (月の使)(河合宮の)

 モチノホル キミタカミクラ  もちのほる きみたかみくら    持ち上る      君 高御座

 シトネコヱ アマノタネコハ  しとね あまのたねこは    褥九重        アマノタネコは

 シトネミヱ クシミカタマハ  しとねゑ くしみかたまは    褥三重        クシミカタマは

 シトネフヱ ヒノヲミウタフ  しとねゑ ひのをみうたふ    褥二重        日の臣 歌ふ
                                         (=日の神使ひ)

 ミヤコトリ ミヱオリテキク  みやことり みゑおりきく    "都鳥"       三重下りて聞く
  
  
 アワオタス アマスヘラキノ  あわおたす あますへらきの    『陽陰を足す     和皇の
                               陽陰を束ねて日月なす

 モロハトミ カスカトコモリ  もろはとみ かすかこもり    両羽臣       カスガコモリ

 キミトミノ ココロヒトツニ  きみとみの こころひとつに    君・臣の       心一つに

 ミヤコトリ カタチハヤタミ  みやことり かたちやたみ    都鳥        形は八民

 クヒハキミ カカミトツルキ  くひきみ かかみつるき    頭は君       

 マテノハネ モノノヘハアシ  まてのはね もののへあし    左右の羽      モノノベは足
  
  

 カカミトミ ツキホロフレハ  かかみとみ つきほろふれは    鏡臣         尽き滅ぶれば

 タミハナレ ヒツキフマレス  たみはなれ ひつきふま    民 離れ       日月 踏まれず
                                         恵みの日月も世に留まらず

 ツルキトミ ツキホロフレハ  つるきとみ つきほろふれは    剣臣         尽き滅ぶれば

 モノフワレ ヨオウハハルル  ものふわれ うははるる    モノフ割れ      治を奪わるる
                                          (結・家)
  
  

 ヤタヲミハ ソロヲウハルノ  やたをみは そろをうはるの    ヤタ臣は      繁生ふ春の
                                 (=鏡臣)       繁栄の基である

 タミワサオ カンカミソ  たみわさお かんかみるそ    民業を       鑑みる目ぞ
                                              (マ:左)
 
 カキヲミハ ヨコマオカラシ  かきをみは よこまからし    垣臣は       汚曲を枯らし
                                (=剣臣)

 モノノフノ チカラモルソ  もののふの ちからもるそ    モノノフの     力守る手ぞ
                                             (テ:右)
  

 コノユエニ ミクサオワケテ  このゆえに みくさわけて    この故に      三種を分けて

 サツクルハ ナカクヒトツニ  さつくるは なかくひとつに    授くるは      永く一つに

 ナルヨシオ アヤニシルシテ  なるよしお あやしるして    和る由を      文に記して
                                         (御機の留文)

 ヲテツカラ フミオミマコニ  をてつから ふみみまこに    御手づから     文を御孫に

 サツケマス セヲリツヒメハ  さつけます せをりつひめは    授けます      セヲリツ姫は

 ミカカミオ モチテカスカニ  みかかみお もちかすかに    御鏡を       持ちてカスガに

 サツケマス ハヤアキツメハ  さつけます はやあきつめは    授けます      ハヤアキツ姫は

 ミツルキオ モチテコモリニ  つるきお もちてこもりに    御剣を       持ちてコモリに

 サツケマス ミタヒウヤマヒ  さつけます みたひうやまひ    授けます      三度敬ひ

 ミナウクル ヤマトヒツキノ  みなうくる やまとひつきの    皆 受くる      和日月の

 ミヤコトリカナ        みやことりかな          都取りかな』
  
  
 ヒノヲミハ シルシノミハコ  ひのをみは しるしのみはこ    日の臣は      璽の御筥
                                 (ミチヲミ)

 タテマツル アタネハカカミ  たてまつる あたねかかみ    奉る        アタネは鏡
                                           (月の臣)

 アメトミハ ヤヱカキモチテ  あめとみは やゑかきもちて    アメトミは     八重垣持ちて
                                  (星の臣)

 アメタネコ クシミカタマニ  あめたねこ くしみかたまに    アメタネコ     クシミカタマに

 サツクナリ キミトミモトノ  さつくなり きみとみもとの    授くなり      君・臣 もとの

 シトネシク トミモモツカサ  しとねしく とみももつかさ    褥 敷く       臣・百司

 コトホキシ ヨロトシウタフ  ことほき よろとしうたふ    寿し        万歳歌ふ
  
 ミカカミハ ヰソススヒメニ  みかかみは ゐそすすひめに    御鏡は       ヰソスズ姫に

 ヤヱカキハ アヒラツヒメニ  やゑかきは あひらつひめに    八重垣は      アヒラツ姫に

 ミシルシハ キミノミニソエ  みしるしは きみそえ    御璽は       君の身に添え

 ミクサトモ ウチツノミヤニ  みくさとも うちつのみやに    三種とも      内つの宮に

 ヲサメマス ハラミノタメシ  をさめます はらみのためし    納めます      ハラミの例

 ウチミヤト タタユモトナリ  うちみやと たたゆもとなり    内宮と       称ゆ基なり

 ミカサリオ タミニオカマセ  みかさりお たみおかま    御飾りを      民に拝ませ
  
  

 ネノツキニ アユキワスキノ  ねのつきに あゆきわすきの    十一月に      天ユキ地スキの

 ミヤツクリ モトアケアワノ  みやつくり もとあけあわの    宮 造り       元明陽陰の

 カミマツリ タネコクシタマ  かみまつり たねこくしたま    神祭         タネコ・クシタマ
                                 (大嘗会)           (クシミカタマ)

 マテニアリ ミケナヘマツリ  まてあり みけなへまつり    左右にあり     "神饌供え祭り
                                      <て>

 モフスヲミ ウマシモノヘト  もふすをみ うましものへと    申す臣"       ウマシ モノベと
                                             (クシマトイワマト役)

 トオマモル ミチヲミクメト  まもる みちをみくめと    門を守る      ミチヲミ クメと
                                           (イクシマ・タルシマ役)

 ミカキモリ カンノトコトハ  みかきもり かんのとことは    御垣守       上宣言は

 インヘトミ          いんへとみ            斎瓮臣
                                 (アメトミ)
  
      ツキハルソヒカ         つきはるそひ              次春十一日
                                          (アスズ59年1月11日)

 ミコトノリ オモエハマメハ  みことのり おもえまめは    御言宣       「思えば忠は

 ウマシマチ ヨヨモノヘツケ  うましまち よよものへつけ    ウマシマチ     代々モノベ継げ

 ミチヲミハ ノソミノママニ  みちをみは のそみままに    ミチヲミは     望みのままに

 ツキサカト クメノトコロオ  つきさかと くめのところお    築坂と       クメの所を

 タマフナリ ウツヒコカコト  たまふなり うつひここと    賜ふなり      ウツヒコが殊

 フネトハニ ヤマトクニツコ  ふねはに やまとくにつこ    船と埴       大和国造
                                   海路案内と香具山の埴

 オトウケシ タケタアカタシ  おとうけし たけたあかたし    弟ウケシ      猛田県司

 クロハヤハ シキノアカタシ  くろはやは しきのあかたし    クロハヤは     磯城の県司
                                  (弟シギ)      

 アメヒワケ イセノクニツコ  あめひわけ いせのくにつこ    アメヒワケ     伊勢の国造

 アタネカミ カモノアカタシ  あたねかみ かものあかたし    アタネ 上      賀茂の県司

 カツテマコ ツルキネカツキ  かつてまこ つるきねかつき    カツテ孫       ツルギネ 葛城

 クニツコソ ヤタカラスマコ  くにつこそ やたからすまこ    国造ぞ       ヤタカラス孫

 カトノヌシ          かとのぬし            葛野主
  
       ミホノサミタレ        さみたれ              三年の五月雨
                                           (アスズ60年)

 ヨソカフリ ヱヤミハヤリテ  よそふり ゑやみはやりて    四十日降り      疫病はやりて

 イネミモチ キミニツクレハ  いねみもち きみつくれは    稲みもち       君に告ぐれば

 アメタネコ クシミカタマト  あめたねこ くしみかたまと    アメタネコ     クシミカタマと
                                                  <共に>

 ヤスカワノ カリヤニイノリ  やすかわの かりやいのり    ヤスカワの     仮屋に祈り

 トキヱヤミ ナオルトイネノ  ときゑやみ なおるといねの    時 疫病       直ると稲の

 イタミサル          いたみさる            傷み更る
        ナオリノハラヒ        なおりのはらひ              直りの祓

 オコナエハ ヱヤミモナオリ  おこなえは ゑやみもなおり    行えば       疫病も直り

 イネナオル ユエミコトノリ  いねなおる ゆえみことのり    稲 直る       ゆえ御言宣
 ワニヒコカ ミヲヤクシヒコ  わにひこか みをやくしひこ    「ワニヒコが     御祖クシヒコ

 イサメイル ナオキニタマフ  いさめいる なおきたまふ    諌め入る      直きに賜ふ

 ヤマトカミ ミヨワノナオキ  やまとかみ みよわのなおき    ヤマト尊      三代還の直き
                                       (クシヒコ・コモリ・ワニヒコ)

 イサオシニ ナオリモノヌシ  いさおしに なおりものぬし    功に        "直りモノヌシ

 カミタマフ タネコモミヲヤ  かみたまふ たねこもみをや    尊" 賜ふ       タネコも御祖

 ワカヒコカ ナオキカカミノ  わかひこか なおきかかみの    ワカヒコが     直き明暗見の

 コトツケハ ナオリナカトミ  ことつけは なおりなかとみ    殊 継げば      "直り中臣
                                 (=功)

 カミタマフ トモニツクヘシ  かみたまふ ともにつくへし    尊" 賜ふ       ともに継ぐべし」
  
  
 ヨホキサラ ネウヱノキナヱ  きさら ねうゑきなゑ    四年二月      ネウヱのキナヱ
                                 (上鈴61年)     (1日がネウヱ) (2月23日)

 ミコトノリ ミヲヤノカミノ  みことのり みをやのかみの    御言宣       「御祖の神の
                                             (ニニキネ)

 ミヤコトリ ワカミオテラシ  みやことり わかみてらし    都鳥        我が身を照らし
                                (ここではカモ)

 アタムケテ ミナヲサムユエ  あたむけて みなをさむゆえ    仇平けて       穢 治むゆえ
 
 アメトミニ カモオウツサセ  あめとみに かもうつさ    アメトミに     賀茂を写させ
                                          (ワケツチ宮)

 ミヲヤカミ マツルハリハラ  みをやかみ まつるはりはら    御祖神       纏る榛原

 トリミヤマ アタネオカモノ  とりみやま あたねかもの    鳥見山       アタネを賀茂の

 タケスミノ マツリツカセテ  たけすみの まつりつかて    タケスミの     政 継がせて
                                    (河合=下賀茂の治め)

 クニツコソ          くにつこそ            国造ぞ」
                                 (山背)
  
        ムツキソヒカハ         むつきそひ                一月十一日は  

 アカタメシ ミキオタマハル  あかためし みきたまはる     召し        御酒を賜はる
                                 (県召除目)

 ハシメナルカナ        はしめなるかな          初めなるかな

  

  

  

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