あら  アラ  ara

  

【改・新】
(原点・白紙に)還るさま。改まるさま。

『うさのみやゐお あらためて もちこはやこは あらつほねホ7
『よよあらしほの やもあひに ひたせとさひぬ かんかかみ』ホ8
『おささすり あらさねたける これうんつ あなとるすりら ねしけます』ホ17
『おおちおとろき われたとひ あらたなすとも これしらす』ホ24

 
ある(改る・新る)」の名詞化。
ここでは「C: 回る・還る・戻る」などの意。

類語:「にい(新)」「さら(更)」「いま(今)
派生語:「あらしほ(荒潮)

 
 

【粗・(汚・穢・愚)】
負の方向に離れるさま。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」さま

あらかねの つちにおちたる さすらをの』ホ9
『やまにうつほの とほりなる あらかねのあわ すすなまり』
ホ15
『のりうしけれは うしとして たのあらすきや にもつもの』ホ18
『つつかなく ゆくあらさかに いそらなす にしきとこはみ をえはけは』ホ29
『ややをゑされと とおつくに あらひとのりお またむけす』ホ33
『はつきはしめは ふためさく あらしくさふす』ミ9

 
ある(粗る)」の名詞化。
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。

変態:「あれ(粗)」「おゑ(汚穢)」「いわ(汚穢)」「あお(穢汚)おれ(折れ)」「やれ(破れ)」「われ(破れ)おり(滓)」「おろ(愚)」「わら(藁)

 
 

【荒】
正の方向に離れるさま。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」さま

『こおもたは しかときくへら あらたけの まつはねしけて わたかまる』ホ17
『にふきこは そのあらかせに ふきうたれ いたみしのへは なおからす』ホ17

 ● 陽。

『あもとにまねく あらみたま つきのにこたま たらのほと』ホ16

 
ある(荒る)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。またこれは陽陰の精製過程で、軽くて上って天となった「を(陽)」の属性を表す。

 
 

【(主・央)】
回帰する所。基。本。中心。ホーム。

『あがたもり さともるひこも それたけの むろもあらかも おなかなり』ホ13
『わかにいはりの あらやたつ なかつはしらの ねおかかえ』ホ21

 
ある(主る)」の名詞化。
ここでは「C: 回る・還る・回帰する」などの意。

派生語:「あらか(主家)」「あらや(主屋)
関連語:「あるし(主)

 
 

【あら】(感嘆の声)
行き着いて。至って。甚く。ああ。

あらけからしや はらたちと もやきりふせる あおはかり』ホ10

 
ある(荒る)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る・超える」などの意。

変態:「あな」「いさ」「いた」「いと」「ふつ」「わな

  

12/02/09

  

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