【(合つ・和つ・纏つ)・交づ・混づ・待つ】
A: 合う/合わす。(心を)合わす。期待する。(何かに)備える。留まる。保つ。匹敵・対応する。直す。
『よろこひかえす きしゐくに あひのまゑみや たまつみや つくれはやすむ』ホ1 『きしいこそ つまおみきわに ことのねの とこにわきみお まつそこいしき』ホ1 『まちたまえ のちかえさんと もちかえり たかまにいたり もろにとふ』ホ1 『かならすまてよ ときありと むへねんころに さとされて』ホ7 『やまのさすきに やしほりの さけおかもして まちたまふ』ホ9 『かねてほつまと ひたかみの さかいにてまつ ふつぬしか』ホ11 『ゑゑこはたのめ をしゑとの てもともまつの しもとつゑ』ホ17 『かみはやわして みことのり しはしこころお しつめまて』ホ17 『あまのさかほこ さけなから いりてしつかに ときおまつ』ホ23 『うかわかりやに みあえして あひまつなかた さるたひこ』ホ24 『ひもくれて はゑはゆつりは しきもして いねもせてまつ』ホ25 『あかめはくちに もとちゑて たいおいけすに まつへしと』ホ25 『みやうかかひて わかちそと いいつつたつお そてひかえ まちちといえは』ホ25 『かとまつはゑは ゆつりはも はるしきかさる もとおりや』ホ25 『かもおして きたつにゆかん わかために うふやおなして まちたまえ』ホ26 『かわあいの くにたまわりて たにおいて むろつにかめの むかいまつ』ホ26 『かかんのんてん ときまちて みちあらわせよ』ホ28 『みもろにいりて ときまつも みちおとろはは またいてて をこさんためや』ホ28 『もゐそよほ ゑそしらたつの たけにまつ いまかみとなる むなしさよ』ホ28 『すわさかおりの たけひてる みあえしてまつ やまのほり』ホ32 『のちふりね かえてゐいりね せめいわく いくかもまたて なとおそる』ホ34 『あらみたま やよろほまちし かんたから あまつひつきの さかほこき』ホ36 『うつくしきすす わいきたち かかんのんてん ときまちて みちあらわせと』ホ36 『おほろけの ものならすかれ こにもゑす そのぬしおまつ』ホ36 『まてはなんちは たれひとそ すへらきのこの こうすなり』ホ38 『かとりときひこ ひてひこと いきすおとひこ かねてまつ』ホ39 『つまみやすひめ みやこより おくりてちちか ゐゑにまつ』ホ40 『おつのひとまつ これむかし ほつまくたりの みあえとき』ホ40 『かけはしお のほりかすみの たのしみお くもゐにまつと ひとにこたえん』ホ40 『しのひてあたに いらしめは あけくれかえる ひおまつに』ホ40 『きみまちかたに わかきける おすひのすそに つきたたなんよ』ホ40 『いたたきさきに いりまちて みまえにそなえ もふさくは』ホ40 『まちおれと よらてゆきます ちちくやみ いままたきます きみのかみ』ホ40 『むへうけたまえ ありつよの あひちたにまつ きみかひるめし』ホ40 『へのやまは きさきみさほの さわまちて まつもおえれは あいもののやま』フへやま 『もちりなる はなはよつきの たねまてと わさもうすくて もめやちるらん』フもちり |
変態:「むす(産す・結す)」「むつ(睦つ)」「めす(召す)」「めつ(愛づ)」「もつ(持つ・用つ)」「もす(模す)」
派生語:「まこと(真)」「まと(和)」「あまつ(和つ)」「まて(真手)」「また(股)」「てまつ(出待つ)」「ちまた(岐)」「まち(襠・町)」「またいらふ(交た弄う)」「まとふ(纏う)」「まつる(纏る)」
【(離つ・放つ・撒つ・曲つ)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
変態:「ます(申す)」「もつ(悖つ)」「もつ(捩つ)」
派生語:「あやまつ(誤つ)」「また(岐)」「ちまた(岐)」「まとふ(惑う)」「はまつ(放つ)」「まちまち(区区)」
【(回つ・廻つ・丸つ】
C: 回る/回す。行き来する/させる。丸まる/丸める。
変態:「もつ(戻つ)」
派生語:「また(亦・復)」「まと(窓)」
【詣つ・(増つ・全つ・茂つ・燃つ・先つ)】
D:
正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・先行する・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」
『むかしみちのく つくさねは ここにまつとて さつけまし』ホ6 『つくはうし ほしおさるには みなすてて たのしみまつや』ホ13 『これここなしの ときまちて かるるにほひも』ホ15 『あかはなま あたかくのほり あなるひの わかはねるまつ』ミ10 『へのやまは きさきみさほの さわまちて まつもおえれは あいもののやま』フへやま |
変態:「ます(増す)」「みつ(満つ)」「むす(蒸す)」「めつ(愛づ)」「もす(茂す・燃す)」「まふつ(詣づ)」
派生語:「まと(円・全)」「あまつ(上つ)」「また(未だ)」「たちまち(忽ち)」「かまと(竃)」「みかまと(竈)」「まて(詣で・迄)」「またく(跨ぐ)」
【(拙つ・貧つ・没つ)】
E:
負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」
変態:「みす(惨す)」「もつ(没つ)」
派生語:「まつし(貧し)」
【(先づ)・先ず】
1.先んじるさま。優先するさま。
2.優勢なさま。大方。おおよそ。だいたい。
『めかみまつ のみてすすむる のちをかみ のみてましわる とこのみき』ホ2 『ことさかのをか みちきけは とこみきはまつ めかのみて のちをにすすむ』ホ4 『てにとるときに ゆひやふれ まつはせかえり あめにつく』ホ8 『をまつのほりて あめとなり めはのちくたり くにとろの』ホ16 『ひのみたま まつこもりくの みはしらに むかひたにゐて めをまねき』ホ16 『をまつめくりて めおつつむ めかせはまりて はゑいつる』ホ16 『のちうくるひの ましわりは めまつめくりて をおつつむ をはしちならす』ホ16 『まつひめかみと はかりいふ ゆえにこやねも よよのりと はつはひめきみ』ホ16 『まつしるむまの うまれつき あらましとかん』ホ192 『ここにゐて たおひらかんと まつたつる なもにはりみや』ホ21 『まつそまおして きおきるは きやゑのひよし ておのそめ』ホ21 『まつかんさきの おおゐほり まなゐにいたり ぬさおさめ』ホ24 『きみまつはかる なおよしと かこしまみやに うつります』ホ25 『きかやふみむけ てかしわの いくさまつかつ ならさかそ』ホ34 『あにまつあかり おとかたち はけはおとろき ゐいりねも』ホ34 『きさきまつ みこいたかせて しろおこえ きみにもふさく』ホ35 『まつはおならし すきはしら むねおかつらに ゆひあわせ』ミ8 『はさらのたみよ まさにしれ まつひきのりは はおならし』ミ8 『ほのかみきねに なめうけて はのふめもりて あふみまつ』ミ7 |
「まつ(先つ)」の名詞化。
ここでは「D:正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・先んじる・至る」などの意。
【(曲)・松】
曲るさま。曲る木。
●<「まつ(和つ)」の意にかけて> 「直す」の物実として杖の材に用いる。
『そひらにしける まつかやの なかにやまたの おろちゐて』ホ9 『みうちにはへる かすかまろ かたまおすえて まつのかけ』ホ11 『こおもたは しかときくへら あらたけの まつはねしけて わたかまる』ホ17 『こおひたすのり くせまつお ひきうゑあらこ つちかえは なおきとなるそ』ホ17 『まつふしこふと わたかまり ちよおふるとも ましならす』ホ17 『ゑゑこはたのめ をしゑとの てもともまつの しもとつゑ』ホ17 『これまつかやの にへなるそ みやひなけれは みもかるる』ホ17 『かとまつはゑは ゆつりはも はるしきかさる もとおりや』ホ25 『かれまつはらに うふやふく むねあわぬまに かもつきて』ホ26 『かふへのみこふ まつのきみ せいひたけゐた やそちから いさみはけしく』ホ34 『このはしたては かさぬいの ゑよりみやつの まつにくも たなひきわたす』ホ36 『おつのひとまつ これむかし ほつまくたりの みあえとき』ホ40 『ときおくつるき まつのねに おきわすれしか なからえり かれにあけうた』ホ40 『おわすれと たたにむかえる ひとつまつ あはれひとまつ』ホ40 |
「まつ(曲つ)」の名詞化。
反対語:「すき(杉)」
【(燃)】
正の方向に離れるさま。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・至る・化ける」さま
『やすかわの やみにおとろく おもいかね たひまつにはせ』ホ7 |
「まつ(燃つ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
【全・真】
正の方向に離れるさま。至り。極み。
『まつくらのあは かのうれひ ひるのひのあは ににみつる』ホ21 |
「まつ(全つ・満つ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
【末】
正の方向に離れるさま。 満了。完成。至り。終わり。
『はなたちはなか さつきまつ よはにうむこに みことのり』ホ37 |
「まつ(全つ・満つ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
12/02/21
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