なし  ナシ  nasi

  

【無し】
B: 離れる如 し。退きたる如し。空きたる如し。

『よにあらわせる そのふみは ほつまつたゑに まさるなしホ序
『みけかさなれは よわひなしホ1
『これかえさんと かえらねは ことのはな くてホ1
『おもえらく はしかけなくて  むすふやは 』ホ1
『いにしえの あめつちうひの き はなきに きさしわかるる あうのめを』ホ2
『およへともよほ つきこなく みちおとろひて わいためな』ホ2
『ひめみこうめと つきこなく たのしなきとて』ホ4
『よのくまなせは ははのみに すてところなき よのくまお』ホ5
『うるわしや われそのちゐも うみてあやまち なきことお まもる』ホ5
『ひめないかしろ  ゐそくらと すへてみもなそ』ホ7
『あかつちみやに とつかんと いえとみ やなくホ7
『いわむろに いりてとさせは あめかした かかもあ やなしホ7
『そさのをか しわさはしむの むしなれと さかなくつつか な からんやわや』ホ7
『われもなし ゐつくしおもて かんかたち なかこすなおに かんちか ら』ホ8
『つはものぬしか たまかえし きよきまことの はなふりて みちにあ もなしホ8
『やともなく ちにさまよひて とかめやる』ホ9
『なもなくて あめおなくやと わかひこか ははやおいれは むねとほ り』ホ10
『とひてたかみの まへにおち けんけんもなく ちのははや』ホ10
『ともなれはこそ おちにとふ われおな きみに あやまつは』ホ10
『みるめあふかゐ ゆるはまお とえはなもなしホ11
『わかこつらつら みちゆかは ひつきのさかゑ あめつちと まさにき わなしホ11
『たとふれは しほのあちあり はからねは あちなしやけと しほなら す』ホ12
『いもをせは やもよろうちの わかちなく みなあめつちの のりそな ふ』ホ13
『つきはもとより ひかりなし ひかけおうけて つきのかけ めをもこ れなり』ホ13
『はらあしことは なかるへし はらやめぬまに たえにさとせよ』ホ13
『こすゑおもふに いましめの なけれはみたる』ホ13
『ほしにむさほる こころなく ゆききのみちも おほゑしる』ホ13
『まつりなけれは あまめくみ もれておつるそ』ホ13
『わかこのことく とりたてて みなたすときは ほしもなしホ13
『うらやむものか かむゆえに たまのをみたれ み やなくて すゑまもらぬお』ホ13
『ときにしほかま こ なきとて とえはかすかの をしゑには』ホ13
『たとえめあれと よつきなく ゑんとおもはは あくりしれ』ホ14
『ややうまるれと みひたしに ひとひもやすき こころなしホ14
『まねかはうえに あらはれて はたれやふれは さはりなしホ14
『わかうまれねに あかもなく あをうけうまれ ねはきよく』ホ15
『ををんかみ なんちさ かなし あひみすと まつりはなれて よるきます』ホ15
『よろきみも ひとりいのちの かわりなしホ15
『をのこなけれは かしまきみ かとりのみやに ゆきいたる』ホ16
『しろすことくに ひひめあり つきこなけれは かすかとの』ホ16
『たまこつむ やすきひもなく みつおこひ あるはすおこひ』ホ16
『てれはめすとも いくたひも おそれてのちは うらみなし つつしみ はこれ』ホ16
『みのはなも ひともうつれは ちるはなそ たれさしうらむ ひともなしホ16
『そのひとは またたちもたす つゑうたす ひとうちころす ゆえもなしホ16
『たもをしも ちなきのたらよ かんかみて たすくるたみは このこと く』ホ17
『とみたみこまこ へたてなく ゐつくめくまん おもひなり』ホ17
『あらはにつとめ うらやすむ なかにひとりは う らなくて』ホ17
『うつほはあまの こころはの つねにめくれと みゑなくて』ホ17
『あおひとくさの ことことく あめのみをやの たまものと まもらぬはなしホ17
なすことなくて  かなしきは よそはよろこふ しむのはち くやめとかえぬ』ホ17
『ひとにおけらは か きりなし なかくつちかふ をしゑなすへき』ホ17
『みやひより むねにとほれは あやしなく みおをさむれと』ホ17
『みやひなけれは みもかるる かれていろほし なんのためそや』ホ17
『このみつに つけあらはれて ををやけの つみまぬかるる ところなしホ17
『ふたかみの うきはしにたち このしたに くになからんと』ホ18
『たとひとふとも のるひとの ゆくりなけれは あえとはす』ホ191
『くつはみの はにゆふはしお まてにもつ あたはしりなき ひとぬき ま』ホ192
『いまはるなれは にしのそら たみつかれなし よしよしと みことさ たまる』ホ20
『つくろひなりて またもとす これかりうつし さわりなしホ21
『わかたみお ゆえなくとかむ たみはたお こやしそろうゆ』ホ21
『このかみの つねにめくりて まもるゆえ ひみつのわさの さわりなしホ22
『さわりなけれは をさまりて かくつちかみと はにやすめ』ホ22
『ひみつのみつの たからおの すさみなけれは いさきよく』ホ22
『くにとこたちの よにはまた ほこなきゆえは すなほにて』ホ23
『かねりにほこお つくらせて ときものきれは よつきなしホ23
『あめのかみ つきなくまつり つきんとす かれいさなきに のたまふ は』ホ23
『つみあるものお かれといふ なきはいきなり』ホ23
『たとゑははやし きりひらき たくにこたまの なきことく』ホ23
『きはきのかれて おもひなし かれにつるきと なつくなり』ホ23
『ゐつあさまみね やまたかく みつうみふかく ならひなしホ24
『むめさくら うはなとかわり あやしめは きみにつくれと かえなくて』ホ24
『ひめうらみ ふすまかふりて こたえなし かえことすれは』ホ24
『はけやまお とえはあれおさ あきといふ きのあるなにて なきいか ん』ホ25
『とはちおとられ よ しなくて にいちもとめは ゑはうけす』ホ25
『たちおちに ひとみにもれと なおいかり さ わなきもとの ちおはたる』ホ25
『くちめかつりも よ しなしや あかめひとりは めなしあみ』ホ25
『みやいかり み ちなくわれお なせのろふ ゑにはおとから のほるはす』ホ25
『はらはひに よそひなけれは とほそひく おとにねさめて はつかし や』ホ26
『さきにみこなく かくやまか あめみちひめお ゑゑなして』ホ27
『あまつひつきの さかゑんは あめつちくれと き わめなきかな』ホ27
『あめつちの かみもくたれは みをやかみ よよのみをやの つきこなしホ27
『ときにおしくも なあてなし こやねふとまに うらなえは』ホ27
『おちなくて ふれたつぬれは これのさき かもたけすみと いそより と』ホ27
『こはちちもなく かみなりそ ちちかなけれは いみな せす』ホ27
『あのみちまもる ひともなし もろともほむる かみもなしホ27
『なもいさなきと いさなみの あめふたかみの みこなきお』ホ28
『みかさやしろの たまかえし くにをさまれは かれもなしホ28
『くにくにめくり まさかきの ふたゑみゑとゑ かつてなくホ28
『あるしとふ すすなえありや かつてなし ておむなしくす』ホ28
『さるたうけとり とわんとす はやめおとちて こたえなしホ28
『みをやすへらき みこなきお おしくもいのる そのふみお こえとさ つけす』
つつかなく ゆくあらさかに いそらなす にし きとこはみ をえはけは』
ホ29
『いなむとこなき あめのつみ おのかくるりに まかるなり』ホ29
『いまはなきゆえ そのつかひ よりてはかれは みないわく』ホ30
『ふそよとし きみよつきなし くめかこの いすきよりひめ おしもめ に』ホ31
やわなきお  おつてといえは みこもさる ことめかつくる くしみかた』ホ31
『すめみこやゐに のたまふは ゑとのたかひに きしらふは あつくひとな し』ホ31
『わかみやの もはいりよそや ほきもなし いさかわみそき みやにい て』ホ31
『われむかしこの ゑおみれと あ てなてたかく これおすつ』ホ32
『いわくいせには めとつきて うみのをやなし むかしおは めい』ホ32
『こたえてわれは くにつかみ おおものぬしそ きみまつる ことしるしなしホ33
『うたすみさかも おおさかも かわせさかみお のこりなくホ33
『やくもたつ いつもたけるか はけるたち つつらさわまき あわれさひなしホ34
『きみうまれつき たたなおく こころほつまに おこりなくホ35
『ひもかたな せ んかたなくも そてうちに かくしいさめの せみなつき』ホ35
『これおふみはる わかちから よにくらへんと もとむれと なくてま かるや』ホ35
『これゑんと はるかにゆきし とこよとは かみのかくれの およひなきホ37
『やまへこひたり みつなきお あめにいのれは いわかとに しみつわ きてる』ホ38
『あそつひこ あそつひめあり きみなんそ ひとなきやとは』ホ38
『いそみやに ひらきしつかに ひのかみお まつれはなかく う まなくそ』ホ38
『にしはことな く たたきひの あなとなみはの かしはたり』ホ38
『ときやまとたけ おたけひて にしむけま なく またひかし』ホ39
『われきくゑみし むねしのき あれおさもなく むらきみら あひおか しえる』ホ39
『なんちよよ きみなくこよみ いつれそや こたえていせと』ホ39
『つるきときおき かろんして いたるかみちに にきてなくホ40
『きつおむけ ことなれはみお ほろほせる かれらやすます ひもなきと』ホ40
『まてにはへりて たすけしに ほつまおうたす ひとなきお』ホ40
『こはそもなんの わさはひそ ゆくりもなくて あからめす』ホ40
『みもろにおけは ほ ともなく きおきりたみお さまたける』ホ40
『きみのたまわく ゑみしらは ひとこころなく おきかたし』ホ40
『ゐそみほほつみ みことのり かえりおもえは やむひなしホ40
『いわくをやこの ゆくりな ふ わかれあわねは わすられす』ホ40
『さわりなかれと  もてあそふ さるたのかみの なにしあふ』ホ40
はかりな き ひとくさわかれ たうときも みこともひこも なるみちお』ミ1
『よかひちの かたおもちいて みおをさむ めくみしらねは かたちなしミ1
『むねはたかまの はらまても ちきたかしりて さわりなしミ8
『まもらぬは なきとしるへし このゆえに ふたかみおほす ねこえみ ち』ミ10
『かわりなけれは としよりて そのたのしあり』ミ逸
『ふにぬうは めなきもみはの むめのはな さすらやまひも ふにそぬ ひける』フ ふぬう
『ふのつるは とみもよひなき とりゑなみ たつはなやかの ゐもやつ くらん』フ ふつる
『をのむくは ほことかかみお あらかしめ むかうあたなく たたにを さまる』フ をむく

 
なす(退す)」+「し(形容詞語尾)」の 合成。

派生語:「むなし(空し)

 
 

【無し】
離れるさま。退いたさま。空き。

『しきあかた あなしう をかみ をしてそえ すゑてうつしひ かんをちそ』ホ8
『やとせふるまて かえらねは な なしのききす といくたす』ホ10
めなしか たあみ かもにいれ うたふたつけて きみものせ』ホ25

 
なす(退す)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる・退く・空く」などの意。

派生語:「あなし(阿無し・穴師)」 「ななし(名無し)」

  

11/03/22

  

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