われ  ワレ  ware

  

【我・吾】
(話し手と)同じ人。当人。

われもみゆきの ふねにあり かせはけしくて なみたつお』ホ1
『まことなお ゐみなとたたゑ あねにみつ われはよつなり これいかん』ホ4
『うるわしや われそのちゐも うみてあやまち なきことお まもる』ホ5
われよくしれり ともおこゑ ちからおかして ははかあけ』ホ7
われけかれなは ひめおゑて ともはちみんと ちかいさる』ホ7
われもなし ゐつくしおもて かんかたち なかこすなおに かんちから』ホ8
『はたれかみ すすみていわく さきふたり われにかえせよ』ホ8
『かれのんてんも あにきかす ひつきとわれは あわもてらすさ』ホ8
『おもいおもえは はたれとは おこるこころの われからと』ホ9
われおたすけて ひとみちに ますひとうたは まめなりと』ホ9
『ともなれはこそ おちにとふ われおなきみに あやまつは』ホ10
『あにたたひとり ふつぬしか まさりてわれは まさらんや』ホ10
『みほこりて あさむくみちお ならさんと われらつかふそ』ホ10
われすすかにて たらちねに ほろろなけとも ちのたゐそ』ホ10
『おそれてにくる しなのうみ すわといふとき かしこみて われおたすけよ』ホ10
『わかこさりにき われもさる いまわれさらは たれかまた』ホ10
『なおもおもゑよ たからもの みることわれお みることく』ホ11
われふたかみの みちおなす わかこつらつら みちゆかは』ホ11
『かみはいもせの みちひらく われはかすかに これうけん』ホ13
『かすかとく むかしとよけの みことのり われみよおしる』ホ13
われむかし ひのわにありて てらせとも ひとみおうけす みちひかす』ホ14
われみるすすき ちゑよたひ わかみもことし ふそよよろ』ホ15
われねかわくは かんつきみ はしかけなして たまわんや』ホ16
『いまそのきみの ことなさは われももふける このことく』ホ16
われひめみこお まふけらん たちからわこお まねかんな』ホ16
『こもりまた これはかつてか よくしれり われかえるのち くたすへし』ホ16
われはあかこの みちうけて ひとなるかえの いしつつお すすめうやまふ』ホ16
『おとろきわれは みちのおと こやねのをやも わかをやと かえものうけす』ホ16
われはのちやに ふつぬしと ひたちおひなし さつけんと』ホ16
われきくいにし かみのやは むのたみめより むろやたつ』ホ17
われみるに をさまるみよは なのきこゑ ひとのこころは およそこし』ホ17
われみるに よしわろめてつ たのしみて ひとのなかこも ひとふたり』ホ17
われひとふりお つねみるに ふつくことなる くにかみの』ホ17
われみるに ひとのみやひは なさけゑた あめよりさつく たまとしゐ』ホ17
『それこころみに わさおなせ われはやのそく みやひあり』ホ17
『きみあやからは われおらす あかねほのほに つみすとも』ホ20
われもこと たてんとよもお めくるうち よきのおゑたり』ホ21
『をたふせす にわやけかれお われにたす ゆえにとかむる』ホ21
『これなんち もりはなるるお われこふて またもりとなす』ホ21
われはとのちに をさむゆえ おみもとみなり そのゆえは』ホ23
われみるに ひといはかわる おこりかち へりにはかたく』ホ23
われつねに そふよみおきる つきのかす もはそのかたは』ホ23
『またたらすわれ ふたかみの たまふさかほこ さいわひに』ホ23
『こやねまた なふかおそれそ うけたまえ われわかけれと』ホ23
『うすめまたとふ いつれから ゆくやこたえて われゆかん』ホ24
『きみはつくしの たかちほそ われはいせのさ なかたかわ』ホ24
『なんちわかなお あらわさは われもいたさん かえことす』ホ24
『おおちおとろき われたとひ あらたなすとも これしらす』ホ24
われさきに はなおかさして かけとほる これゑなのあや いみななす』ホ24
『みこふたかたに みことのり われよはひおい ひたるゆえ』ホ24
『ゆめにたいきて われうおの よしなきために くちささく われはみけにと』ホ25
『みやいかり みちなくわれお なせのろふ ゑにはおとから のほるはす』ホ25
『なんちたすけよ われなかく おとのこまして かてうけん』ホ25
『きみはつくしの かみあつめ われつまいれん もろいかん』ホ25
『ちちめすときは さはかなり われはおおわに ひめはかも あとにおくれと』ホ26
われむかし あめのみちゑる かくのふみ みをやもあみお』ホ27
『ときにあまきみ われおもふ そみすすをいて たねあらし』ホ27
『ひめこたえ なにものなれは おとさんや われはかみのこ なんちはと』ホ27
われあれはこそ なんちその おおよそになす いたはりそ』ホ27
『おおなむちとふ なんちたそ われはなんちの さきみたま くしゐわさたま』ホ27
われつらつらと おもみれは ひとくさのみけ しけるゆえ』ホ27
『やもかみお めしてわれよお いなまんと さるたにあなお ほらしむる』ホ28
『もろおとろきて ととむれは いやとよわれは たみのため にかきおはみて』ホ28
『うえにある われはかんむり ひとくさは みみちかきをそ』ホ28
『ともにゐこころ まもるへし われはとよけと をせおもる ゐせのみちなり』ホ28
『かみおみやこに ととむへし われもまもらん これなりと』ホ28
『ふそむのすすお われうゑて のちのふそゐも みことのり うけめくりうゆ』ホ28
われはとみなり きみうゆる あまのまさかき いかにせん われはのとこと』ホ28
『むかしつかえて みかかみお たまえはわれら たのとみそ』ホ28
『みこしあくれは さるたひこ われつねにこふ たまかえし』ホ28
『おゐゑとふたゑ ひふみあり いまわれひとり うけさると ちちにそくやむ』ホ28
『さをしかやれは みここたえ くらとかわさは われしらす』ホ28
『なかすねか われおたつれは いちさわく かれにはらみの みこふれて』ホ28
われはひのまこ ひにむかふ あめにさかえは しりそきて』ホ29
『おとしきおちて かたちかえ かみのいとうに われおそる』ホ29
『なそむとし むつきのもちに みことのり われすてにをひ』ホ31
『あにかこはみて おくりせす われらまねくも いつわりそ これはからんと』ホ31
われいらは なんちゐよとて むろのとお つきあけいれは』ホ31
『はつきはつひに みことのり われきくむかし おおなむち ことなすときに』ホ31
『みもろかみ われあれはこそ おおよその ことなさしむる さきみたま』ホ31
われいまみつこ うむにつき ほのかにきけは みつこおは』ホ32
われむかしこの ゑおみれと あてなてたかく これおすつ』ホ32
『きみとふて かくおしゆるは たれかみそ こたえてわれは』ホ33
『ゆあひして すかにいのりて つけもふす われうやまえと うけさるや』ホ33
われはこれ おおものぬしの かみなるか きみなうれひそ』ホ33
われはうた うたふのみとて きえうせぬ むなさわきして たちかえりけり』ホ33
われきくつまの あたひめか かくやまはにお ひれにいれ』ホ34
『こといちしるし われあした くしけにいらん わかすかた なおとろきそ』ホ34
『あまつひつきお われつきて あめのおふひも やすからす』ホ34
『そのこたえ われはからくに きみのみこ つのかあらしと』ホ34
『ゐつつひこ とみにいわくは このくにの きみはわれなり ここにおれ』ホ34
『ねかはくは われとなんちと みよふまは やすきまくらや たもたんそ』ホ35
われたとひ よにあるとても しむかれて なにおもしろと』ホ35
『あにかつみ のかれんために われいれと ともにつみある ことおしる』ホ35
われむかし かみのたまもの さこくしろ うちみやにいれ』ホ36
『よのなかに ものおもふひとの ありといふは われおたのまぬ ひとにそありける』ホ37
『ももかもふてて きたりませ われはからんと ゆくきふね たたねこかうた』ホ37
『にしきみこ いもとにいわく われをひぬ みたからもれよ』ホ37
『やそやふみそか みことのり われきくむかし しらきみこ』ホ37
われきくくまそ ゑあつかや おとせかやとて ひとのかみ』ホ38
『やまとひめ ことしももやつ よろこひて よはひいたれは われたりぬ』ホ38
われはこれ くにのつわもの もろひとも われにはすきす したかえり』ホ38
われきくゑみし むねしのき あれおさもなく むらきみら あひおかしえる』ホ39
『いまわれおもふ いましこそ すかたきらしく ももちから』ホ39
われくらく むけさるみよお つかしめて たえさらしむる なんちこそ』ホ39
われきみのため たつとなり ふねまもらんと うみにいる』ホ39
『そのときくにお たまわりて そよのはつこの われまては よそのたうけす』ホ39
『おりあわせめに けりもあり きみとわれとは つつきけり』ホ39
『ふみとめて きみいわくわれ きつおむけ ことなれはみお ほろほせる』ホ40
『なんちはたれそ われはこれ いさすへらきの このこうす』ホ40
『たけるかいわく やまとには われにたけたは みこはかり』ホ40
『かみのつけ われはいやしき ひかわかみ もとにかえると』ホ40
『かかみとみ ふもとやしろの ふみささく われもあくれは みことのり』ミ序
『こころあり たつねきたらは われあひて そのみちのくお かたるへし』ミ1
『いまわれうめる たらちねの さきのみをやも ことことく あめのたねなり』ミ1
『これむかし すくなひこより をおなむち われにさつけり』ミ4
『これたまきねに われきくは あめつちいまた ならさるに』ミ6
『あわのうた われもうたえは もろひとの におうまんとて』ミ10
『おこなひゐたる このすえに われうけつきて むすふてに』ミ10
『いまよりむちの ことなさは われももふけの このことし』ミ逸

 
わる(合る・在る)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・当たる・相当する」などの意。

変態:「あれ(吾・我)」「おれ(俺)」「うら(己)」「おのれ(己)」「おの(己)」「わい(私)」「わて(私)」「あて(私)」
派生語:「われら(我等)」
独り言:「I」

 
 

【合・和・間/割】
釣合う所。中間。狭間。

『みきさきと なりてうむみこ かんやまと いはわれひこの みことなり』ホ27

 
わる(合る/割る)」の名詞化。
ここでは「A: 合う・収まる・釣合う・匹敵する」、裏を返して「B: 離す・分ける」などの意。

変態:「あひ(間)」「はさま(狭間)」

 
 

【割れ・破れ】
破綻。破壊。

『ものきにの のりはおろかに あらためす もとおをこせは われもきにけり』フもきに

 
わる(割る/破る)」の名詞化。
ここでは「B: 離れる・分れる・曲る」、また「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」などの意。

変態:「あれ(粗)」「あら(粗)」「おり(下り)」「あめ(雨)」「おれ(折れ)」「やれ(破れ)

  

10/09/11

  

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